フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

1年ぶりに二姉妹峠へ

8月は雪のある季節だと難しい高い山に登ることが多かったのですが、そういうのも続くと食傷気味になるのが不思議なところです。
仕事が休みだった先週の火曜日、気分転換にヴェルコール山塊に行ってきました。ヴェルコールは最高峰でも2300m台と全体的に低い目なのですが、南北に城壁のごとく連なる岸壁と頂上のラインが独特で、あまりしょっちゅうは行く気がしないのですが、しばらく行っていないと無性に恋しくなるのです。


ヴェルコール山塊は一番北の辺りだと、うちから1時間半くらいで行けるのですが、今日は真ん中らへんまで来ました。途中、高速が夜間工事の地区があるため結局2時間かかってしまいましたが、日帰りでも2時間半以上運転することも多いことを考えるとやはり近い目だと言えます。


木々の間から山肌が見えています。石灰質で出来ているため、全体に白っぽくて暗くても月の光に照らされてよく見えます。


駐車場は1229m。夏は駐車場自体高い辺から出発することが多いので、この低さはちょっと新鮮です(^^; スキー場のすぐ近くなため、冬でもこの駐車場までは除雪されています。
まずはソルダネル山小屋を経由します。ソルダネルとはイワカガミ(イワカガミダマシ)のことです。地名以外の名前が付いた山小屋(民宿やホテルでなく)はフランスでは非常に珍しいです。


山小屋の宣伝というか説明が貼ってあります。


もうすぐ6時半になりますが、まだ薄暗いです。この道を登るのは確か3回目、分かりやすい道だしヘッドランプは常に持っていますが出してくる必要はありませんでした。


暗い森の部分は全然面白い要素がないので(^▽^;)大急ぎで登ってきました。じきに野原っぽいところに出てきました。もうかなり明るいです。


おおっ、ちょうど空ピンクの時間帯です。こちらは南に位置するデヴォリュイ山塊。


ソルダネル山小屋、標高1500mに到着です。駐車場から271m、23分で登って来れました。本来はもっとトロいんですが、最近歩くの早い同僚S君とよく山に行ってたので鍛えられたのでしょう。でも頑張って急いで歩けるのは1時間までという弱点があります…
プロトレックはまた誤差出てますけど、もうあまり気にしていません💧




ヘンテコ・・いや個性的な四駆が。山小屋の車のようです。ハイキングコースと少し離れたところに林道がありますが、一般の車は駐車場以降入れません。


ここはスキー場でもあるので、残念ながらこういう風情のないものもあります。。でもハイキング道はこのあとここから離れていくので一瞬の辛抱です。
まずは左手の斜面を登っていきます。


プレ・アシャールという平たい地点に着きます。東屋のようなものが作られていて休憩スポットになっています。見晴らしも良いので、駐車場からここまでファミリーコースとして散歩やピクニックに来られる方も多いようです。さて、ここから姉妹のもとに急ぎます。


タイユフェール山塊とエクラン国立公園。右はデヴォリュ山塊最高峰のオビウ。手前はトリエーヴ山塊。
空ピンク時間は長続きしないので出来るだけ早くに高い位置に登らねば(一番手前の山のよりも高い場所に上がりたい)💦


ペケ印は「こっちはコースじゃありませんよ」という意味ですが、コースでない近道かつ景色が綺麗な道で峠まで行きたいので敢えてこちらへ。



かなり急なのですが、早く二姉妹の麓まで行くことが出来ます。
ちなみに二姉妹とはGrande Soeur Agathe(アガット姉さん 2194m)とPetite Soeur Sophie (妹ソフィー 2162m)と名付けられたふたつの山で、その間がCol des Deux Soeurs(二姉妹峠  2056m)になります。山を姉妹になぞらえて名前が付けられているのはあまり他に知らないです。


朝日がエギーユ・ダルヴの後ろから出てきました。お日様はものすごいスピードで上がってしまうので出来るだけ高いところまで上がるために駆け出しました(;'∀')


石灰質の白い山肌がピンクに染まっています。手前の植物はもともとピンクっぽいのですが朝日の色を受けてさらにピンクになっている気がします。


アガット姉さんも照らされます。左端にちょこんと写っている尖った山はこの後向かうグランド・ムシュロールです。


朝日を浴びてとんでもなくハイで幸せな気分になってしまいます(≧∇≦) 


お月様もポツンと残っています。


砂がサラサラなので滑って登りにくい💦


妹ソフィーの姿も見えてきました。


もうお花の種類もほとんどありません・・・


堂々と構える姉妹。


去年の6月末くらいに来たコースです。この辺りからがとても楽しいのです。かなり細いもののちゃんと道にはなっていますが、地図に出ているハイキングコースではないためあまり人と会うことはありません。


振り返って。


出発からちょうど1時間経っています。約550m登りました。写真撮りまくってた割にはいいペースですが、意識的に早く歩くのはもうお終いです(;´∀`)  もうお日様が高くなってきていい色はこのあと消えていくばかりだし、体力的に続かないし何よりも景色を目いっぱい楽しむためにのんびり歩きます。


岸壁の麓ギリギリを歩きます。


ちょっと細くて怖いのでポールがここから登場です。


いよいよ峠の真下に到着します。二姉妹峠を越えるのは3回目になりますが、その前に一度雪がまだ多い季節にチャレンジして撤退したこともあります。


アガット姉さんを真下から見上げて。


峠を登り始める前に今来た方角を一瞥。大好きな景色です。


初めの部分は鎖場になってますが、普通に手足を使って登る方が登りやすいと思います。


ケルンもペンキマークもありませんが、高所恐怖症でもない限り特別難しいようなところではありません。


石ころのところは滑るので出来るだけ避けて草の生えてるところか岩場を登ります。


上方で動くものが・・・
あっ、雌のアイベックスが~


こっち見とります。可愛い😻


もう少し上にもう一匹います。


その横が洞窟っぽくなっていて・・・


二匹ともこちらにスタスタと入っていきました。人間だとクライミングでもしないとアクセスできない場所です。彼らにとって誰にも邪魔されない落ち着く場所なんでしょう。


ほとんど登り切ったところで振り返って。


残るはほんの少し!


二姉妹峠に到着\(^_^)/


今歩いてきた道はハイキング地図上には現れないので東屋のあったプレ・アシャール以降看板などはありませんでしたが、この峠を登り切った平たい場所には山の裏側の駐車場から来られる(=地図に載ってるコース)ので行き先案内の看板がまた登場しています。
奥に尖っているのが今から登るグランド・ムシュロールです。



次に続きます。

×

非ログインユーザーとして返信する