2476mの駐車場からお手軽ハイキング
日にちの順序がめちゃくちゃですが、次男と日帰りで出かけた6月27日のドライブ&ハイキング記です。
この数日前にヨーロッパで最も標高の高い峠道路、イズラン峠道(2764m)が除雪作業を終えて開通となっていました。とても積雪量の多い冬~春でしたので、開通も例年よりも遅くなりました。ちなみに峠道路の片方、タランテーズ側(昨日ツール・ド・フランスが通ったブール・サン・モーリスなど方面)だけその少し前からオープンしていましたがモリエンヌ側の方が雪深くて除雪作業中にも雪崩が起こったりとかなりてこずっていたようです。
この峠道路を運転したことがなかったので、今回はハイキング自体よりも「ヨーロッパいち標高の高い峠(舗装されている道路で)」にドライブしに行くのが目的でした。
ちなみに「峠道路」でなく「道路」でヨーロッパで一番高いのは南仏のボネット道路(2803m)で、そのすぐ下のボネット峠自体は2715mとフランスで3番目、ヨーロッパ全体だともっと下になるでしょう、こちらには昨年と今年といずれも開通直後の6月初めに通過しています。
いずれにしても、開通直後の雪が結構残っている時期が一番きれいだと思います。
モリエンヌ高速道路をモダーヌ(鉄道では国境駅となっています)で降りて県道に入るとすぐに峠道路の開通・閉鎖が表示される看板が立っています。閉まっているときは赤でFERMEと表示されます。いずれも雪深いのでイズラン峠は年間約5か月間、もっと標高の低いモン・スニ峠(イタリアとの国境。2083m)でも約6か月間しか開通期間がありません。
6月中旬に次男と1泊ハイキングをした地方、ベッサンやモン・スニ峠に向かう村、ランスブールなどを通過し県道はモリエンヌの谷を走ります。
え・・これは、、見間違い(;'∀')??
いや・・幻ではなくところどころに雪が(;゚Д゚)
山の中でもないのに(@_@)林道とかでなく県道わきに?6月終わりに残雪??
県道の最後の村、ボヌヴァルに到着。(道はガタガタになるけど、もう少し谷の先まで車で進むことはできます)
こんなとんでもない僻地(失礼)だけど、ここは結構有名な観光地?で「フランスで最も美しい村」のひとつにも登録されています。
今日はハイキングもする予定なのであんまり時間的に余裕があるわけでもないんだけど、せっかくだからちょっと下りてぷらりと回ることにします。わたしは夏に1度、冬に1度来たことがありますが次男は初めてです。
村のメインストリート(^▽^;)
同じ場所、2年半前の12月。
その日は村のはずれに車を停めてスノーシューで隣の集落まで歩きました。もう少し手前の村に住む友達んちに3日ほど泊めてもらい子供たちをスキー教室に入れてわたしと友達でこちらまで来たのでした。
シェーヴル(山羊)チーズ農家のブティックがあったので入ってみます。フレッシュなもの、熟成されたもの、サイズは大小とあります。手作りジャムも売っていました。
帰りにボーフォールチーズは買うつもりでいたけれど、シェーヴルちゃんも買えて満足(*´ω`*)
さて、このボヌヴァルの村から峠道路が始まります。
窓の外はどんどん素敵な景色に。
アクセルを踏むだけでハイキングでしか見られないような景色が入れ替わり立ち替わり現れます(;・∀・)
しかし思ったほど雪残ってないね・・・
と思っていたら少しずつ雪の壁が現れ始めました。
予定している地点、ウイエッタ橋駐車場に到着。といっても除雪されているのは車がほんの2、3台停められるだけのスペースですが、他には誰も停まっていません。それどころか意外なことに峠道路には車もほとんど走っていません。もっと人気あるかと思ったんだけど…平日だしまだ午前中ということもあるのでしょう。
なんとこの地点で既に2476mもありますΣ(´∀`;)
ヴァノワーズ国立公園によって立てられたハイキング客向けの看板があります。道路の走っている部分は厳密には国立公園ではありませんが、ハイキング道をしばらく行くと国立公園の境界線を越えることになります。
もうね・・森林限界もなんも完全に越えちゃった地点からのハイキングっちゅうか、お散歩なんです、今日は(^▽^;) でも「頑張って1000m登ったゼ!」って感じの景色が広がっているという・・・
登り始めて結構すぐに広い雪渓を渡る地点が。例え高低差自体は大したことないお手軽コースとはいえ、この季節にまあまあの標高に行くわけですから、アイゼンは当然持って来ています。ここは傾斜があまりないので出してきませんでした。
雪渓が一段落したら、また夏の世界です(^▽^;)
定番、ジョンシアンのつぼみ。
残雪の山々と咲き誇る華やかな花々のコントラストが幸せな気分にさせてくれます。
また雪が残る斜面があったので、今回はアイゼンを出してきました。
先に渡り終えて次男を待ちます。距離は大したことがありませんが結構な傾斜です。幸い、まだ午前中でそこまで温度が上がっておらず雪の表面は固かったので滑らずにちゃんとアイゼンの爪に引っかかってくれました。
無事渡り終えてホッと一息。アイゼンを外します。
わたし達が渡り終えて少し進んだところで振り返ると、二人組のハイキング客が先ほどの雪渓の前で立ち止まっています。間もなく進み始めたのですがすぐにUターンしてしまい、引き返していってしまいました。遠かったのでよく見えませんでしたが恐らくアイゼンを持って来ていなかったのでしょう。このハイキングコースは夏山としてはとても簡単で高低差も少ないファミリー向けのコースだと思うのですが、峠道路が開通したばかり、とかそういう初夏にはまだ残雪が多いわけで日陰になる時間帯が長い斜面や窪みの部分などに思いもよらない量の残雪があることがあり、アイゼンなしでは通過するのが無理な場所も出てきたりもします。
おっ、今年初めてのエーデルワイス😻
咲きたてのエーデルワイスも。この地点に何か所か咲いていましたが、この日他のところでは全く見かけませんでした。
次回(後半)に続きます。