フランスで山歩き

仏中東部リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

リヨンの町を早朝散歩(後編)

昨日は休みだったのに山の天気予報が悪かったのでハイキングには行かず、朝日を見に町の高台に歩いて行った後、久しぶりに好きな界隈を歩いてみました。気分はツーリストです♪・・てか風景の写真とか撮ってるしどっから見てもツーリストにしか見えてないことでしょう(^_^;)


ゴシック、ルネサンス期の建物が多く残る旧市街地の一番北の端のエリアまで歩いてきました。中世にユダヤ人が多く住んでいたことに由来するジュイヴリー通り(フランス語でユダヤ人はジュイフ)。
角に17世紀の大きな邸宅、ドゥガ館があります。ライオンの頭がいくつも装飾に用いられているため、別名「ライオンの頭の館」と呼ばれています(そのまんまですが💦)。
アーチ形の部分の造りが典型的なフィレンツェ風(当時の)だといわれています。


よく見るとひょうきんな顔をしています。


この通りの素敵なところは、その住所にかつて住んでいた一家(どれも名家です)の名前と紋章、その時期がかかれた看板が昔風にかかっていることです。これはここの通り以外のところでは見ることができません。時期もバラバラですし、当時こんなものが実際にかかっていたわけではないにしても、雰囲気を醸し出す素敵なアイデアだと思います。


通りにはレストラン、掛け時計屋さん、古本屋さんなど数軒の商店があるのですがこんな朝早くに唯一灯りが付いてて誰か働いてたのは何と設計事務所でした(;・∀・)


通りはそんなに長くなくて、間もなく終わりになります。その前に見ておくものがあります。このような看板を旧市街地を中心に時々街中で見ることがあります。歴史的建造物の説明となっています。この建物もそうなのですが、一部の歴史的建造物の住宅は町と協定を結んでおり、管理費を町が払う代わりに建物の内部を観光客に開放する、というものです。つまり夜間や週末以外は建物の入り口が解放されておりそこの住民でなくても建物の中に入れるというわけです。
日本は治安が良いからなのかどうか分かりませんが、マンションやアパートのエントランスに鍵が必要なくて誰でも建物の中に入れてしまうところも割とあるように思うのですが、フランスは基本、住宅として使われている街中の建築物のエントランスには鍵がかかっていることが大半です。


こんな感じです。ちょうど管理係らしい住民のおじさんが開け放って、自転車で出勤?していきました。


人んちなので、もちろん郵便受けが並んでいます。


ここは旧市街地の中でもわたしが特に好きな建物です。
何がすごいかというと・・・


まずは井戸もある小さな中庭があります。
そして・・・


薄暗い廊下を進むと・・・


もっと大きな、そして華やかな中庭が現れます。空が見えていますけど、これは表に全く面していない、四方を建物に囲まれた中庭です。つまり、建物の中でふたつの中庭が連携しているのです!16世紀前半にリヨン出身の天才建築家、フィリベール・デロルムがわずか26歳の若さで「建物を壊さずに」ふたつの中庭を繋げ、しかも当時のフィレンツェの劇場風の優美な装飾を施すことに成功しました。


大きな中庭から見た小さな中庭。


建物から出てジュイヴリー通りを振り返って。


すぐにサン・ポール駅があります。小さいですがれっきとした国鉄駅で、郊外に行く電車が出ていて主に通勤・通学の人に使われています。教会はサン・ポール教会。


この辺りはソーヌ河に近いです。つり橋があるので渡ってみます。


建物の壁がピンクだったりオレンジだったり、屋根はレンガ色をしています。これをもってリヨンがフランスを南北ふたつに分けた場合「南の入り口」とする人もあるようです。冬は底冷えするしとても南という感じはしないですが・・(^_^;)


つり橋から振り返ると、先ほどまでいたフルヴィエール寺院の塔の端っこが見えています。エッフェル塔もどきのテレビ塔も。


つり橋をわたったところに可愛いパン屋さんがあります。しかもおいしいのです✨


石うすで挽いた小麦粉のバゲットとスペルト小麦のパンを買いました。めちゃくちゃいい匂い😻


建物の外には配達用の電気自動車が停まっています。


そのすぐ裏に観光名所として有名な建物があります。


リヨンには壁にだまし絵の描かれた建物がたくさんあるのですが、これは圧倒的に有名なものです。リヨン出身の歴史上の有名人が勢ぞろいして建物のベランダや窓に佇んでいるのが描かれています。ポール・ボキューズ、星の王子様の著者アントワーヌ・ド・サン・テグチュペリ(リヨンの空港も「サン・テグチュペリ空港」といいます)、映画を発明したリュミエール兄弟などが誰でも知っているところです。


フランスでもなかなか見ないヴァイオリン専門店です。


しばらく歩き続けると・・・


市庁舎のあるテロ―広場に到着します。


これは・・もう1年以上修復工事しているのですが、ニューヨークの自由の女神の作者であることで有名なバルトルディの噴水があります。なんでこんなに時間がかかるのか…フランスで謎なことのひとつです。


これは裏側ですが、市庁舎が広場の一角にあります。


こちらは市立美術館になっています。


広場から市庁舎沿いに歩いて建物の反対側、つまり正面玄関側にきました。こちらも広場になっています。


向かいにあるのは先ほど丘からも見えたオペラ座です。
管弦楽団が独立しており、ディレクターは日本が世界に誇る偉大な指揮者・大野和士さんが10年間務められましたが、昨シーズンを最後に辞められたばかりです。


ここからローヌ河を渡ると新市街地側になります。うちまで歩いて帰りましょう。
20分ほど歩くと、わたしのお気に入りのパン屋さんがあります。


さっき寄ったパン屋さんはパンは超おいしいのですが菓子パン類がイケてません。こちらはどっちもおいしい💕でもパンの味というかタイプもちょっと違うので、どちらが美味しいか、とは即答できません(^^ゞ
いっぱい歩いてお腹が空いてきたので(朝ごはん食べたんですけど)、ちょっと休憩です。ここは広くてイートインスペースもあります。


スペイン式、レンガのハンドルでくるくる回すタイプの石窯があります。なので、店内がめちゃくちゃ暑い(◎_◎;)


いただきまーす(≧∇≦)


めっちゃ細いフィセル(細いバゲット)。皮好きで中身あんまりいらんわたしにさえ細すぎる・・・


いろんなパンが並びます。


そして、場違いにクルミオイルが売っているのです。親戚だか実家だからしくて、秋から冬にかけては殻付きクルミそのものも売っています。以前2度購入して、とってもおいしかったので(何より風味がフレッシュ)、買っときました。クルミやヘーゼルナッツオイルは古くなると匂いがウッとなるので、製造から流通まで時間がかかるスーパーよりも直接小規模の生産者から買うのが一番です。リヨンから近いグルノーブルあたりはクルミがとても有名で、小粒ながら甘みのある美味しいクルミを産出しています。このオイルもその周辺の村で作られています。


6時前に家を出て、3時間後の9時に帰ってきました。まだ1日ほとんどまるまるある(^O^)


夕方にはお父さんちに2泊で遊びに行っていた子供たちが帰ってきました。
おいしいパンがあるので夜はフォンデュです。フランスでは冬の寒い時期にしか登場しないフォンデュですが、チーズ好き一家である我が家では通年メニューとなってます(^^;
チーズは以前ハイキングの帰りに買ったボーフォールと放牧牛のミルクで作ったグリュイエールタイプのチーズを冷凍しておいたのを使いました。チーズ、そのまま食べる分にはあまりお勧めできませんがフォンデュなど調理して使う分には冷凍しても特に差し支えはありません。
スペルト小麦のパンはとても水分を含んでいフォンデュにはもっちりとし過ぎだったのでサイコロ状に切った後、テフロン加工のフライパンで軽く表面を焼きました。暑いのでオーブンを付ける気がしなかったので(^_^;)


サラダには普通のヴィネグレットと最後に少し買ったばかりのクルミオイルをかけました。薫り高くてサラダが一気にご馳走風になります。次男が特に大好きです。
ワインは以前にご近所さんとブルゴーニュ地方のブドウ畑にドライブに行った時に生産者から直接買った(買ってもらった)ペルナン・ヴェルジュレスの白です。




今回はお散歩にお付き合い下さり、ありがとうございました♬
次回からはまた山です(;・∀・)

リヨンの町を早朝散歩(前編)

今週から週休2日に戻り、昨日は休みだったのに天気予報が悪すぎて山は諦めました。
お天気イマイチだった8月前半と比べると最近ほとんど毎日晴れていたというのに・・・


わたしの休みの日だけ雨・・・



もしギリギリになって予報がガラっと良くなってた場合のことを考えて、一応行くコースを方向別に3つほど用意してどれも地図をざっと見ておいて、ザックも準備しておきました。目覚ましを合わせて早朝起きると・・・


さらにあかんやん(@_@。雷はいかん、雷は。。
諦めて、軽く2度寝しました。


さて、2度寝といっても8時9時まで寝るわけではありません✨
体は動かしたいので(というか家の中から出たい)ので、どうせなら気持ちの良い早朝のうちです。なにせ最近、夏が盛り返してきたみたいで日中は暑くて汗びっしょりなのです。朝ごはんを食べたら出発です。


6時前にうちを出ました。朝日を見るのが目的なので町にふたつある高台のうちのひとつに登ります。日の出の時間を調べてこなかったので、焦り気味に途中少し走りながら高台の麓の地区に向かいます。坂はさすがに走れないので(もともと走るのは苦手💦)歩いて上ります。
2月にも一度ブログで登っているフルヴィエールの丘です。今見返すと、あの日は何と山で晴れの予報なのに山に行ってない・・・なんてもったいない(+_+)


最後の部分は高台の斜面に作られた公園を通るのですが、門が閉まっていたため道路経由できました。右手にはノートルダム・ド・フルヴィエール寺院。


もう開いてました。中には誰もいませんでした。朝一番のミサは7時過ぎごろのはずですが、ミサに来る人の多くは早くに来て個々にお祈りしたりするので早い目に開けているのでしょう。
19世紀末のネオ・ビザンチン様式の聖堂は3年ほど前に修復されたところです。町の観光名所の一つになっています。


教会の敷地内に町を一望できる展望台があります。


あっ、一番乗りじゃありませんでした。若い女性が携帯で写真を撮っていました。


大丈夫、まだ明るくなっていません。雲は多そうです。


真下にあるのが12世紀の建築でアンリ4世が結婚式を挙げたことでも知られるゴシック建築のサン・ジャン大聖堂。
その右上に見えているのがフランスで最も広い広場(=道路で遮断されていない面積で)といわれるベルクール広場。リヨンとは何のゆかりもないルイ14世の像があります(^^;
単に彫刻家がリヨンの人だったという・・・


グレーの屋根がいっぱいあるのが市庁舎。17世紀の建築です。黒い大きな屋根はオペラ座。


雲が出ていて見えにくいですが、左の大きなビルの後ろにうっすら見えているのはモン・ブランです。この後明るくなるにつれ、全く見えなくなりました。


雪を被った高い山が朝日に照らされてほんのりピンクになるのに似ています(#^^#)


同じところで見てもいろんな見え方をするのが空の面白いところですね。


特に夕陽や日の出は長くは続かない一機一会的で儚い美しさが魅力です。


あ、いよいよ太陽が顔を見せ始めました。


厳粛な気持ちになる瞬間です。
太陽が昇るスピードは思いのほか速く、あっと言う間に明るくなってしまいました。


さて、寺院を後にして公園の坂道を下ります。さっきは閉まっていましたが、こちら側が開いているということは下の門も開いているのでしょう。
さっきまでいた頂上を振り返ってる感じです^_^;


周辺には修道院とかもあるので修道女が上がってきました。7時過ぎのミサに参加するのでしょう。


宗教ゾーンですので公園内にはヨセフ像などがあります。


今日は・・こんな感じで山に行った気分になっときます(;´Д`)


足場も適度に悪くて(街中の公園としては)山気分満喫です。


公園から出て先ほど真っ暗な中登った坂を下ります。2月に来た時は学校がある時期だったので若者がどんどん登ってきましたが、夏休み中ということもあってほとんど誰も歩いていませんでした。


丘の真下は旧市街地になっています。
元々、丘の上はリヨンの町の発祥の地でもあるのです。フランスがゴ―ルと呼ばれていてリヨンが首都だった時代に政治の中心地は丘の上のフルヴィエール地区であり当時の古代劇場も朽ち果ててはいますが現存します。夏には野外コンサートが毎週末行われています。リヨンが首都ではなくなった後、中心地は丘の下の現・旧市街地となっているこちらのエリアに移動してきました。中世からルネサンス期の建物がフランスで一番集中して残っているエリアと言われています。ルネサンス期というと、イタリアがヨーロッパでは華だった時代。距離的に離れたパリなどではなく、流通に便利であったリヨンの町にはイタリアの裕福な商人や銀行家などが建てた邸宅が数多く残っています。


こないだまで地下鉄駅のすぐ隣にあった日本人シェフのミシュラン一つ星を獲得している「オ・キャトーズ・フェヴリエ」がこちらの通りに移転したようです。駅からは若干離れますが広々としています。バカンス中なのでしょう、長期で閉まっている様子でした。


その真向かいにはステンドグラスの可愛いお店があります。ステンドグラスって見ていると懐かしいような、切ないような気持ちになるのはなぜでしょうか・・・


ゴシック~ルネサンス期の建物がぎっしりと並びます。


後期ゴシック、フランボワイヤン様式の装飾の典型。炎(フラム)に似た形であることからそう呼ばれています。


こんな由緒ある建物の1階がコインランドリーというのもまた(~_~;)



山に行けなかった朝の腹いせ観光案内、案外長くなってきたので後編に続きます(^▽^;)

グラン・ガリビエ 最終回

グラン・ガリビエの東と西のふたつの頂上に登った後は行きに上を通ったグラン・ラックの畔まで直接谷を下りてきました。出発前には駐車場とこの湖の間以外はピストンになると思っていたコースでしたが、ポンソニエール峠とこの湖の部分も違う道を通ることができて大満足です。行きに峠に着いて下を見下ろしてみた時に、細い道が、ひょろひょろっと、でも確実に湖の方角に続いているのに気付いたのがよかったです。


グラン・ラック「大きい湖」…相変わらずやる気ない名前が多いフランスの湖(;´・ω・)


同じ湖に3月に友達とスノーシューで来た時。行きのコースと同じで高い位置から見下ろしています。


道はもう少し高い位置を通っていますが、せっかくなので水際ぎりぎりを歩いていこうと思います。


釣りをしているご夫婦がありました。・・・というか、釣りをしている旦那さんとモロ退屈している奥さんでした(;´∀`)


さて、湖は窪んだ場所にあるので少し上がる必要があります。上の写真の左上の方に登っていきます。平たいところに出てきてしばらく進むと・・・


崖?? Σ(゚Д゚)


怖っっ💦


しかもかなり続きます(◎_◎;) 気を抜けません。
地図に載っている道としてはなかなかハードです。


(´▽`) ホッ 崖ゾーンお終いです。
・・・が、この後もかなり急で砂みたいなさらさらの土なので滑らないように一歩一歩力を入れて下りていきます。


こんなとこ下りてきました。登りだったら怖くなかったんでしょうが・・駐車場とグラン・ラック間、行きと帰りと逆にすればよかったのかもしれません。
こういう岩壁の切れ目みたいになっていて越えることができるところをフランス語でシュミネ(=煙突)といいます。


緩やかになってきて一安心。リラックスして歩けます。


振り返って。中央の緑の多い辺りを下りてきました。道が薄っすらとジグザグに見えます。こうやって見るとめちゃくちゃ急です。登りでも下りでも嫌ですね💦


緩やかな谷を下りていきます。


放牧ゾーンに戻ってきました。平和そのものです(*´ω`*)


行きに通ったシャレーが集まる放牧の集落です。朝はここを画像の左方向に登って行ったのでした。


小さな子供を連れた家族など放牧地帯を散歩する人たちがいくらかいました。この辺りは2000mにも満たないので日中は暑そうですが、夕方はいくらか涼しくて気持ちが良いものです。


さらに駐車場に向かって下りているとマウンテンバイク二人組とすれ違いました。これからひとっ走りするそうで自転車を押しつつ登っていきました。


駐車場から最寄りの村、ロゼ (Lauzet) が眼下に見えています。


車を停めている駐車場(単に広くなってる路肩)が見えました。


たっだいま~\(^_^)/
5時15分、駐車場(1710m)に到着。朝6時過ぎに出て11時間ちょい経っています。
元々、高低差1550mのコースだったのに加え、隣の頂上にも登ったことや、途中にある湖の畔までいちいち下りて行ったりしてたせいで1800m以上になったと思います。初夏のクロワ・ド・ベルドンヌと並んでこの夏一番たくさん歩いたハイキングになりました。朝から夕方までバラエティに富んだきれいな景色の中歩くことができたおかげでそう疲れは感じませんでした。


外国の車もちょくちょく停まっていました。手前がオランダナンバー、赤い車がドイツナンバー。


この夏ダイソーで購入の甘栗。何気ないものがこちらでは贅沢✨ 
保温マグのコーヒーもまだ生ぬるかったので帰途につく前におやつタイムです。この先間もなく通るロータレ峠のカフェで休憩して帰りたいところですが、今の時期混んでそうです(混んだ場所嫌い💦)。


ロータレ峠に到着・・


やっぱりかなり混んでます。


少し先にカフェがいくつもあって休憩できる可愛い村、ラ・グラーヴ(「フランスで最も美しい村」のひとつにも選ばれています)があります。エクラン国立公園の北の華、ラ・メイジュの氷河が迫る素晴らしい景色のなか飲むコーヒーは格別なのですが、この分だと。。


ダメだ、こっちも混んでますね(~_~;)  車停める場所がありませんでした。
諦めてうちまでスタコラさっさと帰りました。道自体は渋滞もほとんどなく2時間半で帰ることができました。



長くなったグラン・ガリビエハイキング記、読んでくださった方どうもありがとうございました。