フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

雪山合宿2日目 風吹き荒れる峠へ

どんどん日が経ってきてしまいましたが、お正月に2泊3日で次男と出かけた南仏ケラ山塊での山小屋泊ハイキング旅行記です。


朝7時前。食堂に来ると山小屋の方がろうそくの火で朝食準備中でした。ソーラーパネルがあるので電気はありますが節電なのでしょう、夜間(朝7時まで)は電気が付きませんでした。山小屋はたいていそんな感じなので宿泊客はみなヘッドランプを持参しています。


お月様と金星でしょうか、非常に明るい星が隣に。


凍えるような寒さだけどコーヒーを飲みながらテラスで空を見ていると、昨夜夕食を同じテーブルで食べたご夫婦の奥さんがやって来たのでふたりでぽつりぽつりとおしゃべりしつつ空の色が少しずつ変わってくるのを眺めていました。


ピンク、紫、水色のグラデーション。大好きな色合いです。


昨日夕暮れ時にオレンジ色に輝いていたエクラン方面。


だいぶ明るくなってきました。スノーシューハイキングツアーの方たちのスノーシューとポールがまとめてあります。山小屋でレンタルしてるもののようです。寒いのでそろそろ中に入ろう・・・


朝ご飯の準備が整っていました。飲み物はコーヒーや紅茶、ココア、そして農家製のとってもおいしいリンゴジュースがありました。
左のボウルにはフロマージュ・ブラン(水切りした固いヨーグルトみたいな感じ)とミューズリー。それに各テーブルにパンとバター、手作りジャムが2、3種類置いてあります。


昨日の夕食メンバーと同じ顔ぶれで揃って朝ご飯です。
今回、2食付きでしか年末年始は予約取ってないと言われて仕方なくそうしましたが、いつもは素泊まりで自炊しています。その癖で?パンとかやたら持ってきてしまい、とても食べ切れなさそうなので朝食の時にみんなで分けて食べてもらいました(^▽^;)
みんな1日歩く(またはスキーする)気満々なので食欲旺盛です。


肌が切れそうな寒さですが、お天気は最高です。今回この地方を選んだ理由のひとつに3日間ずっと晴天の予報が出ていたからというのもあります。


ゆっくりと朝食をとり、準備をして出発したのは8時45分くらいでした。


少しずつ山小屋が小さくなってきます。そういえば、雪に隠れていて見えないですけど山小屋の前は湖なのです。こうやって見ると小屋の右手にそれらしき地形(円盤状に平たくなってる)が見えます。


なだらかな斜面を登っていきます。こちら方面に峠はふたつあり、そのどちらでもスノーシューやスキーで登ることができますが、近い方、サン・ヴェラン峠(2844m)に狙いを定めました。


山小屋からの最もポピュラーな行先の一つなのでトレースはしっかりありますが、途中から複数のトレースに分かれてきたのでわたし達も時々トレースから離れて思い思いのところを歩きました。


スノーシュー自体今回が2回目のためあまり早く歩けない次男を待ちます。


昨晩話をしたグループの方たちも言っていましたが、風が少しずつ強くなってきました。もっと強く吹くときもあるのでしょう、シュカブラが浮いていますΣ(゚Д゚)
風がトレースをかき消してしまっていてこの辺りからはノートレースですが峠や山頂といった目に見えているものを目指すため、問題ありません。


稜線が近づいてきました。


日向に出られるのは嬉しいけれど・・雪煙が太陽に照らされていて風が強いことが分かります💦


いよいよお日様登場です。

わ~いお日様💕明るくなった♬
・・・が。さ、さ、、


寒いぃぃい~~Σ( ̄□ ̄|||)


ひょえぇ~~風が半端ないです💦


強風の中、第一目的地であるサン・ヴェラン峠に到着です。
「うぉぉおお~~」ひっくり返る次男。ちょっと演技入ってる・・と思います、いや違ったっけな。ふざけたりもしてたのでよく分かりません(;^_^A


最終目的地、ピック・ド・カラマントラン(3025m)はケラ山塊に全部で28座あるという3000m台の頂上の一つ。簡単に登れるので人気らしいのですが。。


風が・・・簡単なはずの山の難易度を上げてくれています💦
ここら辺の稜線は国境になっているので、こちら側に下りるとイタリアです。


常に風が吹き荒れているのでしょう、シュカブラが浮きまくりです(-_-;)


次男、スピードダウンです(;´・ω・)


あれれ、なんか立ち止まったりしちゃってます。
ここで待とう・・・


「どうする?続き登る?」と聞いてみます。
「うん」と答えたもののその声は力弱く・・・


峠から頂上は180m(高低差)ほどなので、いい天候の時ならスキップしてる間に到着(イメージ😅)のはずなのだけど。


突風が吹き荒れる今日は修行コースになってしまっています。辛そうにしている次男に「そこの岩のとこに座って待っとき。お母さんササっと往復してくるから」と言い残して先を急ぎます。


稜線に着いてから右側(イタリア側)ばかり見ていましたが、こちらは左側、今上ってきた方面で、そして昨日歩いてきたのもこの谷底の奥からです。


イタリア側・・・驚いたことに谷間には雪がありません。3000m近いというのに。大きな湖が見えていますが、凍ってもいないように見えます。日当たりが良いということなのでしょうか。


頂上が近いようです。岩が出っ張ってるので左からぐるりと回るか・・・


頂上のケルンらしきものが見えています。もう少しです。しかし・・・相変わらずの強風、台風のような突風です。飛んでいきそうに?なるので進むどころか、立ち止まって踏ん張るのがやっとです。もうちょっと・・・


高度計で3010mのこの地点・・・ここで諦めました(T_T) 無理ではなかったと思うし、断崖絶壁というわけではないので特に危険でもないと思うんですけど、辛過ぎました(+_+)


「本日の頂上」からの景色。多分あと15m登ったところで全く同じだったと思います(^^;)
中央に見えているのはモン・ヴィゾ(3841m)。普段歩いている山からも、見えることがあります。すぐ近くに見えるけど地図を見ると直線距離で10kmくらいのようです。一番左に写っているのはパン・ド・シュークル(3208m)。10月下旬のシーズン最後のテント泊した際、2日目に登りました。


その時の写真。改めて見返してみると、今いるエリアが山小屋のすぐ後ろにある特徴的な尖がりの山(テット・デ・トワリ、3175m)のおかげで分かりました。テント泊した近くの峠(1枚目)、そのすぐ上にある3000mちょいの山から撮ったものです。☟

その時は「面白い形の山があるなぁ」くらいの印象で、2か月半後にこのすぐ麓に泊まりで来ることになるとは思いもしませんでした。


こちらはフランス側。中央に飛び出ているのはロッシュブリュンヌ(3321m)。8月に登頂しましたが、頭一つ出っ張ってるため、そのパノラマの美しさはため息ものでした。


さて、景色も十分に楽しんだし次男を待たせているので強風の中、逃げるようにして駆け足で下りて行きます。


あれ、左の岩の陰が風よけになるかと思ってそこに座っとき、って言ったんですが周辺をウロウロしています。聞くと、その岩のところ、座ろうとしたらすぐ横が崖になっていて、怖すぎて座るの諦めたので寒くならないように動き回ってたんだとか💧


大迫力のシュカブラのサン・ヴェラン峠に戻ってきました。本当ならこの後、山小屋の真裏にあるブランシェ峠の少し下のあたり(雪に隠れていますが湖がいくつもある地帯です)経由で山小屋に帰ろうかと思ってたんですが、この風に心折れました😓 一時も早く山小屋に帰って、風のないところでお昼御飯が食べたい~!!


少年の心を持ち続ける高校2年生男子。シュカブラでパフォーマンスしまくりです(^▽^;)


クジラみたい・・・?
自然が作る模様は本当に見ていて飽きません(*´ω`)


次男が撮ってくれていました(^▽^;)


山小屋が眼下に見えています。なるほど、こうやって下りてくると山小屋が建っているのは窪んだ土地であることがよく分かります。景色はちょっとイマイチになるけれど、風からは守られます。


昨日の午後、山小屋に到着したときは既に日陰になっていたし、さっきもっと上から見たときにはまだ日陰だったのですが、ちょうど日向になっています。冬は特にお日様が低い位置を通るので日陰の時間帯が長そうです・・・


周りを小川が流れています。


山小屋に戻ってきて、テラスを使わせてもらってお昼ご飯です。日向で風がないと暖かく感じます。実際にはこの日、ずっと零下だったのですが(;^_^A


帰ってきてすぐに山小屋の方に「テラスで自炊しますね」と声をかけると「お湯いるか?いっぱい沸かしたところなんだよ」と分けてくださいました😻


水を沸かす時間が短縮されました(*^^)v 冷やし中華・・・とか書いてるけれど、寒いのに冷麺では食べませんよ~(≧∇≦) ボウルにゆで汁+麺を入れ、そこにスープを開けてラーメン風に食べます。何の脈絡もないですけどダイソーで去年の夏に購入のイワシやサバのパウチを乗せます。これは・・・ご馳走なんです(;´∀`)、そうは見えないかもしれませんが。


いただきまーす\(^_^)/
わーめっちゃおいしい~♬、と次男。わたしも幸せ💕
とりあえず熱々なだけで「おいしい」の半分はクリアされるというハードルの低い 雪山ご飯です💦


あまりに気持ちいいのでコーヒー飲んでマドレーヌ食べてゆったり。
ボチボチ片付け始めると、10人ちょっとくらいのグループ客がやって来ました。あれ、みんな荷物がほとんどなしか、あってもごく小さなザックです。あ、そういえば少し前に荷台を引いたスノーモービルがたくさんの荷物(ザックやら山用でないような旅行鞄まで💧)を小屋まで持って上がってきていました。どうやら昨晩山小屋に泊まっていたのと同じ「山小屋泊でのスノーシューハイキングツアー」の新たな参加者なのでしょう。


ちょうどわたし達が片づけを終えたのと皆さんがテーブルに着き始めたのが入れ替わりでした。必要のない調理器具などを寝室に置きに行って軽い荷物で午後の散策に出発します。



次回に続きます。

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