フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ポーを訪れる&ガトー・バスク再び

もう2週間が経ってしまいましたが、古くからの友達んちに泊めてもらってのバスク滞在記です。最終日の4日目は早朝の便で帰るだけなので、実質の最終日はこの日、3日目になります。今更ですが、友達は「M君」とします。今回友達の友達も出てきてややこしいので(^^;


M君のバイク友達、N君の住むポー(Pau)の町へ。高速を1時間ほどです。この辺りは既にバスク地方ではなく、ベアルン地方と呼ばれるエリアになります。
この時期、というか今もまだ完全に終わってないのですがフランスではガソリンの高騰などに怒った国民の抗議運動が激しく行われていおり、その一環として高速道路の料金所を占領、通行車を無料で通す、というのもやっていました。国に対する嫌がらせという意味があるんですけど、ラッキー・・・(^▽^;) ポーの出口では運動参加者たちが開きっぱなしのゲートで迎えてくれました。


市内の大きな駐車場に車を停めると、N君が徒歩で迎えに来てくれました。町の中心地に住んでいるそうです。小さな町なので歩いて案内してくれました。ポーはピレネー・アトランティック県の県庁所在地です。M君が住むのも同じ県ですが沿岸部になり、こちらはもっと山側。山とは言わずと知れたピレネー山脈です。


クリスマスの飾りつけがされ始めていました。左側のお店にはちょっと珍しい3人組の人形が。キリストが生まれた時にやって来た3人の賢者です。その手もあったか・・・


古い街並みにマッチするようにケンタッキーもシック。


たまたま通りがかったのは、よくスーパーなどの高級食品コーナーに置いてあるジャム、フランシス・ミオ。そういえばポーに本店があるのでした。


町の端っこに位置する「ピレネー大通り」にやってきました。曇りすぎてて何も見えないのですが、お天気のいい日にはピレネーの山並みが正面にズラーっと並ぶそうです。


可愛らしい街角。平日で観光シーズンでもないためかどこもひっそりとしています。
ここからそう遠くないところに町一番の見どころがあります。


フランスで昔も今も愛されている王様でプロテスタントを容認する「ナントの勅令」で有名なアンリ4世が生まれたお城です。一人目の王妃はカトリーヌ・ド・メディシスの娘で映画にもなった王妃マルゴことマルグリット。二人目の奥さんのマリー・ド・メディシスとはわたしが住むリヨンで結婚したので観光案内のときに「この大聖堂で1600年にアンリ4世の結婚式が行われました」などと言ってるため、勝手に親近感を持ってしまっています(^▽^;)


アンリ四世のフランス王即位をきっかけに、フランス革命まで続くブルボン朝が始まることになります(19世紀前半に王政復古により一時王権が復活)。アンリ4世はフランス王となった後も、同時に地元・ナバラ王国の王様も兼任していました。


そんな、フランスの歴史の詰まったお城の中庭でM君、N君とセルフィー。


さて、お昼が近いので町の中心地に戻ります。先ほどN君が行きつけのレストランを予約してくれました。わたし達の他にも4人N君の友達(うちひとりはM君とも知り合い)が来て総勢7名でのご飯です。


コルシカ島出身のシェフが作る、奇をてらわない普通のお料理でしたが真面目に作ってるのがすぐに分かるおいしさでした。わたしは砂肝のコンフィとラルドン(ベーコンみたいなもの)入りサラダ、オッソ―・ブッコ、クレーム・ブリュレとコーヒーにしました。値段もとても良心的。N君はお昼にも晩にも利用するので週2,3回は来てるかなーって言います。確かにリピートしたくなるホッとするようなお店でした。残念ながらお料理の写真だけで、みんなの写真がありません。シェフも何度もやって来ては冗談を言ってはまた厨房に戻る、という和気あいあいとした食事になりました。


N君ちは中心地にあるので少し寄りました。味のある素敵な中庭です。
最近スペインで買ったという、中庭に停めてあるヴェスパをM君に披露。他にバイク2台を持っていて、M君もヴェスパとバイク2台持っているのですが、ふたりはバイクつながりの仲間だそう。聞くと、先ほどのレストランのシェフもバイカーの集いには参加するらしく、みんな仲良しっぽいです。


この日はお天気が悪くて午前は曇り、午後は雨の予報です。でもこのままMくんちまで行きと同じ高速で帰るだけじゃ面白くない~!とわがままをいうわたしに付きあって、N君に教えてもらったお勧めのきれいなルートを遠回りして帰ることにしました。バイカーなので眺めのいい道についてはよく知ってるのでさっき食事中に質問してみたのです。3つほど聞いた中で、あまり遠くなりすぎないルートを選びました。


教えてもらったのはマリー・ブランク峠道路を通って帰る方法です。しかし、、天気が悪すぎて景色も全く見えません。雨もどんどん降ってきました。何が楽しいんだかまるで分からん・・・しまった(~_~;) でも「遠回りしてドライブして帰ろう」と言い出したのはわたしなので、頑張って楽しいような気分になろうと試みます。


標高が上がってくるにつれ、雨は雪に変わってきました。


ピレネー国立公園のすぐ近くまで来ているようです。ぐるぐるマークは、フランスの国立公園に共通したロゴです。そういや今年の5月下旬にM君とピレネーの山小屋で1泊してハイキングしたのもこちら方面でした。


峠まであとほんの少し、多分2キロくらいだったのですが、斜面になっていて降りたての雪が融ける間もなく積もってきています。温暖な沿岸部に住むM君の車は冬タイヤなんかではありません。何かあってからでは遅いので「峠に行くのは止めて今来た道を帰ろう」とすぐM君に提案しました。M君がUターンしようとしたので「バックでそろそろと戻ったほうが滑らない」とアドバイス。で、上の写真はそうやって平たい安全なとことまでバックで戻ってきたところです(^_^;)


一瞬で冬です。
M君の住むバスクの沿岸部ではほとんど全く雪は降らないし、スキーも山も興味のないM君は雪自体がとても珍しいみたいですΣ(´∀`;) 


突然の雪にわけもなく大はしゃぎのいい歳のおとなふたりでセルフィー( ̄▽ ̄;)
山道の県道を下りて国道、そしてまた高速走ってバイヨンヌ、ビアリッツ方面へと戻ります。
この日の朝からわたしが口にしていることがあります。「ガトー・バスク買うから、あのお店連れてって~」
あのお店とは・・・


M君ちから車で10分ほどの界隈にある何の変哲もないパン屋さん(兼お菓子屋さん)なのですが、ここのガトー・バスクがとっても美味しいのです。観光エリアではないのでツーリストが来たりはあまりしないと思いますが、地元の人の間では有名でパリに住むM君の弟もパリに帰る時にはこのお店のものをどっさりと買い込んで行くそうです。わたしも前回大満足だったので、今回もここで。明日は飛行機の便が早くて買いに来られないので今日のうちに買わないと。


わーい\(^_^)/これだこれだ♬
上のバスク十字が描かれたのがガトー・バスク。下はブリオッシュのようです。


わたし達が店に入ると同時に、仕事着の中年男性が戻って来られました。思わず呼び止めてしまいました。「あのっっ。あなたがここのご主人ですか?ここのガトー・バスク、とっても美味しいです!大ファンなんです」「本当ですか。どうもありがとう」ちょっと面食らっていたご主人😅


4人サイズ3つと6人サイズひとつを購入。パン屋さんだけあって値段も各11ユーロと12,50ユーロと控えめです。ガトー・バスクにはラム酒風味のアーモンドクリームとカスタードクリームの混ざったの入りのものと、黒サクランボジャム入りのものと2種類ありますが、時間が遅かったためか前者しか残っていませんでした。そちらの方が好きなので問題ありません(^^♪
お会計をしていると、先ほどのご主人が奥から出こられました。
「ほら。これ食べてみなさい。これもおいしいから」


わたしたちに一切れずつ輪っかの形をしたブリオッシュを切って持って来て下さいました✨ありがとう、ムッシュー!!
この後Mくんちに戻りました。紅茶を入れてブリオッシュを遅い目のおやつに。
そして飼い犬のチキータちゃんの散歩へ。海辺へは行かずに、徒歩数分で行ける松の木のいっぱいある広い公園というか森があるので、そこを20分ほど歩きました。


今晩はレストランを予約してくれているというので、ビアリッツの町へ。


予約している8時半まで少し余裕があったので海岸まで車で来ました。雨は夕方から止んでいます。


ラテンアメリカ風なお料理がスペシャリティなレストランは、中心地ではなく住宅地の一角にありました。


ワインはバスクなど南西部のものにしようかと迷ったのですが、南米のものもいくらかあったのでお店の方とお話してアルゼンチンのもの選びました。南フランスにも植わっているセパージュのもので、想像してたよりもずっとまろやかで、若いのにタンニンがとがっておらずとても気に入りました。タパスは南米風ではなくバスク、スペイン風でした。


わたしは3つの方法で調理されたタラ料理と仔羊、M君は烏賊と豚肉をチョイス。特に仔羊がとーってもおいしかったです。


これといって心惹かれるデザートがなかったのでカフェ・グルマン(色々なちっちゃなサイズのお菓子とコーヒーのセット)にしました。M君はバナナとラムのクープ(パフェみたいなの)を選んでて、「うわ、また苦しくなりそうなものを💦」と内心驚いてたのですが、味見させてもらうとすっきりと軽くてひと口だけ味見のつもりがふた口、み口とお代わりしてました😅


超おいしかったアニョー(仔羊)を目の前に、セルフィー。
ありがとう、M君。ごちそうさまでした✨


翌朝は6時35分の飛行機(;゚Д゚)早っ・・


しかも時刻よりも早く着いてくれて。。
なんと自宅には8時半に到着、問題なくその後仕事に行くことが出来ました。


バスクシリーズはこれで終了です。次回からまたハイキング記になります。

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