フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

創業1858年のナポレオン山小屋でランチ

イゾアール峠までささっと往復した後はナポレオン山小屋にてお待ちかねのランチです。ちなみにここには一昨日も来ています。一昨日は自炊の予定が寒すぎて(駐車場でマイナス12度だったので少なくともマイナス15度くらい、しかも強風💦)早ゆでうどんのつもりをしてたのにペットボトルの水もガチガチに凍っており志半ばにして降参(^^; 日曜日で賑わっていた山小屋にふらふらと吸い寄せられるように入っていったのでした。


山小屋の前から。今日は自炊する気は微塵もなく(^^;) ジェットボイルなど入ってなくて荷物が軽かった♬ 


中に入ると先ほど小屋の前で話をした女性が電話で応対中です。来週の日曜日のランチの予約のようです。なんだか普通のレストランと変わらないですね。違うところは女性が「雪タクシー必要ですか?予約されますか?」と聞いています。相手方もお願いしたようで利用の際の注意点(服装など)を説明していました。
雪タクシーって・・・これ👇

スノーモビルってやつでしょうか、これで下の集落から送り迎えしてもらえるようです。高そうだけど(^^;) 


入り口から入ってすぐにあるスタッフ用のくつろぎルーム。可愛い(*'▽')


カウンターの横にはツール・ド・フランスのブリアンソン周辺区間の歴代チャンピオンの写真が。この夏のツール・ド・フランスもブリアンソン~イゾアール峠~ケラ山塊がコースに組み入れられていました。
ここは一般的な山小屋と同じく靴を履き替える必要があり、山小屋ご用達の偽クロックスがどっさりと棚に積まれています。


一昨日来た時は満員でしたが平日の今日はガラガラです。てか開いててよかった(・・;) お客さんが少ない時期は不定休ということもあり得るのに調べもせずジェットボイル&うどん持って来てなかったですから・・・ビスケットやシリアルバーはもちろんおやつ&非常食としていつもある程度持っていますが、それがランチだと寂しすぎます。
どこでもお好きなところにどうぞ、と言われたのですが一番座りたかった薪ストーブの真ん前の席(日曜はそこに座りました)は先ほどテラスに座ってた女性山スキーヤーたちに占領されています。スキーヤーの癖に寒がりみたいです。2番候補の大きな窓の隣の席に座りました。シャモアのはく製なんかが飾ってあっていかにも山小屋レストランって感じです。


せっかく新調したカッコいいマムート様のパンツなのに足元これだよ(;´Д`)


ミネラルウォーターはイタリアメーカーのものでした。イタリア国境がすぐ近くなので当然なのかもしれません。横になってる瓶のものがレストランで出す用で小さなペットボトルは販売用のようです。


ワインの瓶が3種類あります・・
あれっ、うちにあるのと同じのがっΣ(゚Д゚)


👇1年前に南仏の生産者のところで直接買ったものです。

これは10月のブログに載せたのと同じ写真。
わたしんちのがケランヌ、山小屋レストランのはもう少し畑の範囲の広いコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュだという違いはあるものの、フランスじゅうに何千というワイン生産者があることを考えるとものすごくわずかな確率だと思います。


ワインリストに目を通します。見るだけでも楽しいのでレストランに行くと読み物として料理が運ばれてくるまでの間(ワイン注文しない場合や、もう注文してしまった後でも)下げないようにお願いして目を通して楽しませてもらいます。お店の個性ややる気が現れる品揃えだとまだ食べていない料理にも期待が高まるし、逆に誰でも知ってるような有名ネゴシアンのもの中心の投げやりなリストだったりすると料理を食べる前からテンション下がるということも。
ここはこんな場所にあるにもかかわらず結構いいワインを揃えています。


見ていて、再び( ゚д゚)ハッ!
ブルゴーニュのフィクサンはわたしが大好きな銘柄。そのフィクサンのクロ・ド・ナポレオンというワイン、恐らく名前つながりで置いているのでしょうがこれは以前日本から来た従兄夫妻とブルゴーニュのカーブ巡りをしたときに案内して飲んだワインです!超美味かった…その畑の中にあるレストラン、その名もオ・クロ・ナポレオンも素晴らしかった。ナポレオンがシャンパーニュと共に最も愛したと言われるシャンベルタンのワイン畑から約1キロの地点にあります👇

しかし。。
セルフビルドの人気ブロガー・チロルさんからのご指摘通り、フランス、ナポレオンだらけ(^▽^;)


誤差が激しくて普段あんまり期待していないカシオ・プロテックですが・・・おおっ、誤差たったの3メートル!誤差ないのも同じです!!よくやった、プロトレック(;´∀`)


その超おいしいナポレオンワイン、注文したいのは山々ですが、当然ボトルでしか注文できないので、南仏の手軽な赤ワイン、ヴァントゥーをグラスで。
日曜と同じで4種類しか料理がありませんでした。前回はほうれん草とハムのキッシュ&サラダにしましたが、今日はスパイス入り豚肉の煮込み、レモン風味というのにしました。カレーに入れるようなガラムマサラっぽいスパイスがほんの少し、それに多分ジュニパーベリーだったと思います。レモンはあまり感じませんでしたが…オイチ~~(≧∇≦)
軟らかく煮こまれていてホロホロと崩れます。特別期待していなかったのですが、味付けもお肉そのものの味もとっても美味。それに量がたっぷりとあるのが嬉しい♬でっかい塊がゴロゴロといくつも入っています。付け合わせのスパゲッティーとかいらんしー…(山の中ということで野菜の調達が難しいのでしょう。日曜はこの料理の付け合わせはライスでした)・・って思ってたのにソースがおいしくて結局スパゲッティーまで完食。


わたしがお料理を食べ終わりつある頃に隣の席に中年の男性が案内されてきました。山小屋の女性との会話を聞いていると常連さんのようです。


…他に無地のスリッパもいっぱいあったと思うけど(-_-;)よりによってイチゴ柄ですか??
男性とは椅子がすぐ隣だったので同じテーブル感覚で話をしました。山スキーしに来ているそうで、下の集落から車で40分くらいの距離に住んでるのでこの峠周辺にはしょっちゅう来るんだとか。景色はいいし雪崩が少ない安全な地域なので、と言っておられました。


さて、デザートです。ブルーベリータルト、ラズベリータルト、レモンメレンゲタルト、チョコレートケーキ、アーモンドケーキ、オレンジのサラダ、それに日曜に食べたリンゴのシュトゥーデルの中から選びます。ボリューム感ではぶっちぎりのレモンメレンゲタルトにしました。


わ~~い(*‘∀‘)


でかっっ💦レトロなお皿も可愛くてわたし好みです。
レモンクリームがトロトロでタルト生地はサクサクでふわふわメレンゲと一緒に…
幸せ(≧∇≦)(≧∇≦)


お料理もおいしく、内装もかわいくて店の人たちもとっても感じがよく外の景色も最高で本当に気持ちの良い空間。隣の席の男性とも話が弾み、なかなか立ち上がるのに勇気が要りますが今日はこのあとうちまで帰らないといけません。3時間半というグーグルマップの計算ですが、道路の雪や凍結具合、夕刻の渋滞などを考えるとむしろ4時間以上はかかるでしょう。早く駐車場まで下りるに越したことはありません。


ちなみにここは山小屋というだけあって一般的な山小屋に比べると割高とはいえ宿泊することもできます。1泊2食付きで70ユーロ(約9500円)ですが全体的に小ぎれいし部屋はダブルかツインのみ、ご飯が豪華なことを考えたらむしろ山にあるホテルという感じですので決して高くはないのかもしれません。


行きはわざわざ森の中を通る遠回りのルートで来ましたが、帰りは最短距離で下りられる峠道路やそれに並行した辺りを歩きます。


前半は少し急でしたが結構なだらかなところが多くて意外です。急ぎ足で下りていると…


先ほどレストランの隣の席で話した男性がスキーで下りてきました。よくあるパターンです。スノーシューは常にスキーヤーに追い越される運命にあります(;´Д`)
わたしの歩調に合わせてゆーーっくりと滑りながら下りてくれるので話をしながら10分ほど歩きましたが、また一緒に山歩きしよう!と電話番号を交換して別れました。そりゃな😅スキーで来てるのにスノーシューに合わせてたら滑れません。


緩やかで普通の野原のように見える峠道路をひたすら下りていきます。風もなく、急ぎ足で下りていると汗ばんでくるくらいです。日曜はお天気は良かったものの気温がとても低く峠以降は風も強く、いつも持って行っててもほとんど使うことがないフェイスマスク(しかも黒で強盗っぽい…)を被っていました。


朝、出発前には時間があれば遠回りして帰りたい、とも思っていたのですが、その場合こちらの看板のある森の中から出てくることになるようです。シャレーや要塞やらの廃墟を経由するコースです。結構な遠回りになるし、トレースは多分ゼロで雪深そうなため、かなり時間がかかりそうなので今回はやめておきました。


車を停めているル・ラウスの集落にまもなく到着します。


唐突に可愛い看板が・・・「ケラのおもちゃ」
あ、これは知っています!(今日それ多いなー)
去年の11月にケラ山塊で1泊でスノーシューした時に泊まった民宿のすぐ裏にあった木のおもちゃを作るアトリエです。偶然にもこの峠を越えて下りたところすぐにある村だったのです。峠道路は今同様閉鎖されていたので反対方向から行きました。ケラ山塊自体2度しか行ったことがないし、ここは今回の旅行が初めて(1日目と併せて2度来たけど)だというのに面白いものです。


駐車場まであと少し・・・集落に入り、ガシガシとスノーシューで早歩きしていると、路肩に停まっている車から先ほどの男性が「ココアとかコーヒー、一緒にいかがですか」と。待っててくれたようです。


急いで下りてきたのでまだ3時をまわったばかり。時間的にはなんとか余裕があるのでお言葉に甘えることにしました。レストラン兼バーのある集落の中心まで100mくらいですが、まぁ乗せてもらいます(;'∀')


集落で営業しているのは1軒しかないようでした。スノーシューを脱いで入ります。


古い農家を改装したらしい広い店内。男性はここも常連らしく(;^_^A お店の人と世間話をしています。ここのスペシャリティー、ジゴ(仔羊の腿肉)を暖炉でローストしたやつの話とか聞いてまた来たくなってしまいました。


今日は残念ながらジゴではなくカフェオレです。味覚的にはココアにしたかったんですけど、このあと待っている長距離ドライブのことを考えるとカフェインが必要です。


今日はおとといに比べて暖かかった・・・と思ってたのですが、ザックに入れてたペットボトルの水はやはり凍っていました。


男性はわたしが溺愛するエクラン国立公園方面に住んでいます。またそっち方面に行ったら案内お願いします!と言って別れました。


帰り道は長いけれど、景色のきれいなところを運転するのは大好きなのでむしろワクワクします。


ル・ラウスの集落が行政的に付属しているセルヴィエール村を通過。


前日観光に行ったブリアンソンの町に向かいます。


ブリアンソンを通過してしばらくのところの県道沿いにドイツ系ディスカウントスーパーが~!!これわたしんちの近くにないのよね・・・
最近は仕事の休みの日、晴れが多くてついつい山に行ってしまうので買い物ひとつ出来ずに困ってたんですが😅渡りに船、寄っときます🎶


なくなる寸前だった牛乳やヨーグルト、トイレットペーパーなど買い込みホクホク顔で帰途を急ぎます。行きにスリップして怖い思いをしたロータレ峠に近付いてきました。タイヤ自体結構すり減ってきているし、それにちょっとスピード出過ぎてたのかもしれません。ゆっくり走ったら同じところで問題ありませんでした。早朝で凍結具合もひどかったとも考えられます。


峠を越えた後、今走ってきた方角の山がきれいなピンク色に染まっています。携帯のしかもブレた写真で美しさは伝わってこないと思うのですが、峠に向かってUターンしようかと一瞬本気で考えたくらいきれかったのです。


でもまあ、また別の機会があるでしょう・・進行方向のピンク色で我慢することにします。


このあと夕刻時の鬼門、グルノーブルに近付いてきますが、しょっちゅう死にそうに混んでるあたりはスイスイ行けてすんなりと高速に入ることができ、あ、これは早く帰れるわ~、と喜んでいた矢先・・・
ズルンズルン、グテングテン、と振動が・・・
あ~~っ💦どうして~~?? 左前輪がパンクした様子です(つд⊂)エーン


定期的にブログを読んでくださってる方はご存知かもしれませんが、10月に一度パンクしています。でもそれは夏タイヤで、その後新調したのも夏タイヤだったので、新品のタイヤがパンクしたのではありません。すり減ってきたのでそろそろ買い替えなきゃ、と思っていた冬タイヤです。それにしても2か月で2回って運悪いですよね・・・
幸い、グルノーブルの町近くだったので出入り口は1キロ毎くらいにはあります。ハザードを点けてすぐに高速を出ることができました。


少し走ってバス停みたいなところを見つけたので停車。トランクからスペアタイヤを出してボルトを緩め・・かっ、硬っっ~~ひとつのタイヤのボルトが硬い!それに、バス停みたいなところに停まっているけれど、高速道路は出ているもののスピード出せる車線らしく車がビュンビュン走ってて怖い(*_*) 左の前輪がパンクしているので右側通行だと車線側になるのです。日は暮れてもう真っ暗。街灯はありますが、雨まで降ってるし「何かの罰??」みたいな感じになってきました。ちっきしょ~~~と声を上げながらボルトをめがねレンチで挟んで足でキックして緩めていると一台のワゴン車が後方にスッと停まり、中からマグレブ系兄さんが降りてきました。


「大丈夫?手伝うよ」あ~助かります。まぁひとりでも出来るんだけど、その方がずっと早いだろう・・・反対方向から走って来て、わたしが困ってるっぽかったので(雄叫びあげながらレンチ踏んでるときだ😅)Uターンしてきてくれたんだと。。いい人いてますねー(*´ω`*)
冬タイヤはかなりすり減っていたので、いい機会とばかりその週のうちに交換しました。


長い長い2泊3日旅行記、これでお終いです。お付き合いくださってありがとうございました。

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