フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

また来るよと別れを告げ

一番のお気に入りの避難小屋にひとりで2泊してハイキングしたときのお話です。


いよいよ出発の時間が近づいてきました。
名残惜しく朝ご飯のコーヒーをお代わりして入り口から外を眺めます。


ここに泊まりに来たのは4度目になります。小屋前の朝の景色がたまらなく好みです。


荷物をまとめました。


ふたつある窓の雨戸を閉めます。
箒があるので、小屋内をさっと掃き掃除しました。


いよいよ出発です。
テーブルにカメラを置いてセルフタイマーで撮りました。
実はこのままカメラをテーブルに忘れて出発してしまい、数分歩いてから気付いてUターンしました(;^_^A


小屋前から見た峠方面。中央の峠を越えて一昨日のお昼過ぎにここにやって来ました。


あばよ、my別荘・・・
日本でも同じだと思いますが、避難小屋の状態は使う人のモラルによって左右されるし、どうしても少しずつ傷んだり汚れてくるのでボランティアのグループや、地元の村役場、狩猟会などの人たちが修理をしたり、時々大掃除をしたりしてくれていることが多いようです。
そういう方たちに感謝し、個人個人がきちんと使って、いつまでもこの素晴らしい場所が山が大好きな達たちの心休まる場としてあり続けることを心から祈るばかりです。


帰り道もブルーベリーだらけなので・・・


摘みながら歩きました、最初だけですけど。いつまでも摘んでたら永遠に駐車場に着きません(^^;)


ハイキング客がとても少ないようで、ほとんど誰にも出会わないし、道もはっきりとしなくてすぐに見失ってしまいます。この時も分からなくなって、多くの場所で適当に歩きました。


稜線から日が昇ります。


ところで・・・稜線の右側の凹んだところが一昨日越えてきた峠で、今もそちらに向かいつつあるわけですが、上の写真には入っていない、もっと左側にも峠があり、そこの部分で越えても、同じ谷(=峠の反対側の谷)に戻ってこられるんです。


今までにこちらに来た時も「へーっ、いつかそっちを通ってみたいね」とは思ったことはあるんですが、なにせ普通に駐車場に向かうだけでも結構遠いので、なかなか遠回りをする気になれないのが実情です。


しかし、この日はなぜかそっちからの景色も見てみたい気が強くなり、左側へと足が向かいだしました。


カッコいいギザギザの稜線です。中央の一番くぼんでいるところが峠です。
植物(ほとんどがブルーベリーとジュニパーベリー)が減って、岩と石だらけの世界になってきました。


少しずつ急になってきます。
近づきつつ峠の部分を凝視します・・・げげっ、とんでもない急斜面に見えます(;´Д`)
遠くから見るとそんな感じがするだけで、近づくとそうでもないこともよくあるんですが、この時はちょっと怖気ついてしまいました。なにせ、初夏にプロテーゼ(人工関節)を入れた足首に不安が残るし、今回はひとりだし人もほとんど通りません。それにこの辺りは全く電波がないので何かあっても助けさえ呼べません。


大人しく、元々の予定をしていた峠(写真の真ん中)へと再び方向を変えつつゆっくりと斜面をトラバースしていきました。無駄に遠回りしてしまったけど、安全第一です(^-^;


峠の少し前でハイキング道に合流しました。


峠まで秒読みです。


ふと振り返ると・・・


ずっと遠くが雲海になっています。
あれ、じゃあもしかしたら峠の反対側も・・・(ドキドキ、ワクワク)


ワンちゃんの鳴き声が聞こえてきました。稜線のすぐ手前に大きな白いわんこが座っています。


峠に到着~
ワンちゃん2匹(さっきの子ともう一匹)に迎えてもらいました✨
牧羊犬のようです。可愛い~デカい~💖
しかし、すごい雲海(≧∇≦)


今回で書き終えるつもりでしたが、ちょっと長くなり過ぎるので一度投稿します。
お読みいただいてありがとうございました。

完全に自分ちと思い込んでる避難小屋で2泊目

お気に入りの避難小屋に2泊してのソロハイキング、2日目は周辺の湖や稜線をゆっくりと散策して夕方避難小屋に戻ってきました。


1か月以上前の話なので、まだ日が長いときでしたが、寒くなる前に小屋前で早い目の夕ご飯にします。小屋前には岩に板を置いたベンチはあるものの、テーブルはないので大きな平たい岩をテーブル代わりにして地べたに座って食べました。


サラミやチーズといったスタメンに加えて、いいものがあります。
かっぱえびせん・・・


かっぱえびせんもどきのスナック菓子。
しかし、チリ・フレーバー✨


タイ製なので、ほにゃらほにゃらした文字がいっぱい書いてあります(^-^;
やはりかっぱえびせんを意識しているのでしょう、思いっきり桜と日本のお城の絵がパッケージの裏に描かれています。


スープは最近よく登場する東ヨーロッパの国のやつ。毎回書いていますが、どれも結構おいしいのです。ただ、現地語のパッケージにドイツ語訳のシールが裏に貼ってあるのみでフランス語でも英語でも表記がなく、(写真で大体想像できるとはいえ)正確には何味なのか、原材料は何なのかが分からないのが玉に瑕です。そもそも、フランスに輸入して販売されている商品にフランス語表記がないということ自体、許されることなのかちょっと気になります💦


自宅の冷蔵庫の隅っこに忘れられていて固くなってしまった山羊チーズ。水分が減った分、夏場のハイキングで長時間持ち歩いても大丈夫なので助かります。


ご飯を食べ終わった後、小屋内に戻ってハーブティーとクッキーをいただきました。


小屋内の思い出ノートに目を通します。
あ、冬に来てる人もいる~羨ましい・・・足首に大怪我をして以来ずっと来ることができなかったこの避難小屋、今回カムバック出来て嬉しいけど一度山スキーでも来てみたいな、との思いが膨らんできています💖


イラストを残す人もいます。


ドアからの景色をなんと水彩画で画いている人も。
絵具持参でハイキング!?色んな方がいるもんですね(*^^*)


扉のちょうつがい側に布団が掛けてあるのを、昨日は「乾かしてるのかな?」と思って見ていたのですが、このように隙間風を防ぐのに使われるみたいでした。


今回、ヘッドランプは持って来てるけど、荷物軽減のため置くタイプのランプは持ってきませんでした。
ライトをつけた携帯の上に水を入れたペットボトルを乗せるとかなり明るくなります(^^♪
(^^♪ 


11時前の空。
前夜は明け方に目が覚めると、お月様が煌々と明るくてお星さまがあまり見えなかったので、今日は遅くまで起きてました。
これは窓から撮ったものです。そんなに寒くはなかったけれど、外に出るの面倒くさい😅


肉眼でもそこそこ見える天の川✨


翌朝は6時半に目が覚めました。


携帯のライトをつけたわたしのベッド💖
ちなみに2泊目も他に誰もおらず、完全に独り占めしちゃいました。


小屋の入り口前から。
高いお山で目覚めて外に出たときの、日が昇る前の凛とした空が好きです。


ふたつあるうちの一つの窓からの景色。


昨日集めたブルーベリー。ネズミに食べられないように高いところに引っかけておきました。


ここに着いてから毎回の食事を外でしていましたが、最後のご飯は小屋内のテーブルで食べることにしました。


とっても長いテーブルの端っこにポツンとしています(^-^;


パンばかりで飽きてくるので、シリアルを持ってきました。自分でカスタムしてるシリアルです。シリアルは大好きで、中学生くらいの時から市販品を混ぜたり、ドライフルーツ、ナッツ等を足して好みの味にする習慣があります( ̄▽ ̄;)
そして、ハイキング用にはあらかじめスキムミルクを混ぜてきているので水を入れるとほぼ牛乳を入れたような感じになります。
ブルーベリーを入れているボウルは避難小屋のものです。


ブルーベリーをシリアルに入れつつ食べました。ブルーベリーの方がシリアルより量が多かったです😅


最終回に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

ほぼ無人の山奥でも出会いがあった

1か月ちょっと前のソロ2泊ハイキング記、2日目午後の続きです。


ランチ休憩をした湖。
この湖に2017年5月後半にひとりで来た時👇


融けかけた湖面が美しかったです。


ご飯を食べ終わった後、湖畔まで下りてきました。


ランチを食べてる時に、湖の対岸に一人のハイキング客がいました。
この日、午前中に羊飼いさん、小川で釣りをしていた兄さんと口をきいた以外は誰とも出会っていませんでした。


わたしが立ち上がる少し前にあちらも歩き始めていて、ちょうど湖の畔ですれ違ったので、挨拶をしてそのまましばらく話をしました。
地元の方だったので、ここらへんの地理にとても詳しく色々教えてもらっているうちに、気付けば15分くらい立ち話をしていました。
このBさんという方とは連絡先を交換し、「また近々一緒にハイキングしましょう」と言って別れました。しかし、同時に「僕はハイキングと同じくらい狩猟も好きで、あと2週間したら解禁になるから向こう1か月くらいは毎週末狩りに行くんだけどね」ともおっしゃってました(^-^;


先ほどの湖よりも少し低い位置にある湖。地図を見るとこちらの方が若干大きいようです。
Bさんとはほんの少しだけ一緒に歩いたのち、方向が違うので別れました。
わたしは避難小屋に、Bさんはわたしが来たのとは反対の方向にある駐車場へと向かいました。


低いほうの湖に到着しました。
少し曇ってきているので、湖の色も暗い感じになっています。山の中の湖の色は空の色にかなり左右されるように思います。

同じ湖、2018年の5月後半
👇

この時は次男と一緒でした。

前年と全く同じ時期でしたが標高の低いこちらがようやくほんの少しだけ解け始めたところだったので、上の湖は完全に凍っているだとうと思って上まで行きませんでした。


下の湖から少し歩くと、テントが張ってあるのを見つけました。
いいな~💖my別荘も捨てがたいけど・・・


水たまり的な小さな湖が最後にありました。


相変わらず、ブルーベリーだらけなので・・・


避難小屋への帰り道、ちょっと本気出して(≧∇≦)集めてみました。


避難小屋をきょろきょろと探してみます。
あ、あった♡

ただ、避難小屋はここと同じくらいの高さにあるものの、一度川まで下りたのちまた登る必要があります(^-^;


振り返って。
道でもなんでもない急斜面を下りてきました。


川は上から見てると簡単に渡れそうな気がしていたけど、なかなか難しいです。渡れそうなところを探しつつ上流に向かって歩き始めました。


5分くらい上流に向かって登って行ったここら辺がなんとか行けそうだ、と勇ましく臨んだんですが、歩幅は足りていたものの岩がぬめっていたため、ズルリと片足が川の中に(・・;)
漫画のような展開に自分でもびっくりです。深さ30~40センチくらいあったので、靴の中に思いっきり水が入ってきました。冷たい(>_<)


この後、もっと狭い小川を越えて小屋を目指して登っていきました。


小屋はもうすぐそこです。
ぐっしょりと濡れた右足が気持ち悪い・・・


ようやく「我が家」へ帰ってきました。


幸い、靴下の替えは持って来ていますε-(´∀`*)ホッ
濡れた靴下は小屋内の洗濯紐に吊るしておきました。


2日夕方~夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。