フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

お山が恋しすぎて曇り空でも遠征(T_T)

もう・・・お天気が悪すぎるんですよ。おまけに運も悪くて晴れた日には仕事、休みの日で予定のない日にはまた崩れる、の繰り返しです。
☟これは今日日曜の天気(右はリヨンの天気ではなくお山の麓の町のひとつの天気)


天気悪いだけでなくフランスじゅう強風が吹き荒れています。嵐が来ているんですね💧
いくらクレイジー気味なわたしでもこんな日にはお山には行きません(-_-;) 命のほうが大切です・・・


悪天候は今週末に始まったことではありません。1週間前の週末もこれ☟


お山に行くときに乗る高速道路が雪のため一部閉鎖。標高2000m以上あるのに通年オープンしているのでよく使うロータレ峠道路なども一時的に通行止めになっていました。
当然その週末(日曜)もお出かけ出来ていません。
☟雪崩の危険もMAXに高まっていました。


これはわたしが時々スノーシューをしに行くボーフォータン山塊の積雪状況ですが、雪崩危険度は5段階の5。どこの山でも4から5でした。ここまで雪崩の危険が高くなったのはヨーロッパじゅうが記録的な寒波と積雪に襲われた2008年から2009年にかけての冬以来だということです。
雪も1500m台で1m30センチとか半端なく積もっている様子です。


そしてこの最悪なお天気の週末に挟まれたウイークデーはそれなりに晴れた日もあったのですが、仕事が休みだった木曜日はこれまたイマイチのお天気(つд⊂)エーン 
最近仕事やほかの用事が忙しくて何となく疲れ気味であまり長距離の運転はしたくなかったので近場(片道2時間以内くらい)の天気予報を見るとどこも曇り~雨(雪)という予報。3日後の日曜(=今日)の天気予報はもっと最悪で、そのさらに次の休みは予定があるので山には行けません。初めは考えてなかった遠い地方の天気予報はだいぶましで「曇り時々晴れ」くらいが出ています。ちょっと悩みましたが、青空ではなくても強風や雪でなければ山を歩きたい気分が勝ちました。


うちから3時間ちょい。お天気がイマイチだと分かっているのにこんなに遠くの地方に日帰りで出かけるのはおそらく初めてのことのような気がします(;^_^A 
幸い、南の方の山ではそこまで一気に積もらなかったこともあってか、雪崩危険度は5段階の3に落ち着いてきています。それでももちろん細心の注意が必要ですが・・・


3時間という長い道のりですが、高速は50分ほどだけで高速料金はそんなにかからないのが不幸中の幸い?です(^^;) これは2時間ほど運転したところ。谷の右手にデヴォリュイ山塊の最高峰、オビウの堂々とした姿が。


もう少し行くと朝焼けに出会いました。こういう色になるのは日中のお天気がいまひとつの時のような気がします。しかし、いつものようなカラッとした青空に出会えないことがほぼ分かっているのにこんなに運転してる・・微妙な気分です(-_-;)負け戦だと分かっているのに戦場に向かう兵士といったところでしょうか(違)。。。


お、それでもちょっとまし??あんまり雲がない?こっちらへん??これも前述のデヴォリュイ山塊の一部です。大きなV字の切れ込みが特徴的なのはモンターニュ・ド・ファロー。夏山だと登れるそうで難易度は高いと聞きますが、一度挑戦してみたいと思っている山のひとつです。


前夜、行先を考えたりするので寝るのが遅くなり2時間半くらいしか寝ていなくて疲れてきました。あと30分ほどなのですが一度車を停めて外に出ました。
背景はデヴォリュイの向かい、エクラン国立公園のヴァルゴデマール地方側になります。この奥へと谷を進んでいくと谷の右に左にとたくさんハイキングコースがあるのですが、とっても険しいため残念ながら冬山向けのものはほとんどなく、あるとすればスノーシューで村から近い辺りをウロウロするだけです。あとはアルピニストでないと無理なコースになってくるので、雪のある晩秋から初夏にかけてはわたしにとっては(大好きなのに)存在していないも同然になる地方です(T_T)


目的地周辺でグーグルマップの指示が軽く間違っていて(ほんの少しのことなのですが)ちょっと車を停めてハイキング地図と見比べて悩んでいると、一台のワゴン車が通りがかったので道を聞くことができました(´▽`) ホッ


雪のない季節だともう少し先まで行けるようなのですが、標高1400mのこの地点が積雪時の最終駐車場になるようです。駐車場と言っても車が3台くらい停められるスペースが除雪されているだけです。「ル・パントル」とは画家の意味なのでアートな作品でもあるのか?それとも有名な画家の住んでいたおうちでも近くにあるのか?とワクワクしていたのですが、関連ありそうなものはなーんもなし( ゚Д゚) 


平日だしマイナーなとこっぽいし(実際今まで聞いたこともない場所です)今日も誰にも会いそうにないな・・と思っていた矢先、一台の車がやってきて隣に停まりました。中から30代くらいの兄さんが降りてきたので挨拶をし、お互い準備をしながらお話をしました。ここオート・ザルプ県の県庁所在地であるガップに住んでいて30分で来られるそうです。クロスカントリー用のスキー(袋に入ってる細いやつ)と山スキー用のスキー板(緑の)と両方が入っています。「今日はどちらをされるんですか?」と聞くと「両方」…はっ?!ここはクロスカントリー用のコースも、山スキーのできる場所もあるからまずクロスカントリーでぐるっと回ってからスキー板を替えて近くの山頂まで登ったあと一滑り、と思ってるそうです。どんなけ元気なんだ(@_@)


ここからはいくつかの山頂に山スキー(わたしはスノーシューですが)で登ることが可能ですが、同じ山頂に行くつもりをしていたことが分かったので「クロスカントリーは後からにするから一緒に歩いてもいい?」と言われました。恐れ多い~~💦 一歩一歩踏みしめつつ登るスノーシューのわたしよりも山スキーヤーさんはスッスッと板を滑らせつつ早く登られるので(まず道具の問題、加えて体力の問題😅)「いいですけど、わたし全然同じスピードでは登れないと思います」「じゃあ最初のうちだけでも」と一緒に歩き始めました。


初めはクロスカントリーのコースと共通です。それ用のわだち?が見えていますね。
もともと最終駐車場まで道路沿いに歩いてから山に登るコースを考えていたのですが、それはかなり遠回りなので近道の方で登りましょう、と言います。「でも急斜面なんじゃないですか」と聞くと、そうでもないらしいので言われるがままに😅
彼はBさんといって中学・高校で物理の先生をしているそうです。


しばらくするとクロスカントリーコースから道が分かれます。わたし達は右側の上り坂を進むようで、これは夏山のハイキングコースと同じだそうです。


岩の上の雪がこんな不思議なことに。「おととい来たときは・・」と言い出すので「ええっ、2日前に来てまた同じところに来るんですかっ!?」と大袈裟に驚いてしまいました(;・∀・) あちらはあちらで「はっ!?往復6時間??」と目を丸くしています。お互い様かも(≧∇≦)


初めは小川に大体沿った辺りを歩きます。
しばらく喋りながら歩いていたのですが、どうも無理やりゆっくり歩かせてしまってる気がするので「わたしはこれ以上早く歩けないし、気にかかるので先に行ってください」と促してそうしてもらいました(^-^;  は~~っ、これで安心してダラダラ歩ける♬
前回のハイキングから2週間空いてるし、前回(=午後から用事があって半日ハイキング)も、何ならその前(=息子の誕生日会in避難小屋)も高低差的にはほんのちょっとしか歩いていません(550mくらい&300mくらい)。もともとそんなに体力ないし間が空くとさらに体力落ちる感じです_| ̄|○ だからといって普段から走り込むとかそういう努力する気はゼロ( ̄▽ ̄;)


しばらく行くと、とても怖いものが・・・


大規模な雪崩の跡Σ( ̄□ ̄|||) 雪崩跡を通りがかったことは幾度となくありますが、こんなに大量のデブリを見たのは初めてです。固まってる感じからして1~2日は経ってる印象でしたが、怖すぎる・・・ほとんど無意識に回れ右して今登ってきた道を下り始めました。


せっかく登ったところをトボトボと下りていきます(;´Д`)
もともと考えていたように最終駐車場まで歩いて別の斜面から登ろうか・・それとも地図を見て周辺の全然違うところを歩こうか、駐車場を変えるという手もあるし・・・


駐車場からひとつめの分岐まで戻ってきました。改めて地図を開きます。遠回りってどの程度遠回り??う~ん。。山スキーヤーのBさんが言ってた通り、確かにちょっと嫌な感じに長いです。そうだ、Bさん。彼は引き返さないであのまま進んだわけよね、すれ違っていないところをみると。雪崩跡の様子をちゃんと見ておけばよかった。どうしよ・・・
で、また同じところまで登りました💦(あほ過ぎる)まぁ100mちょっとくらいの高低差だったんですが、ただでさえ疲れやすい体質?なのに、こんな無駄に上り下りしてしまった自分が腹ただしいです(;´・ω・)


よく見るとデブリの上にスキーの跡が結構あります。一度こんなけ派手に雪崩れたってことはすぐに同じところがまた雪崩れるってことはあまりないよね・・奥の斜面にも雪はほとんど張り付いていません。思い切って横切ることにしました。デコボコで歩きにくいけど無事渡り終えてハイキング道の続きの部分に到着してまた続きを歩きだしました。


少しずつ登って1730mの地点に到着。鳥さんの絵が描いてありますが、ライチョウの仲間のテトラ・リールがいるので気を付けてください、という意味のようです。ところで…今日目指す頂上、ピオリット(Piolit、フランス語の最後のtは通常発音しないのでピオリかと思ったら、Bさんはピオリットと言っていた)は夏山のコースタイムであと3時間だと💦 頂上は2464mで駐車場からの高低差は1100m弱。スノーシューハイキングではそのくらいの高低差を登ることが多いので余裕かと思ってたんですけど傾斜が緩やかな分、距離が結構長いみたいです。


スキーヤーさんのトレースが少しだけどずっとあります。先ほどのBさんと、あとは昨日一昨日に来られた方でしょう。


開けたところに到着しました。見晴らし・・いいけど天気が(~_~;)
いつも「天気の悪い日なんて来るのお金(ガソリン代高速代)と時間の無駄」とか豪語して青空の下のハイキングが多いのですが、しばらく来られていない&この先しばらく行けない、となれば背に腹は代えられません(T_T)


テトラ・リールの冬眠エリアなのでスキーヤーは入らないでください、というフラッグ付きのロープが張ってありました。


おお、なんだか森から出られそうな気配です。


斜面右手を見るとお日様がぼんやりとですが射してきました。リヨンや近場の山が雨やドン曇りの天気予報だったことを思えば満足しないといけないのかもしれません。


木が疎らな広いところに出てきました。


お、斜面右手に小屋が建っているのが見えます。そういやBさんが小屋の横を通る、とか言ってたっけ。


スキーの大きなジグザグのトレースのある斜面を登ります。


ジグザグが大きすぎてイラついてきたので途中からは直に登りました(^▽^;)


小屋の分岐に到着。看板は小屋よりも少し低い位置にありました。棒は半分くらい埋まっています。


とても新しい小屋のようです。お客様?はうさちゃん1匹だけのようです(^^;)


小屋からの見晴らし。むむむ、天気が~~(そればっかり)


さらに登り続けます。遠くに見える山よりも今いるところの方がお天気ましで、確かに天気予報通りと言えます。ただ・・たまに予報よりもお天気良くなることもあるので、それを期待してたのですがそこまで日頃の行いがよいわけでもなく😅


あれ、遠くからスキーで滑り降りてくる人が。おそらく朝一緒に歩き始めた山スキーヤー、Bさんでしょう。



この曇り空でテンション低いままですが、後編に続きます。

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