フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

エクラン国立公園・突風の中、激寒ランチ

もう半月以上も経ってしまいましたが、今月初めにひとりで出かけたエクラン国立公園南部のシャンプサー地方。標高1600mのスキー場から出発しました。2年前の9月にひとりで2泊で歩いたル・ヴュー・シャイヨール(3163m)の頂上から少し下の峠、コート・ロング峠が本日の目的地です。欲を言えば頂上まで行きたいですけど、駐車場から1600m以上の高低差になり今の時期、日がとても短いので厳しそうです。


雪があるけれど2年少し前に見た風景が蘇ります。夏山としてもきれいなところでした。


頂上を目指さないと決めているので時間的な余裕があります。地形を見て面白そうなところ(主に稜線の近く。落っこちない程度に😅)を隅々まで歩いてみます。


はい、落っこちないように(;'∀')・・・


こんなことをして遊ぶ余裕もあります(≧∇≦)


コート・ロング峠(2690m)に到着です。
ああ。ヴュー・シャイヨール・・・そんなに遠くないんだけど。夏山ならここから1時間半とかで登れます。しかし今日はこの時点で1150mほどの高低差を登って既に疲れてきていてペースダウンはハッキリしています。4時台には暗くなるしなー(-_-;)潔く諦めよう。。
前回来たときは、スキー場とは別の地点にある標高1289mの駐車場を出発しました。その時は1泊目をコート・ロング峠からもう少し歩いたところにある避難小屋に泊まりました。☟こんなとこ。

ベッドもなく(テーブル兼ベッドみたいな板は張ってありました)、ちいさな窓にはガラスもなく風がぴゅーぴゅー入ってきて寒くてロクに寝られませんでしたけど、素晴らしい夜と朝でした。朝夕はアイベックスが小屋のまわりにいっぱい下りてきて、ゆっくりと観察しました。今まで泊まった山小屋・避難小屋のなかで1、2を競う良い思い出(快適さとは比例していません😅)になっています。


峠のあたりは風が強かったのでウロウロと風がましそうなところを探しました。ましなのか、たまたま風が止んでるだけなのか分からないけど、まあこの辺かというところに座ります。雪から出た岩のようなものは全くないので(;´・ω・)雪の上にタイガース座布団です。


夏に日本で購入のカップ麺です。楽しみ♬ちなみにいつものメンバー、サラミ、チーズとパンもあったんですけどあまりに寒くてそれどころじゃないので出してもきませんでした。もっと後で機会があればということで・・・


この日は12月4日でしたので賞味期限ぎりぎりセーフです。ってか、結構賞味期限短いのね💧7月に買ったんだけど・・・
ジェットボイルで沸かしたお湯を注いで3分間。。さぁ食べるぞぉと蓋をはがした瞬間、悲劇が起こりました。。


常に風は強かったんですが、よりによって人がご飯食べよかって時にさらに酷くなってきて、蓋をはがした途端、突風がビュンビュンと吹いてカップ麺の上の汁の部分に浮いていた具を汁ごと吹き飛ばしてしまったのでしたΣ( ̄□ ̄|||) 写真はほぼ具なしになったラーメン。悲しすぎる(;´・ω・)


雪の上にネギだとか色々まき散らされました(~_~;)
そんなことを悔やんでる場合ではありません。熱いうちに具抜きの麺を掻き込んでさっさと出発したいです💦


しまった、ザックを開けっ放しにしていたら、風で中まで雪だらけになってしまいました💦ピュンピュン飛んでる雪の軌跡まで写っているのに今気付きました💦


そろそろ出発して下りていきたいと思います。えーと、今日の頂上はコート・ロング峠の近くの2705mの地点ということにしておきます。


一つ目の峠(ピッス峠)に向けて歩き始めました。朝よりも雲が若干出てきています。


稜線の高い位置の岩壁のあたりを、斜面を撫でるように風が吹いてサラサラサラ~っと雪がうっすらと移動しているのが目に見えます。


ゆっくりと水が流れる滝のような、不思議な光景でした。


雪がズボズボしていなかったのでさっさと下りてくることができました。


わたしの行きのトレース。強風に晒されてかなり薄くなっています。
うさぎさんのトレースと交差しています(^^;)


ピッス峠に到着します。


同じところが夏山だとこうでした。


峠の裏側に回ります。

しつこいですが、2年前の9月に撮った同じところの写真☟


この時はこのあと、スキー場とは逆の方向に下りて行って標高約1700mの地点にある管理人さんのいる山小屋に2泊目して翌朝に帰り(運転3時間)、午後は仕事というハードスケジュールだったのでした(≧∇≦)


峠から少し下りると全く風がありません。まだ日向なので暖かいです💕


さっきまでいた山は晴れていたけど、反対側は薄い雲というかガスがぶわーっと沸いてきました。


そうだ、さっきは寒すぎて最低限しか食べすに退散してきたので、おやつというかデザート食べなきゃ。ワンパターンだけどマドレーヌを持ってきています。大好きなんです😅


相変わらず突風で雪煙が立ち上がる先ほどまでいた峠方向の稜線を一瞥して(しかし天気はいい!)さっさと降りていきます。


行きのトレースを目安に適当にショートカットしつつ下りていきます。


最短距離は、このまま谷底へ森を真っすぐに突っ切ることなんですが、それは雪がたっぷりあるときの山スキーのコース。この後、雪がほとんどなくなるので雪のない状態だと歩きにくい可能性も高いです。というのも、山スキー向けコースとして地図に載っているところは夏のコースとしては踏み均されていないことが多く、ゴロゴロした岩や背の低い木など、雪が積もっているときには雪の下に隠れてしまうもののせいで歩きにくかったりするのです。距離的には遠回りになるけれど右側の斜面のちゃんと道の形になっていて歩きやすい夏のハイキングコースから下りていきたいと思います。ここまで順調に下りてきているし、頂上目指すとか無謀なことしてないので時間的に余裕があります。


雪が融けて地面がだいぶ出ているところが増えてきました。


もうスノーシューはいらんやろ…外してザックに引っ掛けます。


動物の足跡だらけの地帯が(;・∀・)


途中で分岐していて、行きとは違う道から駐車場まで帰ることができるのでそちらを通ることに。


たかが森の部分でも雪が残っていると歩きにくい部分もありました。急いで歩くとずるっと滑るので気を付けて歩きました。


小川と化したハイキング道をバシャバシャと通って(^_^;)


あと駐車場まで200mほどです。スキー場の人工雪のためのため池がありました。


荒れ荒れエリアが(@_@)
台風・・はフランスには来ないですが、暴風雨の被害?
昨冬の雪崩でなぎ倒された?とも思ったけれど、半年以上もほおっておかないだろうし・・?


カラマツの葉が雪に混じっています。


なんだ、防空壕みたいなものが・・?


運河の一部だったそうです。って、あれ??
そういえば前回に来た時、避難小屋から30分ほど登ったあたりに昔の運河がありました。☟


19世紀半ば、ナポレオン3世のアイデアで作られたマル・クロ運河(2818m)です。少し上のマル・クロ湖やヴュー・シャイヨールの雪融け水を麓の村に運ぶために作られました。


12月なのに・・・ヌメっとした感じの巨大キノコが。


しかし今日は誰にも会わんかったなーと思いつつ駐車場に向かっていると、前からマウンテンバイクの兄さんが来たのであいさつしました。あーびっくりした。


さて、景色からしても高度計の数字からしても、そろそろ駐車場に着きそうです。


リフトの乗り場になっているあたりには人工雪を撒いた形跡がありますが、全然足りたもんじゃありません(;´・ω・)


ただいまぁ\(^_^)/
車の前で靴履き替えたり帰る準備をしていると、真向かいにあるスキー教室の事務所から40歳前後くらいの女性が出てきて話しかけてきました。どこに行ってたの?雪はあった?動物はいた?色々聞いてこられたのでしばらく話しました。「リヨンからなの。ちょっと遠いわね。バカンス?」「いや日帰りです」「えっ。往復6時間かけて!?」めっちゃビックリされました。いや、それが‥時々あることなんですよ(;^_^A


さっきマドレーヌ食べたけどまたお腹空いてきたので車の中で生ぬるくなった保温マグのコーヒーとイチジク入りパン(チーズと一緒に食べるつもりでした)を貪り食います💦


帰り道の風景。


あまり来ないところなので(方面的には4回目、うち冬は2回目)、景色も新鮮でワクワクします。


可愛い村を通り抜けます。サン・ミッシェル・ド・シャイヨールです。


エクラン国立公園南部と向かい合わせになっているのはデヴォリュイ山塊。こちらは3000mを越える山はないものの、岩々としたカッコいい山並みです。


もうしばらくして少しの間だけ垣間見ることができるのはヴァルゴダマールの谷(同じくエクラン国立公園)。高くそびえるのはオラン(3564m)。アルピニストにしか登ることのできない山です。その右隣もクライミングでしか登頂不可能な山ですが、左隣のピック・チュルバ(3028m)は唯一、装備がなくてもOKなので夏山で登ったことがあります。


もうしばらく走るとデヴォリュイ山塊最高峰、オビウが美しい姿を見せます。最近こっち方面に来ていなかったので、見るのとても久しぶりな気がします。これを書いている3日前に山好きの同僚と友達と3人で全然別の方面にスノーシューしに行ったんですが、帰りの車の中で冬山、夏山で行きたい山をどんどん挙げていって「来夏に登ろう」とリストアップされた山のひとつです(わたしは一度登ったことがありますが)。
控えめに、頂上でなく峠を目的地にしたため(それでも累計では高低差1200m近くになっていました)帰りに3時間かかっても7時半にはうちに帰ることができて、さっくり子供たちと晩御飯を食べることができました(*^^)v


その、3日前に同僚と行ったスノーシュー記を書く前にもうひとつ、1週間前にソロで行ったスノーシュー記が入ります(^▽^;)

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