フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

「最も怖い県道」を通ってハイキングに行く

一昨日の日曜日に出掛けたハイキングの出発地点に向かう県道「D219」はイゼール県(昔冬季オリンピックが行われたグルノーブルが県庁所在地の山の多い県)で「最も怖い」県道と言われているそうです。以前に少し書いたことがあるのですが、断崖絶壁を這う細い道路で、道幅が狭すぎてほとんどの場所ですれ違うことができません。高所恐怖症の人は外の景色を見られないと思います(^^;


1月にこの道を通ってこちら方面にスノーシューをしに来た時、村に住む年配の男性と話す機会がありましたが「この道路を通るのが嫌だからハイキングに来られない」という人もいるよ、とおっしゃってました。ハイキングのサイトでも「あれはほんとに嫌だよね」という書き込みされているのを見たことがあります。ハイキング好きな人の中では有名な道なのかもしれません。


グーグルマップによると自宅から2時間ジャストとそんなに遠い方には入りません。でもがっつりたくさん歩くつもりなので朝4時にうちを出ました。
こういう風にグネグネなのは林道とか大体そうなのでまあびっくりしないんですが・・・


問題なのは半分以上の部分は断崖絶壁だということです💦
ただいま6時前。日曜のこれくらいの時間にはまず対向車はないと思うので、昼間よりも気が楽です。真っ暗で怖いんじゃ?と思われるでしょうが、逆にヘッドランプで対向車を早く察知することができます。
ちなみに学校がある時期にはスクールバスが朝夕通るため、通行止めになる時間帯があります。


そしていくつかあるトンネルは幅が広い目のひとつを除いて1車線分しかありません。しかも曲がりくねっていますΣ( ̄□ ̄|||)  向かいから誰も来ないことを祈るしかありません。


帰りに撮った分。👇

景色はとても良いので「向かいから誰か来たらどうしよう」という心配以外は、楽しい道路です。


トンネルというより洞窟の入り口のようです。


遊園地のジェットコースターが通る張りぼてのトンネルみたいです・・・
天井からポタポタっと水滴が落ちてきます。トンネルの内外を問わず、上から大雨みたいにザザーっと水が落ちてくるところもあります(;゚Д゚)
ちなみに帰りは1台だけ対向車がありました。トンネルのひとつを出た少し幅のあるところで待っていて下さいました。わたしからはトンネルに入る前も全然相手が見えてなかったのですが、この時間(夕方6時半過ぎでした)に村に行かれるということは地元の方という可能性が高いです、よく道路をご存じなのでしょう。


さて、怖い部分はここまでです(;'∀')


途中、民家がほんの数軒だけある集落を通り、間もなくヴィラ―ル・ノートル・ダム村に着きました。「無事到着して一件落着」という安堵感がありますが、肝心のハイキングは始まってもいませんよ( ̄▽ ̄;)


正確には村に着く直前のハイキングコースがスタートする道路脇に停めます。
あれ、まだ6時を過ぎたばかりだというのに既に先客が。もしかして前日に到着してる人もあるのかも・・避難小屋がハイキングコース上にひとつあるらしいのです。3台既に停まっていたので一番前に停めましたが、数台分しか駐車スペースがないので危ない所だった・・・(村まで行けば何台かは停められたと思いますが)


道路の終着地点までの距離、標高、道路の勾配の記された自転車の方に向けた看板があります。峠道路や見晴らしの良い山道などサイクリングの方の多い道路に立てられています。


準備を整えて出発したのは6時10分ごろです。えーと「レ・ソース避難小屋」まで3時間半、ロシャイユ峠まで5時間25分・・Σ( ̄□ ̄|||) 遠っっ!!
峠を経由して登るロシャイユ(3022m)はエクラン国立公園の最北端に位置する山で、この山を含む稜線は国立公園の境界線になっています。ハイキングコースからは外れるマイナーな山のようであまり情報がないんですが、今日の目的地は一応ここということになっています。


さあ登るぞ♬・・で、まずは谷底まで下りるんですね。道路が谷の反対まで行っていないので仕方がありません。イヤなコースだ(;´Д`) 帰りが思いやられます。。


いい感じの山が谷の奥にありますがロシャイユの頂上はここからはまだ見えないようです。


東の空が明るくなりつつあります。


特徴的なツンツンした3つの出っ張りは・・もしやエギーユ・ダルヴ??うーん、それ以外には考えられません。見る角度が違うからかおかしな歪み方をしています。一番低いのは猫ちゃんの頭になっているのに、ここからだと耳の形も分かりません。
輪郭だけというのも切り絵のようで面白いです。


谷底まで下りてきちゃいました。何とも仮っぽい橋が作られています。


さらに下る・・・


谷底周辺の森の部分から這い上がると(^▽^;)意外なことに牛の放牧地帯が少しありました。意外というのは、エクランでは羊の放牧は盛んなのですが、牛の放牧はあまり見ないからです。わたしの姿を見つけると20頭ほど草に寝そべっていた牛さん達は焦って次々に立ち上がり、一目散に逃げてしまいました。羊達はすぐ逃げるのですが、牛さん達は堂々として動じないことが多いのでこっちがびっくりしてしまいました(・_・;)


少しずつ登ってきた谷を見下ろして。


グランド・ルース山塊とヴィラ―ル・ノートル・ダム村。


谷の奥にそびえる山肌が赤く映し出されます。


エピローブがぐんぐんのびると夏も終盤に差し掛かった…という虚しさを感じてしまいます。


木が減り、大き目の石がゴロゴロしたところが増えてきました。


滝が谷底に向かって落ちていく地点がいくつかありました。


振り返った景色。標高を上げるとともに手前の山に隠れていた遠くの山まで見渡せるようになってきました。


この辺りで今年初の完熟ブルーベリーに出会いました。例年よりも遅い目です。


あれはまさか・・残雪(@_@)


この分厚さ💦厚いところで3m以上はあるかと思います。
残雪くらい8月でもありますが、それって3000mに近いような場所でのことです。だってここ・・・


1800m台ですよ(;´∀`)
日陰になってる時間帯が多い&雪が多かった、ってことなんでしょうがめっちゃびっくりしました。


2000mを越えた辺りで森林限界を出ました。ジョンシアン・ジョーヌもあちこちに咲いていました。夏の後半には背の高い植物が多い気がします。


薄紫と濃い黄色がおしゃれなアスター・デ・ザルプ。もう少し丸みを帯びた花びらのこともありますが、この日見たアスターはどれも花びらが細長いめでした。


お日様が少しずつ高くなってきてようやく日向になりました。



やっと森林限界出たところですが今日はここまでです。
これは明日の朝に予約投稿にしておきます。
明日は祝日で休みですので、今日夕方仕事が終わった後同僚と直接山に行ってきます(^^♪

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