フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

子供たちと1泊でエクラン中部へ(昨年初夏・その3、最終回)

この週末はお天気が悪いので、シーズン初めの昨年5月半ばの連休に、子供たちとエクラン国立公園中部にてハイキングしたときの回想録を書いていますが今回で最終回です。


溺愛するエクランに半年ぶりに行けることに興奮し過ぎ、日が長くなってきていることもあり調子に乗って非常に長いコースを組み立ててしまい(約20㎞、累計標高差約1700m。おまけに道を間違えたため結果的に約1900mほどに・・)、子供たちから超ブーイングがでました。当然です(~_~;) 彼らは疲れてしまい「明日は僕たちは行かないから。民宿でゴロゴロしてるから」宣言も出ました。当然です。お母さん、反省・・・


元々は2日目も早朝からノリノリでハイキングする予定だったのですが、わたし自身ちょっと疲れてしまって翌朝は起きてきた次男とゆっくり目の朝ごはんを食べた後(長男は爆睡中)、ひとりでお気軽コースのハイキングに出かけることにしました。2年ほど前に友達4人と一緒に来たことがある場所ですが、当時まだそんなに山に目覚めてなくて連れてきてもらっただけだったため、道のことも出発地点のこともほとんど覚えていませんでした、恥ずかしながら…
長男はまだ寝ていたので、次男に「お母さんもし13時までに帰って来られたらここ(民宿)でご飯作るから一緒に食べよう。もし13時にまだ帰ってなかったらお兄ちゃんとこの材料でパスタ作って勝手に食べといて」と言い残し、「お昼過ぎまで滞在してくれても大丈夫ですよ」と提案してくれた民宿のご夫婦には子供たちが民宿のお庭で遊ぶと思います、わたしはお昼前後に帰ってきます」と説明して車で出発しました。


ラ・シャペル村を出たあたり。


きれいな景色で運転しているだけでもワクワクする山道です。…この時軽く後悔。今日はもう歩かない宣言していた子供たちだけど、車から景色見るだけだったら喜んだかも…長男が起きてくるの待って単にドライブだけという手もあったかな・・・などと考えつつ車を走らせていました。


20分ほど走った山道の終点「ジオベルネー山小屋ホテル」前の駐車場に車を停めます。
ここで既に風光明媚なシチュエーションです。車で来られるだけあって山小屋というより山小屋風ホテル兼レストランといった感じでレストランの規模も大きいです。ハイキング関係なしにここだけに来る人たちもありそうです。
この時思い付きました。「子供たちに民宿でパスタ茹でさせてる場合じゃな~い!ここで3人でお昼食べよう!」
携帯は通じなかったので「お母さんがお昼に帰るの待ってて。3人でレストランに行こう」と言うために山小屋ホテルの固定電話を貸してもらいます。電話に出た民宿のご主人に伝言をお願いし、遅めのお昼に3人分予約しました。この日は連休2日目だったので満席ということもあり得るかと思ったのです。
ちなみにうちは極端に外食しない一家で、普段の生活で外で食べるということはほとんどありません。旅行先とかでは別ですが…なので、普通の人が気軽に「じゃあ今日のお昼は外で食べよう」と決めるのとは全然違った感じです。こんな気軽なレストランであっても、思い切って💦と言う感じです。


山小屋レストランを背にした景色。


いくつかのハイキングコースの出発地点になっています。
わたしがこの日行こうと思ったのはロゾン湖(2008m)。約2時間です。


登り始めて30分ほどの地点。中央右はこのエリアを代表する山のひとつ、Le Sirac (3441m)。


5月半ばなのでさすがにまだあちこちの山に雪が残っています。


そろそろ地図で見ていた湿地帯エリアに入ってくるはずです。


小川が流れていたり・・・


小さな湖というか水溜りがいくつかあります。ただしこれはまだ目的地のロゾン湖ではありません。ハイキングコース上に雪が残っているところが結構あり、思ったより時間をくってしまいました。地図で見る限り、もうほんの少しなのですが、そこまで行っていると子供たちと行くお昼のレストランの時間に間に合わなくなる可能性もあります。昨日のリベンジという意味も含めた?レストランなので帰って来るの遅くなって子供たちをがっかりさせたくありません。すっぱり諦めて(この水たまりで我慢して、、笑)今来た道を一目散に駐車場まで戻ります。何せ民宿に戻るのに20分、ここまでまた戻って来るのに20分です。


約1時間後。民宿まで往復し、子供たちと山小屋ホテルのレストランでお昼ご飯です♬
しかし。ここで大変恥ずかしいことが起こってしまいました。
フランスはカード社会で少額でもカードで買い物できる店が多く、日本と比べて現金をあまり持ち歩かない人が多くてわたしもその類なのですが、山小屋に泊まるときはさすがにカードでは払えないので現金または小切手を準備していきます。このレストランはいわゆる山小屋とは一線を画したほぼ普通のホテル・レストラン(とわたしには思えた)だからカードは使えるだろうと楽観していました。というか払えないかもしれないとか頭にもよぎりませんでした。
席に通され子供たちと着席し、おもむろにお品書きを開くとそこには
「カード使えません」の文字がΣ(゚Д゚)
いや、お金持って来てたんだけど今朝、民宿払うのに使っちゃったのよね~・・・
その時点ではお昼にレストランに行く予定などなく。民宿は食料品店もやっていたので絶対にカードでも払えたはずなのに~。。と思うと現金で払ってしまったことが悔やまれます。現金は20ユーロくらいしか残っていません。豪勢?にひとり20ユーロくらいの定食でも注文しようと思ってたのに・・・
とかウダウダ後悔しても仕方ありません。考えられる選択肢としては
①事情を説明して撤退
②事情を説明して現金を調達しに行く
③事情は説明せずに飲み物だけ注文して撤退(お昼予約してきたのに・笑)
④食い逃げ…(;´Д`) なバカな💦
焦ります。脂汗でもでてきそうです。子供たちに昨日のお詫びという意味で来ためったにないレストランなのに・・・
ふと、オプション⑤があることに気付きました。
3人でオムレツを注文する。グリーンサラダと共に最も安い単品であるオムレツは7ユーロです。祝日のお昼に予約して来て飲み物もデザートもなしにプレーンオムレツだけ3人で食べていく人ってのも珍しいと思うんですが、周辺の最大都市(汗)であるラ・シャペル(民宿のある人口100人ほどの村)にはATMさえなかったし、祝日である今日は何もかも閉まっています。山奥では現金も調達できないわけです…


上の写真はそんな複雑な事情で注文された貴重なオムレツを食す息子たちです( ̄∇ ̄;)


オムレツくらいでお腹が一杯になるはずもなく、ホテルレストランを出て即、インスタントラーメンを作って食べました(^^ゞ 


ハイキングはしてないのにいかにもたくさん歩いたかのような写真です。


滝がすぐ近くにあるので行ってみることにしましょう。


近付くとすごい勢いです。ちなみに「花嫁のベール」という名前の滝です。


サクラソウが旬であちこちに咲いてました。


翌朝は子供たちは学校、わたしも仕事なので早い目に出発します。何よりも前日のハイキングの疲れがまだ残っています。。


帰り道にはデヴォリュイ山塊の最高峰、オビウが美しかったです。


さらに進んだ先から見えたオビウ。中部~南部エクランに行くときによく通る道なのですが、行きに通るときはまだ暗く帰りはもう暗くなってることが多く、案外こんなにきれいにオビウを見るのはないことでした。この5月の時点でまだ行ったことがなかったのですが9月に登ることが出来ました。👇




今回3回にわたって書いた5月のハイキングは子供たちにとって厳しすぎる行程で(わたしにとっても…)可哀そうなことをしました。
長男には宣言されました。「これからはハイキングに行く前には僕もコース確認するから」と。この時以来、子供たちと一緒の時は標高差が1100~1200mを超えないように注意しています(^^;
長々と書いてしまいました。読んでくださってありがとうございます!

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