フランスで山歩き

仏中東部リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

雪どけの湖の合間を歩く(最終回)

雪どけ真っ最中のいくつもの湖を周回したあと、それだけでは物足りないのでタイユフェール山小屋(2056m)のうしろにある丘にまず上り、そのまま真北に続く緩やかな登り坂を歩きます。一番先はグラン・ガルベール(2561m)。昨年5月にこの辺りに来た時にも同じ山に行きました。その時は別の駐車場からの出発で南西方面の稜線から上りました。  


地図に道は載っていませんが、人の歩いた跡が何となく道の形になっている部分もありました。ケルンはあまりありませんでしたが、真北に進むだけなので簡単です。


この辺りまで来て初めてモンブランが見えました。


ゆるやかな上りが続きます。


右手にはエクラン国立公園。真っ白な部分はモン・ドゥ・ランス氷河。後方左にはメイジュ。


2350~2400mほどの地点。さすがに雪が残っている部分もあります。
昨年5月に来た時は辺り一面このくらいの雪が残っていました。


また雪のないエリアが続きます。ほんっとに雪の少ない冬だったようです。


緩やかだけどやたらと頂上が遠い・・・上るにつれてどんどん後ろから続きが出てきます。ちょっと飽きてきました(-_-;)


いきなりこの辺りは土が真っ赤!写真であまり伝わらないかもしれませんが・・・
聞いた話によると、鉄分を含む土壌だからだそうです。そういえば山塊名の「タイユフェール(Taillefer)」、フェールは鉄、タイユ(原形はタイエ)は削るとか刻むという動詞です。
今回拾ってきた石👇
小さい3つのがこの「赤い土と石エリア」で拾ったもの。

こうして見ると赤いのがよく分かります。
大きいのは写真では伝わらない気がしますが、金色のスプレーをかけたように表面の一部がキラキラなので拾ってしまいました。
石マニアというわけではないのですが、タイユフェールは石がきれくて(汗)つい拾ってしまいます。今回そんなに大きいのは拾いませんでしたが、去年は結構重たいのを拾って帰ってしまいました。。
👇これです。

1,5キロくらいあります(-_-;) 
次男が幼かったころすぐ石ころを拾ってくるので「お願いだからやめて」と口を酸っぱくして言ってたものですが(^^;)


エクランの反対側、ヴェルコール方面。


さて、長かった草原エリアから少し岩っぽいエリアに入ってきました。


は~~ようやくちょっとは登り甲斐のあるところを通ります。


むむむ、最後はさすがに雪がまあまああります。
今日はアイゼンも持ってきてないのでこれまで雪のないところを選んで歩いていましたが、ここの坂の雪のないところはザレザレしていてしかも急なので敢えて雪の残る緩やかな面から上ることにします。


まあそんな大した量の雪ではないので普通に靴で歩けます。20センチくらいでしょう。時々40~50センチくらいのところにズボッとはまってびっくり、程度です。


いよいよ・・・?


\(^_^)/ グラン・ガルベール(2561m)頂上に到着。


雪庇(≧∇≦) あぶな。。


ベルドンヌ山塊南部。左がグラン・ピック・ド・ベルドンヌ(2977m)、右がグランド・ランス・ダルモン(2842m)。


霞みまくってるヴェルコール山塊南部。高くなっている扇型の山は山塊最高峰のグラン・ヴェイモン(2341m)。
その少し左の四角い出っ張りが山塊のシンボルのひとつでもあるモン・テギーユ。


さて、もう3時45分です。緩やかな上りだったので、下りも上りとあまり変わらない時間がかかりそうです。特に休憩はせずに写真を少し撮ってすぐに下り始めます。


ちょっと急ぎ足で歩きます。行きに通った辺りよりも端っこに近い部分を歩いてみます。


いくつかの水溜りが雪どけ真っ最中でした。


さて・・・
駐車場に向かうために朝通ったハイキングコースに合流しますが、お昼ご飯を食べたタイユフェール山小屋に下りるよりはもっと先の部分に下りたほうが歩く距離が少なくて済みます。


こっちがタイユフェール山小屋に下りる場合の斜面・・・


そして下👇はコースのもっと駐車場寄りに下りる場合の斜面

こちらにも下に小屋があります。「その1」に書きましたが、夏に放牧業の人たちが使うシャレーです。
どちらの斜面も急だけど、こちらの方がザレザレしている感じで大変そう・・・でも無理なほどの傾斜ではないので5秒くらい悩んだ結果、近道になるこちらから下りることにしました。


このように時々ザレ場にオアシス?(土があって植物の生えてるゾーン💦)が登場するのでなるべくそういう場所を選んで下りたいのですが、ほとんどありません(;´Д`)


キツい・・・めっちゃザレザレしています。どう歩いても滑るのでそういう場所はむしろズズズ―っと滑り下りました。「病み上がり癒し系ハイキング」だったはずなのにどこでどう間違えてこうなるんでしょうか・・・


なんとかズルズルゾーンを脱出、なだらかゾーンに入ったところ。
ボワ・ジャンティとかボワ・ジョリと呼ばれる花(背の低い木)がありました。ボワは木のことで、ジャンティは「優しい、親切な」ジョリは「きれいな」です。きれいな木、優しい木・・・(^^;)
遅い目の春が旬のようですが個人的には春よりも夏によく見る気がします。いい香りがします♪


朝歩いたハイキングコースに合流ε-(´∀`*)ホッ
あとは駐車場まで下りるのみです。


駐車場に来るときに通った村が見えています。


あれ、記憶ではここら辺の上りは緩やかだったんだけど…結構急です。
さっきのザレ場を下り終わった時点でストックは畳んでいてたのですが、早歩きで下りたいのでまた出してきました。臆病者なのでコケるのが怖くて・・トレランとかは一生できないと思います(^^;


あ、これはラズベリーです。この辺りあちこちに生えてました。7、8月に来たら食べ放題ということです(^^♪


春から夏に見られるポトンシーユ。


駐車場に近付いてきました。この辺りはススキのようなものがたくさん生えていて秋の雰囲気を醸し出していますがススキではありません💦


6時20分、駐車場(1400m)に到着。朝に停まっていたもう1台の車が帰っていくのが15分ほど前に上から見えました。お昼ご飯を食べた山小屋で出会ったマウンテンバイクのふたり組かな?この日3度ハイキング客に会いましたが午前中に湖の近くで話をした兄さんも避難小屋前で見かけた女子3人組も別の駐車場から来たみたいだったので。それとも出会わなかった誰かかもしれません。
ハイキング中や駐車場で他のハイキング客と話をするのは好きなのでちょっとの差で話せずに残念でした。


・・・なんか汚いです、わたしの車。ごめんよぉ、いつも頑張ってくれてるのに・・・


日が長くなってきて、6時半だけど日が暮れるまでまだまだあります。


帰り道はベルドンヌ山塊が真正面に。行き帰りの運転も好きなことのひとつです。


今回のハイキング記、日帰りにも関わらず4回に分けてと長くなりました。読んでくださった方、ありがとうございます。

雪どけの湖の合間を歩く(その3)

お天気がよかった日曜日。前日まで体調が悪かったため高低差800m程度の軽い目のハイキングを計画。例年より早く雪どけが進んでいる湖周辺を散策しにタイユフェール山塊にやってきました。


いくつもある湖をぐるっと回りつつ周回して朝通ったタイユフェール山小屋周辺に戻る予定です。昨年5月にこのあたりを散策した際に通りがかったラ・ジャス避難小屋が遠くないところにあるので、まずそちらに寄ってそこでお昼ご飯にしようと思い描いていました。
避難小屋は地図に載っているハイキングコースからは少し離れた場所にあります。そちらに向かう細い道がメインコースから分岐していたのですが、その分岐点が湖からの帰りに見つからず(結構雪が残ってる部分もあったので隠れていたのかも)、避難小屋自体どこにあるのか見えなかったので仕方なしに適当に野原を突っ切ってタイユフェール山小屋のすぐ近くまで戻ってきました。


タイユフェール山小屋まで戻ってそこでご飯でもいいか・・・いや、まあそれ以前にそこら辺の野原のどこで食べてもいいわけだけど(汗)。
ラ・ジャス避難小屋はなかなか素敵なところだったので、そこでご飯を食べるかどうかは別にしてもまた見に行きたい気がします。快適そうで立地条件もいいし、ぜひいつか泊まりに行きたい避難小屋のひとつなのです。


ここまで上ってきてしまったのでちょっと癪だけど(避難小屋の方が標高が低い)、タイユフェール山小屋の少し手前に「避難小屋こちら」の看板があったのでそこから行くことにします。朝に通った時見かけて「お昼過ぎにここから戻って来ることになるな」と思いながら通り過ぎたのですが・・・そこの分岐からなら確実に行けます。


これです、この周辺には「ロバでハイキング」コースというものがあるようで、その案内板がところどころにありました。これにはそこに「ラ・ジャス山小屋」と付け足されていました。
この分岐にしても左手に出ているのは看板がなければ確実に見落としてしまう薄っすらした道です。


晩夏を中心に冬にでも見られるカーリン(カルリナ)の一種。日本語訳を必死に探したら「チャボアザミ」だそうです。乾燥してドライフラワーになっちゃったみたいに見えますが、これが普通の状態で青々としていることはありません。


今日もクロッカスはあちらこちらに。


下ること10分余り、ラ・ジャス山小屋がありました。やはりちょっと窪んだ場所にあるため(吹き曝しにならないような場所に建てられていることが多い)、先ほどわたしが歩いていた場所からは全く見えませんでした。


わ~い、1年ぶりです。


とてもいい場所にあります。ここで目覚めたい・・・✨


ドアは上と下が別々に開くようになっています。


セルフタイマーで一枚。


はい、それでは次回に泊まりに来るときのための備品チェックです。


マットレスがいくつもあります。
8人くらいは軽く寝られそうです。小さいところだと既に誰かがいた場合困るので、いいシーズンの週末に泊まる場合このくらいの規模のところの方が安心です。なんせ予約できませんから…(^▽^;)


ストーブは比較的新しそうです。
そして特筆すべきは、ガス調理台!!いや待て、ボンベ空かもと動かしてみましたが半分以上残ってる感じでした。他の避難小屋では今まで見たことがありません。


木や薪を切るためののこぎりもあります。


調理器具や食器類も充実しています。


パスタとかお米もあります。他にお砂糖、コーヒーなどもありました。
個人的には今まで避難小屋に置いてある食品を使ったことは一度もありませんが・・・
小屋内に張り紙があり「日持ちのする乾物に限り、置いていって下さい」とのメッセージが。使わなかった個別包装のジャムやインスタントコーヒーを置いて行ったことはあります。


さて、ここでお昼ご飯にするかぁ、と腰を下ろすと下の方から賑やかな声が。本日2度目に出会うハイキング客は3人組の若い女の子でした。着いて間もなく3人はキャイキャイはしゃぎつつお弁当を広げだしました。
誰かが近くにいることは全然構わないし、居合わせたハイキング客と一緒にお昼を食べたことも何度かあります。しかしあまりにうるさい(-_-;)
仕方ない、タイユフェール山小屋方面に戻ろう…と腰を上げます。


15分くらいでタイユフェール山小屋前の分岐点に戻ってきました。


夏のシーズン中には管理人がいてご飯も食べられるタイユフェール山小屋(2056m)に到着。時間は1時を回ったところです。
ここでマウンテンバイクの男性ふたり組に会いました。彼らはお昼を食べ終わったところで出発準備をしていました。そういえば自転車のタイヤの跡がこの日のハイキングコースの色んな場所にありました。


山小屋の前にはテーブルがいくつかあったのですぐお昼ご飯にしました。
今日はパンがうちになかったのでクラッカーのようなものを持ってきました。


食後のコーヒーとお菓子を食べて時間を見ると1時45分。
ここから駐車場に戻るには1時間ちょっとでしょうか。3時か・・・あまりに早すぎる~
これが日本なら温泉にでも浸かって帰るのにちょうどいい時間帯なんでしょうが、こちらにそんな洒落た楽しみはありません(~_~;)


ふと後ろを見ると・・・山小屋の後ろはこうなっています。
小高い丘のようなところのてっぺんは地図上では2246m。山小屋からだと200m弱上ることになります。全く見えてないのですが、丘の後方(真北)にそのまま山は長く伸びていて、少しずつ高くなっていき山小屋から直線距離で約3キロ北に行った地点が一番高く、グラン・ガルベールと呼ばれるその頂上は2561m。1年前に来た時は反対側の駐車場からの出発でグラン・ガルベールには南西方面の稜線から上りました。ちょうど「へ」の字のような地形になっているのです。
その時は頂上から今いる辺りより少しずれた地点に下りてきました。この山小屋周辺は傾斜が急だったのでもう少しなだらかなあたりを目指した気がします。
う~ん、記憶では(そして地図でも)ちょっと遠いんだけど、グラン・ガルベール。どうしよう。
病み上がりということで控えめな行程にしていたけど、特に疲れていないし物足りません・・・よっしゃ、行っとくか~(^▽^;)


大体こんな感じ?(;´∀`)
その丘の頂上で終わりにしてもいいし、そのもう少し奥まで続けて登ってもいいし・・・
最初の斜面は急だけどあとは緩やかなので時間さえ気にしなければそんなにキツいことはないはずです。


登りはじめ。山小屋が小さくなっていきます。


あっ、ジョンシアン!
春から初夏によくみられる花です。これはジョンシアン・プランタ二エール、特に早いうちから出てくる種類。見るのは今年初めてです。


同じジョンシアンでも違う品種のもの。リンドウみたいです。これはもう少し後に旬になります。ひとつ上の小さなジョンシアンはその後何度も見ましたが、こちらのほうはこの1度きりでした。


丘をひとまず登り切ったところ。
左手(西側)を望んで。ヴェルコール山塊が霞んでいます。


このようにどんどん続きがあります(;´∀`)
傾斜が穏やかで疲れることもないのでもっと先まで行くことにしました。


ときどき咲いていたアリッサムの一種。日本ではミヤマナズナ属とされているみたいです。
来月くらいになるともう少し色んな花が出てくると思うのですが、今はまだ種類が少ないです。森にはもっと色々咲いているんですが、野原の部分はまだ雪どけから間もないので無理もありません。


湖めぐりだけで帰るつもりが山をひとつ付け足したため行程が長くなりました。よってブログも3回ではまとまりません(^^; 次回(その4)が最終回になります。

雪どけの湖の合間を歩く(その2)

先週は体調が悪かったので日曜日山に行くか少し迷ったものの、朝起きると大丈夫そうだったのでタイユフェール山塊の湿地帯エリアへ雪どけの湖をめぐるハイキングに出かけました。病み上がりということで高低差少な目(700~800m程度)の散策にする予定です。もし元気で物足りなかったらそれに加えてそこら辺の丘にでも登ればよいという気楽さです。1年前に反対側の駐車場に停めて歩いたことがある場所なので、勝手は分かっています。


湿地帯エリアに入ってきました。これはまだ地図に名前が載っているような湖ではなくただの水溜りですが、融けかけています。


目の前の少し小高くなっているところを超えればいくつかの大き目の湖が広がるエリアです。


これは丘を越えた右手の方角。背景として薄っすら浮かび上がっているのはヴェルコール山塊。


近付いてみます。湖の融けた部分に空が映って真っ青に染まってます。


そして左手には先ほどからどんどん近付いてきた3つの山のひとつ、ロシェ・キュラソン。その麓にいくつかの湖があります。


左がラ・ピラミッド。右奥にあるのが山塊最高峰で山塊と同じ名前を持つル・タイユフェール(2857m)。今年の元旦に一人で登った思い入れのある山です。
👇その時の様子

一番大きな湖、フルシュ湖です。
3、4年くらい前、今ほど山にハマってなかった頃に夏に友達と3人でハイキングに来たこともありました。今写真を探してみたら・・・出てきました~!


夏だとまるで雰囲気が違います。


水面ギリギリを歩いてみますが、パリーンと割れないように注意です(;・∀・)


このすぐ上の写真を撮ったあと歩き始めると後ろから話しかけられ、びっくりしてすっ転んでしまいました💦 なかなかイケてるカッコいい兄さんで(;´∀`)まずは「驚かせてゴメン」と謝ってきました。すぐ近くのスキー場で調理師をしてて昨日でシーズンが終わったばかりだそうです。ここには来るのが初めてで地図も持ってないし、そこらの湖以外はどこに行けばいいか分からんというのでお勧めを教えてあげました。周辺の山や最近行った山のことなど15分くらい立ち話したのち別れました。


振り返って。


さて、先ほど歩いてきたのと平行したハイキングコースを東側(来た方向)に歩きます。さっき歩いたところとの間は高さ70~80メートルほどの細長い丘のような地形になっているのでそちら側は全く見えません。


奥(中央)にはグランド・ルース山塊の華、エギーユ・ダルヴ3兄弟がはっきりと見えています。


新たに湖が見えてきました。湖の近くを歩くためにハイキングコースからは少しずれて歩いています。


これはノワール湖です。さっき目の前にあった山々からまだそんなに遠くには離れていません。


はい、バリバリっと割れないように注意です(^^;


そしてさらに歩いて行くと・・・


ラ・ヴェーシュ湖です。名前が付いた大き目の湖はこれで最後になります。


山でお天気がいいとそれだけでも嬉しいですが、雪があるとき(白と青のコントラスト)や湖(湖面に青空が反射する)の畔では嬉しさ倍増です。


春によく見られるプルサチーユ。アネモネの仲間です。2週間前のベルドンヌ山塊の2500mくらいの地点でいっぱい咲いていたのに、昨日の標高2000~2100mくらいの湖の周辺ではつぼみのものばかりでした。不思議なものです。


もう湖はありませんが・・・湿地なので水溜りは無限にあります。


完全に融けている水溜りの辺りでクエックエッと低い声がします・・・


やっぱり!いてました、カエル。何匹もいてかなり大きかったです。



やはりその2は湖の写真ばかりになってしまいましたが、実際はこの倍以上撮りました(^^;) その3(最終回)で終われるといいんだけど、長くなりすぎそうな気もするので短い目のその3とその4(最終回)にするかもしれません。