フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

お天気回復、午後はブリアンソン観光

民宿に泊まっての2泊3日での南仏の山への旅行。2日目の午前中はどんよりした曇り空で2時間くらいは雪も降っていました。とてもハイキングなどする気がせずに読書したり宿のご主人と話をしたりして快適な民宿でダラダラと過ごしました。


遅い目のお昼ご飯を食べ終わった頃から窓から見える空が明るくなってきました。午後には回復、の予報通りです。こうなったらさすがに動きたくなってきました。しかし日が暮れるのが早いこと、明日はまたしっかりスノーシューでハイキングをすることを思うと今から雪の中を歩きに行く気は起りません。昨日のうちから少し考えていたこの地方の中心の町、ブリアンソンの町に行ってみることにしました。昨日もですが、今まで3回くらい街中を通過したことはあるものの、止まってみたことはありません。きれいな町のようなので楽しみです。


民宿のある集落は標高約1500m、ブリアンソンは1326mなので県道をくだっていくことになります。ブリアンソンの人口は約1万2千人。同規模の市町村としてはスイスのダヴォス市に次いでヨーロッパで2番の標高となるそうです。つまりフランスではもっとも高い位置にある市ということになります。これが意外で、「えー、じゃあモンブランの麓にあるシャモニーとかって?(だって町の名前に「シャモニー・モンブラン」ってわざわざ入ってるんですよー)」と思って調べたら、たかだか1000mちょいの標高しかないみたいです。今まで騙されてたΣ( ̄□ ̄|||)  
  

 

おおっ、正面の小高い丘の上に要塞が見えてきました。


その後すぐに市に入ります。ブリアンソンの下に書かれている「セール・シュヴァリエ」とはここから少し先にあるスキー場のある町です。

そのすぐ下には「ヴォーバンの防衛施設群 ユネスコ世界遺産」とあります。今日見てみたいと思ってるのはこれです。そのうち一つは旧市街地に隣接しているので古い町並みも見て歩けそうです。


町にはいくつも駐車場があるようですが、宿のご主人に一番近いところを聞いていたのでそこに停めました。


もうお日様が傾きつつあります。


町の中心を外れるといくつもの小高い丘があり、それを天然の土台として17世紀にルイ14世のもと活躍した築城の天才・ヴォ―バンが手掛けた要塞がよい保存状態で残っています。他の町の防衛施設と併せてユネスコ世界遺産に登録されています。
どこから入るとか看板が全くないのですが、まあ普通に考えて門に向かって歩いて行きます。


要塞や城壁といった堅苦しい建築物にちょっとミスマッチなクリスマスツリー。


城壁のなかにもうひとつの壁が。2重の城壁のある仏南西部カルカッソンヌの町を一瞬思い出しました。門があるので入ってみます。




厳かな立派な門です。


クリスマスツリーはもちろん本物のモミの木です。どうせそこら中にいっぱい生えてます(^^;)


門の先が商店街になっているようです。


年季の入った分厚い木の扉。





リヨンの旧市街地にも見られるようなルネサンス期のアーチが。第2次世界大戦中にドイツ軍にこの場所で殺されたレジスタンス運動の活動家の記念プレートがありました。


商店街はしっかりと雪かきされています。


真ん中が溝になっていてちょろちょろと水が流れています。これは宿のご主人が前もって説明してくれていました。もともとこの土地を流れている川を生かして昔は下水として利用されていたそうです。


奥には雲を被っているものの山が見えます。いかにもアルプス山系の麓にある町といった風景です。


お店がないため完全に雪かきされていない細い道を歩いて行くと…


先ほど駐車場から見えていた教会に近付いてきました。


あんまりフランスにはない感じの教会です。イタリアっぽいです。国境まで15キロしかないので当然かもしれません。


中に入ってみます。17世紀から18世紀にかけてと思ったよりも古くはない教会です。
クリスマスが近かったので人形を使ってキリスト生誕の場面を再現したクレーシュと呼ばれる飾りがありました。


「出口」上がフランス語、下がイタリア語。
イタリア人観光客が多いのでしょう。街中にはイタリア語表記も多く見られました。


教会を出てすぐにある小さな通り・・・


古い建物の中に観光インフォメーションセンターがありました。
ワシ?タカ?はブリアンソンとセール・シュヴァリエのスキー場が一緒になったエリアのロゴです。


さて・・・街中は除雪されていて歩きやすかったのでウロウロしてみましたが、大事なことが残っています・・・


要塞ですよ、要塞!!
イヤイヤ登り坂を上っていきます・・・


スノーシューいるんと違うの(;´Д`)みたいなところを通ります。


「鉱山博物館」しかも入場無料、があるようです。特別鉱山マニアというわけではありませんが、ただなら入っときたいです。



博物館目指して上っていきます。


博物館・・前まで来ましたがこれでは残念ながら入れません(;´Д`)


ここらへん平たくて楽なのでもう少し先まで進んでみます。


・・・。。
ここまでは散歩の人だかなんかで道が踏みならされていましたが、この先は急なうえノートレース。町の観光をしているとは思えなくなってきました…スノーシューいります。
さすがは築城の天才、ヴォ―バン。登り切れませんでした( ̄▽ ̄;)


仕方ない、ここからの景色でも見て満足しとくことにします。
・・・ここで急にオーストリアはチロル地方のインスブルックの町を思い出しました。18歳の冬から春にかけてユーレイルパスを使って2か月半バックパッカーで一人旅をしたときに訪れました。インスブルックの方がずっと大きな町ですが、共通点があります。双子の鐘楼がある教会、可愛い市街地。山間の町であること、2月で雪景色だったこと・・・もう4半世紀も昔のことですが人生で一番長いその旅行の一部をいきなり思い出すことになり幸せな気分になりました。


来た道を戻って駐車場に向かいます。


ツール・ド・フランスがよく通ることから自転車の飾りがありました。他にツール・ド・フランスで山岳地区間の覇者が着ることができる白地にピンクの水玉模様のマイヨ(ユニフォーム)を模した自転車もありました。


30分までは無料、以降有料と書いてましたが・・・46分延長で30サンチーム。40円??
安っっ!!で、現金は入らないのでカード払いです(^^;


再び県道から民宿のある集落まで。途中、イゾアール峠の表示があります。ここが峠なのではなく、もうすぐありますよ、との意味です。自転車のイラストがあります。この前の日に目的地にしたのがこの峠でした。森を通って遠回りで登り、下りは峠道路に並行したあたりを歩きました。


また雪深い集落まで帰ってきました。


民宿に帰るとご主人が大工仕事中でした。雪かきに使う大きなシャベルを使いやすくするように直しているとのこと。なかなか素敵な大工アトリエです。「ふるい家だから、なんでも自分で直しながら生活していかないといけないんだよ。好きだからいいんだけどね」とおっしゃってました。


大工仕事の手を休めて暖炉にまた火を入れてくれます。


空気を送り込むやつ。


はー暖かい(#^^#)
暖炉の前で紅茶を飲みながらこの周辺の山の地図を眺めます。ご主人によさそうなコースを聞いてみたのですが、前日に行ったイゾアール峠がこの周辺では一番眺めがよく、他にもハイキングコースはないことはないけどここ1週間ちょっとでいきなりどっさりと積もった雪なのでまだ安定しきっておらず雪崩が心配。結局安全かつ景色もよくそれなりに長くて歩き甲斐もあった前日のコースをもう一度歩くことにしました。しかも前日はデジカメ調子悪くスマホもバッテリー切れで写真がほぼゼロなのでもう一度行くと写真も撮れます。


7時半を過ぎているのでそろそろ晩ご飯を作り始めます・・・プチトマトとポテチをつまみながら(^▽^;)

持って来たものの中で残っているのは鶏の胸肉とマッシュルーム。瓶詰めのバジルソースも持って来ています。


また一人分とは思えない量が出来上がってしまいました(;´∀`) 
いただきまーす(^o^)
3階からまた宿のワンちゃんが下りてきてすぐ隣でお座りしてるので視線を合わせないように💦(ご主人から何もやらないように言われてる)なんとか食べ終わりました。


ハイキング旅行のつもりの3日間でしたが、2日目は全く山を歩きませんでした(;^_^A
翌日は晴れとの予報だったので今度はモバイルバッテリーもちゃんと持って行って(前日は車の中に忘れていった💧)いっぱい写真も撮れそうです。



3日目に続きます。ようやく本来の目的のハイキングです。

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