フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

2泊目。レ・マルシュ山小屋

先月末に子供たちと長男の彼女と一緒に出掛けた2泊3日のハイキングです。行き先はサヴォア県とオート=ザルプ県にまたがりイタリアとの国境からも近いセルス山塊です。
2日目はお昼前から雨に見舞われ、何とか晴れ間を見つけて湖畔でピクニックをしましたが宿に着く直前にまたザーッと降ってきました。


幸い山小屋のすぐ手前だったのでみんなで走ってきました。


2泊目を予約しているレ・マルシュ山小屋。標高2230m、収容人数24名とこじんまりとしたお宿です。夏場、特に週末でしたので予約が埋まるのが早そうだったので日本に里帰りしているときに電話して予約しました。ネット予約できる山小屋もあるのですが、ここは要・電話予約でした。その時に「実はもう一杯なんですけど、離れみたいなところがあります。それでよかったら」と言われたのでお願いしてあります。


お昼前に越えてきた峠方面。


わたし達の直後に別方向から到着した3人組がありました。その方たちの方がずぶ濡れでしたので、靴箱や土間の辺りが狭いので先に靴を履き替えたり濡れた服を脱いだりしてもらうために場所を譲りました。わたしたちは屋根のある入り口の辺りで数分間景色を見ていました。


まだ降ってますが、青空が戻ってきました。土砂降りだったのであちこちに水溜りが出来ています。


3名様が山小屋内に入っていきました。40歳前後くらいの管理人さんが出てきてくれました。山小屋の案内をしてくれます。ここは入り口手前の靴箱コーナー。上履きの残ってなさからして、もうかなりの人が到着している様子です。

右上に重ねてあるカラフルなものは布製の折りたたみケース。身の回り品を入れるために山小屋には必ず籠が人数分置いてありますがこんな嵩張らないものは初めてです。山小屋が狭いので苦心のチョイスなのでしょう。


小屋に隣接して可愛い物置のような建物が。ここはザック置き場&暖房が入っていて服や靴下なんかを乾かせるようになっています。わたし達も雨合羽とザックカバーをかけさせてもらいました。


宿泊者リストをチェックしながら食堂やトイレなどの説明をしてくれます。


「それでね、こないだ電話でも言ったんですけどね…あなたたちにはこちらで寝てもらいます」と外にまた出ます。


ここなんですけどね、と。。Σ(゚Д゚)
サーカスのテントみたいです。


中はこんなのです。場違いな絨毯が敷いてあります(^▽^;)
「うわ~面白い\(^_^)/」大喜びの次男。


子供たちはテント?の中でゴロゴロしたりトランプして遊ぶと言います。
わたしは食堂に来ました。
紅茶を作って飲みながら食堂内に置いてある山関係の雑誌や高山植物の本を読んでいました。


そろそろいい時間なので( ̄▽ ̄;)地ビール(白)を注文。
隣に中年のご夫婦が来て地図などを見ていたので「どこを周られているんですか」と無難な話題で話しかけました。なんとアルザス地方(ドイツに近い東フランス)から来られた方たちでした。夏は外国や遠い地方から来たハイキング客も山小屋にたくさんおられます。前の晩泊った宿でもパリから来たハイキング客と一緒にビールを飲みました。
わたしなんかまだまだアルプスに近い方なんだなーと思います。いつも片道2時間や3時間運転して「ちっきしょ~遠い!」って思うのですが、何やかんやいってアルプス山系の色んな山塊に日帰りでも行けてしまうわけですから・・・


アルザスのご夫婦が明日、明後日行きたい方面はわたしが昨秋に歩いた場所と一部重なっていたので、地図で見ても歩いて通過できるかどうか分からない場所についてわたしが覚えている限り説明してみました。


件の地点👆 (昨年11月初め撮影)
地図を指さしつつ「この斜面って登れるのかな。ここ登れなかったらかなり遠回りすることになるんだけど」と聞かれたので、わたしは稜線から登ってきてこの湖側には実際に下りなかったのですが、ザレていたけど緩やかなので登れると思いますよ、と返事しました。


食堂に貼っていた可愛いイラスト入りの紙。
地産地消を心掛けています、○○はどこから仕入れている・・という説明になってあります。


食堂の窓から見たテラス席と水場。そして奥がさきほど越えてきたバタイエール峠。
次男が水を汲んでいます。


そろそろ子供たちも呼んでアペリティフタイムにしよう・・・サラミとチーズでも切ろうかな。
あ、それにここの小屋は狭くて自炊スペースがないのでバーナーは外でしか使うことが出来ません。ついでに晩ご飯に使うズッキーニとさっきハイキング中に摘んだチャイブ(あさつき)も刻んでおこう。。


持参のサヴォアの白ワイン「アプルモン」、日本で購入のお気に入りの海老せんべい、そして野菜チップスを出してきました。


子供たちが食堂に揃ったので「カンパーイ」長男と彼女は18歳なのでフランスでは成人ですが15歳の次男だけ今自分で汲んできたお水です(^^;)でも山のお水がおいしいからね~♬


さて、そろそろ晩ご飯の準備にかかるか・・・


山小屋の外のベンチでご飯を作ります。二羽飼っているニワトリがウロウロしています(;'∀')


自炊も昨日の昼から数えて5食目になります。保存面での心配があるのでお肉的なものは今日の昼で終わりで、詰め物をしたパスタになります。生パスタなので茹で時間が短いのがいいです。


炒めた角切りのズッキーニにチューブ入りのトマトペーストを入れます。水分が足りないのでパスタのゆで汁を少しだけ注ぎました。まろやかにするために飛行機の中でもらう乳脂肪10パーセントの濃縮ミルクを3つほどいれました。タイムやオレガノなどのミックスハーブとバジルソース、塩コショウしてから茹でて水を切ったパスタを足します。


ちなみに食堂は満員で席が一つも余ってないので、外のテラス席かテント内のテーブルを使ってください、と言われています。外は少し寒かったのでテントの中で食べることにしました。


ご飯用に先ほどの白ワインを少し残しておきました(*'▽')
いただきま~す(*´ω`*)


食事の後片付けをしたあとはベッドメイキングです。といっても山小屋に各自が持って行く寝袋のような形のシーツを置いて枕の部分をシーツに包むだけです。


外でバラバラバラ・・・と騒音が。
出てみるとヘリコプターが下りてきていました。


管理人さんが着地できる場所を指示しています。
赤と黄色のヘリコプターは山に限らず、消防か警察です。フランスでは山岳救助隊はポリスかジャンダルム(憲兵隊)のどちらかになり、後者のヘリコプターは紺色です。


この辺りはマウンテンバイクでも周れるコースもあり、今回はすれ違いませんでしたが時々自転車のタイヤの跡を見かけます。マウンテンバイクをしていて怪我をした人が山小屋に助けを求めに来たので、管理人さんが救助隊に連絡したようです。
驚いたことに、隊員の一人が怪我人の自転車もヘリコプターに向かって押して行っています。


へ~っ、自転車まで運んでくれるんですか。。親切ですね。


怪我人と自転車を乗せて谷の奥に消えていきました。
寝る前のちょっとしたスペクタクルでした(;'∀')


夏は日が沈むのが遅くてまだ外は明るいんだけど今朝は早起きしてるし、もう寝るか・・・


明日は3日目、最終日です。おやすみなさーい。
次回に続きます。

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