フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

Dさんにスイッチが入った日

穏やかで常識的なキャラの(はずな)山友のDさんなんですが、時おりおかしくなることがあります。


先月、南仏寄りのお山にスキーしに行った時がその典型でした。
冬は雪が少なかったけれど、4月はよく降ったようで峠道から直接スキーできるだけの量の雪がありました。


わたしもこの日はいつもより元気で!?歩くのが速いDさんにだいぶついて行けていた感じでした。これは出発から1時間くらい登ったところです。気合いが入っていたので、駐車場からこの地点までの写真は1枚も撮っていませんでした。わたしにしてはとても珍しいことです。


この地点に来るまでに、少し前を歩いていた数人のスキーヤーさんを抜かしていたのですが、遥か遠くに点にしか見えないスキーヤーさん達をも「あいつら抜かせそうやな。行くで」と誰かさんが乗り移ったような(このブログを以前から読んで下さっている方には、誰のことか分かるかと思います…)セリフが出て、調子が良かっただけに「よっしゃ」と答えたわたしともども、軍隊の訓練であるかのように加速しつつ登っていきました。


その結果。
抜かした人たちに抜かし返されてはいけない、と必死で登り続けた結果、これだけ距離を離すことができました。もう、しんど過ぎて吐き気がするくらいです。
「ちょ、ちょっと苦しい・・・」とDさんに言うと「あれあれ~、リラックスしなきゃぁ(はぁ!?)ゆっくり、ゆっくり、自分のリズムで歩けばいいんだよ」と穏やかに諭してきました🤣


諭した直後、またガシガシ登っていくDさん。
リラックス?自分のリズム?そんなもん存在したのか?
自問自答しつつ必死でついて行きます。


ほぼ稜線まで登ってきました。


一足先に頂上に着いたDさん。
「頑張ったね~」


2900m台の山頂で撮ってもらいました。
本当の頂上は、多分奥の尖がったところのような気がしますが、面倒くさくて行きませんでした。1分か2分くらいで行けるので、Dさんはそっちまで行っていました。


Dさんが端っこまで歩いて行ってる間におやつ。
最近よく食べているアジア食材店で買ったベトナム製のお菓子です。
ドライバナナ、ピーナッツ、ココナッツ、胡麻が練りあわされていて結構おいしいです。
ただ、めちゃくちゃ硬いです。


風が強くて、とてもご飯は食べられそうになかったので、間もなく下りる準備を始めました。


下りていきつつ。
中央やや右下に先ほど抜かしたグループが見えています。
挨拶しましたが、フランス人の60歳前後くらいのガイドさんと3、4人のドイツ人スキーヤーさん達でした。


頂上方面を振り返って。
期待していたほど、よい雪ではありませんでした。
でもたっぷりとあっただけでも嬉しいです。


風が少ないところがあれば、お昼ご飯を食べて帰りたいところです。


半分以上下りたところにある山小屋を風よけにしてランチにしました。
食料は雪の上に置きましたが、わたし達は小屋前の木の板に座っています。


食べ頃のルブロッションチーズ。
雪山だから、そんなに臭わなかったけれど、暑い季節になってくると、ザックの中が臭くなってしまいます。


こないだのスキー記にも登場したイチゴジャム付き駄菓子。
どんなけ好きなんだという感じですね(^^;)


無事に下りてきました。
この日はあまり写真を撮らなくて、ご飯から駐車場まで写真ゼロでした・・・


お読みいただいてありがとうございました。

大先輩、ちょっとピンチ

75歳のベテラン山スキーヤーのGさんと先月、一緒にハイキングに行った時のお話です。


森を抜けて、稜線まで登った後、反対側の谷に下りてきました。
その後、また別の稜線に登り、切れ目のようになったところから反対側に越えます。
後方左に見えているのはモン・ブラン。
ここボーフォータン山塊では、なかなか近くに見えることが多いのです。


反対側も、緩やかな感じのデコボコが続いています。
山スキー初心者のわたしにも滑りやすい、比較的安全なエリアだと言えると思います。


振り返って。
先ほど休憩する少し前からGさんが急にスピードダウンしてしまって、休憩後もあまり元気がありません。
Gさんと親しい山友のDさんから聞いていたのですが、甘いものがあまり好きではなくて、ほとんど口にしないGさん、ハイキング先で時々低血糖症気味になることがあるんだそうです。休憩中も炭水化物はとっていたようですが、甘いものはなかったはず・・・


Gさんを待ちつつ、雪の上にストックの先でハート形をいっぱいつけてみました。
真ん丸ではなくてハート形のスノーバスケットなのです。


Gさんの体力が戻って来るかどうか分からないので、頂上は置いておいて、とりあえずはすぐその先に見えている峠っぽくなっているところまで登ることにしました。


遠くから見て人間のトレースかと思っていたのは、シャモアかアイベックスの足跡でした。


Gさんが峠で「大丈夫、ゆっくりだけど歩けるからそこの低い方の頂上まで行こう」と言うので、先に登ってきました。


左奥がモン・ブラン。
水力発電をしているロズラン湖が麓に見えています。


間もなく到着したGさん。


ここでランチにしました。


ボーフォール、山羊チーズ、サラミとパンです。
写っている葉っぱは、ジュニパーベリー。初夏にネズの実が生ります。


甘いものはほとんど食べないGさん。
「低血糖症は怖いですよ!」と手作りチョコレートケーキを一切れ上げました。
「とってもおいしい。ありがとう」と喜んでくれました。


チョコレートケーキで元気が出た!?Gさん。
パワーアップして峠を挟んだ高い方の頂上までグングン登っていきます。


間もなく頂上っぽいです。


モン・ブランをバックにGさん。


わたしも一枚撮ってもらいました。


下りていきつつ。
山スキー歴40年以上というだけあり、スキーがとっても上手でカッコいいです。


眼下にあるのは、先ほど見えていたロズラン湖よりもっと小さなサン・ゲラン湖です。
こちらでも水力発電をしています。


振り返って。
日当たりが良くて雪が融けてきている南斜面でした。


サン・ゲラン湖も半分ほど氷が融けていました。


林道で見かけた氷瀑。


林道の途中でThe end of 雪になり、最後は少しスキーを抱えて歩きました。


無事車まで戻ってきました。


麓の村まで下りて、飲み物をおごってもらいました。


ここはボーフォール(チーズ)の名前の元になっているボーフォール(町)です。町中の広場の壁にあったイラスト。


すぐ隣にあったイラスト。
周りには峠道など山道が多いので、夏にはサイクリストさんもよく来ます。
ここから始まるコルメ・ド・ロズラン峠道は2年くらい前のツールドフランスも通りました。


ボーフォールの町に来てボーフォールの農協に寄らない手はありません。


明るくてセンスの良い店内。


メイン商品はもちろん、ボーフォールです。
少し切ってもらいました。


他にも色々あるけれど、いつも買うのはバターです。右に積んであるのがそれです。
お料理にはあまり使わないけれど、パンに塗って食べたり、お菓子作りに使ったりで結構消費しています。


おうちに連れて帰ってきた子たち。


Gさんとのスキーハイキングの記録。
一日ゆったりと歩いた印象でしたが、案外1500m近く登っていました(^-^;
周回のコースを考えて&リードしてくれたGさんには感謝です。


お読みいただいてありがとうございました。

75歳の大先輩とスキーハイキング

以前にも登場したことのある75歳でまだまだ現役山スキーヤーのGさんとハイキングする機会がありました。日が経ってしまって、もう1か月も前のお話ですが、お付き合いくださると嬉しいです。


Gさんとの待ち合わせ地点の駐車場にて。
わたしは10分前に、Gさんは5分前に到着😊


行き先はGさんに決めてもらいました。
雪の量も質も悪くなさそうだったボーフォータン山塊が今回のハイキング先です。


「あれっ、思ったほど雪ないなぁ」とGさん。
雪まで遠そうなので、板はザックに引っ掛けて歩くことにしました。


車を振り返って。
反対側の道へと進むと、比較的すぐに雪に到着できそうなのですが、今回は周回コースを考えてくれているようで、あちらの道から帰ってくることになっているんだとか。


林道を歩いていると長くかかりすぎるので、野原をショートカットしつつ登っていきます。
4月にしてはまだまだ寒くて霜は降りているけれど、雪はほとんどありません。


かなりの急斜面をサクサク登っていくGさん。
ちょっとついていけません(;´Д`)


30分以上登って、ようやくまとまった量の雪がありました。


スキーを履いても登るのが速いGさん。
75歳でこの速さなんだったら、若い頃はどんな体力だったのでしょうか⁉


置いていかれないように必死で追いかけます。


奥に見えているのは、このエリアの中心的なお山「グラン・モン・ダレッシュ(アレッシュの大きな山、の意味)」。夏山で一度登ったことがあります。


一度森林限界を越えたかと思っていたら、また少し森の中を歩くようです。


夏山ハイキングコース通りに登るのは時間がかかり過ぎる!と木がいっぱいの急斜面を近道で登ってくGさん。ハチャメチャぶりも75歳とは思えません💦


木の枝が引っ掛かって登りにくいです(-_-;)


ようやく稜線に出てきました。
Gさんがスピードダウンしているのを見計らって、スピードアップするわたし。
ただ、こっち方面ではなくて、後方の稜線の端っこの高いところまでGさんは登る予定だったんだそうです(^^;)
「でも、ここから一度谷底まで下りるから、別にどっちに登っても大して変わらないよ」とこちらまで来たGさん。


景色が良かったので、写真をお願いすると「そっちへぐるーっと回ってみ。動きのあるいい写真になるから」とGさん。


なだらかな斜面を下りてきました。


川まで下りてきました。
反対側に渡る必要があるそうです。


上から見てると、どこも川幅は狭そうに見えていたけれど、いざ近づいてみると案外渡れそうなところが中々ありません。


何とかいけそうなところからチャレンジするGさん。
身長が185センチあるGさんは足も長くて大丈夫だったけれど・・・


濡れた岩は滑るのでドキドキ。
Gさんに手を借りて、なんとか渡りきることが出来ました。


川を渡った後は、また登ってきます。
ハイキングコースでもなく、誰かが登ったトレースも全くない斜面ですが、昔2,3回来たことがあるというGさん。土地勘があるらしく、地図も見ないでさっさと登っていきます✨


まだ山頂まで結構あるから、ちょっと休憩して何か食べていこう、とGさん。


魔法瓶には紅茶、保温ジャーには野菜たっぷりのリゾット的なものが入っていました。
お腹が空いていたそうで、半分ほど食べておられました。


わたしは甘いものにしておきました。
イチゴジャムのついたお気に入りの駄菓子です。


おやつ休憩のあとは、斜面を登り続けます。
動物の足跡が続いている方向の、稜線の切れ目から反対側に渡るんだそうです。


氷柱の奥に見えているのはモン・ブランです。


後半に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。