フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

1泊で南仏ケラ山塊へ(その4)

今回が2度目の遠征となった南仏ケラ山塊。イタリアとの国境の峠周辺を散策したのち予約している民宿へと向かいます。


ハイキングをする際に停めた駐車場からは約15分間の道のりです。景色がいいし時間もまだ夕方5時半なのでゆっくり走ります。


村に着く少し手前。スキーリフトがありました。


アブリエスの村に到着。小さな村で民宿は3軒しかありません。特に住所は聞いてませんでしたがぐるっと1周して見つかりました。右手がそれです。


おおっ、宿の前に白と赤のGRのペンキマークがΣ(゚Д゚)
GR(Sentir de Grande Randonnée 「大きなハイキングコース」)とは町や村の間をつなぐその地方ごとに設定されている長いハイキングコース。この日も山の中でこのペンキマークがありましたが、こうやって宿泊しながら数日間で縦走できるようにと考えられているため、麓の村や町中でも見られることがあります。各コースには数字が付けられています。ここのはGR58。もっとも有名なものはコルシカ島を1週間前後で縦断するGR20でしょう。


宿の前にちょうど奥さんが出てきてて庭仕事をしておられました。「今晩予約してるんですけど」と話しかけると、わたしは聞いてないけど、と言うので「えっ、、電話では男の方でした💦」と答えます。「大丈夫ですよ。どうせ他に誰もいないですから」
やっぱりか・・・スキーシーズンが終わりまだ夏のハイキングシーズンには早い今の季節、閉まっている民宿がほとんどで開いてるところを探すのに苦労したのでした。3連休の真ん中の日曜日だというのに…どんなけ人気ないんだ(;´Д`)
今の季節お客さん少ないからご飯は出してないというので素泊まり(21ユーロ)で予約してあります。


gîte(ジット)と呼ばれる相部屋形式の民宿です。今回誰も他に宿泊客がありませんでしたが通常数人が一つの部屋で寝ます。ここは二人部屋ですが4~6人部屋ということが多いです。


台所は勝手に使っていいとのことです。ひとりなので夜は簡単に自炊。朝は2回も3回も飲み物を作りながらのんびりだらだらと朝ごはんを食べることができました(^^;


荷物を部屋に入れ軽く整理し、暖かい飲み物を作って一休みしてもまだ6時半です。まだしばらくは外が明るいので(現在の日没は21時ごろ)軽く村を散歩しようと思います。


教会の壁には日時計。


村のメインストリート(^-^; 1分でぐるっと回れてしまいます。
でもちゃんとインフォメーションセンター(手前右)まであります。閉まってましたけど。


村のおっちゃんが集まるカフェ。小さい村なので山の中同様、すれ違う人とは全員挨拶します。小さい子供でもみんな「ボンジュール」と言ってくれます。


ケラ地方の産業は観光と林業。木を使った工芸品も多く見られます。昔この地方を回っていた相乗り馬車を再現した作品が村の入り口にありました。


可愛い薄ピンク色の郵便局には木の装飾が。クリスマスっぽいけど通年もののようです(^-^;


全てがこじんまりとしています。こちらは図書館。サーモンピンクです。この辺りの村や小さな町を通り抜ける時に気付いたのですが、ピンクや水色や薄黄色など結構カラフルな壁の建物が多いのです。わたしが普段行くアルプス山系でも北のほうは村がもっと地味です。カラフルな建物は南仏の村によく見られるのですが、山の中とはいえ一応南仏という自負?があってのことなのかもしれません。


可愛らしい一軒家のお菓子屋さんがありましたが残念ながら閉まってました。「ケラ風タルト」と書かれているのが気になります。日曜の午後はフランス、このように基本ほぼ壊滅状態です(~_~;)  スキーシーズンとかなら開いてたのかもしれません。


こちらは村はずれ。スキーシーズンになると週単位で貸し出すシャレータイプのアパルトマンが並んでいました。それなりにスキー客が来るのでしょう。


ここの村に限らず、山の麓の村でたくさん見かけるのはToyotaに限らず日本メーカーのピックアップや四駆。かなり古いパジェロなんかも現役で活躍してるのをよく見かけます。


木の工芸品が特産の地方とはいえ・・・民芸調の郵便箱バトルといった感じです(◎_◎;)


民家のリンゴの木の花💖


カフェのほかに唯一開いていたのが個人経営のスポーツ用品(というか服中心)店で、お店のご主人とこの地方の話、ハイキングコースの話などをしました。最後に「ひとりで危ないところ行かないでね」と念を押されました^_^; 
まだ7時半にもなっていませんが、村が小さすぎてこれ以上時間をつぶすのは不可能(-_-;)
大人しく民宿に帰りぼちぼちご飯でも作って明日行くハイキングコースでも考えようと思います。明日のために考えていたコースがあったのですが、今日一日歩いてみてこの雪の量ではそのコースは無理そうな感じなので(10時間以上かかりそう)別のを考える必要があります。
先ほど話したスポーツ用品店のご主人がここの近くから行ける簡単でリスクゼロというコースを提案してくれたのですが、駐車場の近くの森と野原をぐるっと回って帰ってくるという2時間くらいで終わりそうなものです。さすがにそれはちょっと(;´Д`)


そして翌朝。とても静かでよく寝られたんですが、やはり気が高揚しているのか早くに目が覚めてしまいました。2度寝ができない体質なのでベッドで少しごろごろした後はコーヒーを作ってもう一度ハイキング地図とにらめっこ。この周辺ではちょうど良さそうなのが見つかりません。ケラ山塊の地図は2枚あるのでもう1枚の地図のほうで探してみます。車で40分ちょっとかかる方面ですが通常(夏)は森の中を、そして冬はそれにほぼ平行したスキーのゲレンデを上がるという安全そうなコースがありました。目的地は2500m弱の地点にある湖(たぶん凍ってるでしょうが)で、余裕があればその後峠まで行くことができそうです。峠に登るのも標高線の感じでは緩やかそうで、こちらにも夏のハイキングコースとほぼ同じところを通る山スキーコースが記されています。


朝ごはんを食べ終え、6時過ぎにはもう出発しました。
晴れの予報なのにこんなに雲が。。民宿から出た時には雪もぱらついていました。


早く出た理由の一つはハイキングの前に昨日通ったこのお城のある村を歩いてみたかったからです。


この地方では壁に日時計がある建物がたくさん見られます。伝統なのでしょうか。


村役場の建物。そういえば前日は大統領選挙の第2次投票日でした。日曜日だというのに1日誰ともすれ違わなかったのはそれも関係あるのかな?


目的のお城まで来ました。えーと、開いているのは7月と8月の10時から19時まで(-_-;)
そりゃ早朝は無理だとは思ってましたけど、年に2ヵ月しか開いてないんですね。。
13世紀のお城で、17世紀にルイ14世の時代の有名な建築家ヴォーバンによって要塞化されたそうです。ヴォーバンはフランスのあちこちに要塞を作ったり元々あった建物を要塞化したりした天才的な建築家で今でもフランス各地に彼プロデュースの建築物が残っています。


中に入るのは無理でもちょっと上まで見に行ってみたいと思います。


ハイキング道のようです。


ぜいぜい。。村の観光ごときで疲れるわけにはいけません💦


これ以上は閉まっていて行けませんでした。しばし見上げて周りの景色も眺め、当時の様子を想像してみたりします・・・そういうのが好きです^_^


まだ7時になったところですが、これ以上することもないので目を付けたハイキングコースのある村まで向かいたいと思います。


お城のあった村の標高が1300m台、これから向かう村は1700m前後あります。この写真のような峡谷をしばらく走ったあとはひたすら上りの続く道路でした。行き先はそこそこ大きなスキー場ももつ村なので道路の状態はかなりいいです。ただしかなり急なので2速3速中心で、1速でないと上れないところも数多くありました。
景色のいい山道の運転は大好きだし、祝日の朝ということでほとんど誰もおらずちんたら走ることができました(^^;


7時半。目的地のセイヤックの村に到着。このままハイキング出発点まで同じ道路を進みます。この県道はそこで終わりになっています。


スキーのゲレンデです。よく見ると滑ってる人がいました( ゚Д゚)


まさかの積雪量(◎_◎;) 
2日前に結構降ったようですがこれがまだたっぷり残っていました。替えるの面倒で冬タイヤが付けっぱなしになっていましたが、これが功をなしました(;´∀`) 
それでも最後までは行けなかったので少し手前に停めました。


その4はここまでです。長くなってきましたが、続きもよろしくお願いします<(_ _)>

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