フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ゴレオン湖からゴレオン峠へ

水曜日に出掛けた日帰りハイキング。経由地であるゴレオン湖まで駐車場で一緒になった男性ハイキング客と一緒に歩いたのちは湖畔でゆっくりしてから下りる、という彼を残して本来の目的地であるエギーユ・ダルジャンチエール(3237m)を目指します。湖まではハイキング道があるのに対し、この後は道がありません。地図、コンパス、そして何より見た目が頼りです。


水面に映し出される谷の反対側にそびえるメイジュ。エクランでも特に美しい姿をしている山です。反対の岸にぽつんと建ってるのはゴレオン山小屋。帰りにでも様子を見に行ってみたいと思っています。


進行方向。川の流れに沿って谷底を歩いて行きます。乾燥している時期のようで何本も細い筋になって流れている小川にはほとんど水がなく、右岸(写真では左側)から左岸に歩き移らないといけなかったのですが、水の少ない場所を探すのも簡単でした。もっと水嵩が多いとこうもいかずに一苦労だと思います。


おお、唐突に大自然のなかにこんなデカい看板が立っていましたΣ(゚Д゚)
駐車場付近で見かけることはあっても一度山の中に入ってしまうと行き先案内のシンプルな看板以外はまず見かけることがないので、ちょっとびっくりでした。
このエリアが氷河期の爪痕が残された典型的な地形であること、絶滅危機にある植物の繁殖地であることなどからヨーロッパ単位で作られた保護地区「ナチュラ2000」に指定されていること、その理由から「石でメッセージを作って置くのはやめて下さい、植物を傷めます」とあります。石でメッセージって何?と思いますよね。そんなしょっちゅうでもないのですが、時々そういう一帯があります。
帰りに撮ったものですが👇

すぐ近くだと逆に読めません。少し離れたところに高くなってるところがあり、そこから読むようにみんな石を置くようです。


これは少し離れただけでも読めました。「マーク、誕生日おめでとう 17年8月12日(多分)」 ほかにはカップルが二人の名前を残すとか…でも読めないものが多かったです。


こういう白くて細長い石がいっぱい落ちてるから創作意欲?が掻き立てられるんでしょうね。


落書き地帯を通り抜け先に進みます。
おっ、なんか奥に特徴的なのが見えてきました。


右のふたつの出っ張りは3つの頂上で構成されるエギーユ・ダルヴ(3514mと3515m)です。その右にあとひとつあるのは猫の頭とも呼ばれ(実際そういう形をしているのです)3365mと少し低くなっていてこの位置からだと見えません。
左の独立してるのはエギーユ・デュ・ゴレオン(3427m)。氷河もありアルピニストでないと登れない山と認識していたのですが、帰りに寄ったゴレオン山小屋で会ったすぐ下の村に住む年配の男性によれば、氷河が後退したことによって最近では装備がなくとも登れるようになったとのことです。が、今までネットで調べた限りどこからどう登ればよいのかは見つけたことがありません。その人は一応説明してくれたんですけど初めて来る場所だし、その説明は全然インプットできませんでした(;´Д`)


谷の右手にお目当ての山があります。左側の日が当っているのがそれです。
まずは峠まで登ります。手前に低くなっている場所が2か所ありますが、その右側がそうみたいです。こうやって見るととてもこの斜面を登れるようには見えないのですが(@_@)ハイキングのサイトで見ると可能なんだそうです。とりあえず登り口が分からないのですが、峠の真下位から登れということだったのでそのようにチャレンジしてみます。


この辺?悩んでてもキリがないので比較的デコボコが少なさそう、かつ岩壁みたいな変なものが先にない辺りを狙って登り始めます。


あー、ケルンありますね。小さすぎて草に埋もれててすぐ近くまで来ないと見えないのであまり意味をなしてないです💧
でもまあいい線いってるとこ歩いてたという慰めにはなります。


壊れてるとかね・・・全然見えないよ~
湖を後にした頃から薄々感じていたことがここら辺まで来てはっきりしてきました。
ここ全然人気(にんき)ない
はい、今日もです(-_-;)


登り始めて少しのとき。
ところで、この日なんと駐車場からここまでずーーっと日陰歩いてるんです。青空だからそんなイメージないんですけど、ちょっと寒いですよ~!!真夏の猛暑の日とかいいかもしれません。


サボテンのような植物。真ん中からビューっと茎が出てきて花が咲く系だと思いますがもう花は咲いていませんでした。


どんどん登っていきます。登りはじめはデコボコした地形だったのですがここまで来ると
特に障害物はないので峠のように(って峠なんですが)少し低くなっている位置を目指して登っていくだけです。


結構登ってきました。メイジュ(左)、ラトー(中央)の右にはモン・ド・ランス氷河が見えるようになってきました。本当に絵になるエクラン最北端の端正な面々です。


おおっ、いよいよ今日初めて日向にでます。嬉しい・・・
奥に目的地の山が見えています。まだ結構あります。


じゃじゃーん\(^_^)/
お日様こんにちは💚
真正面は前述のエギーユ・デュ・ゴレオン。


この辺りまで来るともう土や草はなく、完全なザレ場です。


傾斜も半端なく急でズルズル滑ってめっちゃ登りにくい💦
一歩一歩もれなく滑ります。1mくらいズズズ―っと滑るのもしょっちゅうです。靴傷みそうだな・・・でもまぁその後止まるというか止めることはできるので雪の斜面みたいにシャーっと下まで滑り落ちるということはありません。


ぜいぜい・・・何とか上の方まで登ってきました。


峠ですか?ここ・・・?


おおっ💖
そんな感じです。コース外なので看板のようなものは一切ないのですが。


稜線の反対側の谷。去年の秋にこの谷を通って今日行くのと同じくらいの標高の山、エギーユ・ド・レぺスールに登ったのを今ようやく思い出しました。あそこもパノラマが素晴らしかった・・・雪が結構あって少し大変だったんでした。アイゼンも登場したな~。
思い出の一枚👇 

エギーユ・ド・レぺスール(3230m)頂上。手前の3つの大きな尖がりが前述のエギーユ・ダルヴ。その後ろのなだらかなラインのほぼ真っ白な尖がりが今登っているエギーユ・ダルジャンチエールです。すげー雪だな、と日付を見てみたら11月2日とありました。ブルブル。
この頃からコース外の山にも積極的に登り始めたような気がします。一番最初は多分その1、2か月前に登ったエギーユ・ド・ラ・グランド・サシエール(3751m)だったと思うのですが、それまでもちょっとコース外、というのはあったしはっきりとは思い出せません。


2週間ちょっとしか違わないのにそれに比べたら夏山ですね。ありがたいことです。先月に雪は少し降って積もったりもしたんですが、その後暖かい日が続き融けてしまいまったようです。
左に見えているのは全部エギーユ・デュ・ゴレオン。左の部分が一番高く、そのすぐ隣のお椀のようになった地形のところに氷河が残っています。この後全貌を現します。


岩も面白いです。石や岩が好きでついつい見入ってしまいます(^^;


岩にカメラを置いてセルフで撮っておきました。
峠ではおやつを食べたり写真を撮ったりして10分強休憩しました。



キリのいい峠で今回はお終いです。
次回では山頂を目指します。

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