フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ソロ1泊ハイキング・3163mの頂上へ(8月)

先月、ひとりで避難小屋泊ハイキングに出かけた時のお話です。


標高1600mの駐車場を出発、2696mの地点にある避難小屋に泊まりました。


朝日に照らされる避難小屋全景。
ここには5年弱前に一度泊まったことがあります。小屋が、というよりかこの場所がとても気に入ったのでまた行きたいと思い続けていたのです。夢が叶って嬉しい✨


朝ご飯を食べた後、小屋にザックを置いてサブバックだけで裏山に登り始めました。
写真の右下に避難小屋が写っています。


もう少し登った位置から振り返って。
ギリギリ朝のきれいな空の色が残っています。


花崗岩でできた山なのでピンクっぽいところが多いです。


結構急なところもあります。
でもよじ登るというほどではありません。


2800mほどの地点にて。初夏が旬で、8月に入るとほとんど見られない大きなタイプのジョンシアンがまだ咲いていました。標高が高い分、遅い目に咲くのかもしれません。



特に難しいところがないため、ポピュラーな山ですが石がゴロゴロ、砂ザラザラなので登山道が分かりにくくなり、一度道を見失ってしまいました。適当に歩けそうなところを歩いているうちに、時々ケルンのある正しい道に戻ってくることができました。


3000mほどの地点には雪渓がボチボチ残っています。


頂上が近づいてきたっぽいです。


軽く偽ピークに騙されつつも間もなく頂上に到着しました😅


ル・ヴュー・シャイヨール(3163m)
エクラン国立公園、シャンプサー地方の代表的な山のひとつです。
シャイヨール(Chaillol)は カイユ―(cailloux=石ころ)に語源があると言われています。
確かに石ころだらけの山です(^-^;


登ってきた斜面はなだらかでしたが、反対側はちょっとぞっとするような絶壁になっています。
前日お昼前からなかった電波が頂上の少し前から戻ってきたので、メールやメッセージの返事を書いたり、しばらく頂上でゆっくりしました。


下り始め。


下りていく最中、アイベックスが。


大人のメス、若いオス、もっと小さい子供という3匹でした。
もしかして前の日の夕方に避難小屋の前で見かけた3匹かもしれません。


下山後まで書くつもりでしたが、長くなり過ぎるのでここで一度投稿します。
お読みいただいてありがとうございました。

「パリジャンたちの小屋」で過ごした夜

おかしな名前の山小屋ですが、先月泊まりに行った避難小屋の正式な名称(地図にも書いてある)です。雪解け水を下界に流すための運河が19世紀に作られ(今でも一部残っています)、その管理に政府(パリ)から来た役人が寝泊まりする小屋が元々あったためだそうです。


小屋の近くで見かけた若いオスのアイベックス。


お母さんと子供。


避難小屋とアイベックス。
入り口に座っているのは、ここに何度も泊まりに来たことがあるという地元出身の兄さん。お姉さんと、そのお子さん4人と計6人のグループでした。
ちなみにわたしは5年近く前に1度泊まりに来ています。


まだ6時過ぎですが、外が寒くならないうちに夕ご飯にしました。
ボーフォール(チーズ)、サラミにパン。最近ハマってる大豆使用のチップス。そして赤ワインみたいに見える!?赤い飲み物・・・


ビーツのスープ。最近、数年前に次いで再・マイブームになっている東ヨーロッパの国の商品を扱う食料品店で購入します。色んなスープ、どれもなかなかおいしいのです。


ご飯中もアイベックスがウロウロするのを観察することができました。


避難小屋内。パリジャンとかいう割に史上かつて見たことのない質素な避難小屋です。
子供が4人とはいえ、6人グループ+わたしの7人がこの小屋で寝るのギリギリよね・・・と思っていると、お姉さんが「わたし達はテントも持って来ているのよ。わたしと一番下の子以外は外で寝たいみたいだから、小屋内は広々よ」と言ってきました。


弟さん+その甥っ子姪っ子3人はテントを張りに出て行ってしまったので、しばらくお姉さんと雑談をしつつ、8時半にはシュラフに入りました。
前夜は準備に手間取って寝るのが2時くらいになり(しかも4時半起き)寝不足だったのと、重たい荷物で久しぶりにかなりの距離と高低差を歩いた疲れから、だいぶ早くに眠りについたと思います。
夜中に一度目が覚めたので、そろーっとドアの上半分を開けて空を見上げました。あいにくお月様が明るかったので、星空の写真にチャレンジすることもなくさっさと寝ました(^-^;


目覚ましは合わせずに寝ました。目が覚めて外に出た時に撮ったもので、6時18分の空。


昨日来た方向に少し歩いていきました。


避難小屋から少し離れた場所にテントが張ってありました。
風が来ない場所を選んだんだと思います。


避難小屋に戻りました。小屋メンバーもテントメンバーも皆さんまだ寝ておられます。前の晩に布袋の中にまとめておいた朝ご飯セットをそろーっと取り出して、小屋の前まで来て朝ご飯ピクニックです。インスタントコーヒー、ドライフルーツ入りパン。気温が高い時期だったので、バターは持ってきませんでした。代わりに!?ボーフォールチーズ。


正面の稜線が明るくなってきました。
最高に好きな景色の中、朝日を浴びつつコーヒー(インスタントですが)を飲めるなんて、もしかしてわたしは世界一幸せな人なんではないだろうか?とかなり本気で思ってしまう瞬間です😅とても簡単に世界一幸せになる得な性格です(≧∇≦)


ご来光✨


穴倉のような質素な小屋ですが、朝日に照らされて神々しいもののように思われます。
ちなみにドアの上半分が開いていますが、朝ご飯セットを取りに行ったとき、既に目を覚ましていたお姉さんが「空を見たいからドアの上だけ開けといて」と言ったためです。


再手術後・初ソロ一泊ハイキング、最終回に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

避難小屋で可愛い子との出会い

先月、再手術後初めて一人で泊りがけのハイキングに出かけた時のお話です。


5年前に泊まった避難小屋に今日も泊まるつもりです。ひとりで避難小屋に泊まるのは2度目という初々しい時代!?でした。


歩いてきた方向を背景に。
石ころと岩ばかりの、どこか別の惑星に来てしまったかのような風景は大好物です(≧∇≦)
では小屋の中に入ってみましょう。


じゃじゃ~ん✨
物置きにしか見えないかもしれませんが、ここが今夜のお宿です。前回来た時よりも、木の板の部分が広くなっていると気がします。



今のところ誰もいないけれど、8月半ばの土曜日です。控えめに小屋の端っこにザックを置きました。ちなみにドアは標高の高いところにある大抵の避難小屋と同じで雪深いときに入りやすいように上下別々に開くようになっています。


ザックを小屋に残し、少し先まで歩きます。
確かこの辺に・・・


あった~💖
水が流れてる岩があるのです。ここで水を調達できます。
ペットボトルに水を汲んで避難小屋に戻ると・・・


40歳前後くらいの男女と4人の子供が到着していました。ご夫婦かと思ったら姉弟+お姉さんの4人の子供、というグループでした。年の若い二人がお母さんとおやつを食べています。

「はい、あなたもおやついかがですか?」とビスケットをわたしにも配ってくださいました(^▽^;)
おふたりは麓の町の出身で、今は弟さんはマルセイユ、お姉さんはロンドンにお住まいなんだとか。夏休みなので実家にしばらく遊びに来ていて、今週末は弟さんのお気に入りのこの避難小屋に泊まりに来たんだそうです。


ご一家はこの先に続いている19世紀につくられた運河の方に散歩に行くそうでわたしも誘われたのですが、もうこの日は1100m以上登っています。これ以上歩いて明日、足首が痛くなると嫌なのでお断りしてひとりでティータイムにしました。


ウーロン茶を持ってきました。
長男の日本語クラスの仲間の台湾人のクラスメイトがくれた試供品?で手書きで説明が書かれています。


あれーっ?こないだ開けたやつはティーパックだったのにくるくると丸まったモノが入っています(*_*)これってウーロン茶・・・?


お湯を入れてみたけど、なかなか抽出されてない気が😓
もしかして、ちょっと煮だしたりしないといけないのかな?いや、麦茶じゃないから煮ださないよなぁ・・・と、腑に落ちないまま薄ーい味のついたお湯をいただきました(;^_^A


お茶菓子には。何度もこのブログに登場しているアーモンド入りのクッキーというかビスケットです。お気に入りのパン屋さんに今朝寄ってきたのでした(^^♪
卵の味強めで素朴なおいしさ、そして安い(1,3ユーロ)のでリピートしまくっています。


ティータイムのテラス席。
こんなところまで少し前まではとても自分の足で登ってこられなかったのでした(山スキーは除く)。と、お山で過ごすあらゆる瞬間に感慨深くなっています。


上の方で小石がカラカラと落ちてくる音がしたので見て見ると、若いアイベックスのオスが顔を出していました😻


こちらに気付きつつも、悠々と下りてきました。


さっきわたしが水を汲んだ場所で喉を潤していました。
可愛い✨


その後、若いオスは駆け上がって行ってしまいました。
入れ替わりにお母さんアイベックスと赤ちゃんアイベックスが下りてきました。


可愛らしい2匹を12秒間の動画でご覧ください👇

Petits cabris au Vieux Chaillol
お母さんは草食べっぱなしでお顔があんまり見えないですね(^-^;


アイベックスを眺めながらの贅沢なティータイムを終えて避難小屋の中に入りました。
この日、日中は暑かったので小屋内は多少ひんやりとしていて気持ちいいです。


全ての避難小屋や営業山小屋に置いてある思い出ノート。


結構泊まりに来てる人があるんですね。さすが8月です。
前回に来たのは9月で他に泊り客はなかったし、ハイキング客自体だいぶ少なかったです。


避難小屋の屋根。ここまで山と一体化した小屋を他に見たことがありません( ̄▽ ̄;)


避難小屋での夜~翌朝編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。