フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

中世の村ペルージュとドンブ地方散策

たまに日本の方のフランス視察旅行などの通訳やアシストをお願いされることがあります。先週はリヨンで2年に1度開かれる外食産業の見本市「SIRHA(シラ)」が5日間にわたって開催されていたので日本からだけでなく多くの外食関係の方たちがリヨンに集合していました。見本市のオフィシャルサイトによると合計約21万人の入場者(外食産業関係の人しか基本入場できません)のうち外国からは約3万人だったそうです。ホテルもこの時期早くからいっぱいになり値段も跳ね上がります。


東京の旅行会社の知り合いから紹介された製菓・パン学校の先生をアシストさせて頂くことになっていたので元々の休みプラス有給1日で計3日間のお休みを確保してあります。


1日目は午後からのみ見本市に行くということで午前中は観光です。前日にひとりでリヨン市内は見て回っておられたそうで、この日は「NHKフランス語講座に出てきて、しかも映画『三銃士』の撮影にも使われたペルージュ村に行きたい」ということで車で出かけることにしました。市内中心地のホテルの近くまで迎えに行きます。


製菓・パン学校の先生のMさんは数年前に一度ご案内させていただいたことがあるので気心が知れています。海外出張が多く、講師も欧米の有名シェフを呼ぶことが多いため英語を話されます。相手も英語が上手な場合は問題ないのですが、今回の見本市ではビジネスミーティングがいくつかあるためお呼びがかかりました。


観光シーズンでもない日曜の午前中ということで人っ子ひとり見かけません^^; 
リヨンから1時間もかからないペルージュには1年に1度くらいは来る感じです。大抵は日本の方をお連れしますが、去年の1月には子供たちと長男の彼女と一緒にレストランに行く前の腹ごなしの散歩😅のためにやって来ました。


「ガレット・ド・ペルージュ」の看板。村のいくつもの店で作られているガレット(丸く平たく焼かれたお菓子の総称。お菓子だけでなく塩味のもののときも)、これをMさんも楽しみにしておられます。あれ、ここは中に電気がついています。


年配の職人の方が生地を丸くまとめておられるところでした。ペルージュのガレットはレモン風味のブリオッシュ生地を薄く延ばしてバターとお砂糖をまぶして焼いた素朴なお菓子です。


ひとつ先の窓から見えました。薄くてピザのようです。こちらの厨房でも2、3人の方が働いておられました。


ぐるっと角を回って。今見てきたのは実は村で一番有名なホテル・レストランの厨房でした。


中世の旅籠のイメージそのままのホテル・レストラン「ヴュー・ペルージュ」。村の中心の「Place du Tilleul 菩提樹広場」に面しています。


名前のもとになっている菩提樹。フランス革命前に植えられたものでつっかえ棒がされてますが幹は空洞化しており、少しずつ枯れてきているそうです。
この広場は別名Place de la Halleとも呼ばれています。Halleとは屋根のあるマルシェの意味。きっと昔は雨・日除けの屋根が作られていてその下で市場が開催されていたのでしょう。今でも広場の屋根が残っている古い村は時々あり、実際にそこでマルシェが行われていることも。


村全体にシーンと静まり返って店のひとつも開いていない感じですが、ここはホテルだけあってティールームも開いています。時折小雨が降る肌寒い日でしたので吸い込まれるように中へ・・・


寒いですね、よろしかったら奥にどうぞ、とホテルの方に促されるがまま年季の入った暖炉の近くの席へ。


ピカピカの銅鍋の掛かった壁の隣のテーブルに着きました。


アンティークなインテリアに溶け込むようにおっとりした奥さんと火の世話に忙しい旦那さん。Mさんいわくこのお店もNHKフランス語講座で紹介されていたそうです。


コーヒーとガレット。いつ食べてもシンプルでおいしいです。とっても薄いのでもう11時でお昼ご飯に近い時間でしたが全く影響ありませんでした(^▽^;)


すでに暖かかったのですが、さらに特大の薪( ゚Д゚)をくべてくださいました。隣の部屋にももう少し小さな暖炉がありますがなにせとても広くて天井も高いのでたくさん薪が必要なことでしょう・・・


初めはわたし達の他に宿泊客と思われる初老のご夫婦が一組おられただけで、その方たちが出ていかれた後はしばらくわたし達だけになっていました。11時を過ぎたころからどんどん人が入ってきました。ツーリストという感じではなく、近くに住む人たちが日曜のお昼を食べるために親戚か友達か分からないですが大勢で予約して少しずつ集まってきているという感じでした。


さて、わたしたちがお昼ご飯を食べにドライブがてら向かったのはペルージュからほど近いドンブ地方です。大小あわせて約1000の沼があるといわれています。鶏肉で有名なブレス地方とも一部重なっています。ここはその中の村のひとつ、ブリニュー。お城がありますが、今も住居として使われているので(@_@)見学はできません。


前を通りつつ「良さそうだな」と思っていたものの一度も入ったことのないレストランを予約しました。「トック・ブランシュ・リヨネーズ」やドンブ地方の地方料理を出しているレストランのグループにも入っているようです。トック・ブランシュはミシュランの星付き星なし関係なしに色んなタイプ(や値段)の店が加盟しているグループで、どこもちゃんとした店ばかりなので「まあ外れはないだろう・・」という目安にはなります。


建物の中は古いつくりを生かしつつもモダンな飾りつけになっていておしゃれです。

地味な地方の地味な村なのですが(失礼!)お店はどんどんいっぱいになってきてついにすべてのテーブルが埋まりましたΣ(゚Д゚) 予約してきてよかった・・・


アミューズには鯉のムースにオマールのビスク。濃厚でおいしかったです。白ワイン欲しかったんだけど(^^;)ロワールの白とか(≧∇≦) Mさんは飲まれないのでしかも払ってもらっている身でたかだかアミュースのためだけに白ワイン注文できないです💦

前菜はこれまた鯉が使われた一品。鯉のミンチとハーブを混ぜたものの真ん中にモッツァレラが入っててカラッと揚げられています。中がトロリとしてオイチイ💕サラダ仕立てで鯉のフライがふんだんに乗ってあり、ほとんどこれでお腹いっぱい・・・
鯉はフランスではあまりメジャーな食材ではありませんが、ドンブ地方の食材のひとつです。他にはフランス中央部ロワール河流域なんかでも食べられていると思います。
さあさあ、このあとメインがありますよ(^▽^;)しかも子羊肉がたっぷりと✨この半分でよかったんと違うの?という量です。でももったいない&おいしいので完食!基本レストランで(人んちに呼ばれたときとかも)食べ物は残しません。


でもさすがにチーズはパス(^_^;) デザートはアイスクリームまたはヴェリーヌ(グラスに入ったミニデザート)。色々食べたかったけどこの後一応見本市に行くことを思い出し( ̄▽ ̄;)3つだけ。レモンタルト風ヴェリーヌ、プルーンの赤ワイン煮、ラベンダーのクレーム・ブリュレ。どれもおいしかったです。


うわーお腹いっぱい・・・暖房効いたとこでたらふく食べて意識が朦朧としてきました。コーヒーが必要です!ここで分かったのですがMさんはわたしに勝るとも劣らないコーヒー好き(;'∀') 3日間、機会がある度にわたし達コーヒー飲みまくっていました。


リヨン郊外のエキスポ会場の見本市へと向かいます。
次回に続きます。

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