フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ちょっとアクシデントから始まったガリビエ峠

数あるアルプスの峠道の中でも、特に好きなガリビエ峠。昨年はオープン直後の初夏と、秋にも一度登っています。
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昨年、開通直後に、標高700m台のサン・ミッシェル・ド・モリエンヌからテレグラフ峠を経て往復しました。初めての獲得標高2000m超えサイクリングでした。
峠への最後の部分は除雪が終わっておらず、正式に開通していたのは少し下に位置するトンネルのみでした。最後の部分は雪の上を自転車を押して峠に到着。
初心者過ぎてサイクルウェアはなにひとつ持っておらず、しかもビンディングシューズデビュー前で運動靴でした(;^_^A


昨秋。友人二人とロータレ峠(2057m)から出発、峠の反対のスキー場のある町・ヴァロワール(1400m)まで下りて往復したとき。この時はビンディングに変えて2か月目くらい。サイクルパンツは買ったけどサイクルシャツはまだ持っていませんでした😅


ちなみにこの日登る部分はこんな感じです。
ヒルクライム専門サイト「クライムファインダー」よりお借りしました。
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17㎞強で1200mほどを登ることになります。


前日に、山友Cさんちに遊びに来ていたCさんのお姉さん夫婦がこちら方面に帰るのに便乗して、自転車を積んだ車で峠道の始まるヴァロワール近くまで連れて来てもらっていました。
わたしの荷物は全部Cさんちに置いたままだったし、自転車でCさんちまで戻る、というのがこの日のサイクリングコースです😂車でも2時間半近くかかっているし、ガリビエ峠ともうひとつ別の峠も越えないといけないので、ちょっと不安です💦


標高1400m台のCさんのご実家から出発しました。
本格的にいかにもな峠道に入るのは1900m台のプラン・ラシャからですが、それまでの道路も結構急になっています。
出発してしばらくして、ギアの入り具合が悪いことに気付きました。
停車してCさんに見てもらいましたが、見た目何かがずれているとか、そういう大きな問題はなさそう。でも今日は長い行程になるので、小さな不都合であっても避けたいところです・・・
そのまましばらく進みましたが、どうしても入りにくいギアがふたつほどあります。
昨日、お姉さん夫婦の車のトランクに両輪を外して積んでいたときに、移動中の揺れなどでおかしくなってしまったのかもしれません。
ディレイラーの問題だということは分かったのですが、あいにくわたしもCさんも、それ用の道具を持っていません。


上の写真は、本格的な登りに入る直前の駐車場で休憩していたサイクリストさんが道具を貸してくださったので、修理を試みるCさん。


男性はオランダからの旅行者でした。2週間ほどフランスの山道を回っているんだそうです。ホテル泊ということで、そこまでの大荷物ではなかったけれど、手ぶらでもキツいヒルクライム、少しでも荷物があるとしんどいなぁ、と他人事ながら心配してしまいました。


最初は「ゆっくりと修理してくれていいよ、僕も休憩中だから」と言ってくれていた男性ですが、修理が長引いてきて「悪いんだけど、僕は出発させてもらうよ。・・・あっ、いいから修理は続けておいて。僕は漕ぐの遅いから、君たち、峠よりも前に追いつくと思うんだ。器具はその時に返してくれたらいいから」と先に出発していかれました。


見ず知らずのわたし達に、大事な修理器具を貸したまま出発したオランダ人サイクリストさん。器量が大きいですね👏👏
結局、せっかく器具を借りたけれどあまり良くならず(少しだけましになった気も😅)、不完全なままロングライドに出発することに。


出発しようとしていると、わたし達が今来た方の道路から、マウンテンバイクに乗った人がやってきて、停車しました。「やぁ、今からいよいよガリビエ峠かい?」
昨日、晩ご飯をご自宅でご馳走してくれたCさんの親友のDさんでした。おうちはこの辺りなので、わたし達を見送りがてら一緒にガリビエ峠に登るということでした。


自らも自転車に乗りながらCさんが振り返って撮ってくれた写真。
試みは嬉しいのですが、残念ながらほとんどの写真がブレています(^-^;


もう少し先で。
Dさんは電動アシストマウンテンバイクでした。


これは同じやり方でDさんがわたしとCさんを撮ってくれたもの。


これは若干ブレているものの、場所が良かったので少しトリミングして(これに限らず、大抵の写真はしますが)載せておきます。
ガリビエ峠道は大体6月上旬から10月下旬くらいの年間5か月ほど開通していますが、残雪の多い今の時期は本当にフォトジェニックです。


オランダ人サイクリストさんに追いつきました。


お礼を言って、器具を返すことが出来て一安心。
「先に反対側に下りてしまってたりして、もし会えなかったらどうしよう」と気にしながら登っていたのでした。
この後、アルプスを南下するというので、Cさんが「良かったら僕んちに泊まりなよ」と電話番号を渡していましたが(漕ぎ漕ぎしつつ)、結局再会することはなかったそうです。


絶景のガリビエ峠編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

可愛い天使ちゃんたちのおうちにおよばれした

先月のお話です。山友Cさんとそのお姉さん夫婦と共に、サヴォワ地方の皆さんの実家にお邪魔させてもらったところまで書きました。


ツールドフランスで有名なガリビエ峠を越えてやって来ました。って、車でですけど・・・
ただし、車には自転車が積んであって翌日にはこの日自転車で来たルートで帰る予定をしています。大丈夫なんだろうか💦車でも2時間半くらいかかったんだけど・・・


お昼はCさんのご実家で、ご両親やお姉さん夫婦、そのお子さん二人と一緒に頂き、午後にはCさんの幼馴染みで養蜂をしている方のおうちに遊びに行きました。写真はもう面倒で撮りませんでしたが、お山地方らしく、素敵なシャレー風のお家でした。
そして夜には、これまたCさんの親友のおうちにおよばれしました。


お友達んちのお庭。
それにしても、こんなにもお山が近いんですよ~
3000m級を含むいくつものお山へのハイキングコースへのアクセスもすぐという、素晴らしい環境です。それにしても、えっらい古いお家だけど、不便じゃないのかな?
ところが、「よく来たね!さあ上がって」と招き入れられたおうちの中は近代的にリノベされていて、普通のおうちと特に変わりありませんでした。標高1600m以上もあるので、冬は雪深いだろうけど・・・
Cさんの親友Dさんは、その他のCさんのお友達と同様にスポーツマンで、この日もテニスの大会に出られていたそうです。奥様が台所でお料理中でした。


南仏の発泡酒、クレレットのロゼを開けてくれました。
クレレットといえば白が一般的ですが、いくらかロゼも作られているようです。
少し甘くてアペリティフやデザートによく飲まれるワインです。


おうちに着いた時は、恥ずかしがって隠れていた女の子ふたりが、しばらくして出てきました。


ちょっと可愛すぎる😻
うちは男の子ふたりで、それでもまぁ可愛いことは可愛かったんですが、可愛さの種類が違うΣ( ̄□ ̄|||) 次女ちゃんはわたし達が遊びに来るからといって(わたしなんて知らない人なのに😅)楽しみにして、ミツバチのコスプレで待っててくれたんだそうです。
長女ちゃんもプリンセスの衣装だか何かを着てくれていたんですが、もうすぐ寝るからってパジャマに着替えてきました。
長女ちゃんは落ち着いていて控えめ、次女ちゃんはおちゃめなキャラ。どちらも言うことなすこと、全てが可愛くてうっとりしてしまいました。天使ちゃんとしか考えられません。
しかし、天使ちゃん2号(次女ちゃん)が笑顔で言いました。「わたし今日ね・・・ヘビを轢き殺してね。真っ二つに切れちゃったの」
Σ(´∀`;) ???
ここでDさんの奥様Sさんが慌てて介入してきました。
「今日ね、三輪車で遊んでたときにうっかりミミズの上を走っちゃたのよね💦」
ははは、なるほどね・・・田舎では起こりがちなアクシデントですよね(;^_^A


お利口さんの長女ちゃんは大人しくベッドに向かったものの、中々寝たがらない次女ちゃんがソファーに😅
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ゆで卵の黄身に味付けしたものが2種類ありました。
うわー、凝ったことしてくれますね・・・
ツナ味ともうひと種類あったんですが、何だったか忘れてしまいました💦


色んなものが出されました。
メロン、アボカド、キッシュロレーヌ・・・
特に右のボウルに入っているサラダ用のドレッシング、これがとってもおいしくて、何度もサラダをお代わりしてしまいました(^▽^;)


フランスでお呼ばれすると一般的に「アペリティフ(飲み物と軽くつまむもの)、前菜、メイン・・・」と続きますが、ここのおうちでは前菜とメインの区別なく、まるで日本の食卓のようにすべてが一緒に並べられていました。これはこれでいいなと思いました。
気に入ったものはまた後からお代わりできるし、メイン料理の準備のためにおうちの方が食卓を抜けて台所に籠ってしまうこともないし。
ちなみに赤ワインはCさんからでした。ボルドーワインでしたが、なかなかおいしかったです。


この後、チーズがあったんですが写真に撮っていませんでした。
この辺りの名産チーズであるボーフォールと、どこか違う地方の山羊チーズもありました。


デザートはアプリコットのタルトでした。
今シーズン初めて作ったとのことで「ちょっと酸っぱいんだけど」とのことでしたが、酸味のあるフルーツは大好きなので問題なしです(^^♪


こんなに大きなタルトでしたが、ほぼ全員がお代わりして、全部なくなりました。
フランスではどこのスーパーでも冷凍パイ生地を安く買えるので、フルーツさえあれば手軽においしいタルトができます。わたしはタルトを作る時は生地も自分で作りたい派ですが、急なお客さんの時とか、仕事から帰って来て来客のご飯を作る時とか中々理想通りにはいかないですよね。わたし達が来ることになったのも、今日の午後のことだったし💦
そんな条件の中、小さいお子さんが二人もいて、Sさんのこのおもてなしはすごいと思います。


食後酒が出てきました。
あまりいただく機会のないカルヴァドスをいただきました。Dさんはノルマンディーの出身だから、常に置いてあるんだそうです。ここサヴォワ地方では、真ん中においてあるジェネピなんかの方がずっとポピュラーです。同名の高山植物を漬け込んだ強いアルコールで、サヴォワに限らず、高いお山のある地方ではよく作られています。


可愛い天使ちゃん達は途中で退場してしまいましたが、その可愛らしい言動にすっかり癒さてしまいました。
次回は、この日峠をふたつ越えて2時間半かけて車で来た行程を自転車で戻る編です💦


お読みいただいてありがとうございました。

図々しくお邪魔してしまった

自宅工事のひとつ前に、友人Cさんとそのお姉さん夫婦と一緒にサイクリングをした話を書きました。もう1か月も前のことで、時差がひどくてすみません。


Cさんのお姉さんMさんと旦那さまのLさん。
Cさんち地方の峠道でサイクリングするために、マイ自転車を車に積んできていました。


おふたりは翌朝、帰宅することになっていたのですが、しばらく考え込んでいたCさん。
「あのさ、ふたりの車に僕たち+自転車も乗せてもらって、僕の実家にお昼ご飯に食べに行くってのはどうだい?」おふたりが住むのは、ご実家からすぐの村だそうで・・・ 
えっ?えっ?どういう展開ですか??
「君さぁ、こないだからずっと『ガリビエ峠登りたい』って言ってるだろ?僕の実家、そっち方面だからさ」
はぁ、なるほど・・・ここからだとちょっと遠いし、うちからでもそう近くはありません。
すばらしいアイデア✨
ちょっと厚かましいけど、お誘いに乗ることにしました。


お義兄さまの車はトヨタ・カローラでした。
後ろに3台まで自転車を載せられます。わたしの自転車だけ、車輪を外してトランクに積みました。
途中、3人が「両親に何かお土産買っていく」と道の駅に寄り道しました。
わたしも以前に何度来たことがあるお店です。


お山地方とはいえ、一応南仏なので、同じ県内の少し離れたエリアではオリーブが栽培されています。オリーブオイルや塩漬けオリーブ、タプナード(オリーブのスプレッド)なども売られています。


少し前のブログに「カラマツの芽のアルコール」を手作りした、というお話を書きました。これがその商品の一例です、松ぼっくりに成長する前の若い状態の柔らかい芽をアルコールに漬け込みます。


他にも、色んな植物で風味付けしたアルコールが。
これは時々自転車で前を通る工場の商品です。


えらく可愛いクラシックな看板が飾ってありました💖


わたしも手ぶらでお邪魔するというのは気が引けるので、何かここで買おうかな、と思ったんですが、もう少し先でサラミがおいしいお肉屋さんの前を通ります。そっちのほうがいいだろ・・・と(それ、わたしの好み🤣)ここでは何も買いませんでした。


すると、お肉屋さんは休み😱
もうしばらく先にあるチーズ農協でいいか・・・と思ったら、なんとそこも閉まっている😓焦ってきました。手ぶらで初めて行くお宅の昼食に参上するのは避けたい💦
そのだいぶ先に、以前入って悪くなかったパン屋さんが開いていたので、駆け込みました。
商品があまり残っていなかったけれど、何とか少し買い物出来てε-(´∀`*)ホッ
フランスの田舎道って、日本人には想像できないくらいお店がないんですよ~(;´Д`)


ついにガリビエ峠の麓まで来ました。
ここまで後部座席に座っていたんですけど、助手席にチェンジさせてもらいました。
だって、景色を目いっぱい楽しみたいですからね~


左に写っているロータレ峠(2057m)から始まるガリビエ峠道。
この時期、まだオープンして間もなかったと思います。峠はまだ除雪が終わっておらず、少し下のトンネルのみ開通していました。


窓からの景色。
数あるアルプスの峠道の中でも、特に美しい道路です。


トンネルの入り口近くにあるツール・ド・フランスの創始者の石碑。


峠の反対側。
この日はレースが行われていたため、通常よりもずっと多いサイクリストさん達を見かけました。お疲れさんです・・・って、わたしも明日登る予定なんですけどね~(≧∇≦)


お昼過ぎにCさんのご実家に到着。
待っていました、とばかりにベランダに案内されてアペリティフが始まりました。
真ん中はMさんLさんご夫婦の長女ちゃん。


キュウリをギリシャ風ヨーグルトで和えたものとパン、サラミ。
飲み物はイタリアの発泡酒、プロセッコと白ワイン(何だったか忘れました😅)でした。


ラタトゥイユ的な煮物とポレンタ。
どちらも素朴なおいしさでお代わりをしてしまいました。
ポレンタはトウモロコシ粉を使った北イタリアのおかゆ(もっと硬く作ることも)ですが、ここサヴォワ地方も昔はピエモンテと共にサヴォイア公国だった影響で、今日でも割とポピュラーな料理のようです。


チーズ色々。
トム・ド・サヴォワ(左下)、ボーフォール(左上)、右下の羊チーズと右上の山羊チーズは地元の農協で買い求めたものだそうです。


手前のシューケット(空っぽの小さなシュー)はわたしからの手土産。
あとチョコレート入りのブリオッシュも買いましたが、これは翌日の朝ご飯で出てきました。


こちらは地元のお菓子屋さんで買ったというフレジエ。
バタークリームにカスタードクリームを混ぜたものを使ったクラシックなケーキです。
甘いイチゴがたっぷり、クリームもたっぷりでとてもおいしかったです。


ケーキを切り分けるMさん。
「わたしたちはさぁ、いっぱい自転車したからこのくらい食べたって全然平気よねぇ・・・あれっ、それってもう昨日の話じゃん!?」とニコニコ。
他の皆さんもお顔を見せられなくて残念なくらい、皆よい笑顔をしていました。


食後のコーヒーと、エーデルワイスの焼き印が可愛い砂糖入れ。
全体的に家具や食器のチョイスが可愛いおうちです💖
それにしても皆優しく、朗らかな方たちで、初対面なのに暖かく受け入れて下さいました。
すんませんねぇ、いきなりご家族の集いに乱入してきてしまって(;^_^A


夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。