フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

約1年ぶりにエクラン国立公園・オワザン地方へ

少し前に「今からエクランに1泊で行ってきます!」という内容で短く投稿した1泊ハイキング記になります。
昼過ぎまで仕事だった土曜日、勤務先近くに車を停めておいてうちに帰らずに直接出発しました。


高速で眠くなりすぎて一度SAで長い目に休憩(そのときブログ記事もアップしました)した他は渋滞もなく順調にやって来ました。


最後は少し急な山道になっている県道です。最後は行き止まりになっているので峠道路ではないものの風光明媚なため自転車の人が多く、峠道路に見られるような「最終目的地まであと何キロ、標高、勾配」の表示があります。


今回、夕方から歩き始めることになるので駐車場から近く、しかも翌日それなりに歩く場所がある山小屋を予約しました。2年前にも一度来たことがあるアルプ・デュ・パン山小屋(Refuge de l'Alpe du Pin)です。
いつものことながら行き先を決めるのが遅くて前日の夕方に電話で予約をしましたが、土曜の夜ということもあってかベットの空きが調度ひとつしかなかくてギリギリセーフ💦


2年前に一度来たことがあるという安心感とオワザン地方自体、最近こそ来ていなかったけど山にハマり始めた2,3年前にはかなり足繁く通っていた方面なため何となく「知っている」と過信していて、駐車場の位置関係をしっかり確認しませんでした。すると・・・見事に迷いました💧 
もう少し先だったと勘違いしてだいぶ行き過ぎた地点で駐車場に下りる林道をウロウロ探していました。


県道にある村のカフェの方に聞いたりして5時20分、ようやく正しい駐車場に到着。実に30分以上の時間のロスです(-_-;) 
まぁ山小屋まで登るだけだし、ご飯も頼んでないからタイムリミットもなく日が沈むのも9時半とかだから何の問題もないんですが、ご飯真っ最中に到着すると迷惑だと思うのでやはりそれより早くには着きたいです。


5時25分。歩き始めです。これは約2週間前、猛暑が始まった時期でした。この辺りは既に標高があるので少しましとはいえ、夕方はまだ日が高くて暑い💦
ここら辺のハイキングコースの難点は、駐車場から一度谷に下りないといけないことです。ここも高低差で100m以上は下りることになります。
それなりに手入れはされてるっぽいけど人の気配が全くなくて誰か住んでるのかよく分からない集落を通り抜けつつ下まで下ります。


集落を抜けると緩やかな下りのハイキング道になっています。「帰ってくるときに最後こんなけ登るんかー」と暗い気持ちになります💧


一番下、つまり川の流れている地点まで下りてきました。これはオワザン地方を流れる中心的な川であるヴェネオン川になります。オワザン地方イコール、ヴェネオンの谷、と考えていいでしょう。


標高1290mの地点になります。予約している山小屋までは2時間(先ほどの駐車場では2時間10分との表示)とありますが、確か前回来た時は1時間半くらいで登れた記憶があります。


山小屋からのメッセージ「開いています(&管理人が滞在しています)」のボード、それに放牧地帯を通過するときの注意事項の看板(ここらへんは羊です)などがありました。
時間は既に5時35分です。さっさと登ろう~~


いきなり急な坂道です。


初めのうちはこの滝の横をジグザグに登るので何度かすぐ隣に出てきましたが、間もなくハイキング道は滝から離れていきました。


いい香りのロジエ・デ・ザルプ(野生のバラ)があちこちに。ピンクのものが多いのですが、ここら辺では白が中心でした。気のせいかピンクのものよりも香りが良いように思いました。


足元にたくさん咲いていたのはセレストと呼ばれる花で8月いっぱいくらいまで見られます。


バラ(Rosier des Alpes)とユリ


面白くない足腰の訓練には良さそうな地味な登り坂をひたすら登ります。


退屈な坂道ですが、幸い時々見晴らしのいい所も通ります。


木が少なくなって視界が開けてきました。


野原っぽいところに出てきました。


「にっこりして下さい(写真を撮るときとかに言うセリフ)、山小屋まであと10~15分です」


ジュバルブ(サボテンみたいです)の花がニョキっと伸び始めていました。この花が伸びてくると「ああ、夏も本格的だな」という気分になります。


あ、目の前に小屋が見える♬
そちら目指して登ってったものの、なんか小屋の周りは案外しっかりと柵や紐が張っており、なかなか敷地内に入れません。「なんだよー、営業する気あるのかよ・・」とぶつくさ言いながら小屋の周りをぐるっと一周してフト少し遠くを見ると。。あれ、なんかもうひとつ小屋が見える。。


あ、こっちの小屋。何となく見覚えがあります。そうだそうだ、こんなだったわ、山小屋💦


着きました~アルプ・デュ・パン山小屋(1805m)。6時28分。53分で登ってきました(^^;
小屋間違えてなかったら50分で来られてたと思います。


昨夜電話で管理人さんと話した時に聞いていたのですが、わたし以外は子供連れのファミリー3組。少し急なところはあるものの危険箇所は全くないし距離も短いので小さな子供でも登ることができるコースです。


こじんまりとした可愛らしい山小屋です。収容人数16人。小屋の外に小さなテントがふたつ張ってあり、それも併せると合計20人まで泊まれるようです。


小屋から50歳前後の女性が出てきました。こんにちは、管理人のジュディットです、と英語訛りで自己紹介してくれます。あ、昨日電話した時に外人っぽい人が電話に出たからワーホリみたいなので手伝いに来てる若者かと思い込んでました(;´∀`) 
前回来た時も女性管理人でしたが別の人でした。ジュディットさんは在仏12年のイギリス人で山好きが高じて今年から山小屋の管理人になったそうです。前の管理人さんは別の山小屋に移られたんですか?と聞くと蜂蜜好きが高じて養蜂家に転職したそうです。


小屋内、小屋の前で他の宿泊客の方たちと少しお話しました。面白いことにドイツ人ファミリーと英仏(旦那さんがイギリス人)ファミリーが一組ずつ、もう一組は普通にフランス人一家でしたが英語やドイツ語が飛び交っていました(;'∀')


気さくで面白いジュディットさん。英語訛りは強いもののフランス語は上手です。
ご飯は自炊しますが到着時のビールは欠かせません( ̄▽ ̄;)


一般的なメーカーのもありましたが見たことのない地ビール(白)にしました。オワザン地方の中心の町、ブール・ドワザンで作られているそうです。ラベルのセンスも垢ぬけていフランスの地ビールっぽくないな、と思ったら経営者はイギリスの方だそうです(イギリス人ネットワークか・・)。スッキリしているのに味わい深く、とてもおいしいビールでした。



次回に続きます。

×

非ログインユーザーとして返信する