フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

マイナス20度の世界へ(前半)

今週フランスを襲った大寒波。各地で最低気温の記録を塗り替えました。
特にひどかったのが火曜と水曜ですが、仕事が休みだった火曜は山に行ってきました。寒がりで冷え性なのに・・・


7時半に駐車場に到着。昨日は雪の予報は出ていなかったのに前夜降ったものと思われる雪が積もっていました。
天気予報では曇り。もう少し遠くまで行くと晴天の予報が出ている地方もあったのですが日曜にも友達とスノーシューハイキングに行っていたので(しかもわたしの運転)、あまりたくさん運転したくも長く歩きたくもないなーという気分でした。


上は標高約1000mのランス・アン・ヴェルコールの町の天気予報、前日に寝る前(時間見ると午前1時50分。はよ寝ろよ)に見たものです。目的地の峠は1736m。標高が100m上がると0,6度気温が下がると言われているので・・・マイナス22~23度!?マイナス15~16度くらいまでは体験したことがありますが、マイナス20度以下というのはわたしの人生初の体験です。なんかことわざがひとつ頭に浮かんできました。「飛んで火に入る夏の虫」クスッ(≧∇≦) しかも全然夏じゃないへんにまたウケる・・・


すでに2台いい車が停まっていますが、車の下には雪がないので恐らく前日からでしょう。宿泊もできる山小屋があるのでそこの人がかお客さんかもしれません。


車から降りると・・・さ・さすがに寒い’~~(゚Д゚;)ブルブル
ひとつひとつの動作が鈍ります。寒いときは出発準備にやたらと時間を食ってしまうのですが今日はさらにスローモーションです💦


緩やかな傾斜の道を登っていきます。


広々とした草原の部分に到着です。しばらくすると山小屋が見えてきました。
手前の空は明るいのですが、目的地の方はガスっていて稜線のラインもはっきりしません。


はいはい、出ましたよ~
お馴染みの「スノーシューのやつは低いとこウロウロしとけよ(わたしが勝手に言ってるだけです)」コースの案内表示が時々立っています。


しばらくは森の中を歩きます。


夏のコースと共通なのでスノーシューやスキーでは少し通りにくい細い場所も時々ありますが、無理して通らなくても平行した広い辺りを歩いてもいいので困るようなことはありません。


予想はしていましたが誰もいません。黙々と歩きます。心配していた寒さですが、森の中は風もなく、手のしびれもなくなってきました。普段のちょっと寒い日と変わらない感じです。


分岐に着きました。ここで「スノーシューのやつは低いとこウロウロしとけよ」コースからの警告が。「あなたは安全なエリアから出ようとしています。危険を察知してください」


向かいの山肌


前の晩に降ったのであろう雪で木の枝が白くなっています。


小屋の屋根の端っこのようなものがほんの少し覗いています。


峠方面


木に積もってる雪にズーム。きれいな形をしています。


その斜面を登ります。


コース的には大きくジグザグして登るようになってますが、直接真上に上がっても大した傾斜ではないので最短距離で登ってきました。この2日前にも友達とスノーシューでハイキングしましたが、めっちゃ急な斜面をたくさん登ったので、この程度の傾斜は緩やかに思えます(^^;


このあとはさらに緩やかになります。
雪の表面が凍って硬く靴のままでも大丈夫だったので今までスノーシューはザックに引っかけていましたが、この辺で足がだいぶ沈むようになってきたのでようやく装着します。


もう峠はすぐそこですが、やはりガスっている感じです。
ここは城壁のように50キロメートルにわたって南北に延びるヴェルコール山塊の北の端に近い部分にあたり、その向かいにはベルドンヌ山塊などの山が控えているので盆地になるためガスが溜まりやすいのです。それが低い位置だと雲海になってきれいのですが・・・


北側の空は明るいしガスってもいません。
この辺りは風が少し強く、元々恐ろしく低い気温なのに加え体感気温がさらに下がった感じがします。キツい・・・


あっ。ガスの中に入ってきた感じです(;´Д`)
やっぱりか。。


間もなく到着します。



後半に続きます。

食のセレクトショップ・イータリーでお買い物

子供たちと週末に出掛けた北イタリアはトリノ。2日目は中心地からは離れた自動車博物館へ。2時間半くらい一緒に見ていたのですが、最後まで見るのには結構かかりそうです。2度目ということもあり少々疲れてきたのでわたしだけ先に出て夕方入り口で待ち合わせすることに。


その間出掛けたのは、こちらです👇

日本をはじめ今や全世界に数十軒の支店を持つ食のセレクトショップ「Eataly イータリ―」です。EatとItalyを掛け合わせたネーミングです。2007年にこのトリノの店が第一店としてオープンしたのが始まりだったようです。


初めて来たのはもう6~7年前になると思います。以来、トリノに来たら必ず寄ります。


昔アルコール飲料の工場だった建物を利用していると最初に訪れた時に案内してくれたイタリア人の友人が言っていました。


なるほど、工場っぽさが生きた天井の高いおしゃれな内装です。


コンセプトも面白いです。ここは野菜や果物のコーナー。サラダなど野菜が主役になった食事が向かいのカウンターでとれるようになっています。


天井は部分的にガラス張りでこの日はどんよりと曇っていましたがお日様が入ってくると気持ちが良いです。


こちらはお魚屋さん。手前のカウンターでは海鮮リゾットやタイのカルパッチョ等の一品料理が提案されていました。


烏賊を買うお客さんがありました。
タコがそのすぐ隣に見えるんですが、フランスではほとんどタコは売っていないので一瞬買って帰りたくなりましたが、あと数時間も生タコ持ってウロウロするのはNGです(^^;)


お肉エリアに移動。
きれいなお肉・・・全体的に街中の一般的な店に比べると高い目になっていますがお肉に関してはそんなに高くは設定されていないように思われました。


フレッシュチーズのコーナーです。
ザーッと水牛乳のモッツァレラが加えられました。


わたしが次に進もうとするとお兄さんが「あ、待って待って!」と急いでモッツァレラを切り始めました。ジューシーでコクがあってフレッシュでオイチイ✨オリーブオイルと美味しい塩でもあれば最高の一品になります。しかもセール中・・しかし長距離バスでうちに着くのは夜の0時近くになります。残念ながら無理(T_T)


ひょうたん型のチーズはいかにもイタリアっぽいです。フランスには全くありません。
スモークした茶色っぽいやつも見えます。


フレッシュチーズ以外の普通のチーズはこちら。フランスと同じくらい種類があります。
タイプ別に分別して陳列されています。


サラミやパルミジャーノ。どちらもフランスより安いので少し買い物かごへ。特にサラミはフランスであまり見ない小さなサイズがありました。山行きによさそうです。


チョコレートでできたトリノのシンボルマーク、モーレが堂々と飾られていました。


トリノのあるピエモンテ州は質のよいヘーゼルナッツで有名。スプレッドが各種揃っています。


お土産に配るのによさげな可愛い包みの小さなキャンディー。とてもたくさんフレーバーがあり、どれもイラストが違います。


マジャーニは日本でも買えるようですが(ほーんと何でも手に入る国です@_@)イタリア最古のチョコレートメーカーです。フィアットとコラボのラインがたくさん出ています。プレゼントのギフトボックスだとフィアットの車のミニカーが入ってるらしいけどそうでない普通の商品だと何かフィアットらしさがあるのか・・買わなかったので分かりません。日本のおまけつきお菓子みたいに(おまけの方がメインみたいな😅)何か入ってると楽しいんだけど。


日本のデパ地下のように試食コーナーがときどきあります。


イータリ―でウロウロしていると、フェイスブックにお友達申請が来ています。誰だろ・・知らんな。あれ?なんか見たことある?開いてみると朝職務質問されたのちコーヒーを一緒に飲んだポリスの一人でした。名前から探し出したみたいです。承諾するとすぐにメッセージが来ました。「僕今さっき仕事終わったんだけど、まだトリノ?コーヒー飲もうよ」
もうだいぶお店も見たし、子供たちを自動車博物館に迎えに行くまで1時間ほどあるなーって思ってたところでした。イータリ―はウロウロしてて楽しいんだけど、日曜の午後ということでどんどん人出が増えてきて疲れてきたのでどっちみちそろそろ出て近くのカフェで時間を潰そうとしていたのです。観光エリアではないので散歩しても楽しくないし・・それにここで買った大量の食材が重くて必要最低限以上には歩きたくない感じです(-_-;)


イータリ―前に来てもらいました。
昨日今日とお天気イマイチでしたが帰る直前になって晴れ間が出てきています(;´Д`)
近くのカフェで30分ほど話しました。といっても英語なのでかなり大変でしたが・・・
博物館で子供たちと待ち合わせなので移動。少し早く着いたのでエントランスのソファーで出てくるのを待ちます。


わたしと同い年の子煩悩なお父さんでした。離婚した奥さんの間にいるふたりの子供(女の子という違いがありますが)もうちと同い年。娘さんたちの写真を探して見せてくれてます。


間もなく子供たちが出てきたので「こちら○○さん、今朝職務質問してきたポリス😅」と紹介。メトロの駅まで荷物持つよ、というので10分ほど歩きます。
わたしはイタリア語はほどんど分からないのですが中学、高校で第二外国語で選択している長男は結構話せます。ポリスとイタリア語で談笑する長男。
今度トリノに来たら連絡頂戴、またコーヒー飲みましょう、というポリスとメトロの駅前で別れ、長距離バス乗り場にもなっているポルト・スーザ駅に向かいます。


メトロの駅を上がると国鉄駅になっています。トリノに3つある国鉄駅のひとつです。


帰りのバスの値段は行きの半額くらいだったので利用者が少ない時間帯なのかな、と想像していたらそんなことはなくて行きと同じくほぼ満席でした。
フランス国境に入ってしばらくしたサービスエリアで停まったときポリスが入って来て全員の身分証明書をチェックして回りました。先ほど一緒にコーヒー飲んだ人と同じ仕事をするフランス側のポリスです。


イータリーで買った生ハムとパンをバスの中で食べました。生ハム、衝撃のうまさでした。どうしてもっと買わなかったんだ・・・


イータリーで買い漁った食材。
ワイン買わなかったので大したことありません(;・∀・)
気になるものはたくさんあり過ぎてキリがないのでほとんどのものは欲しくても諦めました💦



長くなったイタリア週末紀行、読んでいただいてありがとうございました。
次からまたハイキング記に戻ります。

トリノ自動車博物館へ

1週間ちょっと過ぎてしまいましたが、北イタリアのトリノへの週末旅行、メインの目的は自動車博物館です。博物館のHPによればザ・タイム紙が選ぶ世界のトップ50の博物館・美術館の第35位にエントリーされているそうです。
3年半前にも子供たちと来たのですが、自動車オタクの次男のリクエストでまたやって来ました。


博物館は町はずれ、フィアットなどの工場街だったリンゴット地区にありメトロの終着駅になります。もともとはフィアットの創始者のひとりのアイデアでその息子が実現させたそうです。


まず入り口付近に展示されているのがもっとも古いコレクション。1769年に造られた蒸気自動車です。


大まかに言うと年代順に展示されています。展示の仕方が凝っていて洒落ているのです。例えば、この19世紀の自動車のコレクションのエリアは当時の自動車工場をイメージした内装になっています。


イタリアやフランスの車が多いです。今は存在しない会社のものもかなりあります。


一番奥は修理工場の整備士や生産工場のエンジニアの仕事スペースを再現してありました。


映画にも登場したような優雅な車のエリアに入ってきました。女優の大きな写真がバックに飾られています。車が登場する当時の映画もスポット的にスクリーンに映し出されていました。


次男、買ったばかりのカメラでいっぱい撮っています。


当時の車ってすごい凝ってたんですね・・・ディティールの美しさにため息が出ます。


アメリカ車はあまりたくさんないのですが、第2次世界大戦中のアメリカ軍の部隊が再現されたコーナーがありました。


これは有名なジャガーEタイプ。エンツォ・フェラーリに「(すべての時代において)最も美しい車」と言わしめた優美なライン。


上は車が大衆化してきて人々の生活に少しずつ馴染んできたころでしょうか。
博物館は車だけでなく、イタリア・ヨーロッパの歴史や生活も絡めた展示が多く、車が特に好きでない人でも楽しめるように出来ています。


BMWがこんな面白いオモチャみたいな車出してたんですね。今のシャープでラグジュアリーなイメージからは程遠いです(^^;


1954年製造の車ですが最高250キロ出たんだとか(@_@)


これはシトロエンの歴史に残る有名なモデルDS(初代)。ド・ゴール大統領をはじめ歴代の大統領の車に指定されていました。


お勉強コーナーもあります。手前はベンチになっていて画面をタッチして年代を選ぶとその時代の国別生産台数だとか数字的なことがグラフになって出てきます。


なぜかトイレは蛍光グリーン一色・・・何か理由でもあったんでしょうか。分からずじまいでした。


メカニックマニアお待ちかねのエンジンのコーナー。ピッカピカに磨き上げられていて芸術品のようです。これはレース用のアルファロメオのエンジンで通常よりかなり大きい。


ホイールの歴史も。


全体的に暗くて落ち着きます。


クラブの入り口みたいですが・・
これは面白いコーナーです。最も○○なクルマ、をガラスケース内のミニチュアカーでユーモアを交えて紹介しています。


「最も大衆的だったクルマ」「最も小さかったクルマ(先ほどのBMWです)」「最も車高の低かった車」「最も高価だったクルマ」「最もボンドガールだったクルマ」などいっぱいありました。


トリノ市街地がパネルで表示されており、手前にあるボタンで昔存在した自動車工場が表示されるようになっています。もちろん上を歩いてウロウロすることが出来ます。


・・・と、ここら辺で子供たちと一度別れ別行動に入ります。まだ3分の1ほど展示が残っているのですが、見るの2回目だし(少しリニューアルしてる部分もあるとはいえ)、もう十分すぎるくらいクルマは見ました(;´▽`A`` 彼らがこの後もゆっくり楽しんでみて回る間、わたしは博物館から徒歩10分ちょいで行ける食のセレクトショップ「イータリ―Eataly」へ。日本にも支店がいくつもあるのでご存知の方もあると思いますが、ここが2007年にオープンした第一号店です。


一応目玉のひとつであるフォーミュラ1やラリーなどの車のの展示が残っているので駆け足でも写真を💦


歴代のレーシングカーが順番に展示されています。


歴代有名チャンピオンたち。最後はアイルトン・セナやシューマッハで終わっています。


乗り物の可愛いイラストで有名な日本人アーティストとどろき智弘さんの展示コーナーがありました。



あまりに広くて端折りまくりの自動車博物館紹介でした。たぶん興味ない人も多いと思うので手短にまとめましたが、紹介していない部分がこの何倍もあります。そこそこしっかり見て半日(前回はそのくらい滞在しました)、好きな人なら丸1日でもいられそうな観光スポットです。


次回はイータリーの紹介でしつこかったイタリアシリーズを終えたいと思います。わたし自身たいがいイヤになってきたので短く書くようにします(;'∀')