再び「ヨーロッパでいちばん高い道路」へ
8泊9日のバスク滞在の翌日、6月1~3日に15歳の次男と出かけた南仏メルカントゥール国立公園方面へのドライブ&ハイキング旅行記です。前年度の有給や最近の残業分などを使っての17日間にわたる長期休暇の最終の3日間でした。
なにせ前日までバスクの友達んちに滞在していて、ひとり黙々と行き先を検索するのも感じ悪いのでバスクから帰った日の夜に調べ始めたものの、なかなか行き先を決めかねて「まあいいや、子供が学校行ってる午前中にでも考えよう」とPCやスマホを閉じようとしたとき、南仏の「ヨーロッパで一番標高が高い道路」として有名な(ほかにも自称「うちが一番」という道路がヨーロッパに2、3あるらしくてわたしには判断しかねますが)ボネット道路(2802m)が約7か月間の冬季閉鎖期間を終えて本日開通というニュースが目に飛び込んできました。これを明日(金)にドライブしつつ通って、その先にあるメルカントゥール国立公園で土日はハイキング!一瞬で閃きました。
ボネット峠道については約1年前のブログにも書いたことがあります。そのとき初めて通ってあまりの美しさにドキドキが止まらなかったのでした。そのとき「あ~子供たちにも見せてやりたい」と思ったのですが、ちょうど1年後に実現するとは考えてもいませんでした。雪深いため1年のうち5か月弱しか開通しておらず、うちからも遠いので1、2泊はしないと元が取れない感じなのです。
バカロレア(大学入試みたいなもの)を今月末に控えた長男は残念ながら欠席でした。
高校の授業が2時に終わるのを待って出発しました。出来るだけ早くに出たかったので、ほんとは校門前で待っとこうかという勢いだったんですが、準備に手間取りそこまでは出来ず、2時20分ごろの出発になりました。グルノーブル手前で渋滞があったので地道に下ります。GPSアプリによると約5時間の道のりですが、高速道路はグルノーブルまでであとはずっと国道&県道なので高速代が安くていいです。
これはうちから2時間ほど走ったナポレオン街道と呼ばれる国道。年に何回か通る道です。
うちを出て3時間半ほど。この辺まで来ると普段滅多に来ない場所で、運転しているわたしもワクワクします。お出かけや運転が大好き(≧∇≦)
18時44分。ついにボネット峠道の始まる地点にたどり着きました。「10時から20時までオープン」とあります。それは知らなんだ・・・まあ20時までに余裕はあるから大丈夫です。あとで民宿のご主人が「標高2800mでは夜中よく氷点下になるから、雪融け水で道路が凍って危ないんだよ。でも実際にはバリケードで閉めたりしてるわけではないから、通ることはできるよ。自己責任でお願いしますってことだろうね」・・・なるほど。
道路が開通したばかりだからか、時間的に遅いこともあるのかほとんど通行車両はありませんでした。
初めこそ緑が豊かな牧草地帯だったものの、しばらく走ると岩々してきます。雪もだいぶ出てきました。
まだ一番高い位置まではだいぶある地点ですが、「ボネット道路・ヨーロッパで一番高い 2802m」の看板がありました。
ちなみにボネット峠自体は2715mで、ヨーロッパで一番高いサヴォワ県のイズラン峠(2764m)や南仏のイタリア国境になるアニエル峠(2744m)に次いで全国3番目。峠から隣の山に向かって作ったループ状の道路がヨーロッパで一番高くなっているようです。
前日の午後に除雪作業が終わったばかり。雪の壁が数メートルに及ぶ地点もいくらかありました。
ところで、予約している民宿は峠道を反対側に下りた村にあって昨年3泊4日でメルカントゥールに来た時に最後の1泊をしたお宿。初めの2泊はシーズン入り前で管理人さんのいない山小屋にハイキング中に泊まりました。
なかなかよい民宿だったので今回迷わず電話したのですが、夕食には7時くらいまでに到着しないといけません。2時過ぎにうちを出発して渋滞がなかったとしても7時過ぎにはなります。休憩もすると思うし・・・7時に間に合わすために飛ばすのも嫌なので、前回ご飯が超おいしかったので残念でしたが朝食のみで予約しました。
そういうわけで、夕食はピクニックにしようとうちから色々持って来ました。
この写真は7時18分。考えたら2時過ぎにうちを出て、5時間近くトイレ休憩さえなしでぶっ通しで運転していました(^▽^;)
前日にバスクで買ったガトー・バスクも持って来ました。スペイン国境近くに昨日までいたのに、ここはイタリア国境からすぐの地方。すごい移動距離です😅
バスクへは飛行機で往復しましたが、もし自分で運転して行ってたら(片道8時間)いくらお出かけや運転が好きなわたしでも今日この距離は運転出来てなかったと思います・・・
ガトー・バスクにはアーモンド風味カスタードクリーム入りとサクランボジャム入りがあります。クリームの方が好きなんですけど、あえてサクランボジャムのものも買ってみました。アングレット(ビアリッツの隣町)で一番おいしいという噂のパン屋さんのものだったので、どちらも激ウマでした💖
自分の足で全然登ってないのに絶景の中ピクニックです(^^ゞ それと、夜ご飯がピクニックというのもあまりないパターンです。写真を見る限り、夜って感じしませんが、6月は日が暮れるのが遅くてまだまだ夕暮れ時まで時間があります。
峠に着く直前。雪の壁がすごいことになっています。
ボネット峠に到着。アルプ・ド・オート・プロヴァンス県(自然派コスメメーカー「ロクシタン」の本社があります)からアルプ・マリチーム県(ニースが県庁所在地)に入ります。
最高の景色に次男も感動しっぱなしでした。
民宿のある村というか集落に到着。8時ジャストでした。
ご主人が出てきて「やあ、お疲れ様。去年も峠道開通すぐの時に来たよね」・・・覚えてくれていて感激です。しばし民宿前で立ち話をします。
民宿のワンちゃん。
「さあ中にどうぞ、お部屋に案内します」と奥さんが出てきました。
ここはジット(gîte)と呼ばれる相部屋式の値段が安い目の民宿なのですが、峠道路が開通したばかりだからか、この晩は泊り客はわたし達だけでした。
奥さんが「そうそう、ちょっと待っててね」
すぐ戻って来て何か見覚えのあるものを手にしていて「これ、去年来た時に忘れたんじゃない?」そ、その通り💦めっちゃ使い古して色も剥げてるバンビの絵のバスタオル(元ダンが小学生の頃使っていたもの💧)、確かにここで乾かしていて忘れて帰ったのでした(;´Д`) 恥ずかしい・・・
ジットは安い代わりにシーツとバスタオルを持参してください、というのが多いパターンなのです。持って来てない人には貸出してくれますが、その分高くなります。
荷物を部屋に置いて一息ついて外を散歩に行こうということになり、降りていくとご主人が双眼鏡を持って来て「夕方は動物が色々見られるよ」と貸してくれました。
その前に動物がどこにいるかを確認してくれてるご主人。親切・・・
シャモアやアイベックスは見られませんでしたが、山の中腹に鹿が何頭かいました。
下りていく道路を眺めて。明日のハイキング出発地点へはこれを下りていくことになります。
民宿まで戻ります。
民宿と教会の他にはほんの数軒民家や貸別荘があるだけの小さな集落です。標高1800m弱になります。
桜が今頃咲いていました。サクランボになるやつだと思います。
奥に停まっているのは民宿のご夫婦の車、手前のはわたしの車ですが・・・
上から見るとヘタクソなことになってたので、他に誰がいるわけでもないけど停め直しに下りました(~_~;)
大部屋をひとり占めです(≧∇≦)
こんな山奥の集落だけどWi-Fiがあって友達や同僚に写真を送り付けることもできました(^▽^;)
次は翌日のハイキング記です。