フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

プチ・サン・ベルナール峠クライム

プチ・サン・ベルナール峠はフランスとイタリアの国境になり、2188mとフレンチアルプスでは8番目の標高の舗装路の峠道になります。
先月、峠道近くの湖でテント泊をした翌日、麓の町まで車で下りてから自転車で登りました。


峠道への出発地点はいくつかの選択肢がありましたが(途中からはどれも同じ)、一番ポピュラーっぽい、ブール・サン・モーリスの町から登ることにしました。


この町から峠までは約30㎞(わたしの停めた駐車場からだと)あります。
今まで登ったことのある、連続した長い上り坂は24㎞(ボネット峠、1600mUP)や23㎞(ラ・クロワ・ド・フェール峠、1600mUP)辺りなので、比べるとちょっと長いけれど、高低差は1400m弱で平均勾配は5%ほどらしいので、まぁ大丈夫かなと楽観して出発しました。
峠道の傾斜具合です👇

ヒルクライムの専門サイト「アルプ・フォーエバー」より。
だって、色がグリーンですよ✨
キッツい坂は、オレンジ(7~8%)→赤(9~10%)→ボルドー(10~11%)という風に色が濃くなっていきます。
オレンジや赤中心の峠道に登ることも増えてきている中、グリーンのみの峠道というのは、逆に新鮮でもあります。


例によって登りは足つきしたくない&結構気合い入ってるので、写真を撮る余裕がありません。でも今回は、帰りにダウンヒル最中に撮った写真を混ぜて書いていきます。


ブール・サン・モーリスの標高は800mちょっと。峠道上にあるラ・ロジエールというスキー場(上の写真)の標高が約1850mで、この間ずっと森の中なのです。
傾斜がきつくなるところはない代わりに、平たくなるところもこれといってなく、景色はかなり単調で(決して悪い景色ではないんですけど)、正直退屈しました(^-^;


そして、5%なら30㎞でもしんどくないかな、と甘くみていましたがスキー場を抜け、つまり森から出て日差しが強くなってきた辺りで急に疲れを感じ、自分でも分かるほどスピードダウンしてきました。


しかしスキー場を完全に抜けたあとは、素晴らしい景色が目の前に広がってきます。
それをエサに、なんとか峠(2188m)まで足つきなしで登り切りました。


峠でピレネーから遠征してきたという男性ソロサイクリストさんが撮ってくださいました。
ちなみに、この時まだビンディングシューズデビュー前でした(;^_^A
しかも、サイクリングパンツ(おしりの部分に薄いクッションが付いてる)も持っておらず、いつもは結構平気なんですが、この日はほんとにお尻が痛くなりました。
サイクリングパンツ買うぞ~と心に決め、後日、ビンディングシューズと同時に買いました。もっと早く買えば良かった・・・


青赤のウインドブレーカーの方たちは、グルノーブルから2泊3日でサヴォワ地方の峠道巡りに来たという50歳くらいのご夫婦。
スキー場の辺りでお二人に抜かされました。峠にまだおられたので、少しおしゃべりしましたが、この方たちにも言われました。「運動靴で登るんやめたら、もっと早く登れるよ」
・・・ですよね💦(;^_^A


サン・ベルナールは英語読みでセント・バーナード。
この峠の親分格である、スイスのグラン・サン・ベルナール峠の旅籠・救助所で遭難者救助に活躍していた品種の犬がセント・バーナード犬と呼ばれるようになったそうです。
セント・バーナード犬やアルプスの象徴の動物のひとつ、シャモアの木の彫刻が(あんまり可愛くない)。


峠はイタリアとの国境になっています。
今日では入国検査はなくなりましたが、その名残として警察官?税関長?のマネキンが置いてありました。


少し進めば、そこはイタリアです。


はい、またフランスに戻って、雪渓の前でマイ・バイクの撮影です。


麓の町で朝、買ったクロワッサン。
峠にはカフェが2軒ほどあるので、コーヒーでも飲みに入るのもよいか、と出発前には考えていたんですが、面倒くさくなってしまい、手持ちのぬるくなったお水で休憩です。


あ~もう暑いし、今日はこのあとうちに帰るのに3時間近く運転しなきゃならないのでもう下りよう・・・


峠から少し下りたところにある結構大きなこの建物・・・


現在の建物はそう古いものではありませんが、起源を11世紀に遡るという、歴史あるホテルです。ここと、スイスのグラン・サン・ベルナール峠の間を行き来する旅人のために作られた旅籠・救助所・礼拝の場だったそうです。
ホテルのHPによると、一泊2食付きの値段は7800~9100円ほど。巡礼の旅をしている途中の人は10%の割引があるそうです😅


すると、どんどんカッコいいスーパーカーが何台も連なってやってきました。皆さんここでランチみたいで、次々に駐車していきます。


イギリスナンバーのご一行でした。ポルシェの兄さん「俺の車も、俺もカッコいいだろ⁉」とご機嫌です。そして「俺の車より、隣のこいつの車の写真を撮りなよ。珍しい車だから」と。そう、遠くから見たときロータスかと思った、このブルーの車はもう存在しないイギリスのメーカー、ノーブルが250台しか生産しなかったというM12 GTO3というモデルでした。車オタクの次男も「実物は見たことがない」と言っていました。


サン・ベルナール(バーナード聖人)の像が、ホテルのすぐ先にあります。
登ってきているときは、これが見えてきたら「ああ、もうほとんど着いたも同じだ」と思いました。自転車で登るのは初めてでしたが、車では何度も来たことがあったのです。


さらにどんどん下りていきます。


お花が咲き乱れていて、何度か途中下車してしまいました。


道路の右側にはハイキングコースがあり、歩いている人も少し見かけました。


ラ・ロジエール(スキー場)の中心地にあったセント・バーナード犬の像。
こちらもあんまり可愛くないな・・・と思いつつもマイ・バイクの写真を撮ってしまう😅


スキー場を抜けた辺りで放牧されていた牛さん達。


アボンダンス種が中心でした。


さらに下りていきます。


緩やかな傾斜なので、ブレーキの掛け過ぎで指が疲れなくて助かります。


出発地点のブール・サン・モーリスの町が近づいてきました。
30㎞もあるので、なかなか着かない💦


やっと帰ってきました。
あとは駐車場まで数分です。


ただいま、デミたん。
帰りもよろしくねm(__)m


行きも帰りも異常に時間がかかった(登りで足つきしなかったと豪語する割に)、峠道ライドでした_| ̄|○


お読みいただいてありがとうございました。

久々(2週間ぶり)ソロテント泊の朝

この夏のわたしの定番となりつつある、サイクリング&テント泊。
残念ながら、テントやシュラフ一式を担いでヒルクライムするだけの体力はないので、一度車まで自転車で下りてから適当な場所に移動するという、あんまりエコではないパターンです(;^_^A


朝一番にテントから見える景色。
目覚ましをかけずに寝たら結構寝れてしまって、目が覚めた時には、マジックアワーをとっくに見逃していました_| ̄|○


今回、冬用シュラフだったので暑すぎるかなと思ったけれど、ちょうどよかったです。


テントの外に出てみます。
マジックアワーは見過ごしたけど、空がほんの少しまだピンク色でした。


間もなく日向になり、少しずつ暖かくなってきました。
チーズ、パン、ビスケット、イチゴという朝ご飯です。


昨日の晩にも食べたヨーグルト。ふたつセットで売ってたのでした。
地元の小規模生産のもので、濃厚でおいしかったです。


痛恨のコーヒー忘れで(車には置いてあったはず😓)、紅茶もなくて、ハーブティー。
決して嫌いなわけではないんだけど、朝一番に飲みたいものじゃないんですよね・・・


可愛らしいブルーベリーの花がところどころに。
これは先月の話なので、今頃は実になっていることだと思います。


風があり、じっとしていると結構寒いのでテント内に出戻りしました(^▽^;)
冷めてしまったハーブティーはジェットボイルに戻して温めなおしました。


出戻りしただけでなく、シュラフにまで入ってしまいました。
そしてハーブティーだけでなく、ビスケットやチーズの残りをシュラフに入ったまま食べる・・・(一応布巾を敷いてみた)なんとなく背徳的な気分に😅


でも、今日もサイクリングの予定です。
しかも30㎞と長い登り坂のようなので、あんまりダラダラもしていられません。
まずはサーマレストを始末していきます。


もう、完璧!!
袋に若干の余裕さえあります✨
最近、全戦全勝ですよ。


ぺっちゃんこになった我が家。


コンパクトにまとまった我が家。


アネモネの一種。残念ながら枯れかけでした。


デミたんのところまで帰ってきました。


駐車場にあったイギリスナンバーのバン。
前日に挨拶しましたが、若いご夫婦でした。
さて、車で麓の町まで下りていきます。


途中にあるスキー場の中心地にあるホテルの駐車場にムスタングがいっぱい停まっていたので、ついつい寄り道してしまいました。
仲間同士でのドアパンチ恐れか、一台ずつ空けて停めてあります。


デミタンをムスタング達に混ぜて停めてみました。
場違い感が甚だしい・・・


大半は東フランスの県ナンバーが入ったプレートでしたが、この古いムスタングはスイスナンバーでした。
この後通り掛かった、スキー場のもっと下にある村のホテルの駐車場にも10台くらいムスタングが停まっていました。結構大きなミーティング(ツーリング)だったみたいです。
夏は風光明媚な峠道でカッコいい車を見る機会も多く、楽しみなことのひとつです。


サイクリング編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

湖畔でソロキャンプの夜

サイクリングをした後、周辺にテント泊をする場所が見つからず、翌日にサイクリングをする予定の峠道までやって来ました。
以前にテント泊をしたことのある、駐車場からアクセスが簡単な湖があるのです。


歩き始め。
味のある水場ですが、残念ながら水は出ていませんでした(^-^;


この辺りもお花がいっぱい。
先月の話なので、周辺のお山にもいくらか残雪がありました。


湖畔の平たいところまで歩いていきます。
・・・が、メインの大きな湖の周辺は、ジュクジュクと湿っていたので、もう少し手前で良さげな場所を探します。


ベスト・ポジションはここら辺でしょうか。
「ここを本日のキャンプ地とする」ってハッシュタグが頭に思い浮かびます( ̄▽ ̄;)


湖で釣りをしている人が何人かいました。
挨拶をかわしましたが、イタリア語でした。


右端に写ってる釣り人二人組。
とっても面白い方たちで、勝手に自己紹介してきました。イタリア語のあと、英語で話してくれたので、慣れない英語でしばらく会話しました(;^_^A
「明日はここの近くをハイキングするの?」
「いえ、峠道をサイクリングします」
「電動アシスト自転車で?」
「いえ、ロードバイクです」
「すげぇ!明日頑張って」
と、励ましてくださいました。
そして、最後になぜか「食べ物は十分にある?駐車場の僕たちの車に色々入ってるから分けてあげられるけど・・・」と心配されてしまって(;''∀'')「いえ💦大丈夫です」とお断りしました。貧しそうに見えた・・・⁉


夕日とマイ・テント。
お二人が帰っていってから、大急ぎで撮った一枚です。
危うく日の入りの瞬間を撮り損ねるところでしたε-(´∀`*)ホッ


テント内にはマットレスと、シュラフ。
今回は冬用のシュラフを持って来ました。
わたしの夏用シュラフは適応気温が15℃。お山の朝晩は夏でももっと冷えるので、標高にもよりますが、よっぽど猛暑の時以外は、夏でも冬用を持ってくることが多いです。ほんとうはその間の、中くらいの暖かさのものも、欲しいところなんですけどね。


今日はすばらしいものを持って来ています。
うちに長い間、観賞用として置いてありましたが、今年4月に賞味期限が無事?切れたので、心置きなく頂くことができます。


熱湯を注いで15分だか20分だか、結構長い間待たないといけません。
雪山だと、その間に冷めてしまいそうなので、食べるのは夏にしようと前から決めていたのでした(^▽^;)


ご馳走が出来上がるのを待ちつつ、サラミやチーズをつまみます。
ヨーグルトは、スーパーに売っていた地元の農家のものです。デザートに頂きましたが、濃厚でおいしかったです。


風が先ほどから出てきて、しかも日陰になってしまっているため、結構寒い💦
メインのご馳走はテント内で食べることにしました。


わー✨
これって、いわゆる「謎肉」ってやつ??
ドキドキ・・・


違った(◎_◎;)
パッケージの写真を見る限り、お肉は入っておらず、うす揚げのようでした。
それにしても、とっても美味しかったです💖


暗闇に浮かぶマイ・テント。
お月様が少し明るかったけれど、なんとかお星さまも写ってくれました。


翌朝編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。