フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

避難小屋に新たなお客様到着

我が家のごとく居心地の良い避難小屋泊のスキーハイキング、2日目午後のお話です。


2日目午前中に目指した峠は、最後が急過ぎたので、少し手前の適当な出っ張りを「本日午前中の頂上」ということにして、遅い目のおやつというか早い目のランチにしました。


風もなく、暖かて気持ちのよい休憩タイムを終え、名残惜しくノロノロと下りる準備をしました。


少し急なところもあるものの、全体的にはとてもなだらかで、わたしのような初心者山スキーヤーにはもってこいの地形です。


雪も適度に柔らかく、めちゃくちゃ気持ち良かったです👇

Lac Morétan hiver
またまた独り占めでした(^^♪
駐車場から遠いせいか、とってもきれいでスキーもしやすいのに、あんまり人が来ないみたいです。


きれいな融けかけの湖。
落ちないように注意です(^-^;


2泊目する予定の避難小屋に戻ると、小屋前のベンチ代わりの板(わたしが昨日、軒下から引っ張り出した)に、兄さんがふたり腰かけています。
今晩はここに泊まるそうです。昨晩はパリからの3人の20代後半くらいの若者が泊っていましたが、こちらの兄さんたちはもう少し上で、30代後半くらい。ここから遠くないグルノーブルの消防士さんおふたりでした✨
2泊目になってくると、自分ちのような感覚が強くなってきて、避難小屋に後から到着する人は「お客さん」みたいに思えるんですよね😅


兄さんたちもジェットボイル愛用者でした。
一般的な登山客は、普通のバーナーの時の方が多い印象ですが、スキー(=雪山)でのハイキングとなれば、ジェットボイルの割合が高くなる気がします。


さっきのお散歩では、myジェットボイルは避難小屋に置いていったので、スープやコーヒーはなしでした。小屋前で兄さんたちもお昼ご飯を食べていたので、おしゃべりしつつチーズとパン、コーヒーで軽くピクニックをしました。


あ、お菓子も食べました(^▽^;)
チョコチップ&胡麻クッキーとドライフルーツ入りパンです。


兄さん達が、「天気よくて気持ちいいなぁ。そうだ、屋根の上で昼寝しよう」と軽く雪下ろしを始めました( ゚Д゚)


えーっ、マジっすか・・・
わたしにも「ねぇ、君も俺らと昼寝する?マット運んであげるよ」と言ってくれたのですが、どちらかというと昼寝よりもスキーを楽しみたいので。お断りしました(^-^;


快適そうです(;^_^A


滑り止めを貼ります。
「夕方には帰ります」と声を掛けて、ひとり午後のお散歩に出発しました。


避難小屋が小さくなります。


午後~夕方編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

賑やかな避難小屋から、静かな雪山散策へ

お気に入りの避難小屋に泊まって、雪山ハイキングをした時のお話です。


4時間くらいかけて到着したメルレ避難小屋。
今回で泊まるのは5回目。スキーで来たのは初めてでした。
この辺りは夏には羊の放牧地になるためか、羊のものと思われる骨が窓際においてありました。


マットレスばかりか掛布団まであるのは、避難小屋としては珍しいです。
夏用シュラフで大丈夫なので、荷物が軽くて助かります。


今まで来た時は、誰も宿泊客がいないことが多かったのですが、今回パリから来たという3人組の男の子たちと一緒になりました。
写真は彼らのスキーとザックの一部です。


朝、起きたときは1,2℃だった気温が2,8℃まで上がっていました(^^♪
真ん中の数字は時間ではなくて気圧です。


荷物のパッキングを終えて出発しつつあるパリジャンたち。
お山の話ばかりか、パリの日常生活のお話も聞かせてもらってとても楽しかったです。

みなさん、お気をつけて!!


考えてみると、パリやリヨン(わたしです)といった大都会の人間が、こんな電波も届かない山奥の雪に埋もれた避難小屋で一緒になって、時間を過ごす、というのは面白いことですね。


3人組が出発してしばらくしてから、わたしも散策に出発しました。
まずは川を越える必要があります。昨日、水汲みの最中に雪が崩れて、片足がハマったにっくき川です(;^_^A


右奥を目指して、適当なところを歩いて登っていきます。
あんまりポピュラーな場所ではなく、トレースはほとんどありません。


右手を見ると、何本もの小川が流れているのが分かります。
今の季節、雪で繋がっていて渡れる場所が多いのですが、夏は渡れるだけ幅の狭い部分を見付けるのが大変で、結構遠回りをしないといけなかったりします。


登っていると、暑くなってきてダウンを脱ぎました。


表面が融けつつある川。
氷の色がきれいです・・・とか言って落ちないように気を付けます(^-^;


うわ✨


湖の一部何だか、川なのか、水たまりなのかよく分からないきれいなのがありました。
うっとりしてしまうパステルっぽい水色です。


もう少し進むと、湖がありました。
ほんの少し、融けかけています。いくつかの湖が集まったモレタン湖のひとつ、ラック・アンフェリエ―ル(低い湖、の意味)です。


氷が融けかけの川とか湖って、大好きなもののひとつなので、見られて嬉しいです。


さらにしばらく登って、ラック・シュぺリエール(高い湖、の意味)に到着しました。
ほとんど融けていないけれど、湖の形はよく見えています。
もっと真冬だと、雪の量も分厚くて、湖がどこにあるかも全く分からないものなのです。


ところで、今朝のお散歩の目的地は、右手正面に見えている峠だったんですが、こうして見ると、かなり急斜面です。スキーを脱いだら登れるだろうけど、そこまでして一番上まで行かなくてもいいかな(^▽^;)
あっ、その少し左手に・・・


良さげなでっぱり(中央やや左)があるので、そこを「今朝の頂上」ということにしたいと思います。


My頂上でおやつというか、早い目のランチにします。
ジェットボイルは小屋に置いてきたので、暖かいものはなしです。


午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

パリジャンたちと避難小屋の夕べ

今までに4回泊まったことのある一番のお気に入りの避難小屋に、初めて山スキーで行った時のお話です。


お昼過ぎに着いて、小屋内でランチを食べた後、午後の散歩に出て戻ってくるとパリから来た3人組の男の子たちが到着していました。
日が暮れるまでは外の方がぽかぽかと暖かいので、彼らとお喋りしつつ小屋前で過ごしましたがお日様が隠れると急に寒くなり、ぼちぼち小屋の中に戻りました。


さすが男の子、テーブルの上の散らかし方が半端ないです(;^_^A
ちなみに真ん中の子が一番山スキーの経験が豊富らしく、リーダー格のようでした。


3人が晩酌タイムに入ったので、わたしも何か・・・
デカフェインのコーヒーとスナック菓子という謎の組み合わせです。3人はというと、ウイスキーとピーナッツという、わたしが一度も山に持って行ったことのないもの同士の組み合わせでした(;^_^A


完全に暗くなってしまう前の空の色を見たくて、もう一度外に出ました。
小屋前をぐるっと一周撮ってみました👇

Merlet au soir
わたしの大好きな小屋の周りの雰囲気を知っていただけたら、嬉しいです。


いよいよ真っ暗になってきたので、ランプを天井に吊るしてくれました。


トム・デ・ボージュ(サヴォワ地方のチーズ)、パンにインスタントスープというシンプルな晩ご飯です。パリジャンたちは豪勢に!?ハイキング用のフリーズドライ飯でした。
そのうちひとりが、デザート代わりに持って来ていたチョコレートを分けてくれたのはいいんですが、他の子が「俺、チョコレートのお代わり~!えっ、もうないの!?」となり、ちょっと気まずい思いをしました(;^ω^)


ご飯の後は、作戦タイム!?です。
彼らが今日の午後、山小屋に来るのに通ってきたのは、わたしが明日行こうと思っている辺りだったので、様子を教えてもらいました。
彼らは明日が最終日なので、山を下りるのに通る場所を決めていました。3泊4日で山塊を縦断するため、出発した駐車場とは別の地点に着くので、バスがもしなければタクシーを呼ぶことになるみたいです。


夜になって雪が凍りツルツルと滑ること、スキー靴を履くのが面倒くさいこと、ドアの建付けが悪く(以前よりも悪くなってた😓)、隙間風が入らないようにきっちりと閉めるのにかなり力がいることから、外に出る気がしなくて窓から撮った星空です(;^_^A
おやすみなさい☆彡


朝✨まだ小屋内は薄暗いです。
ドアの辺りから外の光が入ってきていることからも分かるように、隙間風がひどくて、結構寒かったです。でも夏用シュラフに布団を2枚被って、なんとか寝られました。ダウンをシュラフの中に着る必要はありませんでした。


木のストックがなくて、薪ストーブを点けられなかったのに、あたかもストーブの火で乾かしてるっぽく干してあるパリジャンたちのスキーのシール(滑り止め)。洗濯紐がストーブ前に掛かっているので、そこになるんですよね(^-^;
左はわたしのインナーシューズです。昨日の夕方、水を汲もうとして小屋前の小川に思いっきりはまってべちゃべちゃに濡れたんでした。
意外と少し乾いていました。まだ冷たいけどジュクジュクというわけではないので、何とかなりそうです。


少しずつ明るくなってきました。


パリジャンたちのザックなどが全て壁の高い位置に掛けられています。
というのも、彼らは今まで営業山小屋(ヒュッテ)以外には泊まったことがなく、避難小屋は初めてだというので「ネズミが出るから食料は絶対に出しておいてはいけない、ザックのポケットにシリアルバー入れてたら、そこのファスナーの周辺が食いちぎられて(本体の素材は頑丈で歯が立たないのでファスナーの部分の薄い部分を狙われた)、ポケット使えなくなった」という経験談を話したら、全員震えあがってこんな高いところに吊るしたみたいです(;^_^A 
そして実際に、昨晩、小さなネズミが走っているのを見かけたし、今朝は糞を少し見つけました。



小屋内の気温は1,2℃でした。1月に泊まったピレネーの避難小屋では、暖炉に火を入れても0℃が最高気温だったこと、2月に泊まったアルプスの避難小屋では朝0℃だったことを考えると、春になったんだなぁと感じますね( ̄▽ ̄;)
ちなみに815というのは気圧で、時刻ではありません。


3人がゴソゴソと起き出したので、わたしも合わせてベッドから出ました。
朝ご飯にします。2泊あるので、変化をつけるため今朝はシリアルにしました。
例によって、スキムミルクを混ぜてきたので、水を加えるだけで牛乳をかけたみたいに食べることが出来ます。それと、いつも通りインスタントコーヒーです。


パリジャンたちもジェットボイルを持って来ていました。
水筒とか魔法瓶とかいっぱいで、そのほかの荷物チョイスについても、ミニマリストのわたしからしたら、改善の余地がいっぱいで、その結果、かなり嵩高く、かなり重たいザックになっていました(;^_^A
まあ、男の子だから力もあるし、わたしみたいに足首に問題があるわけでもないだろうから、大したことじゃないのかもしれません。


小屋の外に少し出て見ました。たまらなく好きな景色です。
残雪の多い年の春の終わりというか初夏に来たことはありましたが、雪山と呼べる時期に来たのは初めてで、しかも自分が一生関わることがないと思っていた山スキーで、ひとりでここまで来られたことが何よりも嬉しいです。


午前辺編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。