フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

シーズンラストスキー(5月下旬)・前半

5月下旬のスキーハイキング記です。
ご一緒したのは、前の週末に山小屋で知り合ったばかりのスキーヤーさんのDさんです。


夏山そのものといった青々とした景色の中を45分ほど歩いて、雪原に到着しました。
谷の奥に向かって進んでいきます。


雪原に入って数分の地点で。
後方に二つの峠があり、そこを目指して前日にはロードバイクでヒルクライムしました。


デコボコしているのは広大な雪崩跡です。
もう数日以上も前のものでしょうか。まだ朝で凍ってはいないものの、雪は硬めです。
下りてくるときは柔らくなっているといいけど。スキー板が軽い目のやつなので、硬いデコボコのところを滑ると振動がひどく、足首の関節に難があるため、ちょっと辛いんですよね・・・


Dさんが、遠くの稜線にいる3匹のオスのアイベックスを発見しました。
デジカメのズームでこれが最高でした(^-^;
それにしても、鳴き声がするわけでもないのに、こんなに遠くの動物によく気付くなぁ…


どんどん小さくなっていくDさん。
ちょっと写真を撮ったり、タラタラと歩いてたりすると、一気に差を付けられてしまいます。


真正面に向かうか、もう少し急な左側の斜面に向かうか、どちらでもいいけど?とこの辺りに詳しいDさんに聞かれました。そんなに急には見えなかったので、左から登ってみたい、と答えました。


自分でそう答えたはいいけれど、ズルズル滑って登りにくい・・・Dさんは慣れてるのでそれでも難なく登っていきます。


方向転換して、トラバースする形で、真正面の斜面に向かうことにしてもらいました。


その岩の隙間みたいなところを目指します。


振り返って。
こちらも、決して緩やかな登りというわけではありません。
直登は無理なので、ジグザグに登ってきています。


岩の隙間を抜けると、ちょっと平たいところに到着しました。
このまま、中央やや左奥の峠みたいな地形をしたところへと進んでいきます。
「ちょっとおいで」とDさん。
え?なになに??


先ほどジグザグに登る時、わたしのスキーの角度の変え方(フランス語でコンベルション、日本ではキックターン)が、少々不安定だった、とのことで、やり方を見せてくれます。
あれ~っ、キックターンはこの冬のピレネー遠征合宿で基本をマスターしたつもりだったんだけど、最近あんまりやってなかったから悪い癖(テキトーにやってしまう)が出てきていました・・・
「これはとっても大事だから。忘れないようにしっかり復習して」とDさん。
はい、ピレネー合宿でご一緒した熟練スキーヤーさんのMさんにも、何なら山スキー師匠のOさんにも言われています💦真面目でない悪い生徒はわたしです(ーー;)


少し離れたところから、わたしのキックターンをチェックしてくれているDさん。
しかし結構な急斜面です。キックターンの軸になる方の足のスキーがしっかりと安定していなければ、ズルっと滑り落ちてしまいます。


今登ってるのとは違う斜面に、雪解けがほんの少しだけ始まっている湖が見えています。
うわ~きれい・・・


稜線、といっていいのかどうか、少し広い平たいところに到着しました。


お腹空いた・・・
Dさんが持って来ていたドライフルーツミックスを分けてもらいました。
自転車と山スキーは異常にお腹が空きます(わたし調べ)。


Dさんは正面のカッコいいお山にも、山スキーで何度も登っているそうです。
山スキーでも難しければ、夏山でもアルピ二スムの技術・装備がないと登れない山です。


本日の目的地は右上に見えている山頂です。
もうちょっとやん!嬉し~✨


キックターン中のわたしをDさんが撮ってくれました。


なんかめっちゃ嬉しそうにしています。
何だったんだろう…?日が経ち過ぎて忘れてしまいました(^-^;


はい、順番を入れ替わってDさんの後についていきます。


着いた\(^_^)/
クレット・ド・ラ・マルモッタン(2657m)。頂上というよりかは、稜線の一番高い場所、という位置づけのようです。


ラストスキー、後半に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

新しい友人Dさんと迎えるテント泊の朝

5月下旬の週末のお話です。
土曜日の午前中に峠道サイクリングをして、午後に友人がテント持参で現地に合流してきました。
前の週末に山スキーをして泊まった山小屋で知り合ったDさんという方です。翌日の日曜日に一緒に山スキーをすることになっていました。


朝5時に目覚ましを合わせました。テントからの景色です。
暖かい・・どころか暑い週末だったので、午前中でも遅い時間には雪が柔らかくなり過ぎて登りにくく&滑りにくくなってしまいます。6時か、遅くても6時過ぎには歩き始めよう、と寝る前に決めていました。
テント泊をしたここにはスキーの用意は持って来ていないし、テント泊の荷物を背負ってはスキーは難しいので😅一度駐車場に戻ることになっています。


普段のテント泊のとき(ソロまたは子供たちと)は、朝ご飯→テント撤収、というパターンなんですが、Dさんが自分のテントを片付け始めたので、わたしも倣って撤収開始です。
まずは、シュラフを袋に詰めて、次は最大の難関、サーマレスト畳みです。気合いを入れたら一回で上手に巻けました\(^_^)/


まだ薄暗い湖.


テント撤収してからの朝ご飯って清々しいですね(≧∇≦)
飲み物はわたしはコーヒー、Dさんは紅茶です。


わたしが持って来たのはジャム入りブリオッシュ生地のタルト。お気に入りのパン屋さんで買ったものを少し冷凍してありました。
Dさんはケーキ2種類、うち手前のはリンゴのケーキ(前日からご実家に帰られていたのでお母さまの手作りのものでした)、そしてバナナを持って来てくれました。
かなり甘いものばっかりだったけど😅スキーでカロリー消費されるだろうから問題なしでしょう…


空がほんのり薄ピンク~薄紫になっています。
この時間帯にお山で、特に外で朝ご飯を食べられる幸せ(*´▽`*)
ただし、早くスキーに出掛けたいのであんまりゆっくりとはしていられません。
この前の週末、Dさんとそのお友達Gさんは朝5時前に起きて、5時半過ぎには山小屋を出発していかれてました。


朝ご飯の後片付けをさっさと済ませて、歩き始めました。
これはブルーベリーの花。夏の後半に実が熟します。


ボケたけど・・・
レザン・ドゥルス(Raisin d'ours)、熊の葡萄、と名付けられた実の花です。
赤く真ん丸な可愛い実が夏以降になり、寒くなって雪が積もりだす秋の終わりにも実が落ちずに残っているのをよく見かけます。
ただし、酸っぱくてえぐみもあり、そんなにおいしいものではありません(残念…)。
ちなみにフランスでは、ほぼ熊は絶滅してしまって、ピレネーに保護観察対象にほんのわずかいるだけです。


夏の前半に見られるジョンシアン(ゲンジアナ)、朝顔みたいに夜から朝にかけては閉じています。


この辺りにたくさん咲いていた薄黄色のプルサチーユ(アネモネ・デ・ザルプ)。


スキー中はあまりお花の写真も撮れないだろうから、今のうちに、とザックも降ろして何枚も撮ってました。Dさんに置いて行かれた💦


峠の駐車場に停めてある車まで戻ってきました。
左がDさんの車です。スキーやマウンテンバイクを積みやすくするために少し改造してありました。
スキーへの出発地点は、ここより標高の低いもうひとつ隣の、さらに下の道路からになります。車で10分弱でした。


歩き始め。


このちっちゃなハイキング道を登っていきます。もっと上(峠)からもう少し幅の広いハイキング道が出ているんですが、道沿いに残雪が結構あるのが遠くから見ても分かったので(急斜面をトラバースする山道なので、残雪が中途半端にあると面倒)、高低差は増えるけど、歩きやすいこちらからの出発にしたのでした。


40分ほど登ってきた辺り。
木がほぼなくなってきました。
雪解け水があちこちに流れています。


雪のあることころまで、もうひと息!
ところで、さっきから犬の鳴き声が聞こえるな、と思っていたら・・・


2匹のわんこがこちらに走ってきました。
一匹しか写ってないけれど。どちらも飼い主の連絡先の入った首輪をしています。
人懐っこい💖Dさんとじゃれあっています。


Dさん、気に入られたみたいでわんこが着いてきています( ̄▽ ̄;)


と、思ったらわたし達がスキーを履く時間がもどかしかったみたいで、先さきに行ってしまいました。えらくここら辺に慣れた感じがします。ハイキング道の初めの辺りに個人所有の山小屋があるので、きっとそこの犬かな?とDさんと話していました。


はい、ようやくスキーで歩けます(^^♪
スキーを担いだ時間は40分か45分くらい。この前の週、Dさんと出会ったお山では雪にありつくまで1時間半は歩いたことを考えたら、悪い条件ではなかったと思います。


シーズンラストスキー編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

今シーズン初のテント泊

5月下旬の週末のお話です。土曜日の午前中は峠道でサイクリングしました。
午後には、前の週末に知り合った山スキーヤーさんと峠の駐車場で合流、一緒に夕方にハイキングをして駐車場に戻ってきました。


ところで、前夜、自宅でスキーの準備をしていて気が付いたのですが、前の週末に泊まった山小屋にスキーのシール(滑り止め)を忘れてきてしまったようです。管理人さんに電話すると「確かに。預かってますよ」とのことで、一安心ではありますが、今使っている板は替えのシールは持っていません。
仕方ない、前の板を持って行くとするか、と思ってると・・・


Dさんが「俺が前に使ってたシールが使えるかもしれない」と言うので、シールなしの板も一応持って来ました。
ハイキングから戻って、さっそくチェックしてくれているDさん。


シールは二組、幅違いで持ってきてくれました。
これは幅が狭すぎますね・・・


わーい、もう一組はばっちりです✨


長過ぎるので、はさみで切ってくれています。
・・・えっ?いいの??
Dさんの板用には短くなってしまうけど・・・
「これは今は使ってないから」と、そのままプレゼントしてくれました。
さて、これで明日のスキーの心配もなくなりました。テント泊の準備をして、目的地の湖へと下りていきます。


すぐ近くに3つの湖、もう少し遠くにふたつほどありますが、一番近いところにしました。
写真の中央やや右上に写っている小さな湖(日本語的には池、でしょうか)です。


プルサチーユ(アネモネ・デ・ザルプ)がいっぱい。
プルサチーユには何種類もありますが、うつむいたこの子たちは、花びらがパカッと開くことはなく、なんとなくつぼみっぽい形のまま咲いて、そのまま枯れていきます。


こちらの薄い黄色の子たちもプルサチーユの仲間です(ピンボケ失礼)。
周りの草は全部ブルーベリーです。秋には紅葉して真っ赤になります。


はい、あっという間に着きました。
土曜日の夕方ということもあり、他にテントが二張りありました。
さあ、テント張ろう、としたらDさんが「荷物置いて、ちょっと歩こう」
は??
わたし、午前中自転車で1700m登って、さっきも一緒に2時間ハイキングしたけど??
Dさんは新しい友人であんまりまだよく知らないのですが、どうやら山歩きが大好きなようです(;^_^A 
まあ、お山で知り合う人は、山歩きが好きな可能性はかなり高いんですけどね・・・


少し高いところまで登ってきました。
湖からだと、奥の高いお山(3400m台)が見えないんですよね。
そのへんのお山は氷河が残っていて、山スキーで登ったことがあるらしく、説明を聞かせてくれました。


下りてきて、テントを張りました。
Dさんはテントは持って来ているものの、星空を見ながら寝たい、ということで「俺はテントなしでいいよ、今日はあんまり寒くないし」と言います。
しかし標高2000m以上あるにも関わらず、湖(池)の畔なためか蚊がいたため、少ししてから、蚊帳的な意味でテントを張っていました。


テントの隣で酒盛りタイムです。


前の週の山スキーハイキングの帰りに大量に買ったボーフォールチーズも持って来ています。


ボルドーの赤ワインを持って来てくれていました。
ただ、栓抜きを車に忘れてきたので駐車場まで取りに戻っていました。
お疲れ様です💦


ビールもあるのか😅
栓抜き取りに行かずに、ビールでも良かったんじゃないか??(ビールの栓はオピネルとかでも開けられる)
チーズやサラミをつまみに、スキーの話、お山の話と話題が尽きません。


こちらはDさんが持って来たパスタ。
今いるお山と同じ、サヴォワ県(地方)の商品です。
バーナーと鍋でお湯を沸かそうとするので、「そういうのはジェットボイルの方が早いから」と引き受けます。


わたしが持って来ていた粉末トマトスープを茹で汁に足して、定番のスープパスタにしました。


日が長い季節になりましたが、10時前になり、さすがに暗くなってきました。
イケてない写真だけど、わたしが持って来たお肉をモンベルのフライパンで焼きました。
車の中に、凍ったペットボトルと一緒に、クーラーバックの中に入れていました。


デザートにわたしが昼間に買ったイチゴと、Dさんの実家のお庭になっていたサクランボ。
ヘッドランプで照らされていますが、10時過ぎでもうほぼ真っ暗でした。


寝る前に撮った1枚。
明日は雪ができるだけ硬いうちに歩き始めたいので、5時起きということです(^-^;


確か半月の夜で、あんまり完全には暗くならなかったような気がします。
明日は早起きするので(今朝も5時半にうちを出るために4時半起きでした)、もう寝ることにしましょう。


2日目に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。