フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

癒されたくて里山シャルトルーズ山塊へ(前編)

子供たち+長男の彼女Mちゃんの4人で1泊でエクラン国立公園に行った翌日の月曜日、子供たちは新学期でしたがわたしは仕事が休みでした。
お天気はまあまあの予報です。さすがにあまりたくさん運転したくないし、大げさな景色を見たい気分でもない・・そういう時は里山感覚の近場、シャルトルーズ山塊に決まりです♬


シャルトルーズは場所にもよりますが、この日来た駐車場はうちから1時間半ほど。1時間ちょいで来られるところもあります。里山というのは近くないかもしれませんが、日帰りでも大抵2時間は運転することが多いことを思うとかなり楽な感じです。標高が低くて山の感じも高い山とは全然違うので、たまに気分転換に来たくなります。


シャルトルーズ山塊は国立公園ではありませんが自然公園(Parc Naturel Régional)に指定されています。それに加えて自然保護地域に指定されているエリアがあり、この日歩いたのはちょうどそこに当たります。犬は禁止、採集禁止など国立公園と同レベルの禁止事項が設けられています。


この日の駐車場の標高は970m!久し振りです、1000m以下の駐車場。
月曜ということもあってか、わたしの他には停まっている車はありません。


シャルトルーズは最高峰でも2082mと高い山ではありません。この日チャレンジするのは山塊で3番目に高いランス・ド・マリサール(2045m)です。峠以降はコース外となります。ネットで前夜見つけたコースで周回できるようになっていて高低差は1250mだそうです。今日は運転もしたくなければ、しんどいコースもイヤ(でも楽過ぎるのもイヤ)・・で近場のそこそこのコースになりました。


まずは林道をしばらく歩きます。


あ、これは・・・ラズベリーではありません。熟したら黒くなるブラックベリー(桑の実)です。標高の高いところには生えないので、普段の山では見ることはありあせん。


滝に苔のむした岩・・・なんか日本っぽい気がします。


この日は途中まで黄色のペンキマークがありました。しかし消えかけてるものが多かったです。


川を越えた後は・・・


最近雨が多かったので、道がめちゃくちゃぬかるんでます。てか水溜りそのものなところもあったりでしばらく続きます。傾斜があるところではズルズル滑って大変でした。


ロゴのペンキマークは自然保護区内であることを示しています。


シャルトルーズは林業が盛んなことでも知られます。この日通った辺りも下の方はたくさん伐採されていました。切り株を椅子の形に彫刻したものがいくつかありました。


まだ森の中とはいえ、少しだけ開けた感じになってきました。標高低いところから出発しているので森林限界までがやたらと長い💧


ソルス峠、だそうです。こんなに木の茂っている峠というのも普段あまり見ないですが(1480mだと仕方ないですね)、地形的には峠なのでしょう。
駐車場から540m上がったことになりますが意識的に早く歩いたので1時間ジャスト(看板のコースタイムは1時間50分)です。ぜーぜー・・・💦
ひとりのことが多く、写真を撮ったり景色を見たり単にしんどいのでゆっくり歩いたりといつものんびりペースです。近々友達ふたりとハイキングに行く予定なので歩くの早いふたりに迷惑をかけるといけないのでトレーニングのつもりで急いで登りました。森の単調な部分だったからやりましたが、1日中はもたないし楽しくないのでこれ以降は普通に歩きます。


モミの木と石灰質の地層のラインが丸見えの白い岩はシャルトルーズの特徴的な景色です。


シャルトルーズから近いヴェルコール山塊やデヴォリュイ山塊もそうなのですが、石灰質の山塊で多く見られるのが洞窟です。


森をようやく脱出です。今日のメイン目的地であるランス・ド・マリサールが全貌を現しました。しかしほんとにこれ登れるのかな(@_@)


9月にもなるともう花はほとんど見かけません。


これもシャルトルーズっぽい風景です。石灰質の岩々、放牧もされている草原、そして白いザレ場。何せ山全体が石灰質なので白っぽいのです。


地図にも載ってるベルフォント羊飼い小屋。最近建て直されたばかりなのでしょう、真新しい感じです。


草の生えた斜面を峠に向かってジグザグに上がっていきます。


眺望もよくなってきました。中央に見えるのが山塊最高峰のシャムショウドです。


で・・正面に見えるのは山塊で2番目に高いダン・ド・クロールです。道路や他の山からはよく見ているのですがこういう方向から見たことがなかったので何か分かりませんでした。つまりシャルトルーズの高い山はこのエリアに集中していることになります。


そろそろ峠に到着します。


峠からマリサールを眺めて。


反対側はこんな感じです。


ランス・ド・マリサールにアタックです。峠からしばらくは道になっていましたが、次第に分かりにくくなってきました。コース外のためそこまでは期待していなかったので想定内です(^^;


急なところをしばらく登って一息。ダン・ド・クロールが奥に。


直角のようです(+_+)
でも手でつかめたり、足をかけられたりする岩がたくさんあるので見た目ほど難しくはありません。ただ、どこ通れとかいうペンキマークはないので自分でよさげなところを探します。


だいぶ登ってきました。稜線がきれい✨
この日は稜線の途中で下りて別の道をぐるっと回って駐車場に戻るというコースのつもりだったんですが、この景色を見て緑の稜線を最後まで、そしてその後もずっと続く山の頂上(こちらは凸凹しているので稜線そのものは難しそうですが)を結んだラインを歩いて行きたい、という気持ちがムクムクと出てきました。もっと上から見て地図も見て考えてみたいと思います。


続きはこんな感じです。岩々の稜線になっています。


貝の化石がたくさんありました。


時々平たくなっていて楽なところもあります。頂上までもう一息です。




これは日本でチングルマと呼ばれているやつですね。この日歩いた中ではこの辺りにだけ群生していました。

…と思っていたら、別の方のブログでチングルマではなくチョウノスケソウという花であることが判明(^^;


ダン・ド・クロールとシャムショウド。


稜線、歩きたい(≧∇≦)


ここで落とし物が・・・プラスチックのコップ、しかもハイキング用のものみたいなイラスト入りです。消えかけているものの名前まで書いてあります。・・PHINE、デルフィーヌさんあたりでしょうか。


その奥が頂上のようです。


着きました、ランス・ド・マリサール頂上\(^_^)/
奥にはボージュ山塊。ここも遠くなく、そう高い山でもないのであまりややこしいことはしたくないときに行きます。牛の放牧が盛んで牧歌的な風景に癒されたいときに最適です。


もう一度、ダン・ド・クロールとシャムショウド。


奥にはよく行くベルドンヌ山塊。最近少し雪が降ったので高い位置には積もっています。



後編に続きます。

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