フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ラ・バルム山小屋からモン・ロッセ峠へ

1週間と空けずに舞い戻ってきたボーフォータン山塊。夏山としてはあまり来ない方面ですが、スノーシュー向けの雪崩の危険の少ないなだらかな丘陵地のようなところが多いため冬にはリピートしてしまいます。


この日は1400mの地点にある駐車場を8時頃に出発、ラ・バルム山小屋(2009m)に着いたのは10時半を少し過ぎた頃でした。


テラスにはイゼール川を挟んだ谷の反対側にある大きなスキー場、ラ・プラーニュのマーク(赤い帽子とサングラス)が入ったテーブル席が・・・ちなみにここは全くスキー場でもなければリフトのあるところからも遠く離れているのですが、宣伝という意味で寄贈されたんでしょうか。。


ここに着くまで大した登りもなかったけれど後のほうは雪が多くなってきて結構疲れました。休憩していきたいな・・・と思ったら運よく、山小屋は開いています♬
入り口周辺には数人分のストックとスノーシューが。


中に入ると、若いカップルが二組、一組はシーツを畳んでる最中でもう一組は朝ご飯を食べ終わるところでした。ここから最寄りの大きな町と言ってもいいアルベールビルに住んでいて、昨日夕方到着したそう。今日は今から少し山小屋の周辺をスノーシューで散策したあとここでお昼を食べて下山するそうです。


朝ご飯中のお二人と話をしながら小屋の中をさり気にチェックです。6月半ばから9月半ばには管理人さんがいて、それ以外の期間は使用料分の小切手を小屋内のポストに入れていくシステム。薪やガスも基本的にはあるようです。
ちなみにフランスの山小屋でしょっちゅう見られる上履きの偽クロックスはなくて、庭仕事用っぽいスリッパが備え付けられていました^^;


近辺の山の名前が付けられた寝室はふたつあり、天井が高く広々としています。


4人はスノーシューで出掛けるための準備を始めました。山小屋の中でおやつ休憩、と思ってたんですがお日様がさんさんと当たって暖かいとは言えないまでも、気持ちよさそうなので外で休憩することに。幸いベンチもあります。雪かきしないといけないけど・・・


ジェットボイルをザックから出していると、若者が「ガス使っていいんじゃない」って言います。「いや、わたし小屋の使用料払わないし、これ持ってるから大丈夫」と答えると鍋にまだ暖かいお湯が残ってるから、それ使ったら早く湧くよ、と言ってくれたので遠慮なくいただきました。


小屋から15mほどのところですが、スノーシューを付けなかったためたったこれだけの距離に苦戦しつつベンチへ(^^;)
前の日の晩に焼いたクルミと干しブドウ、蜂蜜入りのバナナケーキをおやつに持参(^^♪


小川?が流れているらしく💦ズボッとはまりました・・・
小屋に戻ると、4人は出発していたのでわたし一人です。


テーブルの上は片付けられていなかったのでちょっと観察です。
な、なんと昨日の晩はフォンデュだったようです!みんな考えることは一緒だ・・・わたし達も今月初めに山小屋で作ったのでした(苦労して)。サヴォア地方の地ビールや、ジェネピ(高山植物の薬草)のお酒の空き瓶。そしてこれもサヴォアに会社があるナイフ、オピネル。しかもイニシャル入りです。若い人たちだったけど地元LOVEなフランス人らしいです。


気が付くと1時間も小屋周辺でダラダラしてしまいました。あまりに気持ちがいい・・・
もう峠や山頂は行かなくて、4人組みたいにここら辺でゆっくりして小屋でお昼食べて同じルートで下山でもいっか、と一瞬思ったのですがまだ12時前です。風もなく気温は低いものの、これ以上ないほどの青空。やはり予定通りに周回で帰ることにしました。
山小屋を出て左手のこの緩やかな谷になっている部分を上がっていくことになります。


今日の目的地のモン・ロッセは南北に細長ーい山。こちらは北側の斜面です。そうは見えないのですがこれが結構急なので夏山はどうか分からないけど、冬はこちらからは登れないためスノーシューでも山スキーでも南側の非常に緩やかな稜線から登るようになっています。


まずは小川を越えます。これの続きのやつにさっき山小屋の前ではまったようです・・・
山小屋からはトレースがありませんが、緩やかな谷の間を歩いて行くだけなので迷う心配はありません。


谷の一番低いところは時おり岩がすこし雪から出ていてちょっと歩きにくそうだったのと、またずぼっとハマって水の流れてるところで濡れたくないし、左の斜面の川より少し上の部分(モン・ロッセ側)を基本的に歩きました。


山小屋が小さくなっていきます。


しばし隠れていたボーフォータンのシンボル、ピエール・マンタが再び見え始めました。


飛行機雲・・・


結構な雪の量で1歩1歩疲れます。


斜面が急で歩きにくいところでは谷の底の辺りまで下りてきて歩きました。


人間のトレースはなくとも、動物のトレースがありました。


振り返って。エギーユ・ド・ラ・ノヴァ(左)と山塊最高峰のロワニェが。


ロワニェ全貌。夏だとコース外なものの、ハイキングで登ることが出来るそうです。


谷は最初はもう少し急でしたが、ここら辺まで来るとだいぶ緩やかになってきています。
トレースがない分、足は重たいけれどあまりに気持ちがよくてしんどくは感じません。


目の前が平らになってきました。


そろそろ峠に到着しそうです。


自分のトレースを振り返って。


あっ、前方にケルンらしきものが見えてきました💛


ケルン&行き先案内表示板のようです。正面の山も見えてきています。


巨大なケルンです💦


モン・ロッセ峠(2332m)に到着\(^_^)/


歩いてきた方角。ロワニェ(右)が相変わらずの存在感です。実はこの夏に一度この山に登ってみようかと考えてコースを調べてみたんですが、ガーッと斜面を上がってガーッと下りるだけ、というのが装備なしのハイキングとして可能な唯一のコースだったので、コース全体としてはあまり面白くなさそう・・と却下になったのでした。まぁでも眺望は良さそうだし、いつか一度登ってみたいとは思っています。



最終回に続きます。モン・ロッセ登頂&下山編です。

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