フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

避難小屋で迎える幻想的な朝

泊まるのが2度目のいい雰囲気の避難小屋で美大生の男の子ふたりと一緒になった時のお話です。先月のことなので(古い話ですみません)、まだかなり寒かったのですが、彼らが少し離れたところまで木を拾いに行って薪ストーブに火を入れてくれたので暖かい夜を過ごすことが出来ました。


朝、起きてドアを開けると目の前がすごい雲海になっていました。
お山で目を覚ます醍醐味とも言えます。


ガラスの内側の蒸気が凍っています。
昨日の晩は薪ストーブのおかげで、全然寒い思いをせずに寝ることが出来ました。
シュラフも冬用のものでしたが、この避難小屋には毛布も少しあるので、夏用のものでも大丈夫だったかもしれません。でも営業山小屋(ヒュッテ)と違って、他に宿泊客が何人いるのか、毛布を使う人がいるのかは来るまで全然分からないので、安全策として冬用のものを持って来ました。


昨日の夜は暖かかったけれど、小屋内の温度は0℃まで下がっていました(;^_^A
ちなみにわたしの冬用のシュラフはマイナス5度までOKのやつです。


薪ストーブの上に掛けておいた濡れた手袋と靴下、乾いてる、嬉しい♩


男の子たちはまだ寝ています。
暖かい飲み物が欲しいので水を作るために外に雪を取りに行きました。


わたしのスキーと男の子たちのスノーシュー。
夜中にちょっとだけ雪が降ったようです。


空が少しずつ明るくなってきました。
さっきはくっきりとしていた雲海、上空の雲との境界線があいまいになってきました。
昨日は晴天でしたが、今日は曇り時々晴れという天気予報です。


小屋に戻ると、男の子たちはまだベッドの中だけどもう目を覚ましていたので、遠慮なく朝ご飯の準備をさせてもらいました。ここの小屋は一部屋しかないので、誰か寝ているとゴソゴソしにくいんですよね・・・屋根裏が寝室になっている小屋だと、寝ている人がいても物音をあまり気にせずに行動することが出来るのですが。


バターとジャムを持って来ました♩


ここの避難小屋はガスボンベがあり、コンロを使うことが出来ます。ただ、ガスボンベが空になっていないかどうかは来るまで分からないので、やはり自分のジェットボイルを持って来ました。男の子たちもバーナーを持ってて、ここのボンベと両方使っていました。
「お湯たくさん作るから分けてあげるよ」と言ってくれたので、2杯目のコーヒーを作るのに使わせてもらいました。


彼らは朝ご飯にパスタを茹でていましたΣ( ̄□ ̄|||)
フランスでは朝から塩味のものをがっつり食べる人は珍しい・・・と思っていたら、彼らは3泊だったので、パンを食べ切ってしまって、パスタしか残っていなかったらしい😅


幻想的に霞んだ空に登ってくるお日様をバックに歯磨き中の美大生君。
雲海が再び何となく形になり始めています。


期待していなかったけれど、雲海と反対側には何となく青空も覗き始めました。


日が高くなるにつれ、雲海は薄くなってきてしまいました。


朝は雪が凍っていてガリガリなので、とても滑りにくいので太陽が当たって気温が上がり雪の表面が少し柔らかくなるのを待ちます。
彼らはスノーシューなので雪の状態は気にならないので先に出発していきました。
息子たちと同じくらいの年齢でしたが、とっても気さくで気の利く子たちで、楽しい滞在になりました。ありがとう!


下山編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

美大生の男の子たちと過ごす避難小屋の夜

立地条件も、小屋自体も最高な避難小屋に泊まって、先月スキーハイキングしたときのお話です。


避難小屋に向かう最中に出会ったスノーシューの二人の男の子。
わたしが午後の散策に出掛けてまた小屋に戻って、しばらくすると、帰ってきました。


わたしはハーブティー、彼らは持参のビールを飲みつつ小屋内でおしゃべりしていました。ふたりは美大に通う学生で、同級生なんだそうです。避難小屋に泊まってハイキングするのはまだ2回目だと言っていました。冬の泊りがけハイキングも初めての経験で(その割にはこの小屋に3連泊😅)スノーシューも近くのスキー場でレンタルしたものだそうです。


普段なら夕方に小屋内で寛ぎ始めたら、もう外で何かをする気は起らないのですが😅、そり遊びをしに出たふたりが戻ってこないので、わたしも少し外に出て見ました。
そんなに寒くないし、曇り空だけどそれがまた味があってきれいです。
急いでスキーに滑り止めを貼って、小屋の裏の斜面をしばらく登りました。


そり遊びに熱心なふたり(^-^;
遠くの空は晴れているのに、昼過ぎからこの辺りだけ少しずつ雲が広がってきて、かなり低い位置まで下りてきています。秋にこの小屋に2泊したときも、2日とも夕方には雲が立ち込めてきていました。周りを高い山に囲まれた盆地であること、無数の湖や小川があることで、湿気が溜まりやすいのだと思います。
小屋内の湿気もひどくて、マットレスは全て紐に吊るしてありました。


夕暮れ空の中、小屋の近くをスキーで下りてきた動画です。
👇12秒間です。

Sunset Taillefer
小屋の裏を10分ほどだけ登って、小屋の少し下まで下りる、を2度繰り返しました。
あんまり下りると、また登ってくるのが大変なので( ̄▽ ̄;)適当なところで止まります。


たまたま止まった場所にエリカ(ヒース)が雪から顔を出していました。


夕日の中、スキーするのはあまりないことなのでほんの少しだったけど、小屋から出てきて良かったです。


小屋前から。
ツール・ド・フランスでも有名なスキー場、アルプ・デュエーズを擁するグランド・ルース山塊が正面です。山塊名はあまり有名ではありませんが、最高峰は3465mあります。


中央奥はサヴォワ県で、3つの特徴的なとんがりのエギーユ・ダルヴ(3514m)などが見えています。ふたりはお山初心者のようで、あまり山の名前を知らないのでいくつか代表的なものを教えてあげました。


外が暗くなってきたので小屋に戻りました。
ろうそくに火を灯します。


サラミを切ってふたりにも分けてあげました。


雪を融かし中のふたり。お料理に使うんだそうです。余計に作るから一緒に食べようよ、と言ってくれました。
この避難小屋の素晴らしいところは、ガスボンベがあって火が使えることです。
ボンベが空ということもあり得るので、わたしはジェットボイルを持って来てるし、ここのガスは使いませんでした、


バターでマッシュルームを炒めています。野菜とかバターとか避難小屋に持ってくる人はフランスではあまりいないのでちょっとびっくりしました。そしたら「3日も滞在するから、小屋ライフも楽しくないとね」だそう。避難小屋・お山初心者にしては良い心がけ!?をしています。
ひとつ前の、雪を融かしていた鍋はここの小屋にあったものですが、この鍋は自分たちで持って来たものらしいです。避難小屋って、結構色々なものが置いてあんですが、実際のところ何があるかは行ってみないと分からないし、あるはずのものでも、壊れていたり、派手に汚れていたり、なくなっていたりするかもしれません。結局自分たちでも持って行くから、使わないことも多いんですよね・・・
それに加えてわたしの場合、小屋の食器や鍋などを使うと、きれいに洗うのが面倒くさいので(お湯はもちろん水道もなく、汚れを落としにくい)、ほとんど使うことはありません。


雪を融かした水が湧いたので、ご飯を炊いています。


前もってバター炒めのマッシュルームをよそっておいて、そこに茹でたご飯を足します。


マッシュルームは底なので、よく混ぜて・・・
ふたりはグラーナ・パダーノ(パルムザンみたいなチーズ)持ってきていたので。それを最後にかけていただきました。


おお、なんとワインまで✨
ありがとう(≧∇≦)


木があまりないので、ご飯を食べ終わるまで薪ストーブに火を入れませんでした。
ようやく点火です(^^♪


薪ストーブの上に濡れた靴を置くふたり。
熱くなりすぎるとゴムの部分が融けだしたりするので、注意ですよ(;'∀')


翌朝編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

お気に入りの避難小屋で過ごす午後

昨秋に2泊した、中々いい感じの避難小屋にスキーハイキングで泊まりに来たときのお話です。


標高2000mちょいの地点に立っているラ・ジャス避難小屋。
夏の放牧期間には羊飼いさんが寝泊まりすることもある小屋らしく、屋内には放牧に必要な道具が片付けてありました。
この小屋は、数年前からハイキング中に何度か通りがかったことはあったのですが、実際に泊まったのは昨年の9月が初めてでした。
朝の避難小屋前にて👇

朝日に照らされる草紅葉が進んだ地面と山肌が美しかったです。
その時は2泊して、正面真ん中のお山、山塊最高峰になるル・タイユフェール(2857m)に登ったのでした。


一番初めに通りがかった時の写真も載せておきます。
2017年4月下旬でした👇

この次の年に改装工事が行われ、今のような外観になったようです。


シュラフなど、要らないものを少し出して軽くなりました。
今から少しお散歩に行こうと思います。考えていた2500m台のお山は日当たりが良過ぎて雪解けが進み、地面が露出し過ぎていたのでスキーで下りることは難しそうでした。
もう少し手前の稜線はここから見る限り真っ白なので、そちら辺りを適当に目指して登っていきました。


30~40分ほど、避難小屋の裏の斜面を登っていきました。
平たいところに着くと、ものすごい風です(>_<)
恐ろしい風の音を動画で感じてください。
👇ぐるっと360度、13秒間です。

Une rafale sur le plateau des lac
 もう少し奥まで進みたかったのですが、完全に心折れました_| ̄|○
ここで避難小屋まで引き返すことにします。


しょっちゅう風が吹き荒れる場所なのでしょう、雪が吹き飛ばされて薄くなり、決して滑りやすい雪ではありませんでしたが、新しいスキー板は今まで使っていた60㎜幅よりも広めの76㎜、重さも690g→1000g、と安定は良いはずです。確かにちょっといい感じがしました(多分😅)。


避難小屋に戻ってきました。
小屋の外には磁石と温度計の着いたキーホルダーが置いてあり、12度くらいあります。
これは先月にお話なのですが、2月にしては暖かい週末だったのを覚えています。
キーホルダーは小屋に泊っている男の子たちのものでした。


登った先でおやつタイムにしようとジェットボイルなどを持って行ってたのですが、強風でお茶どころではありませんでした(;^_^A
ここは風が少なくて、寒くないのでお湯を沸かして飲み物を作ることにします。
小屋から少し歩いたところに小川が流れているのですが、あいにく雪の下です。少し残っている水に雪を足しました。


お日様のある間は小屋内よりも外の方が暖かいので、日向ぼっこしながらおやつにしました。インスタントコーヒーかお茶かハーブティーか、日が経ちすぎて何を飲んだのかすっかり忘れてしまいました💦


1月末に遠征したスペインで買った、オリーブオイルを使った薄甘いお煎餅。
2パック買って帰ったので、この時点でまだいくらか残っていました。次男にも味見させましたが「うーん、おいしいことはおいしいけど、大好きな感じではない・・・」とモゴモゴ言っていたので、遠慮なくひとりで消費しました。


こないだも書きましたが、食べるたびに気になるお姉さんのイラスト。
「この点線で半分に折って、こうやって欠片まで残さずに食べろよ」の押しつけがましいメッセージ入りです(読めないけど多分)。見るたびにイラストの人がわたしに似ているような気がしてなりません・・・


自分ち感覚で小屋前でまったりしていると、ソロスキーヤーさんが登ってきたので、しばらくお話しました。少し遠い地方から来られた方で、地元の山岳協会のリーダーをされているんだとか。この冬のうちに、小屋から近い前述の山塊最高峰のお山にグループを引き連れてやって来る予定なので、今日は下見に来たとおっしゃっていました。


男性が行ってしまってから、わたしも小屋に一度戻りました。
ここの避難小屋の魅力は何といっても、立地条件です。
このように出入り口からの景色も最高なのです。


小屋内のチェックでもしてみよう・・・

食器とかロウソクとか。
写真には撮らなかったけど、お鍋やフライパンもあります。


ゴミ袋、洗濯ばさみ、洗剤、トイレットペーパー。
そして大事なもの、ノコギリ。薪ストーブに入れる木を切るのに不可欠です。


食料品もいくらかあります。
缶詰とか・・・


食品が入っている透明のプラスチック容器は、ウォーターサーバーのボトルです。
泊まった人が余った食料を置いて行って、必要な人が使えるようになっています。
冬場はいないかもしれないけど、避難小屋には大抵ネズミが出るので、食べられないようにきちんと戸が閉まる棚や、容器に入れておく必要があるのです。


ビスケットやパスタ、粉末のインスタントスープなど。
おっ、オイルサーディン。ひまわり油でなくオリーブオイル漬けの高いやつだ・・・


食べかけのチョコレートケーキ?💦
しかも手作りっぽい(;´Д`)💦
こわ・・・


ジャガイモが置いてある(^-^;
男の子たちに後に聞いてみたけど、彼らが持って来たのではないと言ってました。
そして彼らいわく、ネズミは全然出ないそうでした。


夕方~夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。