フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

スイスに近い方面に初遠征(前編)

いつもは全く行かないスイス方面のオート=サヴォア県にこのたび遠征してきました。
シャモニから20㎞ほどの地点にあるスキー場が今日のスノーシューでのハイキングへの出発地点となります。
どうして普段全然こちらに来ないかというと・・・
①全体的に遠いうえに高速の部分が長く、料金が高くなる
②インターナショナルな客(ハイキングもスキーも)やリッチ層も多く集まるためスノッブでお高くとまってるイメージがある
③行かないもんだからうちに地図がない💦
まあ、なにせ行き慣れてないから余計に腰が引けてしまうんでしょうね。


でも先週なぜか急にこっち方面に行きたくなり、早起きして日帰りでスノーシューをしに行きました。その数日前に歩いたボーフォータンからモンブランなどこちら側の山がきれいに見えたせいかもしれません。
あ、モンブランくらいならリヨンからでも見えますけど(^^;


地図がないとは言ってられないので買いましたよ・・・。


うちから2時間半かかりましたが、実に高速が2時間強。いつも行く辺りだと2時間の道のりでも高速は1時間前後。そう思うとやはり高速代高かったです・・2、3日間で来ないともとがとれません。


今日の出発地点は標高約1350mにある比較的小規模なスキー場。
スキーヤーだらけで騒がしそうだしゲレンデやリフトといった人工的なものが景観を壊してるというイメージがあり、できたらスキー場からの出発は避けたかったんですが、そこそこの標高まで冬でも道がいい状態なので来やすいというメリットもあります。


到着・・した感じだけど、ハイキングコースがどこから始まるのかまるで分からない。。それ以前に自分が地図上の一つ目の駐車場なのかふたつめの駐車場なのかさえ定かではない(;´Д`) 恐るべし、方向音痴~~ てか方向的なセンスのなさっていいましょうか。。
写真に写っている時間待ちしていたバスの運転手さんに聞いてとりあえず現在地を確認(^^;


あっ、山スキーヤーさんがやってきて準備をし始めました。今日わたしが歩くコースは主に山スキーヤー向けのコースなので彼らが行くほうに付いて行けば間違いありません。スノーシューできるところは反対側にもあるけれど、山スキーしておもしろそうなのはわたしが今日行こうと思っている方向だけなのです。
が、付いて行くつもりが彼らのほうが準備がずっと早くてわたしがもたもたしている間にさっさと出発してしまいました…(つд⊂)💦 
準備を整えて出発できたのは8時前でした。


仕方ない、もう誰もやって来ないので自分で探します・・・
今回大変だったのが、出発地点からして何の表示もなく、その続きもほとんど全く方向案内がなかったことです。それでも村や林道から始まるハイキングコースなら地図と見合わせて大体分かるものだけど、スキー場がわたしのハイキング地図とうまく重なりあわず予想外に手こずらされました。


唯一道っぽく開けていたゲレンデを登ったらすごい傾斜でした。。標高にして軽く200mは登ったと思います。これは登り切って少し進んだところ。
リフトでここまで登ってからスノーシューを始めることもできそうです。まだ時間が早かったので動いていませんでしたが。
が、ここからが道がな~い。。
リフトの点検のおじさんが来たので聞いてみたら「あんた随分高いところまで来ちゃってるよ。山スキーやスノーシューの人が通るところはもっとずっと下だよ」 .Σ( ̄ロ ̄lll)
必死こいて登ってきたのにその仕打ちですか。。


仕方ない・・・今せっかく上った分を下ります。初っ端からエネルギーをかなり無駄に使ってしまいました。。


下りた後も少しウロウロして、ようやく正しい道が見つかりました。最寄りの集落を示す看板もあります。しかし正式な黄色い行き先案内看板ではなくて手作りのものです。
地図にしっかり載っている道の割にはオフィシャルな黄色いハイキング客用看板がひとつも見当たらないのです。


森の中の道を歩いていてすれ違った山スキーの地元のおじさんと話して分かったことには、スキー場にハイキング用のいろいろな行き先案内看板があると、スキー客の一部は興味本位であちこち行ってしまうからだそうです。そんなことになると安全が保証しきれません。だからむしろ「ここからコース外」の表示はいくつも立っているものの、スキー場でスキーをする客に関係ない行き先案内看板は冬の間取り払われているようです。
・・・ここではっ!と気付きました。
へっぽこアルピニスタさんたちが牛岳に行けなかったのは同じ理由なのでは・・?
スキー場から出発したため、スキー客がそっちに行くのを防ぐため夏の間はあった案内表示が撤去されてしまっていたのではないでしょうか。リベンジできたみたいなのでよかったですが・・・。


はい。まあ気を取り直して歩き続けます。正しい道に入るのにおそらく1時間くらいは無駄にした気がするので(落ち込むので計算したくない(;´Д`)。。)、どうしても早足になります。シャレーが集まるル・シャトレ集落が低いところに見えています。


先ほどのおじさんに「今日はアンテルヌ峠まで登ろうと思う」と言うと「うわっ。遠いよ~!しかも最後きついよ」・・・でも実はアンテルヌ峠というのは最悪時間がなかった場合の目的地。控えめにそれを出してきたんですが、実際の目標はここら辺にくる多くの山スキーヤーが向かうテット・ド・モエードという2459mの山で峠(2257m)からさらに登ります。
そう言われて「あ~やっぱり頂上は無理かな~」と思いつつも最善を尽くしたいのでとりあえず早足で歩きます。


森から出てきて別の集落に到着しました。アイエール集落です。おそらく放牧の人たちが夏に使うシャレーなのでどこも無人のようでした。


シャレーの間を通りつつ先へ進みます。


通りがかったシャレーの中で一番かわいかったのがこれ!


これは確か別のシャレーでしたが絵が可愛かったです。


集落を通り抜けた後にあった水飲み場。大きかったのでおそらく放牧の牛用と思われます。


北側にものすごい存在感で立ちはだかる岩壁、ロシェ・デ・フィズ。ヴェルコール山塊に似ています。このあと右上方向に歩いて行きます。


だいぶ登ってきたところ。このあと左側に回り込みます。どんな景色が現れるのかドキドキ・・・


回り込む途中。北方向を振り返って。


・・・おおお~~っ。。岩の麓にアイベックスがいっぱいいます!しかも雄ばかり。


ここまで近づくのにハイキングコースから離れスノーシューを外し(音がうるさい)、トレッキングポールもほおったらかして(持ったまま写真撮れない)かなり勾配のきつい坂をそろりそろりと登りました。あと下りるのが怖かったです💦スノーシューもトレッキングポールもなく。。


お父さんなのか親分なのか・・・若い雄です。
わたしに気付いても特に動こうともせず(スノーシュー外さなくてよかったかな)、威風堂々。対して子供のアイベックス(みんな雄でしたが)はみんな動き回っていました。


下りてハイキングコースに戻り再び歩き出した後に反対側から見えました。ズームで撮ったもので、実際わたしのほうがだいぶ低い位置にいました。


小川が雪どけ水でかなり強い勢いで傾斜のある部分を滝のように流れていました。なんか完全に春みたいです・・・


いよいよ反対側の景色が見えてきます。


浸食のあとのある岩。


うわ~い💛 オート=サヴォアって感じ(分かりますか・・・?日本人が想像するアルプスっておそらくスイスやオート=サヴォアの風景なんじゃないかなぁって思ってるのですが)です。


今回もとても1回では長すぎて無理なので、続きはまた後日に書きたいと思います。

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