フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

雪どけの湖の合間を歩く(その3)

お天気がよかった日曜日。前日まで体調が悪かったため高低差800m程度の軽い目のハイキングを計画。例年より早く雪どけが進んでいる湖周辺を散策しにタイユフェール山塊にやってきました。


いくつもある湖をぐるっと回りつつ周回して朝通ったタイユフェール山小屋周辺に戻る予定です。昨年5月にこのあたりを散策した際に通りがかったラ・ジャス避難小屋が遠くないところにあるので、まずそちらに寄ってそこでお昼ご飯にしようと思い描いていました。
避難小屋は地図に載っているハイキングコースからは少し離れた場所にあります。そちらに向かう細い道がメインコースから分岐していたのですが、その分岐点が湖からの帰りに見つからず(結構雪が残ってる部分もあったので隠れていたのかも)、避難小屋自体どこにあるのか見えなかったので仕方なしに適当に野原を突っ切ってタイユフェール山小屋のすぐ近くまで戻ってきました。


タイユフェール山小屋まで戻ってそこでご飯でもいいか・・・いや、まあそれ以前にそこら辺の野原のどこで食べてもいいわけだけど(汗)。
ラ・ジャス避難小屋はなかなか素敵なところだったので、そこでご飯を食べるかどうかは別にしてもまた見に行きたい気がします。快適そうで立地条件もいいし、ぜひいつか泊まりに行きたい避難小屋のひとつなのです。


ここまで上ってきてしまったのでちょっと癪だけど(避難小屋の方が標高が低い)、タイユフェール山小屋の少し手前に「避難小屋こちら」の看板があったのでそこから行くことにします。朝に通った時見かけて「お昼過ぎにここから戻って来ることになるな」と思いながら通り過ぎたのですが・・・そこの分岐からなら確実に行けます。


これです、この周辺には「ロバでハイキング」コースというものがあるようで、その案内板がところどころにありました。これにはそこに「ラ・ジャス山小屋」と付け足されていました。
この分岐にしても左手に出ているのは看板がなければ確実に見落としてしまう薄っすらした道です。


晩夏を中心に冬にでも見られるカーリン(カルリナ)の一種。日本語訳を必死に探したら「チャボアザミ」だそうです。乾燥してドライフラワーになっちゃったみたいに見えますが、これが普通の状態で青々としていることはありません。


今日もクロッカスはあちらこちらに。


下ること10分余り、ラ・ジャス山小屋がありました。やはりちょっと窪んだ場所にあるため(吹き曝しにならないような場所に建てられていることが多い)、先ほどわたしが歩いていた場所からは全く見えませんでした。


わ~い、1年ぶりです。


とてもいい場所にあります。ここで目覚めたい・・・✨


ドアは上と下が別々に開くようになっています。


セルフタイマーで一枚。


はい、それでは次回に泊まりに来るときのための備品チェックです。


マットレスがいくつもあります。
8人くらいは軽く寝られそうです。小さいところだと既に誰かがいた場合困るので、いいシーズンの週末に泊まる場合このくらいの規模のところの方が安心です。なんせ予約できませんから…(^▽^;)


ストーブは比較的新しそうです。
そして特筆すべきは、ガス調理台!!いや待て、ボンベ空かもと動かしてみましたが半分以上残ってる感じでした。他の避難小屋では今まで見たことがありません。


木や薪を切るためののこぎりもあります。


調理器具や食器類も充実しています。


パスタとかお米もあります。他にお砂糖、コーヒーなどもありました。
個人的には今まで避難小屋に置いてある食品を使ったことは一度もありませんが・・・
小屋内に張り紙があり「日持ちのする乾物に限り、置いていって下さい」とのメッセージが。使わなかった個別包装のジャムやインスタントコーヒーを置いて行ったことはあります。


さて、ここでお昼ご飯にするかぁ、と腰を下ろすと下の方から賑やかな声が。本日2度目に出会うハイキング客は3人組の若い女の子でした。着いて間もなく3人はキャイキャイはしゃぎつつお弁当を広げだしました。
誰かが近くにいることは全然構わないし、居合わせたハイキング客と一緒にお昼を食べたことも何度かあります。しかしあまりにうるさい(-_-;)
仕方ない、タイユフェール山小屋方面に戻ろう…と腰を上げます。


15分くらいでタイユフェール山小屋前の分岐点に戻ってきました。


夏のシーズン中には管理人がいてご飯も食べられるタイユフェール山小屋(2056m)に到着。時間は1時を回ったところです。
ここでマウンテンバイクの男性ふたり組に会いました。彼らはお昼を食べ終わったところで出発準備をしていました。そういえば自転車のタイヤの跡がこの日のハイキングコースの色んな場所にありました。


山小屋の前にはテーブルがいくつかあったのですぐお昼ご飯にしました。
今日はパンがうちになかったのでクラッカーのようなものを持ってきました。


食後のコーヒーとお菓子を食べて時間を見ると1時45分。
ここから駐車場に戻るには1時間ちょっとでしょうか。3時か・・・あまりに早すぎる~
これが日本なら温泉にでも浸かって帰るのにちょうどいい時間帯なんでしょうが、こちらにそんな洒落た楽しみはありません(~_~;)


ふと後ろを見ると・・・山小屋の後ろはこうなっています。
小高い丘のようなところのてっぺんは地図上では2246m。山小屋からだと200m弱上ることになります。全く見えてないのですが、丘の後方(真北)にそのまま山は長く伸びていて、少しずつ高くなっていき山小屋から直線距離で約3キロ北に行った地点が一番高く、グラン・ガルベールと呼ばれるその頂上は2561m。1年前に来た時は反対側の駐車場からの出発でグラン・ガルベールには南西方面の稜線から上りました。ちょうど「へ」の字のような地形になっているのです。
その時は頂上から今いる辺りより少しずれた地点に下りてきました。この山小屋周辺は傾斜が急だったのでもう少しなだらかなあたりを目指した気がします。
う~ん、記憶では(そして地図でも)ちょっと遠いんだけど、グラン・ガルベール。どうしよう。
病み上がりということで控えめな行程にしていたけど、特に疲れていないし物足りません・・・よっしゃ、行っとくか~(^▽^;)


大体こんな感じ?(;´∀`)
その丘の頂上で終わりにしてもいいし、そのもう少し奥まで続けて登ってもいいし・・・
最初の斜面は急だけどあとは緩やかなので時間さえ気にしなければそんなにキツいことはないはずです。


登りはじめ。山小屋が小さくなっていきます。


あっ、ジョンシアン!
春から初夏によくみられる花です。これはジョンシアン・プランタ二エール、特に早いうちから出てくる種類。見るのは今年初めてです。


同じジョンシアンでも違う品種のもの。リンドウみたいです。これはもう少し後に旬になります。ひとつ上の小さなジョンシアンはその後何度も見ましたが、こちらのほうはこの1度きりでした。


丘をひとまず登り切ったところ。
左手(西側)を望んで。ヴェルコール山塊が霞んでいます。


このようにどんどん続きがあります(;´∀`)
傾斜が穏やかで疲れることもないのでもっと先まで行くことにしました。


ときどき咲いていたアリッサムの一種。日本ではミヤマナズナ属とされているみたいです。
来月くらいになるともう少し色んな花が出てくると思うのですが、今はまだ種類が少ないです。森にはもっと色々咲いているんですが、野原の部分はまだ雪どけから間もないので無理もありません。


湖めぐりだけで帰るつもりが山をひとつ付け足したため行程が長くなりました。よってブログも3回ではまとまりません(^^; 次回(その4)が最終回になります。

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