フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

お菓子のワールドカップINリヨン(前編)

先週末から今週の半ばにかけての5日間、リヨンでは2年に1度の外食産業の見本市SIRHA(シラ)が開催されました。リヨン市郊外の会場は13万平方メートル、5日間での入場者は19万人、出展企業は3000以上という巨大な規模です。
見本市では毎日、食に関係ある職業の色んなコンクールが催され、中でも目玉は料理人のコンクール「ボキューズ・ドール」とお菓子職人のコンクール「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」です。
わたしが今回日本のジャーナリストさん達のアシストで見学したのは後者、いわゆるお菓子のワールドカップです。


ジャーナリストさん達の泊まるリヨンの市内のホテルに合流してから郊外の会場、ユーロエキスポへ。開場後間もないというのにもう結構な人出です。日中の最高気温でもマイナス2、3度という寒さに日本の方たちは震えあがっておられました。


とりあえずは、コーヒーです(^^; ネスプレッソのVIPスタンドにて。
今回ご案内させていただいたお菓子研究家Oさんと。


コンクールを間近に見られるプレス席です。後ろは応援席ですがここでもVIPゾーンなので、見本市への入場者の大半はアクセスすることはできません。そして見本市自体、外食のプロ向けなのでそれ以外の職業の人は、外食関係の仕事をしている知り合いとかから招待券を分けてもらうなどしないと会場内にさえ入られないという、案外閉ざされた空間なのです。
確かに物見遊山で一般の市民がドッと押し寄せたら(…( ゚д゚)ハッ!わたし…?)商談に来ているプロの人たちはたまったものじゃないですもんね・・・


応援席の一部は辻調理師専門学校リヨン校の学生さんたち。1年の予定で留学されています。


参加国は21か国で1日目2日目と半々で競います。日本もフランスも1日目。強豪と言われるこの2国が同じ日に出るのは実はとても珍しいです。
各国3人チームです。
日本からは目の前で氷細工を製作中でアイスケーキも担当するのは「クラブ・ハリエ」山本隆夫氏、飴細工とチョコレート菓子担当の駒居崇宏氏は「アンリ・シャルパンティエ」から、チョコレート細工と皿盛りデザート担当は森永製菓の植﨑義明氏。皆さん各分野の熾烈な国内予選を勝ち上がってきた勇者たちです。


そして参加各国にはコーチ兼審査員。日本からはかつての大会入賞者で有名パティシエの寺井則彦氏(エーグル・ドゥース)。右から二人目がそうです。技術はもちろん、その人柄からも世界のパティシエから敬愛されているのをよく目の当たりにします。フランス語も流暢に話されます。


大会の実行委員は全員がMOF(フランス国家最優秀職人賞)受賞のパティシエ。その多くがかつての大会メダル受賞者です。正にパティシエのためのパティシエによるコンクールです。
テイスティング用にケーキを切るのはリヨン市内に店を構えるアラン・ロランシー氏と昨夏からパリの超高級ホテル、プラザ・アテネのシェフパティシエを務めるアンジェロ・ミュサ氏。以前は日本にもあるパリの有名店「パティスリー・デ・レーヴ」のシェフをされていました。


フランスのコーチ兼審査員はパリのヴァンドーム広場に店を構える老舗お惣菜店「ポテル&シャルボ」のシェフ・パティシエ。フランスチームの3人のうちひとりがこの店のパティシエです。


日本にも店を出してるジュラのショコラチエ、イルサンジェ氏も大会を手伝っておられました。東京の店には行ったことがありませんが(日本ではとても高いらしい…)、ジュラのアルボアという町の本店には年に2、3度は行きます。わたしの大好きなチョコレート屋さんのひとつです。


さて、お昼に小休憩があります(さすがに)。わたしとOさんはプレスルームへ簡単なお昼をつまみに。
地元の惣菜店ピニョールのものでしたが普通。ワインはおいしかったです。


山本氏の作品、楽器(チェロ?)を演奏するカエルに注目が集まります。毎回のことながら日本の氷細工、飴細工、チョコレート細工はどれも高レベル。


日本の飴細工とチョコレート細工を対にしたもの。シェフたちはもちろん、世界中から訪れたジャーナリストたちも前に集まり気味でした。


艶も細部も完璧ですね~ 
テーマは「Frog Jazz」らしいです。ミスマッチ的にバラの花が添えられているのは、大会の規定にバラとか蘭とかそういう花のひとつを取り入れなければならない、というのがあるためです。


こちら、フランスの作品。テーマは「ロック」!!動きがあります。
写真を撮りそこなったので、ネットで拾ってきた画像です(わたしのブログでは初めてのことなのですが)。


各国の3種類のお菓子(チョコレートのアントルメ、アイスケーキ、皿盛りデザート)のテイスティングとピエスモンテ(チョコレート、飴、氷)が出来上がったところで1日目終了です。選手たちは一般開場時間よりずっと前の6時にコンクールを開始していたそうです。
そして、3種類×10か国のお菓子をテイスティングした審査員の人たちも大変です(^^;


一度タクシーでホテルまで戻った後、夕食の会場に向かいます。
今晩はネスプレッソのテーマ・ディナーというべき「アトリエ・ネスプレッソ」に招待されています。


ホテルにはネスプレッソから黒塗りタクシーが2台送り込まれ、分乗してリヨン9区はひと昔前まで工場街だった、今は寂れた地区に連れてこられました。
怪しい真っ黒な建物の前にこれまた黒服が待機していてわたし達が車から降りるとスッと扉を開けてくれました。


おおっ、中は明るいです。


すぐにシャンパーニュをサーヴィスされます。


中はネスプレッソ博物館か美術館のようです。


なんとここは今も機能している今となっては数少ない絹織物の染色工房でした。今回シラに合わせてネスプレッソが5日間借り切って毎日(というか晩)50人ちょっとの招待客にアトリエ(いろいろ新製品などを実験を交えて楽しく宣伝してくれます)を開催、そしてディナーをふるまうのです。
ウロウロ見ていると、出来上がった商品の棚にはKENZOに納入予定のものなどもありました。


リヨンはフランソワ1世の時代(16世紀)以降、絹織物で栄えた町なのです。郊外にはエルメスのスカーフを染める工房もあります。
飾られている織物は、よく見るとなんとネスプレッソのコーヒーカプセルをデザインしたものです。



お腹が空いてきて、どうせ買うつもりもない( ̄▽ ̄;)ネスプレッソの新作の説明なんて上の空で、早く何か食わせろ~とそればかり考えてました。


8時過ぎ。よ~うやくディナーの場所に連れてこられました。


おお・・なんとも素敵なコーディネートがされていますΣ(゚Д゚)


ドキドキ・・何を食べさせてもらえるんだろ~


ああっ。お腹が空いているのに今日料理をするシェフたちの紹介とか始まってしまいました(;´Д`)
料理を担当するのはパリのミシュランふたつ星レストラン「ガブリエル」のジェローム・バンクテルシェフ。お菓子はリヨンのセバスチャン・ブイエ。日本にも新宿伊勢丹などに店があります。そしてソムリエは近場アン県のミシュラン3つ星レストラン「ジョルジュ・ブラン」のMOF(国家最優秀職人賞)ソムリエであるファブリス・ソミエ氏。


まずは突き出しを準備中のシェフ。サバらしいです。


出てきましたが…大量のキャビアを乗せて。しかしなんとも微妙な。。わたしはコンブででも〆ててくれた方がよかったです(・_・;) まあね、こんな簡易調理台みたいなところじゃ実力出せないわよね、とOさんと意見を交わしました。


こちらはとても美味しかったです。菊芋のグラッセにネスプレッソのコーヒーが隠し味に使われた泡泡のソース。


そして刻み海苔のように大量にふりかけられたのはトリュフ…
先ほどのキャビアといい量乗せときゃいいってもんじゃないのでは(⌒-⌒; )


超中途半端なところですが、今夜1時を過ぎてしまったのでもう寝ます。また週末の間に続きを書きます。

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