フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

再びグランド・サシエール(3747m)へ

順序的にはまだブログにアップできてないハイキングがふたつあるのですが、とりあえず今日の日帰りハイキングから書きます。


最近の2回の山行きはいずれもテント泊。つまり山での滞在は楽しむことが出来たけれど、ガッツリ登る、というのには程遠いものでした。というのも、軟弱なわたし達は荷物が重いとあまりいっぱい登る気がせず(;´・ω・)しかも仕事が終わってから2時半や3時の出発だったので、あまり移動の時間も歩く時間もなかったというのも事実です。


どこに行こうか散々悩むこともあれば、天気予報で行き先が消去法で限られることもあります。たまーになぜか「あの山(または湖、とか)に絶対に行きたい!」という気持ちが沸き上がってくることもあります。今回がそれでした。2年前の同じ時期(9月後半)に登ったフランス国内でハイキングで登頂可能な(つまりアルピニズムの装備なしで)最も高い山、と言われるエギーユ・ド・ラ・グランド・サシエール(3747m)です。
上の写真は駐車場周辺。ダムになった湖のある地点になります。グランド・サシエールは3747mと富士山並みに高いのですが、この駐車場自体2280mあるのでアップダウンを数えても1600m弱の高低差で、特に危険な個所もないとされています。


7時になろうとしていますが、日が昇るのが遅くなってきてこんなに暗いです。駐車場にはほとんど車はありません。2台トラックが。
・・えっ。まさか(@_@)


軍隊トラック。。
呪われている・・いやサーチされている・・・(ブログ仲間・チロルさんの予測。わたしのハイキングの行き先でやたら軍隊に出くわすので)


少し離れたところに彼らのテントがズラーっと並んでいますΣ(´∀`;)
ここでもつい最近テントデビューしたわたしと一致してしまいました💦


軍隊のトラック以外に一台だけ停まっていたワゴン車で寝てたらしいハイキング客の男性が車から出てきてボチボチ準備をし始めたので少しお話しました。車のナンバーを見る限り地元の県の方なんですが、片道3時間かかるわたしが4時前にうちを出てきてるのに地元の人が駐車場で前泊(しかも暗いうちに歩き出すとかではなくて)というのが少し意外でした。




グランド・サシエールはオフィシャルなハイキングコースにはなっていないため、看板は出発地点も含め一切ありません。2年前に来た時もどこから出発したらよいのか分からなくて、駐車場付近を散歩していた地元の方に聞いて道の始まる地点を教えていただいたのでした。今朝も最初、ちょっと間違えて別のところを歩き始めてしまい、戻って来てこの道が見つかりました💦


道が薄くなって分かりにくても、ケルンが定期的にあるので助かります。


クロッカスみたいだけどもっと大きくて夏の終わりから初秋に咲くやつ。
クロッカス同様、昼間しか花が開きません。

ジョンシアン・ド・バビエール。こちらも閉じています。


ヴァノワーズ国立公園の真向かいになります。左の白いのはグランド・モット。その隣がヴァノワーズ最高峰となるグランド・カッス(3855m)。
中腹にあるのはスキー場でもあるティーニュの町。夏スキーができることで有名です。


目的地に向かって真っすぐに登るのではなく、左(西)方向に大きく迂回して登ることになります。というのも装備なしでは西側の稜線部分からのみしか登れないのです。
ヴァノワーズ北部のモン・プーリ(3779m)が今度は正面になります。



エネルギーなんとか、といういかにもスポーツの人が食べるっぽいシリアルバーを買ってみました。そういう専門の?お菓子を買ったのは初めてです。リンゴとアプリコットが入っていておいしそうだったので。。。まぁ気休めです(;´∀`)


既に草のエリアからザレザレエリアに移行しています。


朝の光り、もや(ガスガス~!ってのじゃなくて💦)に包まれた景色が大好きです。長続きしないこの色合いを目に焼き付けるため(そしてカメラに収めるため)何度も振り返りつつ登りました。


急だし砂がさらさらで登りにくい~


ザレてきました。このほうがよっぽど歩きやすいです。


ザレ過ぎで道がはっきりしなくてもあちこち見渡せば、大抵ケルンが目につきます。
ありがとう、作ってくれた人たち💖


しつこく、朝もやの写真(;'∀')


もう3000m越えています。2280mから歩いてるので話が早い(^▽^;)


もう見られないと思っていたサクシフラージュがまだ残っていました。


分かりやすくて歩きやすい地点。


その後はしばらく急でした。でもおよそ道の形になってるので、道探しに時間や集中力を取られないのは助かります。


サシエール湖


3100mほどの地点は平たくなっています。ハイキングサイトに「このあたりでテント張ること可能」とありました。景色は最高ですが、風とか寒そうです・・・


分かりやすい道が続きます。お日様が山の裏から顔を出しました。一気に暖かくなります。


奥がグランド・サシエールです。


この後は少しアップダウンになります。


稜線の左は氷河に新雪が積もったものです。氷河の部分には大きなクレバスも見られました。もちろんアルピニスムの装備と知識がない場合はこの氷河を歩くのは危ないです。


振り返って。来るべき雪の季節を彷彿させます。


あと250mほどです。標高のせいなのか、昨日1時間くらいしか寝ていないせいなのか非常に足が重たい。。思い返せば2年前に来た時も最後足取りがやたら遅くなって苦しい思いをしたのでした。しまった、ここ2、3日ほどブログ村「山ガール」カテゴリーの人気記事に高山病についての記事があったのに・・読んでこればよかった(;´・ω・)


「高山病に効く!」とは書いてませんが…夏に日本に里帰りした時にお会いしたムラゴンの人気ブロガーのMAちゃんに頂いた高級スポーツ飲み物があります。もったいなくて、というかそんな大したところに行ってないので飲む機会もなかったのですが、今回持参しました。これを飲んでみます。


なんや、特に変化ないなー。。と思いつつダラダラと登り始めると、先ほどわたしを抜かしてサッサと登っていったトレランの兄さんが下りてきました。この方と数分間お話したあとまた登り始めると・・・あ。確かに足取りがちょっと軽くなった気がする!さっき3000mくらいのところを歩いてた時と同じくらいには足が出ます。効き目あったみたいです。ありがとう!MAちゃん💖 ふたつ頂いたもうひとつも別の機会に飲ませていただきますね~


頂上が近くなるにつれ気温も下がり、見るからに寒くなるようなものが・・・


新雪が積もっています。
駐車場で話した男性の話では昨日の晩に雨が降ったんだとか。その雨が、この辺りでは雪だったのでしょう。


岩がツルツルに凍っています。


めっちゃ滑るので凍ったところを避けて遠回りしつつ登っていきます。


最後の150mほどは雪が結構あります。その下が凍った部分もあるので要注意です。迷った結果登りではアイゼンを出しませんでしたが、下りは怖いので使うつもりです。


上ってきたところを見下ろして。


11時前です。やれやれ、ようやく頂上です。


マリア様の像が・・・前回来た時にはなかったはずです。
頂上に十字架はよくあるけどマリア様は珍しいです。


イタリア側。この頂上や周りの山との稜線はイタリアとの国境になっています。


モン・ブランも立派に見えています。



後半に続きます。

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