フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

次男、初のスノーシューハイキング

何かの読み間違いか、それとも随分と昔の話を記事にしているのかと思われるでしょうが、先週末(金・土)で次男と出かけたハイキングはほとんどの行程でスノーシューを着用という雪深いコースでした。
ついこないだまでは子供たちは「雪の多いところを歩くのはイヤ」と公言していたのにも関わらず、急に気が変わったみたいでわたしの「今シーズン初めての避難小屋一泊ハイキング」に15歳の次男がついて来てくれることになりました。ちなみに長男は5、6月は大学入試試験があるので勉強が忙しく、しばし山歩きは欠席中です。


金曜日の午後の授業の先生が休みで授業がないと分かっていたので「給食食べんでもええからさっさと帰っておいで」と12時過ぎに帰って来させました。
ゲイターがわたしの分しかないので、午前中にスポーツ用品店にもう一組買いに行きました。
もちろん荷物は全部準備しておき、次男が学校から帰ると同時に出発です。


トランポリンで遊ぶ次男。実はその前にわたしも遊んでました(^▽^;)
うちから1時間ほどのところのサービスエリアで持参したサンドイッチと菓子パンでお昼ご飯。売店はなくてトイレと飲み物の自販機、遊具とピクニック用のテーブルしかないSAなのですが、湖の畔にあり気持ちがいいです。ショップがないためか混むことがないので気に入ってきます。


高速を1時間半ほど走った後、県道の山道に入ります。ツール・ド・フランスも時々通るグランドン峠やラ・クロワ・ド・フェール峠道路と初めは共通の道路です。2000m以上ある峠ですので今の時期まだ雪があって閉まっています。今年は雪が多いため、標高の高い峠道路は平均2週間ほど開通が遅れる、と聞いています。


いくらかブドウ畑があり、葉を茂らせ始めていまいた。結構標高高いところでワイン作ってるんですね・・・


アスファルト舗装の道から林道に入り、間もなくするとバリケードがあったので、一瞬「えっ、通行止め!?」と焦ったのですが(そういうことがないように2日ほど前から地元の村ふたつの村役場に林道に問題はないか問い合わせるため何度かかけているのに、まずオープンしている曜日・時間が異様に短く、開いてるはずの時間帯も誰も出ないという・・)単に放牧の羊が出ないように設けているハイキングコースにもよくあるような簡単に開けられるものでした。通行止めとも書いてないし、勝手に開けて出入りしてもよいのでしょう。


道路・路肩を問わず羊パラダイスとなっています。普通放牧というと6月の初めくらいからということが多いのですが、この辺はまだ標高が低いのでこの辺りから早い目に始めているということは考えられます。


仔羊もいっぱいいてかわいい😻


羊エリアが終わると崩壊・落石の多いところを通ります。いちいち次男に車から降りて邪魔なものをどけてもらいます。


よいしょ、よいしょ。


時速10~15キロくらいでしか走れないデコボコ道をしばらく走ったのち、許可のない車はここまでしか来られません、という表示のある場所に着きました。3時半になっています。ハイキング用の看板が立っており「ラ・モレッタ、1350m」とあります。
今日は2283mのメルレ峠を越えて1941mの避難小屋まで歩く予定です。夏のコースタイムだとメルレ峠は2時間20分。雪がかなりあると思うので最低でも3時間半は見ておいた方がいいと思っています。避難小屋までだと4時間半くらいはかかるでしょう。今の時期日が暮れるのが遅くなって8時半くらいまでは明るいですが 何せ次男、初のスノーシューハイキングです、日が暮れる~って焦って歩かせたくありません。この時間に歩き始められるのは嬉しい(^^♪ 
午後の授業休んだ英語の先生、ありがとう( ̄▽ ̄;)


写真には写らなかったですが、目の前が急な傾斜の小川になっています。今から歩くつもりの谷を流れる川がそのまま流れてきているのです。


こんなに夏みたいに暑いのに・・・ほんとに雪そんなにあるんだろうか?
実はこの日のコースは去年の同じ時期に一人で来た時と同じ。去年は雪が少なかったにも関わらず峠の少し手前、そして峠の反対側の斜面にはかなり雪があって悪戦苦闘したのを覚えています。スノーシューは持って行っておらず、アイゼンだけありましたが、必要なのはアイゼンではなくスノーシューだ(;´Д`)って何度か思いました。今年は例年よりも雪が多かったわけですから、やはりかなりの量の残雪があると思ったほうが良さそうです。
ちなみにスキー場とかは全くない場所なのでウェブカメラ等は期待できず・・・


次男にはわたしが普段使っているスノーシューを使わせます。わたし用には地下カーブで眠っていた以前使っていた安物のスノーシュー(約5000円)を持って来たんですが・・・
改めて見てみてビックリΣ(゚Д゚) 爪が・・爪がほとんどありません!わたし、こんなんで歩いてた時期あったんかー・・・そりゃ歩きにくそうだ💧・・てか、今日明日わたしこれですか。。


準備を整えて歩き始めたのは3時半を少し過ぎた頃。初め歩いた辺りにはスイセンがたくさん咲いていました。


うう・・スノーシュー重たい(;´Д`)いつまで担いで歩くんだろうか・・
避難小屋泊なので寝袋や3食分の食料、調理グッズに加え、雨の予報が出てるので服の替えなども多い目に入っていてかなり重たいです。わたしは背中や腰は丈夫で今まで問題が起こったことはないのですがこの日は辛く、5時間ほどかけて避難小屋に着いたときにはあまりの肩や背中などの疲れからしばらく軽い吐き気があったくらいです。荷物を置いてしばらくすると収まりましたが。


あ、ツクシ~
次男は見たことなかったので見せてやりました。日本では集めて食べるんだよ、というと「フランスでは?」うーん、あんまり食べるという話は聞かないですね。


野性のルバーブがもうこんなに大きくなっています。夏は至るところに見られます。


1500mの辺りくらいから雪が結構ありました。色はほぼ真っ白。たぶん残雪がもともとあったところに、数日前の日曜日に季節外れに降った雪が積もったんだと思います。


こういう固まったやつは残雪ですね。去年はどうだったかな・・・思い出してみますが、もう少し先のところからしかなかったはずです。でも、他の山に比べると結構残ってるな、と思ったのでした。


つまりフキノトウも今頃出てきています。


この辺からまとまった量の雪があります。


そしてまさかのこの量(@_@)
まだ1700mくらいなんですけど・・・人が歩いた跡もないので一歩一歩、滑らないように(右手は斜面)蹴るように靴をめり込ませながらゆっくりと進み、わたしの歩いた跡を次男に歩かせました。


太いハイキング道は終わり、もう少し野性的な景色のエリアに入ります。


この辺りも夏には羊の放牧エリアになるそうです。ここまで来て、広い谷の左右に雪の残る雄大な山が構えているのを見た次男が歓声を上げました。「うわぁ、きれい!ヴァノワーズみたい」・・・少し驚きました。わたしも初めてこの場所に来た時、同じことを思ったのです。ヴァノワーズほど標高は高くありませんが山の雰囲気が似ているのです。次男がそれに気付いてくれて、とても嬉しく思いました。


今日も主役はクロッカスです。


ご機嫌の次男。


ここまでも雪はありましたが、これ以降ほとんど切れ目なく残っているみたいなのでこの地点からスノーシューを着用することに。


次男、初のスノーシュー体験です。「あ、思ったより軽い。案外歩きやすい」が最初の感想でした。わたしの感想は「うわ、歩きにくい💦(わたしの普段使ってるやつに比べて)」です😅


しばらく行くと、珍しいものが・・・どうして蛇が雪の上にいるんでしょうか(*_*)
まだ生きていましたけど、弱弱しく間もなく寒さのため死んでしまいそうな感じでした。


峠・・・雪が多いと遠いです。雪の少なかった去年は確か2時間10分くらい、峠から避難小屋までは30分だったと記憶しています。仕事のあと行ったので歩き始めが6時だったため、日が暮れるのと競争になるため、ほぼ休憩もなしに大急ぎで歩いたのでした(;´∀`)


峠までに2か所、シャレーが集まった場所を通ります。これは一つ目。5時半、出発から既に2時間歩いています。


峠がようやく近付いてきました。


ここまでは谷底を少しずつ上がってきましたが、ようやく本題に入ることになります。こういう感じで登るのが一番楽というか、夏のハイキングコースもこんな感じのはずです。ただし、昨年同様にケルンやマーキングは全く見えず、トレースもゼロでした。


キツいところをアタックする直前に休憩。マドレーヌを持って来ました。もう2時間半も初めて使うスノーシューで歩いてきて雪も柔らかく荷物も重たいのに文句のひとつも言わずついて来ている次男。ついこないだまですぐ「疲れた」「まだ着かないの?」が口癖だったのが嘘のようです。



次回に続きます。

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