フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

スノーシューで雲の上まで

順序が入れ替わりましたが、約3週間前のハイキング記になります。
雲の上まで、というとどんなけ3000mや4000m登ったんか、って感じですけど単にガスってたところを抜けたってだけの話です(^▽^;)
でもこの日のハイキングは正に雲の上を歩いたような印象として残りました。


この日の連れは久しく一緒に出掛けていなかった女友達のCさん。歩くスピードが似ているので歩きやすいし、わたしよりも経験豊かなので話をしながらちょっとしたことを学ぶ機会も多いです。


この日のハイキング先はフランス人でも山歩きをしない人は大抵その名前さえも知らない、とってもマイナーなタイユフェール山塊です。
彼女の車で来ることの方が多いので、今回はわたしの運転で来ました。


出発地点は標高1300mの駐車場です。Cさんは朝が苦手なのでひとりの時よりも遅い目の6時半の出発、着いたのは8時半過ぎでした。


しかし天気悪いな・・・実は前夜に見たときは晴れの予報だったのが、何をトチ狂ったか今朝になってからいきなり「とっても曇り空(très nuageux)」という予報に変わっていたのです(;´Д`)
ひとりで行くのなら、慌てて晴天の予報が出ている方面を探して行先変更していたかもしれません。でもややこしいのでそのまま来ちゃいました。Cさんには車の中で「あのさ・・天気予報変わったの知ってる?」と聞くと「えっ、見てない💧」


そんなこと言っても、着いちゃったんだから歩き始めるとしましょう。
Cさんはわたしと同じスノーシューです。わたしよりも2年位前から使っているそうです。アメリカのメーカーのものですが、結構急な斜面でもしっかり引っかかる爪があるので二人とも満足しています。もう一人の山友・Aちゃんもこれと同じのをこの冬に買いました。


スタートは9時前。
初めは林道の続きからです。最終駐車場がこの少し先になっています。


これは林道部分が終わった後の続きの道です。
スキーヤーのトレースがありました。
しかしガスってますね・・・すぐ近くも見えないくらいです。


いきなり雪がなくなって土が露出している部分もありました。今年は雪がとっても多いので積雪量は全然チェックしないで(スノーシューで駐車場から即歩けると分かっています)来ているので、雪がない地点があるとめっちゃびっくりします💦


細い小川が何本も流れている地点では岩に流れる水が凍って見るからに寒いことになっています。


キラキラとクリスタルのようできれいです。ついつい見惚れてしまいます。


分かりやすい道から離れて道(夏用の)が雪に隠れて見えないエリアになりました。


夏山コースはここら辺を上がっていくようになってます。少し道の形が浮き出ている部分あったので上がり始めたのですが、じきに見えなくなり視界も全くないのでここから登るのを諦め、少し遠回りになるけどもう少し先までぐるっと回ってから森に入ることにしました。結構登ってしまってから下りたので、ちょっと悔しい(;´Д`)


これまた寒々しい川を越えます。


お腹が・・既に空いてしまいました。1時間歩くとお腹が空くタイプですのでこまめに補給(^^; 一番の定番となっているイギリスの朝食シリアルメーカー、ジョーダンズのものでブルーベリー味とこのクランベリー&リンゴをよく買っています。


あれ、心なしか空が明るくなってきたような・・・
お日様がぼや~~っとだけど姿を現してくれました。


・・みるみるうちに空が・・・!


わわわ。嬉しー(*´ω`*)
薄っすらと山のラインも見えてきました。


薄っすらと、ではなくもうはっきりとこれから向かうべき方向が見えています。たった数分間でのことでした。


この辺りには山スキーヤーさんのトレースが少しあったのでついて行きました。


こちらは立派な山がそびえていますが、残念ながら今日の目的地ではありません。


森の中にハイキング客への呼びかけの看板がありました。この一帯は初夏から秋にかけて羊の放牧エリアになるため、歩く際の注意点が書かれています。


今日の通過点になるかもしれない(でも必ず通らないといけないわけでもない)タイユフェール山小屋の案内看板もありました。といっても木の間隔はどこも同じような感じでどれが道なのか全然分かりません。スキーヤーのトレースもあちこちに分かれてしまったので結局は木の間の通りやすそうなところを適当に抜けて山の斜面に向かうだけでした。


時折スキーのトレースに交わることもありますが、基本ノートレースのところが多かったです。


ようやく森を抜けた辺り。といっても、まだ結構木は生えています。


木々を見ても結構な積雪量であることが分かります。


・・てかこの傾斜、どうなんですか(~_~;)??
絶対わたしたちベストじゃない場所登ってます・・・


左手にぬお~っとそびえるラ・ピラミッド(2838m)。ピラミッドのような形をしています。ちょっと安易すぎる名前のように思えます💧 ル・タイユフェール(2857m)に次いでタイユフェール山塊で2番目に標高が高くなっています。


上を見上げるとこうです。


ガシガシと登って来た自分のトレース。この時、まだ時間が早くて雪の表面が硬く凍っていたので足がはまらずに歩きやすかったのですが、お日様が照ってくると気温はかなり低めだったにも関わらずかなり柔らかくなってきてズボズボとはまりだし、次第に歩きにくくなってきました。


振り返ると雲海が高い位置まで出ています。駐車場から1時間以上、この雲海よりも下を歩いていたのでした。写真中央にぽつんと島のように出ているのは1月に登ったクロワ・ド・カルレ。その時も雲海を愛でることが出来たのでした。ただ、その時の雲海はもっとずっと低い位置にとどまっていました。


ラ・ピラミッドの奥に山塊最高峰のル・タイユフェールの頂上が見え始めました。ふたつの山はくっついたみたいに隣同士になっているのです。


こういう障害物があったので右側にずれつつ登り続けます。


ここまで最短距離で登ろうと真上に歩いてきましたが、どんどん急になってきたのと岩壁に阻まれたのとでこんな感じで右側にトラバースしながら登ることにしました。


ちょっと傾斜が緩やかなところに来たので(´▽`) ホッ


上を眺めると・・もうちょっとであと一息できそうです。
あとを歩いているCさんがまだ登ってきていないのでここで少し待ちます。



斜面の中途半端なところですが💦今からうちを出るので一度投稿します。

ブルフィエ避難小屋で賞味期限切れランチ

勝手に決めた「本日の頂上(2459m)」は風がきつかったので、少し低い辺りにあるブルフィエ避難小屋まで下りてきました。ここは窪んだ地形なのですが思った以上に風があります。やはり小屋の中で昼ごはんを食べることにしました。


すぐ後方にはそこそこな大きさの湖がありますが、今の時期は雪に隠れて全くその姿は見えません。


去年のお正月に歩いたときは雪が少なくて湖の氷も薄い感じでした。👇

ル・タイユフェール(2857m)頂上からこれとは別の湖を経由し、この壁のような地形のところからブルフィエ湖まで下りてきたのでした。雪が少なくてほぼ思い通りに歩けた素晴らしい周回コースでした。こんなに晴天なのに元旦だったためか一日中誰とも出会いませんでした(^^;


思い出話はこのくらいにして、お腹が空いてきたのでお昼ご飯の準備です。


最近来た人があったのでしょう、扉周辺は雪かきされていました。


鍵もかかっていませんでした(´▽`) ホッ


ストーブと、いくらかの木のストックもありました。
屋根裏に上がる梯子から撮ったのでこんな角度です^^;


屋根裏は寝室として使えるでしょうが、マットレスはありません。
雪深いときは最悪ここから出入りできるようにドアがあります。


一階部分に注意書きのプレートが。「ごみ収集車はあまり来ませんので(もちろん絶対に来ません。ユーモアでしょう)ごみは各自お持ち帰りください」


今日もお昼は賞味期限切れグルメで・・・✨
日本で購入、大事に保管していて気付くと賞味期限を派手に過ぎていた、といういつものパターンです。


昔の小学校で使っていたみたいな椅子が二脚ありました。早速タイガース仕様にしときました。


なんと「焼き豚入り中華そば」ですよ~期待が高まります。


焼き豚入り・・ドキドキ・・・(;´∀`)
・・・えっ?・・1枚?・・・枚っきり??
そりゃ5枚も6枚も太っ腹に入ってるとは思ってなかったけど、まさか1枚だけなんて。しかもちっちゃい _| ̄|○


そこで我ながら迅速かつ勇気ある行動に出ました。
サラミを何枚か切って投入。素晴らしく焼き豚(いや、間違っても焼き豚ではありません)まみれの中華そばになりました。ざまーみろ。。
あとはシナチクも小さいながら3、4切れ入ってて嬉しかったけど、ここ一連の「賞味期限切れグルメ」シリーズではイマイチかな・・一番おいしかったのは海老風味の天かす入りのやつでした。


本日のハイキング同様に若干不完全燃焼気味のお昼ご飯でしたがチーズやパンも持って来てたおかげでなんとか満足。最後にコーヒーです。
今日はランチョンマット代わりの布巾を持ってくるのを忘れたのでジェットボイル入れにしているヴァノワーズ国立公園オリジナル袋(国立公園勤務の友達んちから強引にもらってきた)をマット代わりに敷いてました。


コーヒーは小屋の外で飲みます。ちょっと風が強いのでいつでも避難できるように入り口周辺をウロウロ。


小屋の前からはヴェルコール山塊の2姉妹峠とグランド・ムシュロールなどが望めます。
そろそろ出発です。あとは下りるだけ・・え、まだ1時になったとこ!?
ほんとはこの写真の右下のあたりガーッと下りて行ったら一番早く森の部分まで帰れるんですが(左下からでも帰れるけどめっちゃ急で雪深いのでイヤ)、こんな早い時間に最短距離で駐車場に帰ってしまうのも残念な気がします。


フト上を見上げます。・・・もう一回、上っとく??(^_^;)
そんなに急な斜面ではないので(下りてきたのはもう少し急なところでしたが)どんなふうにでも午前中に歩いていたエリアに戻ることはできます。200mくらい上ることにはなりますが、風が強いとはいえ最近めったにない晴天の日にハイキングに来たのに大急ぎで帰るのはもったいな過ぎます。もう少しこの景色を楽しむために行きと同じあたりを通って下りていくことにしました。


ブルフィエ避難小屋を後にして。


今回は強盗マスクも持参で風対策は万全です。


そこら辺を登り切ったら反対側にぼちぼち下りていくつもりです。


稜線に近付くにつれ風がどんどん強烈になってきました。朝よりもひどくなっています。


避難小屋からだいぶ上がってきました。
お昼前には軍隊の人たちをはじめ他にもハイキング客(主に山スキーヤー)を見かけたし多かれ少なかれみんなこの辺りを通過したはずなのに強風がすべてのトレースを消し去って人の歩いた跡はなにひとつ残っていませんでした。


強風で雪が吹き飛ばされ地面が出ている場所も。


行きよりもだいぶ北側まで歩いてから下り始めました。
反り返ったみたいな形をしたグラン・ガルベールの右奥はグランド・ルース山塊、左奥はベルドンヌ山塊。


その谷のような形になったところから下りていきます。


斜面の部分に入ると風がピタッと止んでスキーのトレースが多く残っていました。帰りに唯一すれ違った山スキーヤーさん。テント泊みたいです(@_@) この日は晴天だったけど夜から下り坂になり明日は一日中雨(このへんだと雪?)の予報だというのに。。


森の部分に戻ってきました。


林道に交わりますが、グネグネと大きくカーブしているのでショートカットしつつ下りていきます。通り抜けやすいところには既にトレースがあるので迷わずラクチン。


スキー場の正面まで帰ってきました。この正面の山のすぐ左手にゲレンデがあります。


先ほど稜線の部分にいたと思われる兵士の人たちがトボトボと歩いてました。先ほどは全員そろってガシガシと元気よく歩いてましたが、帰りは自由行動?のようでバラバラに帰ってるみたいです。


駐車場、というか除雪されてる最終地点に戻ると・・ぎょぎょっΣ(゚Д゚)
朝は除雪車以外は誰もいなかったのにこの盛況ぶりです。
あれ、でもよく見ると・・軍隊関係の人がほとんどみたいです。


隣にでかいの停まってるし(*_*)


軍隊マニアでもトラックマニアでもないけど、ブログ用に写真写真(;´∀`)
(チロルさん見てますか~~)


何積んでんの?って思ってたらその想いが通じたのか(;´∀`) 兵士の兄さんが後ろの荷台をガシャーンと開けてくれました。ベンチになってました。あー、これにみんな座って運ばれてきたんですね。山道、乗り心地悪そうですけど・・・


暖かくて気持ちがよかったのでやたらダラダラと時間かけて出発準備をして車の中で菓子パンを食べて保温マグの生ぬるいコーヒーを飲んでから帰途につきました。


少し下りると先月子供たちと来たアルプ・デュ・グラン・セールのスキー場があります。平日でバカンス時期でもないためか人気はなく静まり返っていました。

スノーシューハイキング、本日の頂上から避難小屋へ

自宅から2時間弱で行けるタイユフェール山塊。林道の除雪されていた最後の地点、標高1500mから歩き始めました。


この地図に名前も載っていない丘が簡単に登れそうなので(^▽^;)本日の頂上とすることにしました。👇

窪みの部分は湖になっているようでラ・クルブ湖と地図に名前があります。てっぺんに名前はないのに湖には名前が付いてるんですね。ちなみにクルブ(courbe)とは曲線のことです。なるほど、たしかに曲線が印象的な地形になっています。


あれ、山スキーヤーかスノーシューか分からないけどひとりぽつんと立っています。


こうして見るとなんか別の惑星のようにも見えます。


「あれや(;´∀`)本日の頂上は!」と決めた地点から30mか40mくらいしかないのであっという間に登れちゃいます。あともう少し~!


ハイ、もう着きました。あっけない。。(;´・ω・)
もう少し手間のかかるトコがあれば良かったんだけど、手ごろなのが見つかりませんでした💧


この位置からだと、ル・タイユフェール(2857m, タイユフェール山塊の最高峰。日本で県名と県庁所在地が同じ名前、みたいな感じ?😅)の山頂らしきものが見えていました。


シャルトルーズ山塊。


今日ずっと見えてるけど、改めて(^^; ヴェルコール山塊。左端に近い扇型の山が最高峰のグラン・ヴェイモン(2341m)。右端に近いちょっと高くなっているのはヴェルコールの中でもわたしが好きなエリア、2姉妹峠(ソフィーとアガットというふたりの女性の名前のついた山の間にある峠)やグランド・ムシュロールといった登り甲斐のある山が揃っています。


ベルドンヌ山塊。中央やや右が最高峰のグラン・ピック・ド・ベルドンヌ。秋以来一度も行っていません。標高の割に他所よりも雪深いことや、林道スタートのコースが多く、除雪具合で相当標高低いところから歩かされるしコース自体も急なところが多く、自然足が遠のきます(~_~;) 雪どけを待つことにします。。


そしてもっと手前の台地のような地形になっている部分、この平たい部分は無数の湖や水溜りが集まる湿原エリアになっています。その一番奥の高くなっているのがグラン・ガルベール(2561m)。先月下旬に友達とここを目的地にスノーシューハイキングをしたのですが(まだアップしていません)、調度山頂付近が思いっきりガスってたため途中までしか行かなかったのでした。この日、今いるこちら側を眺めて「うわ、あっち方面もきれいなー」って思ったのが今回ここに来るきっかけになりました。


グラン・ガルベールの後ろにはモンブランが薄っすらと。


グランド・ルース山塊。


パラパラパラ・・・・
あーっ、またセスナ機。すぐ上空を旋回してまた離れていきました。この日何機見かけたか分からないほどたくさん飛んでいました。


ここは地図上では2459mと載っている地点なのですが・・気になってフト見てみると…
相変わらずちょっとの誤差はご愛敬(;^_^A
到着して写真を撮ったりしてると11時半近くになっています。
どうしよう、お昼・・・「本日の頂上」だからここがいいのかもしれないけど、風が強すぎてとてもご飯食べる気にはなりません💦
あの避難小屋・・・ここに来る途中に見えた盆地状の地形のところに湖があり、その畔に避難小屋があります。その場所自体には2度、避難小屋には一度行ったことがあるのですが、そこの小屋で食べるというのがいいかも✨確か1年中鍵は開いており使えたはずです。


そうと決めたらさっさと下ります。


行きに通ったところよりも、直接小屋のあたり目指して下りていくことにしました。といってもここからは小屋は見えないので大体になりますが(;´∀`)


グングン下りてきました。
あれ・・上の方に人がいっぱい・・・?


軍隊の方たちが訓練中でした。少し前には射撃訓練の音がパンパン聞こえていました。


こんな感じで下りていこか・・・おーい、小屋、どこだぁ!?


あったあった、避難小屋(^^ゞ


だいぶ下りてきました。


自分のトレース。


ブルフィエ避難小屋に到着です。


ちゃんと扉が閉まらないのでしょう、誰かが幅の広いゴムを使って何とか閉めてくれていました。来たことがあるとはいえ、ドアを開けるのはドキドキです。


ドアを開けた瞬間、風で雪が舞い上がりました。



たいして進んでいませんが、今からうちを出るのでここで一度投稿します。