フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

いわゆる「ゆるポタ詐欺」ってやつだった

ブログを読んで下さっている方の中には、自転車乗りではない方もおられると思うので、タイトルについて最初に説明しておきますが、「ゆるい」「ポタリング=ゆっくりのサイクリング」をしよう、と言っておいて、しんどいコースに連れて行く人のことを指すようです。


わたし自身は景観の良いコース、つまり山道が好きなので、平坦で楽だけど見晴らしのないところばっかりを回るコースに連れて行かれる方がむしろ嫌だな、くらいに考えていました。
そんなわたしがゆるポタ詐欺の被害者になろうとは…。


先月のある週末、山友のDさんとテント泊ハイキングをする約束をしていました。
そんなに長い行程ではないから、歩き始めるのは午後からで十分、午前中は自転車に乗ろうと言われていたので、一泊登山の準備とロードバイクと両方車に積んで出発しました。


到着したのは、お山地方にあるDさんのご実家です。
週末には帰っていることも多いみたいで、初夏に一度、ちょろっと寄らせてもらったことがありました。


中に入ると、朝食の準備が整っていました。
黒いケースには、ご近所さんが集めたという野生のブルーベリー、左はわたしが持って行った手作りのレッドカラントジャムです。
うちを出る前にご飯は軽く食べていましたが、今から自転車乗るし、しっかりと頂きました。


Dさんのご実家から直接出発するコースもあるのですが、この辺りでサイクリングをするのが初めてのわたしに「軽く回れて、きれいなコースに行こう」と車で少し移動した地点から乗り始めることになりました。


デミたんはご実家のお庭でお留守番しておいてもらい、Dさんの車に自転車2台を積んで出発です。
Dさん「うちから出発すると、どうしても高低差が1000m以上になりがちなんだよね…今日は午後から登山だから、疲れてしまわないように、軽~く乗るだけにしよう」
とっても物腰が柔らかく、思いやりのあるDさん。山にとても詳しいので全般的に信頼しています。特に疑問を感じず、コースについての詳しい説明を聞こうとは思いませんでした。


 

出発地点の標高約800mの村。シャルトル―ズ地方自然公園周辺になります。
ちなみにDさんはマウンテンバイクです。


結論から言うと・・・
この日のハイライトにキッツい坂道が待っていました🤣
何の説明もなく🤣
これ👇


この前にも別の峠道を登ったんです。そちらは平均6パーセントが10㎞で、まずまず普通の山道でした。峠に着いたな、あとは下りか…と思ったら上のやつが待ってました。
実質的にきついところは3㎞くらいなんですけど、この日はしんどいところはないと思い込んだまま、何の情報もなく連れていかれたのでびっくりしました😱
軽~く、って言ったよね⁉️


でも、ゼーゼーいって到着した先は、とても素敵な場所でした。
放牧の牛さん達がゆったりと草を食んでいます。


かわいい(*´▽`*)
わたしの大好きな品種、タリーヌでした。


道路の最終地点にあるのは山小屋風レストラン(右)と、農家だそうです。
Dさん曰く、なかなか美味しいチーズを作っているんだとか。


直売、とあります。
入ってみましょう。


伝統的な銅鍋が。
左のかまどで温めるようです。
先ほどまでチーズ作りが行われていたようで、鍋の中には乳清(ホエイ)が残っていました。


入った右手には、熟成されたチーズ(トムと呼ばれるタイプの山のチーズ)が売られていました。Dさん曰く、ここは乳清を使って作ったチーズもおいしいんだとのこと。
Dさん「あれ、でも見当たらないな。売り切れなのかな?」
そういえば、外の看板に「セラック」とありました。セラックとは、チーズを作った後に残るセラム(乳清=ホエイ)を使って作ったチーズで、ボーフォールの産地などでそう呼ばれているのを見かけます。要はリコッタみたいな薄甘いボソボソとしたフレッシュチーズです。
ただ、あくまでも副産物的な扱いで、日の目を見ることのない!?地味な乳製品という位置づけなだけに「セラックがおいしい」というのが意外な話に思われます。
奥からマダムが出てきました。
Dさん「すみません、セラックはないんですか?スモークのやつ
え??スモークって??


「あー、はいはい。今出してきますよ」とかまどの管(煙突に繋がっている)の裏に向かうマダム。ええっ?どんなところに隠してるん??


うわ!
なんじゃこりゃ?
煤だらけで真っ黒・・・
チョコレートシフォンケーキといった方が良さそうな外見です(シフォン型は真ん中に穴開いてるけど)
かまど管の裏にしばらく置いてると煤で黒くなり、燻製されたような香りがつくんだそう・・・てか間違いなく燻製されてる(;^_^A
Dさんは何度か、ここに買いに来たことがあり(ほぼ毎回、マウンテンバイクで😅)「癖になるおいしさ」なんだとか。


土曜日だったので、お手伝いをしていた中学生くらいの息子君が切ってくれました。
うわ~、これは楽しみです(^^♪


ちなみに、こちらは燻製されていない方。
水気はかなり切られていて、通常のポロポロしたものに比べると硬そうです。
そして黒コショウで味付けされています。今まで見たセラックは味付きのものや、こんなに水切りされて硬そうなものはありませんでした。値段もセラックにしては高いですが、水分が少なくなっているし、手が込んでいるしね・・・。


手作りのサラミもあったので、1本だけ買っておきました。


わたしのお買い物。
最初に書いた普通な見た目のチーズ「トム」を4分の1と、セラックを厚めに一切れ、そしてサラミです。
ウエストポーチに全然入らなかったので(なら買うなよ・・・)Dさんのリュックに入れてもらいました。


Dさんがフルーツを持って来てくれていたので、分けてもらいました。
白いケースはチーズを作る型です。


下りていきつつ、振り返って。


登りできつかった辺りです(^^;)
この後、登りで通ったのとは少し違う道を通って車まで下りていきました。


Dさんのご実家まで車で戻りました。


お昼ご飯はDさんのご実家でご馳走になりました。
朝昼と連続ですみませんね💦


ラタトゥイユ、キノアやブルグルなどの穀物ミックス、ステーキ、それに左側のゴボウのささがきみたいなのは、Dさんが前日に採集したばかりというキノコ(セップ茸)です。


チーズたち。
上の端っこに写っているのが、例のスモークされた乳清チーズ。
Dさんも買っていたのでした。


年季の入った可愛いオピネル✨


シャモワが彫られています。


この朝の「ゆるポタ詐欺」ライド記録。

「うちから出発すると高低差1000m超えちゃいがちだから、別の楽なところへ」と言いつつ連れて行かれたコースにしては高低差が996mでした😂


そして「ゆるポタ詐欺」疑惑が高まるもうひとつの資料(て、ただのストラバです)
👇

全体のタイムが2時間25分なの対して、走行時間が2時間16分。
休憩が合計で9分?ほぼチーズを買っていた時間のみやん😂


午後のハイキング編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

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