フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

再び雪の世界へ(6月中旬)

バスク、メルカントゥール旅行記が長引いてしまって今現在との差が出来過ぎてしまったので、ハイキングひとつ飛ばして(また後日別の機会にでも書きます)、6月16、17日の週末に次男と出かけたハイキング記を書きます。
既に何度も書いているように、バカロレア試験を控えていた長男は最近のお出かけには不参加でした。その一方、次男はこの春くらいからは誘うと毎回一緒に山に来てくれるのが嬉しいです。


今回の行先はイタリアに近いモン・スニ山塊またはアルプ・グレ山塊に入れられるアンバンの谷、と呼ばれるエリアです。去年の10月半ばに一人で来てとても気に入った場所で、秋以外の季節にも来てみたい、と思っていたのでした。
自宅からは2時間半ちょいかかりますが、1泊での行き先としては特別遠いという印象はありません。モリエンヌ高速道路の最終地点の極小SAで休憩。ここから最寄りの大きな町はモダーヌ。モダーヌは電車でイタリアに行くときのフランス側の国境駅となります。


今回も行き先を決めたのは前の晩(^^;
次男に行く場所、歩くコースの説明をします。


町のある大きな県道から小さな県道へと入り、最終地点にある駐車場に停めるつもりです。
ところが、なんと1700mくらいの地点で林道の横に雪が残ってるのが目に入り心底びっくりしました。これは何?何の冗談??


夢でも幻でもありません。しっかり雪が残っています・・・林道エリアに


そんな、、この1週間前に近場のボージュ山塊に日帰りハイキングに行った時は2200mくらいまで登って、ほとんどどこにも雪はなかったのですがもちろん山にもよるし地形にも寄ります。しかし・・・6月半ばですよ!?林道に雪!!??


あ~きれいなものが見えてきました。尖ってるのはダン・ダンバン(Dent d'Ambin, 3372m)です。これはアルピニストにしか登れない山のようです。


林道に雪崩によって倒された木がたくさんあって(来る途中に注意書きもありました)、最終駐車場まで行けませんでした。道路わきに車が3、4台停まっていたのでわたし達もその後ろに駐車して歩き始めました。


これですよ・・・雪崩の勢いは恐ろしいです。


いくつもの雪崩跡の上を歩いて行きます。今日行く場所は一応山スキーコースとして地図に線が引っ張ってあるのですが、こんな大きな雪崩がいくつも起きる場所を通るのは怖すぎますね。


谷の奥まで見渡せます。


雪が多くて傾斜も少しありズルズル滑って少し歩きにくいのですが、なぜかストックもアイゼンもなしで(もちろん持って来ています)歩き続けるわたし達(^^;)


紫がほとんどだけど、たまに見かけるしろっぽいスミレ。


今日も群生中のイワカガミダマシ。雪融けギリギリのところ中心に歩くので当然ですね。


岩々したところが多いのでサクラソウもあちこちで見かけました。


ようやく咲き始めたヤマツツジ。谷底よりも、日当たりのいい南向きの斜面の方がたくさん咲いていました。


谷の両脇には雪融け水が流れ込む小さな滝があちこちに見られます。


初夏は水嵩も増していて小川が渡りにくい・・・


・・・。苦手なんですよね、川渡るの。濡れてるからズルっと滑りそうで怖いです。


対して、次男は大得意(;´∀`) 身が軽いんですね・・・先にササっと渡って嬉しそうにわたしを待っています。


これは越えられませんよ😅横の雪で繋がっている部分(ちゃんと厚みのある所を!)を歩きます。


今が旬のジョンシアン(リンドウの一種)


さて、雪もう終わり??


甘い甘い、その逆です(;´・ω・)
しばらく途絶えただけで、この先ほぼ雪から逃れらなさそうです💧
でも嬉しいお知らせ♩ 真正面に出っ張ってる岩の部分に山小屋があります。


靴に雪が入りだしたのでゲッターを付けます。


この辺は急です。


新しい感じのトレースがあります。山小屋は少し前から予約があれば管理人さんが来ていたそうですが、この週末から正式にオープンでした。前日に電話で予約しましたが、既に5人グループの予約が入ってるそうでした。


ようやく着きました。アンバン山小屋(2270m)。管理人さんが小屋の外で作業中でした。
挨拶をし、とても爽やかで話しやすい方だったので最近のお天気やここのエリアの話、10月に来た時に歩いた場所についてなど15分くらい話しました。


小屋前のテラスで休憩します。次男と一緒の時はあんまりガツガツと歩かずに、休憩をゆっくり目にとったり、ご飯もひとりのときよりもちゃんとしたものを作ったり、コースもそうきつくないけれど、きれいなところを選ぶようにしています。山は楽しいと思って欲しいし、これからももっと来て欲しいので・・・


10月に来た時は今日よりもさらにだいぶ標高の低い駐車場から歩き始めました。大きく周回する予定だったので、2日目に降りてくる別の駐車場からあまりたくさん林道を歩かないために中間地点を取ったためです。その日はモン・ダンバンという3378mの山に登りました。
今日は色々考えて、管理人さんとも話した結果、2800mのノワール湖まで行くことにしました。雪を被っててまだ全然融けてないはずですが、まあ行き先として設定しただけのことです。もうひとつ、2600m台にもアンバン湖という湖があるのですが、そこでもまだ融けてないだろうし地形的に盆地っぽくなってるので景色が面白くないかなと思いました。


ザックの中の要らないものは山小屋に置かせてもらい少し身軽になって再出発です。
山小屋が遠くなっていきます。


しばらくは緩やかながらも傾斜があり、一歩一歩滑らないように踏ん張りながら歩くのは疲れるので早い目にアイゼンを付けておくことにしました。これで荷物もちょっと軽くなるし(^^)


振り返ったところ。


んー、確かこの辺で右側の斜面を登るんよね・・・雪で道が見えません。上の方の雪ないところを目を凝らして探してみても残念ながら見つかりません。見えたら、その辺目指して適当に登っていくんだけど。


あーそうだそうだ、橋を渡るんだった!いいこと思い出した♬
あ、でも、、この厚さの雪。橋は完全に雪に隠れているようでどこを探しても見当たりませんでした。仕方なしに適当なところから渡ります。


で、適当なところから登っていくと、しばらくしてハイキング道に合流することが出来ました(´▽`) ホッ


この辺りは雪融けが進んでいてほぼ夏山感覚で楽に歩くことが出来ました。


しかしこの斜面も場所によってはまだ雪が結構残っています。


わたしの大好きなプルサチーユ(ツクモグサ)の毛深いやつがこの辺りにはあちこちに咲いていました。春から初夏にかけての花です。


雪が時々あるので、時々ハイキングコースを見失うこともありましたが、大体どちらに向かうかは分かるので適当に上がっていくとまたハイキングコースににぶつかる、というパターンで進んで行きました。慎重にハイキングコースのみを必死で探して、とかやってると全然進めません(^^;


マーモットが見張りをしていました。


お決まりのポーズ。直立不動です^^;


写真の中央やや右の奥、2600mの地点にアンバン湖があります。一方左側の岩々したところの隙間の雪の残っているところをぐるっと左奥に登っていくと、その先に10月に登ったモン・ダンバンがあります。


雪山をバックに絵になります。


つぼみが開きかけのものは、外側が薄く青みががっており、それも美しい・・・



次回に続きます。

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