フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ほぼ新雪を新しい板で滑った日

先月に新しいスキー板を買ったことを書きました。
新雪に近い雪で新しい板を使った日のお話です。
1か月くらいも前の古いお話で申し訳ありません(^-^;


日本と逆で今シーズンのフランスはとても雪が少なく、唯一それなりに積もっているサヴォワ地方に来ることが多かったです。
山スキー師匠である友人Oさんが住む南方面のお山は1月初め以降はほぼ積もらず、よって冬の後半はほとんどそちら方面に行くことはありませんでした。
次に行くときは、自転車目的だと思います(^-^;


今日来たのは、サヴォワ県の中でもこの冬、雪が多かったボーフォータン山塊。
駐車場からの景色が既に絶景という✨
バカンスシーズンだったので、午後に駐車場に帰って来た時は遠くの県の車がいっぱい停まっており、ここら辺の斜面で子供を遊ばせている家族がいくつもありました。


駐車場からたっぷりと雪があるのは、真冬なら当たり前のことのように思われますが、今シーズンのフランスではそうとも限りません。
この前の週末に避難小屋泊スキーハイキングに行った時は、駐車場の標高はここと同じ1300m台だというのに、1時間以上も雪のほとんどない林道を歩いたのでした。


野原から歩き始めたというのに、さり気に村の中を通過します。
めったにないパターンです😅


村を抜けた後は林道というかハイキング道になります。
積雪があったのが前々日の夜から前日の朝にかけてなので、ほとんど新雪です。


林道部分はスキーのトレースよりもスノーシューが多数派でした。
この先にある山小屋まで、駐車場からの高低差は700mほどでスノーシューのコースとしてポピュラーなのです。


幅の広い林道からハイキング道に入りました。
森の中の狭い道を登っていきます。夏のハイキング道そのままなので、通りにくい場所もありますが、新雪が嬉しくて気にもなりません(^^♪


駐車場から45分くらいで森を抜けつつあります。
この辺りにはスキーの下りの跡がいくらかありました。雪が止んだのが恐らく昨日のお昼頃なので、まだそんなにたくさんの人が来ていないみたいです。


振り返って。
画像の中央に車を停めている村が見えています。


今までずっと日陰を歩いていましたが、右手の稜線から待ちに待ったお日様が出てきました。


嬉しい、日向になった(*´▽`*)
暖かさが全然違います✨
マリア様が飾られている石碑?があります。日本のお山に祠があったり、お地蔵さまが祀られているのと似たような感覚かもしれません。


中央がスキーの登りトレース、両端は滑った跡です。
新しい板でこの気持ちよさそうな斜面を新しい板で滑るのがとっても楽しみです。


さらに登っていくと、山小屋があります。
その奥に見えるのが今日の目的地のお山になります。


山小屋の左手には別の建物が。
これは営業山小屋(ヒュッテ)で、夏とスキーシーズンに管理人さんがいて泊まったり昼食や休憩に使うことも出来ます。
小屋に続くスノーシューの跡がいっぱい付いています。ここに前日に泊まりにきたハイキング客かもしれません。


さて、こちら側の小屋は物置き的に使われているようで残念ながら、閉まっているのですが、バルコニーにテーブルと椅子があるので休むことはできます。


気持ちのよい場所なので、ここで休憩しようかとスキーを脱ぎました。


・・・が、テーブルも椅子も雪かきされていない💦
よく考えたら、まだ700mちょっとしか登ってなくて疲れてるわけでもないので、休憩はいらないです(雪かきしたくない)。


この山小屋の横にはゴミ箱があるのです。雪に埋まって蓋の部分しか見えてませんが、町はずれに置いてあるような巨大なやつです。駐車場ならまだしも、通常、ハイキングコース上にはゴミ箱はないものなのですが・・・
ここまでゴミ収集車が来るとは思えないのに不思議です(^-^;


営業山小屋(ヒュッテ)との距離感。
この山小屋、年始に大手の民放局のお昼のニュース内で紹介されていました。


目的地のポワント・ド・ゾンフィエへと続くスキーのトレースがあるので、付いていきます。山小屋からだと高低差で450mほどになります。


振り返って。
山小屋が中央奥にぽつんと見えています。


まだほとんどトレースのないまっさらな雪。
積雪の少ない今シーズンのフランスではとっても貴重で、尊いもののようにさえ😅思えてきます。


目的地のお山の斜面にアタックです。
トレース通りにジグザクに登っていきます。
しばらく日向を歩いていましたが、登っているお山の陰に入っています。


新雪だから期待していたのに、かなり硬い雪です💦
滑り気味なくらい。おっかしいいなぁ、こんなはずじゃなかったのに・・・ふわふわかと思ってたのに・・・


てか、雪の量が少ないです(*_*)
森の中とかもっとたっぷりあったのに・・・そうか、風に吹き飛ばされてしまったんですね。ちきしょう、風の野郎( `ー´)ノ


頂上付近からまたお日様が顔を出し始めました。


急斜面のあと、傾斜の緩い面に入りました。
雪の表面の模様で伝わるでしょうか。
雪がガチガチのコチコチなのです💦なだらかで広くって、もし柔らかい雪だったら滑るのがとっても気持ちいい感じなのに😓


氷みたいやん(>_<)
スキーの跡ついてるけど、おそらく強風にさらされる前に付いたものだと思います。
こんなガチガチの斜面、下りたくないです💦先週の二の舞やん・・・
下りる時は違う斜面を探さないと、と思いつつ登っていました。


最後の稜線部分が見えてきました。
もうじき頂上です(^^♪


後半に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

ちょっと大変だった下山編

冬だし他に宿泊客いないかも、と思ってやって来た昨秋に泊まったことのある避難小屋。
予想に反して美大生の男の子ふたりが先客としていました。
感じの良い子たちで、とても楽しい滞在になりました。


今日は曇り時々晴れという予報です。
朝の早い時間帯は雲海になってた下界の雲が上がって来て、上空の雲との境目が分かりにくくなってきました。要は曇ってきたという話です(^-^;


昨日は晴天で、2月にしては気温も高い目で午後は雪の表面が柔らかくなり、とてもスキーし易かったのです。曇りだと、雪が柔らかくなりにくいのが難点です。新雪に近い柔らかい雪なら、表面だけ多少硬くなっていても早く柔らかくなりますが、昨夜ほんの少しだけ降ったものの、積もったのはほんの2センチほどといったところでその下は古くて硬い雪です。
もう少しだけ待ってみようか、お日様が照ってくるかもしれないし・・・


雪のない林道歩きも長いから、駐車場まで結構かかるし早い目のお昼もここで食べちゃってから出発することにしました。ここから下りる途中の森や林道にピクニックに良さそうな場所はなさそうなのです。
昨日の夕食のつもりだったインスタントフォー。男の子たちが作った晩ご飯をいただいたため、余っていました。


ベランダのチャイブも持って来ていたのでした。
インスタントのフォーでもちょっと味が上がります(^^♪


チーズ(アボンダンス)やパン、チョコレート、バター、と余っていた食料も片付けていきます。残すはザックに常備しているシリアルバー3本ほどだけになりました。


快適な避難小屋にお別れして、下りていきます。
ありがとう、避難小屋✨


男の子たちは直接右下の斜面を下りていきました。
それは夏のハイキングコースなのですが、途中に多少アップダウンがあるので、スキー的には最初に少し上がって、残りはまとめて全部下りという方が助かります。避難小屋から少し上がって昨日登ってきた斜面から下りることにしました。


少し斜面を登って平たいところに着いて、振り返って。
さ、寒い!風が強いです。避難小屋はここも含め、大抵風が来にくい場所に作られているので気付きませんでした。
昨日の晩も吹き荒れていたのかもしれません。雪が吹き飛ばされて薄くカチコチになっています。もうお昼前なのにこれ・・・晴れてくる気配もないし、これ以上柔らかくなるのは望めないのかも。諦めてさっさと下りよう・・・


ここら辺はほぼ平らです。
まっすぐに進んで、右奥斜面を反対側に下りていきます。


下り始め。
め、めちゃくちゃ硬い(T_T)
5秒間の動画です。
特に、雪のガリガリ音を聞いていただきたくてUPしました。
👇

Taillefer dûre la neige
結構急だし雪はカチコチに固まっているので、エッジを利かせてて大きなトラバースを何往復もして下りました。あー怖・・・


緊張感を強いられた斜面をようやく滑り終わると森に近い緩やかな斜面になりました。
この辺りは雪が柔らかくて滑りやすかったです。
ひとつ前の動画との音の違いが対照的です。10秒間👇

Taillefer ça va mieux
それにしても、2月とは思えない雪の少なさでした。これは標高1700~1800m台だと思います。
ホッ、もつかの間。
この後、試練が待っていました。上の動画(写真)のずっと奥まで進むべきだったのですが、何となく左手の森に入ってしまったのです。多分、誰かの比較的新しいトレースがあったとか、そんな理由だと思うんですが、日が経ち過ぎてよく思い出せません💦


全然雪のないゾーンに来てしまいました(つд⊂)エーン
もちろん、いきなりこうなったのではなく、徐々に減ってきたのですが。
登り返して正しい、というか雪のある斜面から下りるのも面倒くさいので、スキーはザックに掛けてこのまま下りていくことにしました。


ハイキングコースでも何でもない急斜面です。
上の写真はちょっと広い場所に来たので嬉しくなって撮ったもので、大抵の場所では背負ったスキーが木に引っ掛かるので、座って枝の下をおしりでズルズルとくぐったりしつつ、必死で下りていきました。どこがスキーハイキングなんだかまるで分かりません。


幸い、何度も来ているエリアなので土地勘はあります。
道路が見えてきました。昨日歩いた林道です。もうちょっと木の間をすり抜けて下りていくか・・・


・・・と思っていたら、眼下に林道が✨
嬉しい💖歩きやすい(*´▽`*)


しばらく喜びを嚙み締めつつ歩いていると、愛車デミたんの待つ駐車場が見えてきました。


駐車場まで見えてきて、嬉しいので道がこんなことになっていても何とも思いません。


最終駐車場を通過します。
少しだけ雪はあったけどこっちまで来れてたのに、冬は絶対に無理という思い込みがあって一つ下の駐車場に停めてしまったのが悔しいです💦


ヘアピンカーブの連続なので、野原を横切ってショートカットしつつ下りていきます。
ちょっと急斜面にもなっているけど、さっき森の枝の下をズルズルとおしりで滑りつつ下りたことを思うと屁でもありません。


季節感ゼロのススキっぽい草の生えてる辺りまで下りてきたらもうすぐです。


わーい、おった✨
我が子💖


ただいま、デミたんε-(´∀`*)ホッ
山を下りてきた時、特に長い行程だったり、1泊だったりした後に再会するとさらに愛おしく思われます。帰りもよろしくねm(__)m


年末に息子たち二人とチーズフォンデュをした避難小屋、1月末のピレネー遠征に次いで今季3度目となった避難小屋泊スキーハイキング記はこれでおしまいです。
お読みいただいてありがとうございました。

避難小屋で迎える幻想的な朝

泊まるのが2度目のいい雰囲気の避難小屋で美大生の男の子ふたりと一緒になった時のお話です。先月のことなので(古い話ですみません)、まだかなり寒かったのですが、彼らが少し離れたところまで木を拾いに行って薪ストーブに火を入れてくれたので暖かい夜を過ごすことが出来ました。


朝、起きてドアを開けると目の前がすごい雲海になっていました。
お山で目を覚ます醍醐味とも言えます。


ガラスの内側の蒸気が凍っています。
昨日の晩は薪ストーブのおかげで、全然寒い思いをせずに寝ることが出来ました。
シュラフも冬用のものでしたが、この避難小屋には毛布も少しあるので、夏用のものでも大丈夫だったかもしれません。でも営業山小屋(ヒュッテ)と違って、他に宿泊客が何人いるのか、毛布を使う人がいるのかは来るまで全然分からないので、安全策として冬用のものを持って来ました。


昨日の夜は暖かかったけれど、小屋内の温度は0℃まで下がっていました(;^_^A
ちなみにわたしの冬用のシュラフはマイナス5度までOKのやつです。


薪ストーブの上に掛けておいた濡れた手袋と靴下、乾いてる、嬉しい♩


男の子たちはまだ寝ています。
暖かい飲み物が欲しいので水を作るために外に雪を取りに行きました。


わたしのスキーと男の子たちのスノーシュー。
夜中にちょっとだけ雪が降ったようです。


空が少しずつ明るくなってきました。
さっきはくっきりとしていた雲海、上空の雲との境界線があいまいになってきました。
昨日は晴天でしたが、今日は曇り時々晴れという天気予報です。


小屋に戻ると、男の子たちはまだベッドの中だけどもう目を覚ましていたので、遠慮なく朝ご飯の準備をさせてもらいました。ここの小屋は一部屋しかないので、誰か寝ているとゴソゴソしにくいんですよね・・・屋根裏が寝室になっている小屋だと、寝ている人がいても物音をあまり気にせずに行動することが出来るのですが。


バターとジャムを持って来ました♩


ここの避難小屋はガスボンベがあり、コンロを使うことが出来ます。ただ、ガスボンベが空になっていないかどうかは来るまで分からないので、やはり自分のジェットボイルを持って来ました。男の子たちもバーナーを持ってて、ここのボンベと両方使っていました。
「お湯たくさん作るから分けてあげるよ」と言ってくれたので、2杯目のコーヒーを作るのに使わせてもらいました。


彼らは朝ご飯にパスタを茹でていましたΣ( ̄□ ̄|||)
フランスでは朝から塩味のものをがっつり食べる人は珍しい・・・と思っていたら、彼らは3泊だったので、パンを食べ切ってしまって、パスタしか残っていなかったらしい😅


幻想的に霞んだ空に登ってくるお日様をバックに歯磨き中の美大生君。
雲海が再び何となく形になり始めています。


期待していなかったけれど、雲海と反対側には何となく青空も覗き始めました。


日が高くなるにつれ、雲海は薄くなってきてしまいました。


朝は雪が凍っていてガリガリなので、とても滑りにくいので太陽が当たって気温が上がり雪の表面が少し柔らかくなるのを待ちます。
彼らはスノーシューなので雪の状態は気にならないので先に出発していきました。
息子たちと同じくらいの年齢でしたが、とっても気さくで気の利く子たちで、楽しい滞在になりました。ありがとう!


下山編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。