フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

1泊で南仏ケラ山塊へ(その5)

遠征2回目となる今回の南仏ケラ山塊。5月だというのに新雪がたっぷりありスノーシューもスタッドレスタイヤも大活躍です。タイヤは面倒くさくて付けっぱなしになってただけの話ですが💦


8時20分に出発です。
駐車場から直接スノーシューで歩けるのは助かります。
この日はまず湖までスキー場のゲレンデを登っていくというものですので野性味には欠けますが比較的安心な感じがするコースです。


トレースも他のハイキング客もゼロだった前日とは打って変わって山スキーヤーのトレースが何人分もあります。


きつ過ぎもなく緩やか過ぎでもない普通の登り坂が続きます。道路に近いところのゲレンデということは初心者用なのかもしれません。


8時40分。日がまだ低い位置にあります。


9時。山にぐるっと囲まれた場所に出てきました。少し高いところが平たくなっており、いかにもここに湖がありそうな地形です。


向かって左側に見える景色。


スキーヤーのトレース通りにぐるっと左に回り込みます。


奥には峠があります。余裕があればこちらにも行こうと思っていますが時間的には十分に行けそうです。


湖の畔にすぐに向かうつもりでしたがまだ時間が早いし、トレースのない場所を歩きたくなったので湖から少し峠と逆方向に離れたところにある高台に登ってみることにしました。


はい、小高い丘に着きました。湖の畔には小さなチャペルと大きな十字架が立っています。隣にはスキーヤーのトレースがいくつも見られます。


昨日がちょっとキツかったので(森で迷ったり吹雪いて回りが見えなくなったり)今日は気分的に楽に行けるところを選んだつもりです。そう、今日はたまに登場する「癒し系ハイキング」の日なので早速休憩&おやつです。合言葉は「軍隊の特訓じゃないんだから~」(^^;) 歩き始めてまだそんなに経っておらず疲れたわけでもないのにダラダラっと30分くらいほっこりしてしまいました。


さて、ようやく重い腰を上げ、湖のほうまで行ってみます。


湖畔のチャペルのところまで来ました。


10時30分、サン・タンヌ湖に到着。
行き先案内看板はほとんど完全に雪に埋まってしまっています。


今日は癒し系とは言ってもお昼にパーキングに戻るのはイヤなので峠も行くことにします。日本と違って帰りに温泉にでも寄るとかそんな楽しみがあるわけでもなく。
まあぱっと見なだらかそうなので癒し系としては許される範囲内です。


途中のデコボコゾーンではスキーヤーのトレースはいくつもに分かれてしまいます。わたしなりに行きやすそうなところを歩きました。




わたしが歩いている面よりも随分と右側から峠に向かって登ってきた3人組スキーヤーが前方にいます。


振り返った風景。雲が出てきてるなぁ・・・


最後らへんは結構急になっています。


峠より若干高いところに着きました。


というのも峠から左(東)側に山スキーヤーのトレースが何人分もあるなだらかな山があり、先ほどの3人組も既に登り始めています。湖から峠を眺めた時に「隣の山、あれもいけるかな」とは思ってたのです。わたしも真似することにします。


すぐかと思ったら案外遠いといういつものパターンです´д` ;


おおっ、意外なところに山小屋が。
持ってきている地図には峠までしか載っておらずその後のことは未知なのです(^▽^;)
👇これが持ってきている地図。残念、もう1枚は車に置いてきてしまいました。

今回のコースは丁度地図の右端の部分にあたり、峠(Col Girardin)より先には行く予定がなかったのでもう1枚のほうは持ってきていませんでした。
でもちょうどさっきの3人組山スキーヤーが登りの最中に休憩していたので話をしたのですが、その人たちが山の名前を教えてくれました。マルセイユから来た人たちでした。ここらへんの地方はリヨンからよりもマルセイユからのほうがよっぽど近いのです。


山小屋を通り過ぎてもう少し上ると一番高くなっているところに到着です。
Tête de Girardin(2878m)
先ほどから風が出てきていてかなり寒いです。頂上であろうとなかろうと寒いところでご飯を食べるのは大嫌いなのでぜひ先ほどの山小屋まで戻りたいと思います。開いてるかな・・・



開いてる~!と喜んだのも束の間、ドアから入った雪が小屋の中の入り口周辺に80センチほど積もっておりそれが固くなっていてドアはほんの少ししか開きませんでした(´Д⊂💦  みんな~、ドアはきちんと閉めようよ~


仕方ない、このこのベンチに座るだけでもかなり風はましなのでここでお昼ご飯にしたいと思います。ふと気が付くと先ほどのマルセイエ(マルセイユの人という意味)3人組は頂上や小屋までは来ずにさっきの中途半端なところでUターンしていました。


奥はお隣の県にあるウバイ渓谷。この稜線は今いるオート=ザルプ県(手前)とアルプ=ド=オート=プロヴァンス県(奥)との県境になっているのです。昨日はイタリアとの国境となる稜線の上にいましたが(^^;


携帯をベンチに置いてうまく撮れました。


お昼休憩にもたっぷり時間をとりました。これこそ癒し系ハイキングです(*‘∀‘)
現在1時過ぎ。もう景色も十分満喫したのでぼちぼち下り始めたいと思います。


Vallée de l'Ubaye ウバイ渓谷


山小屋を振り返って。お昼に到着した時よりも随分と青空が広がっています。


北方面はケラ山塊。この辺りは山塊の南限となっています。


峠に戻りつつあります。
峠からはハチャメチャに下ります。


こんな感じに。
登るのしんどかったけど下りるの一瞬(^^;


デコボコ地帯をまた通ります。
行きに「これぞ最短距離&無駄なアップダウンなし!」と素晴らしいルートを編み出したのに自分のトレースがどこにあるのか分からなくなりました(;´Д`)


マーモットが雪の上にぽつんといたのですが、近付くと穴に入ってしまいました。穴、ものすごーく深くてビックリでした。こんなに掘れるという事実、こんなに雪深いという事実と両方に。普段は土を掘って穴を作るマーモット(モグラみたいですね)ですから雪を掘るなんて朝飯前なことでしょう。


サン・タンヌ湖に戻りました。


すごい直角みたいなところでスキーした人があります。


そしてその少し先に行くと、雪崩跡のすぐ隣にスキーの跡が(゚Д゚;) 雪崩とスキーヤーが滑ったのとどちらが先なのか、はたまた彼らが滑ったことによって雪崩が起きたのか勝手に起きたものなのかは知りませんが、雪崩易い場所であることは一目瞭然。クレイジーにも程がある(-_-;) 
通常は、わたしもそうしましたが湖の反対側(手前)を通って峠に向かいます。雪のないシーズンなら奥の方の湖畔を通りたい人は通ればいいと思うのですが・・・


先ほどと違う面から下りていきます。少し急ですが雪崩るほどの斜面ではないし(登るのは嫌だけど)、駐車場に早く戻れます。


間もなくゲレンデに合流します。


ゲレンデに到着。


あれれ、チョコレートが落ちてました。自分では絶対に買わないミルクチョコレート×キャラメルの組み合わせでしたがエネルギー補給という視点からありがたくいただきました(^▽^;)


こんな急な坂を上がってきたのか・・・記憶にない。。最初だったから元気だったのでしょうか。


ゲレンデおしまい、道路へ向かいます。午後3時になろうとしています。


朝は他に3、4台停まっていたのですがもう帰ってしまったようです。いつものことながら山スキーヤーさんは行動の時間帯が早いです。
冬タイヤでない車が2、3台道路のもう少し手前に停めてありましたが、そのうち1台の人たちがわたしとほぼ同時に戻ってきたので少し話をしました。スノーシューがないのでその辺を散策しただけだと言ってました。ブルターニュ地方から来たご夫妻であまりの雪の量に面食らっていたようです。


15分ほどで準備を整えて出発です。


鹿が1頭うろちょろしてたので思わず車を停めて観察。


辺り一面クロッカスだらけでした。


さて現在3時20分。帰りは行きと別のルートを通ることにしました。行きは広大なエクラン国立公園を南西方面に迂回しつつ下りてきましたが(グルノーブル~ガップ間を走るナポレオン街道)、ブリアンソン経由で北東方面を通る国道から帰ろうと思います。
次回(最終回)では帰りの道のりや寄り道した場所を紹介したいと思います。山の合間ばかりを走る、それはそれは素敵なドライブでした。


















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