フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

モン・コロンビエ 下山後のお買い物編

モン・コロンビエ(2045m)までスノーシューで歩いたあとラ・ボチエール集落の駐車場(925m)に戻ってきました。


ザックの底。ランチのあと強風で泣きそうになりながら大急ぎでパッキングをしたため(めちゃくちゃに)、やっぱりザックの中には結構雪が入ってました。今出しておかないと、融けてしまってベチャベチャになってしまいます。


先ほどはカレーうどんをかき込んだあとデザートを食べる余裕はとてもなく、その後もわざわざコーヒー休憩したいような場所もなかったので、風もなくポカポカと暖かいここで菓子パンでおやつにします。もう、真冬から春にいきなり移行したようなもんです。車に置いていた運転時用の保温マグのコーヒーもぬるいながらも残ってます。昨日の菓子パンだけど、おいしい(*´ω`*)


帰り道、正面に堂々とした山がみっつ。左からモン・トレロ(2181m)、アルカロ(2217m)、ポワント・ド・ショリアンド(2173m)です。アルカロがボージュ山塊最高峰、モン・トレロとショリアンドが同3、4番目の標高となっており、どれも積雪時以外に登ったことがあります。


こちらは地層のラインが特徴的なダン・ド・ラルキュルザ。絵になるのでボージュ山塊のハイキング地図の表紙の画像になっています。
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少し別の角度からですが・・・よく使ってる地図のひとつです。


ハイキングの駐車場から約15分。やって来たのは・・


お気に入りのチーズ農家です💕

勝手に敷地内に停めます。


うーん、いつもひとりふたり働いてる人がいるんだけど・・誰もいません。
ぽつんと一頭だけ牛舎に残されていた牛さん。他の仲間たちはお外で草を食べてるのでしょう。どうして連れて行ってもらえなかったのかな?
仕方ない、電話します。「あ、すみません。今すぐ人をやります」
いや~こちらこそアポもなく勝手に来ちゃってすみませんね・・・


トラクターがガーッと出てきました。目の前で停まって若い兄さん(てか高校生くらいの子供)が降りてきます。人をやるってこの子?トラクターで登場(;'∀')?
「チーズ買いに来たんですか?誰か呼びましょうか?」・・・あ、いいです。もうお願いしたのですぐ来ると思います・・


愛おしいブティックの前で待ちます。
間もなく向かいの建物からおじさんが出てきました。「お、こんにちは。元気?」ここは息子さん夫婦か、でなければこのお父さんが対応してくれます。従業員の若い男性のこともあります。既にどの人も顔見知りです(^^;


今日もなかなか山男&農家らしいお召し物です。「今日はスキー?」「スノーシューです。ラ・ボチエールからモン・コロンビエに登りました」「ラ・ボチエールからだと結構高低差あるね」「うちから2時間近くかけて来てるのでそれくらいじゃないと元取れないですよ」「人に会った?」「いやー少なかったですね。全部で6人かな」「バカンス終わっちゃうと天気はよくても平日は人来ないなぁ」
というような会話を交わしながらチーズを切ってもらいます。


今日はチーズ以外にもお目当てがあります。このおじさんの息子さんは色々豚肉加工品も作るんですが、これがどれもおいしい!ほとんどの商品が冷蔵庫(冷蔵ケースではなく普通の冷蔵庫)に入っていて「こんなんあるよ」とアピールしていないので、以前はこんなに色々あるとは知らずにチーズの他は常温でそこらに置いてあるサラミや瓶詰めのテリーヌを時々買う程度でした。


素敵なものが多すぎて・・全部は買えない💦また来ないと・・・


今日はチーズよりも豚肉加工品中心のお買い物でした。


トランクに詰め込みます💖


さあ、出発です。青空の下のドライブ(ってうちに帰るだけ)が楽しみです。


途中に通るこのエリアの中心的都市(💦・・村です)レシェレーヌ。


2時間弱の比較的短いドライブですが、時間も早かったので途中高速のSAでトイレ&コーヒー休憩。神父様も飲み物買って休憩中(;´∀`) うちにも暗くなる前に帰ることが出来ました。



実はこの日の行き先、とりあえずボージュ山塊方面に決めた後、どの山にするか少し迷いました。たまたま、その2,3日前にフェイスブックで同じボージュ山塊のモン・トレロにスキーで登った人(わたしのFB友達ではなく山関係のグループを通したもの)の美しい画像が何枚か公開されていました。モン・トレロは今まで行ったボージュの山でも最も素晴らしいパノラマだったところ。ただし、最後らへんがギザギザの稜線になっていて雪のない(わたしの行った時はほんの少し積もっていた程度でした)時期でも難関とされていて、あそこを歩くのは難しそう。それに、森林限界を出る直前にも一か所、雪崩のとても起きやすいらしい谷を横切りました。でも、反対側から登るコースもあったはず、そっちに雪崩ゾーンがなかったら、山頂までは無理でもまあまあきれいなことろまで行けるんじゃない?と山スキーの専門サイトで調べてみました。雪崩ゾーンが分かるのでよく参考にするのです。…だめだ、こちら側にも一か所雪崩が起きやすい場所があるみたい。今まだかなり雪の量が多いので怖すぎます。やめとこ・・・
それで、既に行ったことがあって雪崩の危険が低いコースであるモン・コロンビエにしたたのですが、わたしがモン・コロンビエに行った2日後、このモン・トレロで雪崩が起こり亡くなった方がありました。まさに、山スキーサイトで「危ない」とされていた地点でした。👇

犠牲者は元アルペン猟兵(chasseur alpin:仏陸軍のエリート山岳兵部隊)の地元に住む50代の方でした。アルペン猟兵といえば山を知り尽くしたプロ中のプロです。そしてこの日の雪崩危険度は5段階の2と比較的低かったのですが・・・ただ、わたしが歩いた木曜昼前くらいから強くなってきた風はそのまま翌日も吹き荒れていた様子。風によって脆弱になったかなりの厚さの雪が剥がれたのでしょう。


日本も雪の多い冬だったようですが、フランスも例外的な積雪量でそこそこの標高にはまだ真冬並みに雪が残っています。
この冬、フランスでは各地の山で毎週末のように雪崩で人が亡くなっています。例年にない積雪量は残念ながらそのまま雪崩の犠牲者の数に比例しているように思われます。この雪崩で亡くなられた元アルペン猟兵の男性の冥福をお祈りするとともに、春にはなったもののまだまだ気を引き締めていかないといけないと改めて思わされました。

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