フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ピレネーの山小屋で一泊

先月下旬にバスク地方に住む友達と訪れたピレネー国立公園。国立公園かつ自然保護地区に指定されているエリアのためか、スイセンなどの花がこれでもかというほど咲き誇っていました。6月の今ではもっといろんな種類の花が出てきていることだと思います。


ジョントゥー湖に面したアイユス山小屋に夕方到着。荷物を置かせてもらってビールを注文しました。ご飯はすべて自炊で素泊まりすることがほとんどですが、到着時のビールは欠かせません(*‘∀‘)


缶をぐしゃっと潰す器具があったのでやっときました。ほとんどの山小屋がそうであるように、ここもヘリで食料やガスボンベ等を運び込みゴミもヘリに持って行ってもらうので出来るだけ小さくする必要があります。


山小屋の食堂。わたしたちの少し後に中高校生くらいの男の子数名と教員っぽい大人3名のグループが到着しました。小屋内には入らずにテラスでおやつを食べています。テラスでしばらく一緒だったので会話が丸聞こえでしたが、なんか様子がおかしい。普通のハイキング客という感じではありません。てか子供たちの言葉遣いや会話の内容がかなりお下品💦どうやらちょっと悪いめの子供たちに山小屋泊サバイバル生活を体験させて喝を入れよう!キャンプinピレネー」的催しのようでした。


テラスで指導員のひとりの男性が話しかけてきました。「すみませんね、ちょっとうるさくてご迷惑かけるかもしれません。ほんとはいい子たちなんですけどね。彼ら山に来るのは初めてなんですよ」




いうほどうるさいということもなかったのですが、ビール飲んでてどんどん寒くなってきたので(冷え性)中に移動しました。テーブルがこの辺りの地図になっています。これは便利!!


山小屋の管理人さん夫婦。奥さん「あらあらあら!!大変大変!もう火がこんなに弱くなってしまって!」毎回、薪をくべに来るたびに同じセリフを大げさにまくし立ててました(^^;  旦那さんはお手伝いの若い男性と小屋の入り口のドアやそのほかの建付けの悪いところをちょこまかと修理していました。わたし達が泊ったちょうど1週間前にシーズン開始でオープンしたところでした。
「5月中にオープンするって早いですよね」と言うと「確かにアルプスだと雪が多いし山小屋自体も標高の高いところにあることが多いけど、ピレネーは雪も少ない目だから5月中に開けるところが多いよ」とのことでした。アルプスでは大抵の山小屋は6月中旬から9月中旬という、かなり短い営業期間なのです。この辺りだと10月中旬までは開けていることが多いそうです。


定員47人の比較的小規模な山小屋なので厨房もあまり広くありません。ここの山小屋はわたしのようにご飯を頼まない人が自炊できるスペースがありましたが、小さなところだと備わってなくて「(火を使うのは)外でお願いします」と言われることもあります。


食堂の大きなガラス窓からこの地方を代表する山「ジャン=ピエール」ことピック・デュ・ミディ・ドッソーを眺めることが出来ます。曇り時々雨、の予報は見事に外れ一滴も降っていないばかりか青空さえのぞいています。あの天気予報見て「じゃ行くのやめた」ってなった人もあったんじゃないかと思います・・・わたしたちは山小屋を予約していたし、他の日は予定が少しずつ入っていて無理だったので来ましたが、嬉しい外れ方でした。


どこの山小屋にも置いてある思い出ノート。まだシーズン初めなのでほとんど真っ新です。・・が、結構上手なイラストを残していった宿泊客があります。絵を描くのが得意な友達はじゃあ俺も、とばかりにボールペンを取り出しました。



約10分後、出来上がりました。


「あれっ、残念。ここって波ないじゃん」
友達はサーフィンのメッカであるビアリッツ(のすぐ隣町)の出身で今も住んでるので、「間違えて山に来てしまったサーファー(山小屋の上履き履いてる)」を描きました。
夕食後に小屋でアシスタントで働いている若い男性(多分、管理人さん夫婦の娘さんの彼氏)が「ねえねえ、これってあなたが描いたんですか?」と話しかけてきて、二人の共通の話題であるBD(バンド・デシネ、タンタンなどに代表されるフランスやベルギー風の漫画)をネタに1時間くらい盛り上がりまくり、山小屋の消灯時間を遅れさせてしまったという(^^;)


小腹が空いてきたので持参したポテチでも開けよう・・スペインとの国境から近いピレネーという場所柄、チョリソー風味(いや、全国で売っていますけど😅)をチョイスしてきました。


サラミと、行きにジュランソンの農協で買った赤ワインも。
サーフィン関係のイベントのプラスチックのコップを友達んちから持参しています(^^ゞ


どこの山小屋にも本やゲームが置いてあります。わたしがよく分からんものばかりでしたが、友達にルールを教えてもらいながら遊びました。


夕食前に一度テラスに出ます。先ほどより天気は良くなってきてるくらいです。低い位置に煙のような雲が溜まり始めています。どういう理由か分かりませんが、少し高い山では朝や夕方によくこんなことになっています。夕暮れ時や朝日を楽しめるのも山小屋泊の醍醐味です。かなり悪い天気予報で全く期待していなかっただけに嬉しい♫


食堂の奥に小さな自炊スペースがあります。わたし達の他には若い男性二人組が自炊をしそうな雰囲気でしたが、アペリティフを長々と楽しんでいて、結局これといった料理はせずにお菓子や缶詰、マロンペーストやハチミツを塗ったパン(朝ごはんですか・・?)などがどんどん登場してそれが夕食代わりのようでした。


なので、狭いスペースを気を遣って分かち合うことなく気楽に料理できました。マリネしてある豚肉やバスク風ミニソーセージを焼きます。


そして、さすがみよん総料理長、ともいえる一品。トリュフ入りマッシュポテト(インスタント)のお湯の量を間違えて(袋に書いてるのに読まずにフィーリングで入れた)スープになりました( ̄▽ ̄;)


山小屋の方が鍋敷きを持って来てくれました。アチアチのフランパン直に置かれてテーブル傷められたら困るってことでしょうね(^_^;)


わたしがお肉を焼いている間に友達が面白いいたずらをしていました。
これは来る途中に買った、この地方の古い呼び名「ベアルン」という名がついている赤ワインですが、綴りの「Béarn」の「n」をどけるとBear、つまり英語の「熊」に。ピレネーはフランスでは唯一熊が生息する地域。フランスでは絶滅の恐れがあり保護・観察対象になっており現在47頭と言われています。
ワインのラベルのNをナイフで削って消して、山(ジャン=ピエール)と熊のイラストを描いていました。


宿泊客もわたし達もご飯を食べ終えてもまだ明るいです。左のテーブルでは宿泊客の初老の夫婦とゲームに興じる不良少年(😅でもなさそうだけど)。右のテーブルの3人は少年たちを引率している指導員(女性二人と男性一人)。
友達は山小屋の若い男性と漫画の話で盛り上がってて退屈なのでちょっと外にでも出てみるか・・・


お月様が。


デカフェインのインスタントコーヒーを作ってテラスに出ます。これは9時半ごろ。日が長くなってきています。



2日目に続きます。

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