フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

子供たちとリクゥ山小屋(2115m)へ

先週末に2泊で子供たちとセルス山塊は「クラレの谷(La Vallée de la Clarée)」に行ってきました。イタリアを経由すると3時間で行けますが、トンネル代とイタリアの高速代をケチって4時間弱の道のりで行きました。


調度中間地点に当たるシャンボン湖の地下トンネルの入り口近くの駐車場にて朝ごはんタイム。といってもわたしはすでにうちで一度食べてきているのですが軽くもう一度(^^;
長男は眠たいそうで後部席で寝たままでした。


仕方ないので?長男の分の朝ご飯を食べるわたし( ̄▽ ̄;)
ダムになっており水力発電を行っています。手前にEDF(エレクトリシテ・ド・フランス)の看板が。


ちなみにシャンボン湖のトンネルは2年半前に天井か壁だかが崩落して以来、大規模工事のため通行止めになっています。この夏、夏山シーズンに2、3週間だけ仮オープンしていた時期に子供たちとトンネルを通りましたが、その後工事を終えるためにまた閉鎖されています。その間通るのがトンネルとは反対側の岸に作られている仮道路です。トラックやキャンピングカーは通行禁止となっています。
上の写真のように広いところもあれば、細くて対向車が来たらすれ違うの大変なところも何か所かあります。


トンネルを抜けて間もなくオート=ザルプ県に入ります。トンネルから30分ほどでツール・ド・フランスで有名なロータレ峠に到着します。セルス山塊、エクラン山塊(国立公園)、グランド・ルース山塊と3つの山塊の交わる地点にある峠です。


この辺りの風景は何度通ってもうっとりさせられます。峠自体2000mくらいあり、エクランの氷河なども見どころのひとつです。


そのまま南下してオート=ザルプ県第2の町、ブリアンソンを通過したのち再び北上します。県道ではあるものの道は細くなってきます。小さな町をいくつか通過しました。


そのあとはときどき通過するのは家が数軒集まった集落のみです。


唯一ちいさな町を通過します。「クラレの谷」の中心都市💦、ネヴァッシュ(人口320人)です。
一応スキー場でもあるようなのですが、リフトは全く目に着きません。地図で確認すると谷の南北にごくごく短いものが1本ずつ。これでやっていけるのでしょうか・・・ノルディックスキー中心なのかもしれません。


ネヴァッシュの町を抜けると、シャレーがぼちぼちある以外はもうほとんど何もありません。野性味あふれる景色の中、駐車場まで運転します。


標高1857mの駐車場に到着したのは9時を少し過ぎた頃でした。5時にうちを出て約4時間が経過しています。2泊3日もあるのでもう少しゆったりと出てもいいところだったのですが、なにせ晴天の予報が出ているのはこの日のみ。早い目の出発となりました。


目の前にはスイスナンバーの車。ふたりのハイキング客が出発準備を整えています。


わたしのすぐ後ろはドイツナンバー。この地方、イタリアからはすぐなのですがスイスやドイツとはかなり離れています。国立公園でもなければ地方自然公園にさえも指定されていないものの美しさでは定評があるのです。わたしの周りでも山に興味のない人は「聞いたことない、どこそれ」ってフランス人でも言うのですが、今みたいなローシーズンでもこうやって遠く外国からもハイキング客が訪れます。


わたしひとりなら1分も時間を無駄にするまいと大急ぎで出発準備するところですが(その割にはいつも2回目の朝ごはん食べたりもしてますが) 今日は子供たちのリズムでゆっくり動きます。楽しそうにふたりじゃれあいながらダラダラ準備してますが、したいようにさせて行き先案内の確認などしつつ待ちます。


登山口の真ん前の路肩に停めましたけど、川の反対側に広い駐車場がありましたが、ガラガラでした。夏にはいっぱいになるのかもしれません。レストランかカフェのような建物もあります。
目の覚めるような青空の中、山小屋に向けて出発です。


黄色いカラマツが景色を暖かい色に染めています。


幅の広い登山道を登ります。山小屋の他にシャレーが何軒もあるため、車でも上れる(わたしの車では無理ですけど)ようになっているようです。


2泊3日で毎食自炊となるため、食料関係がすごい量になりました。合計7食分です。
ちなみにふたりが一緒に持ってる小さなリュックにはフォンデュ鍋とその関連グッズが入っています(;´∀`)


写真のシャレー、これが山小屋かと思って(山小屋のHPで見た写真に似てた)子供たちに「もう着くよ」って言ってしまったのですが、結局違ってぬか喜びに終わったため二人は「ちょっとここで休憩する~」と10分間ほど座り込んでしまいました。もうあとほんの少しだったのですが(^^; 


偽ピークならぬ偽山小屋に騙された5分後、シャレーの数軒集まった平たいところに出てきました。この中の1軒が山小屋のようです。他のシャレーはどこも雨戸が閉まっており誰も使っていない様子でした。


この日は見ませんでしたけど、夏場に人がいる時はニワトリを放し飼いにしているようで「犬はリードにつないでください」とのメッセージがありました。目立つので効果的であろう看板を立てるわけでなく石に直接書いてる辺り、景観を損なわないようにしている心意気だなぁと思いました。


奥のほうにある少し大きい建物が目指す山小屋でした。ベッド数19とかなり小規模です。6月中旬から9月下旬に管理人さんがいるのはよそと同じですが、10月下旬の諸聖人の祝日のバカンス(フランスの学校は2週間休みになります。わたしたちが行ったのはその最後の3日間でした)と1月からのスキーシーズンにも管理人さんがいてご飯も頼めるようになっています。この後聞いたところによると周辺には山スキーをする場所が結構あるようです。ただし下の駐車場までは来られないのでネヴァッシュからスキーなりスノーシューなりで登ってくることになるそうです。
ご飯を頼まないわたし達が滞在するのは離れの小屋になります。


山でもっともよく見るワンちゃん、ボーダーコリーが日向ぼっこ中でした。
ドアが開いており中から物音がしていたので挨拶をしに行くと管理人さん本人ではないけれど自分が唯一の従業員だという若い女性が出てきました。イングリッドさんというそうで、なんとわたし達の住むリヨン出身の女性でした。もうひとり彼女の友達だという南仏は地中海に近いモンペリエの女性がお手伝い兼バカンスで小屋の中を掃除していました。
しばらく天候やこの地域の話を交えつつ、小屋の使い方を説明してもらいました。


左が母屋でそのすぐ隣のこちらがわたし達が使える小屋のようです。かわいい💛
そんなに大きいように見えないですが、屋根裏部分が寝室で12人寝られるようになっているそうです。わたし達以外には誰もいませんでしたが・・・
金曜だというのに母屋の方も4人しか予約客がないとのことです。というのも土日の天気予報が悪いため結構入っていた予約がほぼキャンセルされてしまったのこと。
土曜は午前中曇り時々晴れ、午後から下り坂に向かうとの予報。日曜は午前が雨、午後が雪と出ています(;´Д`)
ただ、どうせ満員ってことはないと分かっていたし土日の天気がさらに悪い方に変わるかもしれないし、小屋自体、そして周辺の様子もどんなところかはっきりとは分からないので金曜晩だけ予約してきました。
駐車場が小屋から近く道も危ないような箇所はゼロだったので雨の中の下山も問題ではありません。
小屋自体は快適そうで周辺のハイキングコースについても説明してもらいましたが、なかなか良さそう。しかも最新の天気予報では土曜に天気が崩れる時間帯が遅くにずれてきています。2泊します!とイングリッドさんに伝えると・・・
「それは構わないけど、わたしたちは明日の予約は全部キャンセルになってしまったのでもう明日のお昼過ぎには山を下ります。発電機も切っちゃうので灯りはないですよ」
ランプもろうそくもあるので大丈夫です、と答え子供たちに「2泊できるよ。わたし達だけだよ」と伝えると「やったー」(^^♪
他の人いたらイヤというわけではないのですが、彼ら薪ストーブの火おこしを楽しみにしてたので、誰かいると既に火がつけられちゃってたりするから(わたしだったらラッキーって嬉しいけど)困るみたいです(^^;


エコトイレが少し離れたところにあります。


水をあげるからポリタンク持って来て下さい、と言われ母屋に。


イングリッドさんと子供たち。


薪ストーブの説明を受けます。我が家は長男が火おこし隊長なので彼に丸ごと任せます( ̄▽ ̄;)


薪ストーブに入れる薪のストック。


ポリタンクをスタンバイしました。


他に宿泊客もないということで遠慮なく荷物をほどきあちこちに置きまくります(^▽^;)


食料品が半端なくすごいことになってます。
これでもこの日のお昼ご飯の材料は既に除いてある状態💦


夕方、ハイキングから戻った後にストーブに入れる予定の薪を今のうちに小さめに切っておく、という長男とアシスタント役の次男。
帰ってからでいいやん~と思ったのですが、火おこし隊長の彼に任せてその間わたしは小屋内のザックの荷物を使いやすいようにセッティングします。今ハイキングに持って行くもの、帰ってきて夕方から晩に使うもの、夜使うもの・・と。4つのザックにかなりめちゃくちゃに突っ込んで持って来たので探し当てるのも一苦労です^▽^;)



次回に続きます。

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