フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

山友達と楽しむ避難小屋の夕暮れ

熟練山スキーヤーの友人ふたりとピレネーの避難小屋に泊まった時のお話です。


お昼過ぎに避難小屋に到着し、小屋前でランチをしてから午後の散策に出掛けました。
ふたりよりも早く避難小屋に戻ってきたので、避難小屋でお茶を飲みつつひとり時間を楽しみます。


リラックスするためにスキー靴を脱ぎました。
靴下も少し湿っているので履き替えます。
スキー靴のインナーをスリッパ代わりにするという技もあるのですが、湿っているし、避難小屋の床は砂や木くずなどで結構汚いので、うちから持ってきた飛行機のアメニティ(トルコ航空)でもらった簡易スリッパを履きます。快適とは言えませんが、荷物の重くなる泊りがけハイキングでの妥協策です。


窓際には羊などの動物の骨がコレクション!?されていました(;^_^A


ピレネーの山々をバックにマジックアワーが始まりました。
まだそんなに寒くなかったので、お茶を手にしばらく小屋の外で夕暮れの空気を満喫しました。


これはほぼ同じ時間(2分違い)に、友人Eさんがスキー中に撮った写真を後に送ってくれたものです。この直後、避難小屋に向かって下り始めたんだそうです。


体が冷えたというEさん。コーヒーを作りたいということで雪を融かして水にします。
わたしのシェラカップがいいサイズなので貸してあげました。
キャンプブームで日本ではとてもポピュラーなアウトドアグッズですが、意外にもフランスでは見かけません。Eさんに「軽いし、形がいいね!」と絶賛されました。


日が暮れてどんどん冷え込んできました。
暖炉に新聞紙や小枝を入れて点火します。アルプスの避難小屋では薪ストーブが主流ですが、避難小屋に詳しいEさん曰く、ピレネーでは暖炉があることが多いんだそうです。


スキー中に遠くから見えたという枯れ木を拾いに行ってくれたEさん。
枝を簡易ノコギリで切っています。小さいノコギリなので切りにくそう。


シール(スキーの滑り止め)や靴下を暖炉の前に掛けて乾かします。


焚火の世話に忙しい男子二人。
楽しそうです。


太い部分は切るのにもかなり時間がかかります。
この作業のせいで、腱鞘炎気味になったというYさん(・・;)


半分ちょっと切り込みを入れたところで足で割ろうと試みますが、かなり苦戦していました。


火吹き棒が欲しいね、とふたり。でもこの小屋にはないみたい・・・
部屋の隅に転がっていた箒の柄(らしき棒)をへし折って代用品にしました。中が空洞なのでバッチリです。グッジョブ(^^♪


ピレネーの避難小屋の暖炉の火を6秒間感じてください(*´ω`)
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Cheminée à la cabane
雪を入れた鍋も写っています。
お昼過ぎに小屋に到着したときに、お日様で少しは融けるかと日向に置いておいた鍋でしたが、残念ながら全く融けていませんでした( ̄▽ ̄;)
さて、暖炉の火が安定したところで晩ご飯の準備を始めます。


なんとEさんが鶏を一羽丸ごともってきてくれていました。
約1,7㎏の立派な鶏です。中に針金を通しています。


鶏の中を通した針金を鶏の上で輪にして、輪の上の辺りに麻ひもを括り付けます。
どちらも小屋にあったものです。Eさん曰く、どこの避難小屋にも置いてあるので、持って来なかったそうです( ゚Д゚)


暖炉の内側に引っ掛けます。
炎から近過ぎず遠すぎない位置に調節します。
このように遠火でローストするんだそうです。
暖炉での鶏ロースト✨初めての体験で楽しみです。


夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

速報・個人記録が出た

スペイン避難小屋泊スキーハイキング記が途中ですが、山スキーで初めて3000m台のお山に登ったので近況報告させていただきます(*´▽`*)


頂上に着く10分ほど前の景色です
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頂上もうすぐ
わたしの知っているお山の中でも、パノラマは抜群です。


3230mの頂上
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Aiguille de l’Épaîsseur 04/03/2022
駐車場からだと1600mの高低差になりますが、山小屋に1泊したので、1000mしかありませんでした。
実は普通のハイキングで一度、スノーシューでも一度来たことのある頂上で、いずれも日帰りだったので、その時のほうが大変といったら大変だったに違いないんですけど、スキー初心者のわたしには、山スキーで来られた(というか下りれた)ことは大きな自信につながりました、しかも雪の状態がかなり悪かったので(;^_^A


おまけ
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山小屋のわんこ、ボーダーコリーちゃん。
女の子であすかちゃんという名前なんです(゚д゚)!
人懐っこくて元気でめちゃくちゃ可愛かったです。


また後日、記事にしたいと思います。
お読みいただいてありがとうございました。

初体験のスペインの避難小屋

やたらと避難小屋の話が出てくるこのブログですが、ついに国境を越えスペインの避難小屋に泊まってスキーハイキングしたときのお話です。
同行者はプロヴァンス地方に住む友人Yさんと、そのお友達でトゥールーズ在住でピレネーに詳しいEさん。どちらも熟練山スキーヤーです。


標高約2000mのところにあるウィシェラ避難小屋に到着したのはお昼過ぎでした。
ここに2泊して周辺をスキーでハイキングする予定です。
この辺りは夏には羊の放牧地になるので、羊飼いさんが滞在する小屋なんだそうです。
そうか、だから地べたに・・・


羊の骨とか落ちてるんですね(;^_^A


2泊3日滞在する間の飲料水はとても持って来られないし、今の時期、川は雪の下です。
雪を融かして水にするので、到着早々避難小屋内にあった大きめの鍋に雪を入れて日向に置いておきました。夜までに少しでも融けてくれたら、ラッキーです。あとはバーナーや暖炉の火で融かすことになります。


避難小屋の前からの景色。
中央やや左に頭一つ飛び出ているのが、ピレネー山脈の最高峰、アネト(3404m)だそうです。アルプスはそれなりに馴染みがあるけど、ピレネーは普段からあまりに接点がなさ過ぎて、最高峰の名前も、それがどのくらいの標高なのかも、恥ずかしながら全く知りませんでした。知ってるのはツールドフランスがよく通る峠道の名前くらいです(;^_^A


避難小屋前に椅子を出してきて、遅い目のランチにしました。


スノーモービルをぶっ飛ばして、ありとあらゆる斜面の雪を傷め、時々スノボで遊んでいたスペイン人の若者カップル。わたし達同様、小屋のすぐ横でピクニックをしています。
「自然を大切にしない馬鹿者め・・・許せんっ」と怒っていたEさんなのに、ふたりに話しかけられると、思いのほか愛想よく英語で世間話をしていました( ̄▽ ̄;)


パンとチーズ、オイルサーディン、生ハムといういつもながらシンプルなご飯です😅


チーズはうちから持って来たもので、他は前日にスペインに入ってから調達した食料です。
生ハムはスーパーの計り売りコーナーで切ってもらったもので、そんなに高くなかったので期待していなかったのですが、あまりのおいしさにちょっと感動してしまいました。甘味さえ感じる深い味わいです。山から下りたら、うち用にもっと買おう!と思っていたのに、結局時間がなくて買えずじまいになりました(T_T)


食後にはインスタントコーヒー♩
デザートに、これも昨日仕入れたばかりのスペイン菓子を出してきました。


薄甘いお煎餅はスペインではとてもポピュラーなお菓子のようです。オリーブオイルが使われているんだそうです。
それに、トゥロンと呼ばれるカタローニャ地方のヌガーと、ちっちゃなドライいちじく。
どれもおいしい(≧∇≦)


後片付けをした後は、散策に出発です。
ふたりが準備が遅いので(正確にはYさんが特に遅い)、先に出ることにしました。
ふたりはとてもスキーが上手なので、ちょっと難しいところに行くようですが、わたしはすぐそこら辺をウロウロする程度で、どうせ行き先が違うのです。


奥の峠っぽくなってるところをめざすことにしました。
それにしても、このスノーモービル跡・・・ほとんどノンストップで延々と走り回っていました。フランスでは許可付きでスキー場や林道で乗ること以外は禁止されているので、こんなことは起こり得ないのですが、スペインでは禁止されていないのでしょう。
走り回った跡もさることながら、エンジンの騒音やガソリンの臭いも耐え難い酷さでした。


少しずつ登ってきました。
振り返ると、避難小屋が小さくなっています。


少しずつ急になってきます。


遠くから見るとなだらかな斜面の峠に見えていましたが、いざ登りだすと、最後の方は特に結構な傾斜がありました。でも、今の時間帯、お日様がよく当たって雪が柔らかいので滑るのは格別難しくなさそうです。


斜面を登りきると、ようやくスノーモービルのあとがほとんどない場所に来ることが出来ました。もう少し先まで行くつもりでしたが、この先下ることになるので、もうここで引き返すことにしました。


峠からの急な斜面を滑り下りたのち、避難小屋方面へとゆっくり滑ってると、歩いて来るふたりをを見付けたので、そちらへと向かいました。
そしたらEさん「頑張ったな。よし、これから俺らについてくる元気はあるか?」
はっ??わたし、もう今日の元気は使い果たしたんですけど(避難小屋に向かう荷物重たかったし💦)?と言いたいところでしたが、今下りてきた雪は柔らかくて気持ち良かったので、もう一回滑りたい欲が出てきて「はいっ、もちろん!」と返事していました(^-^;


先頭を行くEさんと、あとに続くYさん。
わたしが登った峠と平行した別の斜面になります。
日当たりが良過ぎて、雪がかなり緩んでいます。


登ってると暑くなってきて上着を脱ぐYさん。
柔らかい雪は下りるのはいいけど、どんどん急になってきたこともあり、登るのにはスキーがズルズルと滑って難儀します。


根性で進んでいくEさん。Yさんはゲンナリしてスピードダウンし、わたしと一緒に歩いています。ここでわたしがひとこと叫びました。
「Eさん!ありがとう、今日はもう十分満喫したので、わたしはここでもう下ります!それでは後ほど、避難小屋で」
Yさんも帰りたかったっぽいんですけど、まだどこにも登っていないYさん、俺も帰る、とは言えずEさんと登り続けるハメに・・・お疲れ様です(≧∇≦)


やれやれ、避難小屋に戻ってきましたε-(´∀`*)ホッ
ふたりが帰ってくるまで少しありそうです。
ゆったりしたくて、お湯を沸かしてお茶を飲みました。


夕方・夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。