フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

2度目のイズラン峠

昨年10月、峠道が冬季閉鎖に入る前日にヒルクライムして以来、2度目に登ったイズラン峠。


峠にあるチャペル。
開通して10日後くらいでしたが、例年よりもずっと雪が少ない冬春だったので、大して雪は残っていませんでした。


こんな感じの山道でした。
22,5㎞、獲得標高では1461mほどになるそうです。
2400m台で一度足つきをしました。

昨秋は2度足つきをしたし、タイムも3時間以上もかかったのに対して、2時間32分とずっと早く来られました。


まだ早い目の時間帯だったためか、峠は空いていました。
これはイギリスから遠征の4人組で、わたしとは反対側から登ってきました。
そちら側はスキー場になっている部分が多いのと、全体的になだらかで(距離はその分長い)面白味に欠けるので、前回と同じになるけれど、スキー場にほとんどなっておらず、野性的な景色が楽しめるほうの斜面から登りました。


鮮やかな青色が目を引くジョンシアン・プランタニエール。


出発前に麓の町のパン屋さんで買った菓子パンです。
これを楽しみに坂道登り切りました( ̄▽ ̄;)


うまー(゚д゚)!
クロワ・ド・サヴォワといって、十字にかたどられたブリオッシュ生地にカスタードクリームが入っており、サヴォワ地方のパン屋さんやお菓子屋さんでは必ず売っている菓子パンです。

ここのお店のものは、ブリオッシュ・フュイユテで(ブリオッシュ生地をちょっと折ったもの)、あられ糖がたくさん掛かっていて、かなり甘かったのですが、自転車中のおやつには最適でした。


前回来た時は、風が強くてとても寒かったので10分くらいしか峠に滞在しませんでした。

この日は風はそこそこあったものの、上着を2枚着ると全然寒くなかったので、30分くらいそこらをウロウロしたりしていました。なにせ、この時まだビンディングシューズデビュー前で運動靴だったから、歩き放題なんですよね😂


さて、そろそろ下りるとするか・・・


ツールドフランスが前回(2019年)に通った時に描かれたらしいイラストが消えかけながらも、残っていました。
今、調べていて気付いたのですが、ツールドフランスは今までに6回しかこの峠を通っていないんですね。ガリビエ峠は37回も通っているのに対して、とても意外な気がしました。


山岳コースの勝者が着ることが出来る、白地に赤い水玉のマイヨー(Tシャツ)。


この前日、お天気が悪かったのですが、2700m台では雪だったようです。
残雪に新雪が少し積もっていました。


例年の同じ時期なら、もっと高いはずの雪壁とマイ・バイク。


アネモネ・デ・ザルプの一種。
ヒルクライム中は全然写真ないけれど、帰りはめちゃくちゃ自転車から降ります。
路肩でうずくまってる(写真を撮ってる)わたしを見たダウンヒル中のサイクリストさんが、怪我でもしてるのかと気にして声をかけてくれることもあるくらい(;^_^A
ダウンヒル中にこんなに立ち止まってる人は他に全然いないです。


ひとつ上の写真の子たちは、つぼみの時も可愛いんです・・・
お開いた時の花弁は真っ白なんですけど、つぼみの時の花弁の外側は薄っすらとピンクなのです。


どんどん下りてきます。
あー、これは登りでしんどかった辺りだ…とか、もう一回登れと言われたら無理だな…とか色々考えつつ下りていきます。
この峠道は距離が長い目なこと以外は、特別にキツい場所もそんなになく、ブレーキの掛け過ぎで手が痛くなるタイプの下りではないので、とても気持ちよく下りることが出来ます。


峠道のなかで唯一、ほぼ平らな地点を通過します。距離にして500mくらいですが、傾斜が5パーセントくらいになるので、登りではここで息を整えることが出来ました。


その少し先。
ここから左側に向けてハイキング道が出ているため、車が少し停まっていました。


さらにどんどん下りていきます。
牛さんの放牧をしている場所がありました。
この辺りはボーフォールの産地なのです。


麓の村、ボヌヴァルがもうすぐです。
バイカーさん達が写っていますが、夏の峠道はバイクだらけです。ここを始め、有名な峠道だと、外国ナンバーが半分以上を占めます。


出発前には「帰りにボヌヴァル村のカフェで休憩とか?」と思い浮かべてもいたのですが、もう面倒くさくて( ̄▽ ̄;)通過しちゃいました。
「フランスで最も美しい村」のひとつに指定されている可愛らしい村なんですけどね・・・


ボヌヴァル村でカフェ、の代わりにボヌヴァル村の向かいの道路で立ったまま、プルーンを10個ぐらい貪り食いました。
お花がいっぱい。きれい・・・というか、目がチカチカします。


出発地点の町の手前にあるちっさい峠を「なんの嫌がらせ!!??」と悪態つきつつ登った地点。このあとはもう下りのみです。


7%が2㎞ほどあるので、登りではイズラン峠の本体の峠道とほとんど変わらないしんどさです(^-^;
さて、どんどん下りていきます。


出発地点の町にようやく戻ってきました。
疲れた・・・


デミたん💖


自転車を片付けます。


町の駐車場の日陰で、うちから持って来たもので簡単なランチにします。


うちを留守にするのにあたって、冷蔵庫の整理を兼ねて作ってきたコーンの缶詰ときゅうりのサラダ。それとシリアルと豆乳、フルーツという朝ご飯みたいなご飯でした。
豆乳を始末したかったので、シリアル持って来たんですよね・・・
往復65㎞、獲得標高1600m近くと頑張ったご褒美には、なんとも寂しいランチでした(^-^;


午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

2764mの峠道に自転車で登ってみた

少し前に「ヨーロッパで一番標高の高い舗装路であるボネット道路(2802m)をヒルクライムしたお話を書きましたが、今回は「ヨーロッパで一番標高の高い峠道」です。
サヴォワ県にあるイズラン峠(2764m、峠の看板には2770mとある)で、オート・モリエンヌ地方とオート・タランテーズ地方を結ぶ峠になります。
昨年の秋、ロードバイクに本格的に乗るようになって1か月で無謀にもチャレンジして以来、2度目になります。


昨年10月下旬に登った時。いくらか新雪がありました。イズラン峠道は、この翌日に冬季閉鎖期間に入ったのでした。
あれっ、この時はまだサイクリング用の水筒を持ってなくて、ジュースのペットボトルを使ってたんですね…ツールドフランスも通る神聖な峠道をなんだと思ってるんでしょうか😅


サイクリングの前に、地元のパン屋さんでお買い物をしました。小さな町なので、峠から下りてくるお昼頃には、商店がお昼休みで閉まっている可能性が高いからです。レストランやカフェは開いてるだろうけど、経済的な理由により、入る習慣はありません😂
前回と同じく、オート・モリエンヌ側から登ります。
こちらの方が傾斜が急で登りがいがあるし、スキー場になっている部分が少なくて、野性味のある景色を楽しめるのです。


ランスブールという標高1300m台の町に車を停めます。春の終わりに峠道がオープンし始めて、第一弾で登ったモン・スニ峠道が始まる町です。
イズラン峠道が実質的に始まるのは標高1800m台の村なのですが、遠くから来て、そんなギリギリの村から登るのはもったいないというか、元がとれません。


ランスブールからスタートした場合、こんな感じの坂道になります👇

ヒルクライムの専門サイト「アルプ・フォーエバー」より。
距離は片道約33㎞。
高低差は行きが1454m、往復で約1600mということになるようです。


出発地点のランスブールの町にあった「峠道オープンしています」の看板。
この日は確か、再開通して10日後くらいだったと思います。この冬・春はフランスは例外的に雪の少ない年だったので、通常よりも2週間近く早い開通になったとのことでした。


この1週間前の週末がかなり猛暑だったのに対して、この週末はありがたいことに普通の気温でした。つまり、標高2700m台では寒いということが予想されます。風が強いかもしれないし、上着を2枚用意しました。漕ぐのに邪魔にならないようコンパクトに、自転車に結び付けるのに結構時間を費やしました(;^_^A


秋に来た時は、この村を出発した時点で3℃しかなく、しかも強風。日向に出るまで1時間くらい、凍えつつ漕ぎ漕ぎしてたのでした。


前回は峠に着くまでに2回足つきしたので、今回は1回以内で登れたらいいな、と考えています。それに、今回は平たいところではダラダラと漕がないで、急斜面以外は出来るだけ早く走ろう、と決めました。


出発して間もなく結構急なところが続きます。これは一応、峠なんです😂つまり、ここは帰りに登ることになるイヤーな地点です…


そのあとは少々のアップダウンはあるものの、ほとんど傾斜が感じられない道路を延々と漕ぎます。1時間6分で、峠道が実質的に始まるボヌヴァルという村に到着しました。
自転車アプリのストラバによると、ここまで18,4㎞。高低差では380mということです。
前回は、この時点で既にかなり疲れていた気がするんですが、今回はまだ全然平気です。まあ、大して登ってないので当然といったら当然なんですけどね😅
この後、峠まで15㎞。高低差では約1000mを登ることになります。


前回死にそうになってた地点いくつかをそれなりにしんどいながらも通過。標高がどんどん上がっていきます。え、これもしかして、足つきなしで峠まで行けるんと違うの?と大それた考えが頭をよぎりつつあったのですが、そうは甘くはありませんでした_| ̄|○


2300m台くらいからどうしようもなくキツくなってきました。ヘトヘトになりながら「どこで足つきしよう・・・」と考えながら漕いでいたら、後ろからいい音が聞こえてきました。
ビュンビュンっと青いアルピーヌ数台が連続で駆け抜けていきます。
「お、これだ!」


足つきしつつ、後ろから次々にやって来るスポーツカーを鑑賞いたしました。
アルピーヌといえば、圧倒的に青が多いですが(うちのデミたんと同じ色😊)、たまに別の色も。アルピーヌ以外のスポーツカーも混じっていました。


こちらは古いアルピーヌ。カッコいい\(^_^)/
この地点で4分ほど休憩、お水を飲んで、おやつもむさぼっておきました。
峠まであと約4㎞、300m(高低差)ちょっとくらいだったので、足つきは残念といえば残念ですが、まだまだ実力不足。仕方ありません。


着いた\(^_^)/\(^_^)/
出発地点のランスブールから2時間34分でした。
決して早くはないタイムですが(ストラバの全ての記録8058人中5838番、女子だと648人中314番)、前回はストラバやってなかったけれど、3時間以上かかっていたので😅だいぶ前進したと思います。


まだ午前中の比較的早い時間帯だったこともあり、峠はそこまで混んでいませんでした。
いくらかのバイカーさん達が看板の前で記念撮影をしています。


開通から10日ほど経っていたとはいえ、本当に雪がありません。
例年だと、まだ閉鎖されている時期です。峠道オープンから1~2週間ほどは道路から少し登って残雪で山スキーが出来るはずなのですが、今年は十分にスキーで滑れるほどの雪が残っているところは近くには全然ありませんでした。


後半に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

友人OさんのS体質が出た日

わたしのロードバイクの師匠である友人Oさんと午後ライドに行った時のお話です。
この日は午前中、わたしだけ近場の峠道を距離18㎞、高低差700m、移動時間1時間半という短いサイクリングをしていました。


まずは、平均勾配5パーセントほどの緩やかな坂道を数キロ登った峠へ。
ここから向かうコースは複数あります。
午前中は涼しくて調子が良く、キツい峠道をヒルクライムできたのですが、お昼過ぎはかなり暑くて、もうこの時点で結構へばってるわたし・・・_| ̄|○
もうここでUターンして帰るか、もう少し付け加えるとしても、あと高低差200~300mくらいまでで、あんまりしんどいのは無理、とOさんに伝えます。


聞いてんのか、聞いてないのか、颯爽と再出発してしまったOさん(写真のほぼ中央)。
この日の前日、この峠からスキー場のある町まで登り、さらに少し先にある峠まで登ったのですが、その峠を反対側から登るとすんげ―キツいんだよって話をしてたのでした。
前日は午後もあんまり暑くなく、わたしも元気で、Oさんが「じゃあ明日は反対側から登ろう」と言ったのに対して、反対はしていなかったのです。
急いで追いかけます。


え、いないけど・・・
適当なところで待っててくれるのかと思ったのに、全然いません。


どんどん下りていきます。
うそぉ~(◎_◎;)
下りていくってことは、また登るってことなんですよ!?
ブルーになりつつ下りていきます。


もう・・・どこまで行っちゃったん??


あ、いた。
「わたし、さっきも言ったけど、もうかなり疲れてて、あんまり登れる気がしないんだけど!?」と言うと「なら、今下りてきた道を登り返すのが一番早いね。でもここ、日陰がひとつもないから、しんどいと思うよ。昨日言ってた峠道は、もっと急だけど半分くらいは森の中だから涼しいと思う」
「でも、その峠道は、この坂道を完全に下りたもっと低いところから始まるんだよね💦」
「まあね。でも君は今シーズン、ガリビエ峠やグランドン峠とかもっと長くて厳しい峠道を登ってる。絶対にいける!!」
ううう・・・でもガリビエやグランドンは炎天下ではなかった・・・


麓の町まで下りてしまいました・・・
先ほどの峠から400mほど下りたことになります。
しかし、昨日の峠までは400mではなくて、700m以上登ることになります(T_T)


「峠道、開通してます」の看板。
峠はどうやら左側の稜線上のどこかにあるみたいです。


これはその峠への、昨日登った反対側の楽な方の斜面です。
ヒルクライム専門サイト、アルプ・フォーエバーより。
👇

しかも、スキー場のある標高1300m台の町から始まっているので、峠道は距離でも高低差でも少ししかありませんでした。
対して、今から登るのはこんな感じです。
事前にはどんな坂道なのか調べておらず、帰ってから検索しました。
👇

登り始めの辺りだけなだらかなんですが、あとはしんどいです・・・しかも全部で9,5㎞とそこそこあります。


ああもう・・・
午前中、おうちの補修工事の用事があったOさん。午後に自転車に乗るのをとても楽しみにしていたみたいで、元気いっぱいです✨😅
あと、この日気付いたんですけど、わたしは暑さにとても弱いんですね・・・まぁ暑い日に自転車で坂道登るのがしんどくないって人は、あんまりいないかもしれませんが、平均以上に体力がないように感じます。


平均7,5%の坂が数キロ続く途中にある村。
Oさんが「ここが最後の水場だから、水をチャージして、あと髪の毛濡らすと涼しくなると思うよ」とアドバイスしてくれました。
それくらいでは楽にはならん・・・と膨れていましたが、一応やってみると、確かに少し疲れがましになった気がしました。
というか、単に自転車から降りて少し立ち止まったから、楽になったのかもしれません(^-^; 


そのあとは、もう足つきしたくなかったのですが、暑くて足がむくんできているようで、元々外反母趾気味な足の骨の辺りがどうしても靴の中で痛くなり、少し靴紐を緩めるのに、もう一度自転車から下りました。ちなみに、ビンディングシューズデビューする前のお話なので、運動靴です(;^_^A


同じ機会に、ドライフルーツ、ナッツで栄養補給です。
ドライいちじく、クランベリー、アーモンド、ピスタチオ、ピーナッツ、ドライマンゴーを自分で混ぜたものです。


この後も、部分的に12~15パーセントくらいにもなる、鬼のような山道をゼーゼーいいながらも登り切り・・・


最後は平たい、モワシエ峠に到着しました。


ヘロヘロなのに嬉しそうなわたし。


昨日登った傾斜の楽な方の斜面から下りていきます。
帰りは多少の登りはあるものの、ほぼ下り中心だったので、Oさんちに戻った時には、それなりに疲れは回復していました。


この日のライドの足あとをストラバの3Dで。
左下から右回りに走りました。


記録はこんな感じです
👇


距離42㎞に対して獲得標高(高低差)1073mと、バランス良くてそんなしんどそうな感じの行程には見えませんが、暑かったからなのか、午前中にも既に少し自転車してたからか分からないけれど、かなりグロッキーでした😓
ロードバイクに頻繁に乗り始めたのが、昨年の秋だったので、あんまり暑い時期は経験しておらず、猛暑の洗礼を受けた感じです・・・


お読みいただいてありがとうございました。