フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

子供たち、デヴォリュイ山塊デビュー(前編)

この週末は1泊で山に行ってる予定ですが、ひとつ記事が書けたので予約投稿のセットをしておきます(^^♪



8月最後の日曜、子供たちと日帰りハイキングに行ってきました。
天気予報で晴れているのは南方向だったので、エクラン国立公園や最近プチ・ブームにんなってるセルス山塊でもよかったのですが、子供たちが一度も行ったことのないデヴォリュイ山塊に行先をきめました。


行きの道路から見えたデヴォリュイ。奥はエクラン国立公園。


ザーッと一列に並んだデヴォリュイ。一番左が最高峰のオビウ。中央が山塊2番目に高いグラン・フェラン。どちらも昨年に登っています。
今日わたし達が目指すのは右の端の方にふたつセットでみえている尖がりの片方が今日の目的地、テット・ド・ガルヌジエ(2367m)です。デヴォリュイ山塊では一番南(=遠い)部分になります。


小さな県道に入ったところで自転車レースの大会が催されていたため、迂回を余儀なくされます。夏や秋にはこのようなイベントで道が通行止めになっているのに時々出くわします。手前の黄色いベストを着用しているのは憲兵隊の方達できちんと迂回ルートを説明してくれたので迷うことなく目的地に向かうことができました。


予定していた駐車場のすぐ手前にもひろい駐車スペースがあったので、もうここでいいかと車を停めました。1300mほどの地点です。
白いワンボックスの車は中をキャンピングカー風に改造してあり犬を2匹連れた一家がキャンプ中でした。人懐っこい犬でずっとこちらに来ては遊んで欲しそうに周りをグルグル回っていました。次男はちょっと怖がってましたが、とても愛嬌のある可愛らしい犬達でした。


奥にひとりかふたり用のテントが張ってあります。こちらは多分もう一台、黒い方の車の人でしょう。
なんかやたら楽しそうな子供たち(^^;)


さて、ちゃんと看板があります。ただしフランスのハイキングコースで一番よく見られる黄色いハイキング用の看板ではなく、このエリアだけで使われていると思われるものです。距離や時間は書いてないですが、ないよりはもちろん全然ましです。


分かりやすい道を歩いて行きます。ほとんど傾斜はありません。


多分森を抜けたあと進むであろう方面。


3人ではしゃぎながら注意散漫で歩いてたためにこんなちゃんとした看板を見落としてどんどん先に進んでしまい「おかしい、登りが始まらない・・」と地図を出してきて確認、駐車場から割とすぐに右に分岐するはずだったので少し戻ったらありました。道より少し入り込んだ木の多い辺りに看板が立っていたので視界に入らなかったのですが、それにしてもどんくさすぎます。3人で大笑いしました。


しばらく行くと、地図には載っていないミニ分岐があり、ケルンが積んであります。分岐した方の道は細く急です。緩やかに上っていくメインの道に対して近道になっているのでしょう。こちらを選ぶことにしました。


間もなく幅が広くなり、安心感が出てきたところで、いきなり前が金網みたいなもので封鎖されていました(;´Д`) その先を見ると斜面が崩落したような跡が見えます。仕方ない、少し登ってしまったので癪ですが元に戻ります。


このケルン、あかんやろ~!!とケルンを壊す長男。そうですね、この場合はいらんケルンです。この後歩く人たちのためにも壊しといてください。


オルチと呼ばれるイラクサの一種が生えまくって他の植物と混じってジャングル状態です。触れるとしばらくかぶれるので要注意なのですがハイキング道にもはみ出してるので完全によけるのは不可能。あいてて・・・ちきしょ~~と悪態をつきながら歩きます(^^;
あまり人気がないコースなのでしょうか。かなり荒れ果てていました。8月中の日曜というとハイキング客の多い時期なのでポピュラーなところは避けたというのもあるのですが。


イラクサもあるけどラズベリーもいっぱいありました。甘酸っぱくて超おいしい(≧∇≦)


ジャングルだけど、分岐にはきちんと看板があります。


放牧地帯に入りますよという看板。デボリュイ山塊は乾燥しているので牛よりも羊の放牧の方が多いのですが、ここでは牛の放牧でした。


牛が遠くに行き過ぎないようになってあります。黒い取っ手のようなところから手で開けることができます。


登りがきつくなってきてペースダウンした次男を助ける長男。助けることになってるのかどうかよく分かりませんが(^^;


夏の終わりから秋にかけていっぱい咲いているタンポポのお化けみたいなカーリン。枯れたんじゃなくて、もともとこんなメタリックな風采です。茎がなくて土からいきなり花、なことが多いのですがこれは茎がある品種でした。


カランコロンとカウベルの音が聞こえてくるのでどこの草原からかと思ったら、まだ森なのにいっぱいいました( ゚Д゚) 
放牧の牛は日当たりの良いだだっ広い草原にいるものなのでビックリしましたが、今回のハイキング中、草原よりも森にたくさんいました。あまり大勢で集まっておらず、10~20頭くらいのグループが多かったです。暑がりの牛さん達なのでしょうか…


さらに進みます。森から少しずつ草原ゾーンに移りつつあります。


座って少し休憩です。


地図を確認です。
今日目指す辺りは、3月初めにひとりで1泊でこのエリアに来た時に2日目に歩きましたが、反対側の村の民宿に泊まっていてそちらから歩いてきました。雪がかなり残っていたので今日見るであろう景色はその時とはだいぶ印象が違うはずなので楽しみです。


森を完全に抜けました。左のが今日の目的地、テット・ド・ガルヌジエのようです。
右の草の生えていない山がそれより少し低いテット・デ・ゾルマン。前回は反対から歩いてきてこの山でストップしました。雪が山の斜面に残っていたのでトラバースするのが怖かったのです。


上の写真のさらに右側。峠になっています。ハイキングコースはこちらの峠へと続いており、コース自体はそのまま峠を反対側に下ります。ただしテット・デ・ゾルマンやその先のテット・ド・ガルヌジエまでは斜面をトラバースしたり一部稜線を歩いたりして続けて歩いて行くことはできます。コース外ということにはなりますが、春先に来て一応道はあった、と記憶しています。


こうやって見てみると、峠まで行かなくても直接斜面を登って行けそうな感じです。
一番左の、そして最終目的地のテット・ド・ガルヌジエはちょっとガタガタが斜面にありそうなのでよく分かりませんが、その手前の少し高くなってる地点までは障害物も何もないので間違えなく行けるでしょう。そうしたら帰りには峠を通って下りてきて周回することができます。子供たちに「それでいい?」と聞くと「うん、僕らも行き帰り違うとこ歩きたい。こっちから登る方が近道みたいやし」
・・・決まりです♬


盛り上がってる一番高い辺りを歩いて行くことにしました。


南仏ドローム県のレ・トロワ・ベック。1年半ほど前の冬の終わりに登ったことがあります。1500mほどと高くない山ですがアルプス山系とは全く違う南っぽい景色が見下ろせてそれはそれできれかったです。雪が少ないので冬にスノーシューなしの普通のハイキングがしたいときにはいいです。もちろん真冬だと1500mでも雪はだいぶあるでしょうが。


正面の山は石灰質っぽくて真っ白で地層のラインがはっきりと出ています。リヨンから近いシャルトルーズ山塊を思い起こさせます。


頂上を目指し黙々と登ります。


暑くて疲れてきた子供たち。少し歩いては座って、の連続でちょっとイラっとしますが文句を言うとお互い楽しくなくなるので黙ってしたいようにさせます。


遠景


レザン・ドゥルス(熊のブドウという直訳。ちなみにフランスの山に熊は出ません)


高い辺りに動物の群れが。アイベックスかなと思ったら久々に出会うシャモアでした。


群れで移動中です。シャモアは用心深いので近寄らせてくれません。この日もこれ以上近くからは撮ることができませんでした。


頑張れ~
少しずつでも登ってきてください。


頂上(ってわたしたちが勝手に決めたとりあえずの第一目的地)はもうすぐです。左が最終目的地のテット・ド・ガルヌジエです。そんな感じしませんがこの真上の部分よりも200m近く高くなっています。


右がテット・デ・ゾルマン・


夏の終わりが旬のジョンシアン・シャンぺートル


もう少しです。


着きました、とりあえずの頂上(;・∀・)2150mほどの地点になります。
12時前だし、ここでお昼ご飯にします。


左手にはテット・ド・ガルヌジエ。特徴的な形です。


テット・ド・ガルヌジエの先にはロック・ド・ガルヌジエ。ふたつセットで朝遠くから見えていたやつです。ただし、ロックの方は見ると分かりますが登るのがとっても困難なようです。


今いるこの部分はただの稜線ではなく、少し広くなっていてお昼ご飯休憩にはもってこいです。こうなっていることは下からは全く見えないまま登ってきたので、ちょっと嬉しいサプライズでした。


少し遅れて子供たちも到着\(^_^)/
しんどい、しんどいって言ってた次男ですが頂上からの景色に感動しています。


あーお腹空いたね~・・・



後編に続きます。

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