フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

山スキーヤーさん達と交流の山小屋の夜

先月、山小屋(ヒュッテ)に泊ってスキーハイキングした時のお話です。
この日のお宿は、サヴォワのボーフォータン山塊、標高2008mの地点にあるラ・バルム山小屋。夏の3か月間以外は管理人さんはいませんが、使用料13ユーロを払って(小屋内の箱に小切手か現金で入れる)使うことが出来ます。


山小屋の入り口。
午前中はこの冬に知り合った地元にお住いのおじさまスキーヤーさんと、スキー散策をした後、この山小屋までひとりで下りてきました。
小屋前にいたスキーヤーさん達とピクニックしてから、ひとりで近くの峠まで登り、滑ってきました。


ヘルメットと靴を靴棚に乗せておきました。インナーシューズは薪ストーブ前に持って行って乾かそう・・・


ジェットボイルも持って来ているけれど、山小屋使用料金には暖房代とガス使用料も含まれているので、遠慮なくガス台でお湯を沸かさせてもらいます。
雪の中にいたので体が冷えています。暖かい飲み物でも作ろう・・・


ハーブティーを入れて遅い目のおやつにします。
ドライイチジク(スペイン遠征で買った小さい目のイチジク、これが最後でした)とクランベリー、そしてハートのチョコレート型のはですね・・・


知り合いがくれたスーパーのお菓子で、駄菓子的な感じだったので期待していなかったのですが・・・
パンデピス(スパイス入りケーキ)の中にジャムが入ってて、それをチョコレートでコーティングしたものです。かなり甘いんですが、スパイス入りなこと、上質とは言えないまでも一応ブラックチョコレートであること(ミルクチョコレート嫌い)、ジャムが入っていて味に変化があることから案外ハマって、ほとんどわたし一人で食べてました。運動しないで食べたら、間違いなく太るやつです💦


4人組の若者グループが先ほどから薪をいいサイズに切ってくれてました。
ストーブに火を入れてくれています。いい子らや~✨
昨日のブログには書かなかったけれど(写真がなかったので)、午後の散歩で近くの峠に登った時、峠から下りてきた彼らとすれ違いざまにしばらくお話していたのでした。


あったか~💖
比較的小さな小屋なので、あっという間に快適な室温になりました。
宿泊客がほぼ全員食堂に集まっているので、みんなの体温というのもあるかと思います。


最後に戻ってきたのは、おじさま4人組グループでした。
昼過ぎに荷物を置きに小屋に入った時に、この中の一人の方としばらく話していたので、自然とこのグループと同じテーブルでおしゃべりする流れになりました。


おじさまたちのガチ宴会に参加させてもらうことに・・・
映えって何?みたいなおじさまパワーに圧倒されます✨
この方たちは、偶然にもわたしの山スキー師匠の友人Oさん地方から3泊4日で遠征してきているらしく、そちら方面のお山の話で盛り上がりました。
この冬は、1月以降、そっちの地方にはほとんど雪が降らなかったので、比較的積雪量があった(例年よりは少ないとはいえ)サヴォワ地方まで来たということでした。


おじさま達は特にご飯らしいご飯はなく、暖かいものはスープくらいであとはビールと酒のあてという感じでした(^-^;  でも食後にはなぜか紅茶を飲んでて、わたしにも入れてくださいました。
そのまま、おじさま達は本気トランプ大会に流れ込んでしまったので、隣のテーブルにいた大人しそうな男の子ふたりと夜の後半は喋って過ごしました。ちなみに、おじさま達のテーブルでは、これといったご飯は食べていなかったので、男の子たちと一緒に食べました。


ふたりは、ゲレンデスキーはかなり経験があるものの、山スキーを始めたのは最近らしく、あまり山のことを知らないみたいです。わたしも初心者ですが、簡単な山についてはちょっと詳しい!?のでテクニック的に簡単、かつ景色の良い山のお勧めを色々教えてあげました。


食堂は暖かかったけれど、寝室に入ると少し寒かったので既に2枚重ねだった靴下に、さらに1枚足しました。寒い避難小屋では4枚重ねした記録もあります(;^_^A


翌朝。
結局、夏用のシュラフでも全然寒いことはなく、良く寝られました。
ちなみに小屋のベッド数は夏季は28、管理人さんのいない時期は18。この日はわたしを含めて15人が泊っていました。巨大な山小屋が苦手なわたしには程よいサイズです。


寝室の窓から見える景色。


食堂にはまだ誰も起きてきていません。


外に出てみました。


この日わたし以外で唯一の女性宿泊客がいました。カップルで来ていたみたいです。昨日は全くしゃべらなかったのですが、挨拶がてら少しだけお話しました。
ところで、女の子の足元に写っている建物がトイレです。


面白い形をしています。
雪おろししなくてもいい形の屋根です。


ほとんどの山小屋の屋外トイレがそうであるように、エコトイレです。


午前中編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

知らん人とランチして午後のお散歩

最近知り合ったおじさまスキーヤーのCさんと午前中スキーで散策した後、ひとりで峠の反対側まで下りてきました。


今晩泊まることになっているラ・バルム山小屋です。スキーがいっぱい立てかけてあり、ちょっとびっくりしました。というのも、まだお昼をちょっと過ぎたくらいです。ハイキング客は午後のもう少し遅い時間に山小屋に到着することが多いのに、こんなにたくさんの人が真昼間から小屋にいるということにです。
小屋前で4人の男性グループがピクニック中でした(上の写真に3人写っている)ので、スキー板を外しつつ、挨拶をしました。


そしたら、兄さんのひとりがいきなり「サラミ食うか?」
小屋内か小屋前でお昼ご飯にしようと思っていたので、いただきました。ちょっと若すぎる(柔らかすぎる)けれど、味自体はとてもおいしいサラミです。見たら買ったことがあるサヴォワの小規模なメーカーのものでした(ここのお山もサヴォワ)。
流れ的にそのままこの人たちと一緒にピクニックをすることになりました。


お返しに、わたしが持って来ているお気に入りの肉屋さんの手作りのサラミを切って、みなさんに味見してもらいました。皆さんのお気に召したようで「どこで買ったの?」とサラミ談に花が咲きました( ̄▽ ̄;)


おお、なんとルブロッションを丸ごと持って来ています✨しかもおいしそうなやつです。
ちなみに雪崩に遭った人を救出する用のスコップがお皿代わりになっています。この人は親切で、わたしが座りやすいようにとスコップでおしりの面積分くらい平たく雪かきしてくれました。


クリーミーでマイルド、真ん中がとろりとなっています💖
農家製のやつでした。わたしもルブロッションは好きで、最近は行ってないけれどお気に入りの農家に行くと8個も10個も買って帰るのです(^-^;
この方は、まさにルブロッションの里、オート・サヴォワ県の県庁所在地アヌシーの方でした。食事の間中、お山の話ではなくチーズの話で盛り上がりました。
この方たちが次々に何か出してきて分けてくれるので、結局自分の持って来たものはパンくらいしか食べませんでした。


4名様は山小屋には泊まらず、日帰りなんだそうです。
皆さんが出発準備を始めたので、わたしは山小屋に入りました。


手作りっぽい薪を切る台が奥にありました。
これは便利そう!


上履きに履き替えて中に入ります。


食堂の薪ストーブ周りに宿泊客のスキー靴が。
食堂に2,3人と寝室に数人がいたので、挨拶しつつ荷物の一部を出しました。
この前の週に泊まった山小屋には掛布団がありましたが、ここはコロナ影響で取り払ってあると山小屋のホームページに書いてあったので寝袋を持って来ています。冬用は重たいし、ヒュッテだから避難小屋と違ってそんなに寒くないだろう、と夏用にしました。


さて、身軽になって午後のお散歩に出発です。
ちょっと分かりにくいですが、右手と左手と二つの谷があり、先ほどは右手の谷から下りてきました。今から左手の谷を峠まで登ってみようと思います。


結構新しい雪なのはいいことなのですが、湿ってもったりと重たく、登るときはシール(スキー板に貼る滑り止め)にくっつきがちだし、滑る時はターンがもたつくし、なかなか快適とは言い難い雪でした。


みかんの皮みたいなものが落ちている、と思ったらニンジンの皮でした。
こんなとこでニンジンの皮剥くの誰!?


峠が近づくにつれ空が明るくなってきました。


振り返って。
山小屋方面は曇ったままです。あれ、誰か登ってきました。
よく見ると、先ほど山小屋の寝室でゴロゴロしていたおじさまグループのようです。お天気が悪くてハイキングする気が起こらない…と言ってたんですが、やる気を奮い立たせて歩いて来たみたいです(;^_^A


間もなく峠に到着しそうです。


峠の看板がありました。


ロッセ峠、山小屋からだと300mちょっと登っただけだったので1時間もかかりませんでした。


間もなくおじさまグループも到着しました。
引き続き、峠から右手にしばらく登るそうで「君も来るか」と聞かれましたが、もうこの日は山小屋に着くまでもそれなりに歩いていたので、遠慮しておきました。
おじさま達は昨晩も山小屋に泊っており、今日はこれが唯一のハイキングなので元気いっぱいです(^-^;


下り始め。
この日は「午前中曇り、夕方から晴天」という予報でした。
晴天とは言い難い空ですが、毎回ほとんどお天気には恵まれピーカン雪山ばっかりなので、たまにはこんな雰囲気も悪くはないです。吹雪いてるとか、ホワイトアウトして視界がないとかではないですからね・・・


小屋の近くまで下りてきました。
山小屋は冬の間水道が止めてあるので、自分で水を汲まないといけません。
汲みやすそうな場所を探します。ここらへんは雪が厚すぎて、腕の長さが足りない💦


良い場所が見つかりました。
雪が崩れてハマることも、濡れた岩で滑ることもありません♩


シェラカップは水汲みに便利です。
ペットボトルに移して・・・


ペットボトル(750㏄)だけでは、明日の朝の分まで足りるか不安なので、ジェットボトルの中にも汲みました。蓋には注ぎ口があって密閉されないので、こぼさないよう気を付けて小屋まで戻りました。


小屋ライフ編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

Cさんとお別れして山小屋(ヒュッテ)へ

この冬にお山の頂上で知り合った熟年山スキーヤーのCさんと、先月ハイキングをした時のお話です。Cさんのシャレ―を経由した後、さらに峠まで登ります。
Cさんは午後に予定があり峠までで往復、わたしは峠の反対側にある山小屋を予約しています。夏以外は管理人さんはおらず、使用料を払って勝手に使うシステムなんですが、前日に山小屋のサイトを見ると、「管理人がいない時期でも事前に電話して予約を取ってください」とあります。電話をかけると、冬季はベッド数18名のうち既に予約が14名あるとのことでした。


訓練中のアルペン猟兵たちの後ろを歩いていたわたし達。
山小屋に電話した時のことをCさんに話すと「アルペン猟兵たち、数えてみたらちょうど14人だよ。この人たちと違うの?山小屋を予約してるのは」とΣ(´∀`;)
ちなみにCさんは管理人さんカップルとは知り合いなんだそうです。管理人さんはCさんがテクニカルディレクターの仕事をしていたスキー場で、冬の間は働いているんだとか。


わたしも念のため数えなおしてみると、やっぱり14人だ💦まさかね・・😓


この日の天気予報はお昼前までが曇りで、お昼から夕方までが曇り時々晴れ、夕方からと明日は晴天ということです。この時11時くらいでしたが、ようやく雲が薄くなってきて、お日様が何となく見えるようになりました。


ずんずん登っていくと、平たくなっているところに到着しました。
休憩中の猟兵さん達に「どこ行くんですか?日帰りですか?
と聞いてみました。わたし達が行くのとは別方向の、上の写真ですぐ奥に写っている丸っこい山に登るんだそう、そして「もちろん日帰りだよ」とのことでしたε-(´∀`*)ホッ


ここまでは兵士たちのトレースの上を歩いてきましたが、ここからはCさんがトレースをつける番です。


ところで、これはちょうど1か月ほど前のお話なんですが、この頃、フランスやスペインなどにサハラ砂漠からの砂が飛んできてそこら中が砂で黄色くなっていた時期でした。
雪の表面にも砂が積もって黄色くなっているのが分かると思います。
この日は前日に標高の高い辺ではほんの少し積雪があったけれど、温度が高めで湿気を帯びていたせいで、シール(スキーの滑り止め)に雪がベタベタくっついて登りにくい雪でした。


このすぐ上にはきれいな湖があるんだよ、とCさん。「ただし全然見えないけどね」
ここボーフォータン山塊は湖がいくつもあり、ソロで一度、昨年は次男と湖畔でテント泊をしたことがあります。今いる場所の湖も夏に見てみたい気がしました。


峠が近づいてラストスパートかけていったCさん。
いきなり早っΣ(゚Д゚)


どうやら着いたっぽいです。


シャルボニエール峠(2494m)。
駐車場からアップダウンは数えずに1100mほど登ったことになります。
左手奥に見えるのはボーフォータン山塊のシンボルマークとも言えるピエラ・マンタ。
さて、わたしはこの真下へと下りていきます。
Cさんは登ってきたのと同じように下りるので、ここでお別れです。


下り始め。
峠を振り返るとCさんが見届けてくれていました。


さらに滑り下りてから振り返って。
不思議な空です。黄色っぽい雪とぼやけた空で、独特な雰囲気でした。


このように重みのある、ベットリとした雪で、板にまとわり付くのでターンがし辛いのです・・・


それでも、アイスバーンよりかはましです(^^;)
どんどん谷を下りていきます。峠から山小屋だと500mほど下りることになります。


川を越えて・・・(ちゃんと繋がってるところありました)


無事に着きました\(^_^)/
ラ・バルム山小屋(標高2009m)
何人か先着のスキーヤーさんがいます。


ランチ&午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。