ピレネーの雪の避難小屋で友達ふたりと迎える朝
山友のふたりとスペイン側のピレネーにスキーハイキングしに行った時のお話です。
合宿中のお宿は、標高約2000mの地点にあるウイシェラ避難小屋。
トゥールーズ在住でピレネーに詳しい、そして避難小屋マニアのEさんが夏に泊ったことのある小屋でした。
昨日は寝たのが1時を過ぎていました。
まだふたりが寝ているので、そーっと起きて外に出ました。
ピレネーのお山と朝日でピンク色に染まる空が美しく、しばらく小屋の前にいました。
避難小屋の窓ガラスにお山が映っています。
夏の放牧期間には羊飼いさんが滞在する小屋なんだそうです。
少し離れて。
こんなに小さな小屋なんです。4、5人も泊まったら満員御礼になってしまいますが、幸いわたし達だけでした。
小屋は小さいのに、結構大きな煙突が。暖炉があるということが外から見ても分かります。アルプスの避難小屋では薪ストーブのことが多く、暖炉のある小屋はあまり見たことがありません。
寒くなってきて小屋に戻りましたが、小屋の中も外とあまり変わらない寒さで、気温を確認するとマイナス3度でした。
男子が起きてくる気配もないので、自分で暖炉に火を点けることにしました。
小さな枝をピラミッド状に立て、その中に置いた丸めた紙(パンの袋を使いました)に火を点けると、ふわっと燃え上がります。
徐々にもう少し大きな枝をくべ、火が安定してきたところで昨夜、寝る直前にくべて燃え尽きてなかった大きな木を加えました。
しばらくすると、ふたりが「あったかい空気が上がってきたよ。ありがとう」と屋根裏から降りてきました。
ただし、暖かくなったといっても、避難小屋内の気温は0度よりも上がることはありませんでした🥶
朝ご飯タイムです。
インスタもブログもしていないため、映えという言葉は知らないふたり(;^_^A
めちゃくちゃなテーブルもリアリティがあっていいでしょう!?
わたしの朝ご飯はこれです。
前夜にスペインに入ってからスーパーで買ったパン。工場生産のものでしたが、結構おいしかったです。個別包装の蜂蜜はうちから持って来たものです。おいしくはないんですけど、軽さ優先です・・・と思ってたら、Yさんが普通に自宅で食べてる瓶に入った蜂蜜を持って来ていたのにはびっくりしました。
Yさんは暖炉でバンを焼いてました。
ただし、焼けるという状態をすっ飛ばして直接焦げてました(;^_^A
さて、朝ご飯をゆったりと食べて後片付けを済ませるとハイキングに出発です。
泊まりのハイキングにも慣れていて最小限の荷物で来てるわたしはパッキングが早いんですが、ふたりがまだ終わっていないので待っています。
さて、ここでよく見てください。
上の写真のズームです👇
ほぼ毎週末、日帰りまたは泊りで山スキーしてるEさん。パッキングはほぼ完了しています。
問題はこちらです。
なんでか、常に準備に手間取るYさん。まだ全然です(;´Д`)
これ、全部ザックに入らないよね?いらないものもあるよね?
で、何してんの・・・?
「なんかぁ~、俺のビーコン、電池ないみたい」_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○
そういうことは、うちを出発する前に確認してください(T_T)
昨日の朝、民宿を出る時も荷物がまとまらず、おまけに「俺、スキーのズボン忘れたみたい」と大騒ぎしてたのでした。すぐにEさんが別の部屋で見つけたんですけどね(^-^;
向かう方角はYさんも分かってるようなので、Eさんとふたりで先にゆっくりと歩き始めることにしました。
ジグザグに登っているのは、前日夕方に気温が高くて雪が柔らかくなり過ぎて登りにくかった斜面。今朝は逆に、夜間に凍った表面がまだ融けておらず、スキーがツルツルと滑りやすい状態です。
クト―(ナイフの意味)とフランス語で呼ばれる、スキー用のアイゼンを付けることにしました。ビンディングの金具にひっ掛けるだけなので、ものの数秒で装着することができます。雪によく引っ掛かるので、歩く速度は落ちるけど滑る心配なしに登れるのです。
Eさんに撮ってもらいました。
これはフランス語でコンヴェルション、日本ではキックターンと呼ばれる登るジグザグの向きを変えるテクニックです。
傾斜が緩い場合、なんとなくカーブを描く感じで向きを変えることができますが、30度くらい以上になってくると、鋭角にバチっと向きを変えることが必要となってきます。これを今までちゃんとマスターせずに適当に行き当たりばったりな足の動きでやってきていたのですが、Eさんが「君、これちゃんとできんかったらあかんよ」とこの急斜面で徹底的にレッスンしてくれました。
わたしの山スキーの師匠、Oさんも今まで幾度となく教えてはくれていたのですが、イマイチ気の短い性格なため!?やり方は見せてくれても、すぐに先に進んでしまうのできちんとマスターできずにいたのでした。
Eさんは面倒くさがることもなく、この長い斜面の20回くらいのコンヴェルションをみっちり付き合ってくれ、その結果、無駄な動きなしにちゃんとできるようになりました(^^)v
斜面の傾斜は最後は緩やかに。
斜面を登り終わると、稜線部分に到着しました。
雪が柔らかい&斜面でもないので、もうアイゼンの必要はありません。
外すのも一瞬です(^^♪
ここで、急いで登ってきたYさんが合流しました。
Eさんが自分の携帯で撮って後日送ってきてくれた写真です。
お昼~午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。