フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ピレネーの稜線で迎えるマジックアワー&夕食

山スキー上級者のふたりの友人とピレネーで2泊スキーハイキングをした時のお話です。


2日目は周辺をぐるりと回るコースをピレネーに詳しいEさんが考えてくれていました。
これは山頂近くの峠にて。


冬山初遠征のピレネーは景色は良いし、人も少なく、この日は1日ウロウロして誰ともすれ違わなかったばかりか、2週間以上も前に積もった雪だというのに、誰かが登ったり滑ったりした跡さえ全くありませんでした。アルプスではちょっと考えられないです。


左奥の峠から下りてきました。
この日は何度も登ったり、下りたりを繰り返しました。今からまた登るのでスキーにシール(滑り止め)を貼ります。真っ最中のEさん。


いつもは歩くのが早くないYさんが珍しく随分と前を歩いています。
というのも、この少し前にわたしが「スマホがない!」とパニックになり、少し前に転んだところまで探しに行っていたのをEさんが待っていてくれたのでした。幸いそこで見つかりましたが、「もし見つからなかったら俺が明日、朝一番に探しに来る」とEさんが言ってくれていました(;^_^A 頼もしい✨


またちょっと急になってきたのでキックターンで登り中。
今までわたしは行き当たりばったりな動作でこれをやっていたのですが、この日の午前中に「そんなことではいけない。これは基本のひとつなんだから」と厳しく訂正してくれたEさん。感謝していますm(__)m


急斜面を登り終わると、とんでもなくファンタジーな感じの平たいところに出ました。
お日様が低くなり雪の表面を照らして幻想的でさえあります。


少し先でYさんが待っていてくれました。
早く行きたいんだけど、フォトジェニックな木があるので写真を撮らないわけにはいきません。ちょっと待ってね~💦


うわ、もうなんか💦
わたしたちみんなまとめて祝福されている感じです(T_T)
景色の良い高いお山では昼間でも絶景は絶景だけど、朝夕のお日様の低い時間帯の雰囲気は特別だと思っています。


ついに日陰になってしまいました。
・・・てか、まだ登るの!?


夕方って大体、雪山の場合は特にもう下山してることが大半なので夕方にこんなに高い位置にいること自体珍しいのですが、この時間帯に登ってる最中ってのはとても珍しい状況です(;'∀')


きりの良いところまで登り切りました。
広い稜線になっています。
Eさんが撮ってくれていたわたしとYさん。


で、同じ時にYさんに撮ってもらった1枚。


ちょっと久しぶりなマジックアワーのグラデーション。
最後に見たのは年末に息子たちと避難小屋1泊ハイキングしたときだったと思います。冬ってさすがに、泊りがけでハイキングすることが少ないんですよね・・・そしてこの色をお山の高い位置で楽しむにはやはり、泊りでないと難しいように思います。


EさんとYさんを撮ってあげました。


5秒間の動画で👇

Sunset in the Pyrénées
スマホをぐるりと一周させましたが、ふたりを待たせていたので焦って慌ただしいスピードで回しています😅


目に焼き付けたい、美しいピンク色。


傾斜の少ない広い稜線をしばらく進んだところでEさんがシールを剥がしています。
ここから左手の斜面を一気に滑り下ります。
わたしには少し急でしたが、まだ雪が固くなりきっていなかったので(日が沈むと同時に表面が凍り始めます)、何とか滑ることが出来ました。


暗くなる前に、無事避難小屋に戻ってくることが出来ました。


避難小屋の中の気温は外とほとんど同じです。
急いで暖炉に火を入れます。


濡れたスキー靴のインナーを乾かします。


ご飯の準備に少しかかるので、まずはすぐにつまめるものということでチョリソーを出してきました。スペインに入った日にスーパーのお肉コーナーでスライスしてもらったものです。とってもおいしい✨


もう足が冷えてならないので、焚火に当てて温めます。
左の鍋には雪が入っていて、融かして水にして飲み物や料理に使います。


火の近くの石に鍋は置いていたのですが、効率よく温まらないので、小屋の片隅にあったグリルを石で固定して鍋を乗せました。これでだいぶ早く温まりました。


雪が水に、水がお湯になって沸くのを待って昨日の鶏のローストの骨を入れます。
これで出汁をとって、中にお米を入れてスープにします。


鶏肉も結構残っていたので、鍋に放り込む前にしっかりとむしっておいて、フライパンで温めます。


これだけありました。
フライパンの底は煤だらけなので避難小屋にあったキッチンペーパーを敷いてから、お皿に乗せました。


暗闇ディナー( ̄▽ ̄;)
避難小屋の晩ご飯って大体こんな感じです。
ロウソクの火と、ヘッドランプの灯り・・・


3日目に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

スペイン遠征2日目・本日の頂上へ

山スキーが上手なふたりの友人とスペインにスキーハイキングしに行った時のお話です。


避難小屋に泊まった翌日、ハイキング中にたまたま見つけた別の避難小屋前でお昼ご飯にしました。


ランチ後は、奥の峠を目指して再び登り始めます。


ガンガンに飛ばすEさん(・・;)
誰かさんを彷彿させます・・・
あ、わたしの山スキー師匠のOさんです。


負けじと必死で距離を縮めるわたし。
いや、競争と違うって(^▽^;)


熱くなったふたりに遅れをとってるYさん。


うわ、めっちゃ急になってきた~
ここ登りきると峠に着くような予感がする✨💦


違った~_| ̄|○
偽ピークならぬ、偽峠でした。結構よくあります(;^_^A
でも、本物の峠までもうすぐのようです。


着いたぁ~(*´▽`*)


こんな写真も出てきました。
手前の斜面、ズルズルと滑るのでスキー用アイゼンをはめていたようでした。日が経ちすぎてすっかり忘れていたけれど(^-^;
スキー用アイゼンは雪の表面が凍っているときによく使いますが、今回のように雪が柔らかい急斜面を登る時にも役に立ちます。



Eさんとおやつを食べていると、Yさんが到着しました。

ここから二人は左手にある山頂に登るといいます。上の方が結構岩が露出していたので、わたしは遠慮して右側のしっかりと雪が覆っている山頂に行くことにしました。そちらの方がだいぶ低くもあります。


これは先に登り始めたEさんが峠のYさんとわたしを撮ったものです。
左半分に写っているのがわたしの「本日の頂上」です( ̄▽ ̄;)


雪は柔らかくてよい状態です。
とっても滑りやすそう。


山頂にあっという間に着きそうです。
ふたりに付いていけばよかったかなとチラリと思いました。


不思議な足跡が(・・;)
鳥さんかとは思うのですが、あんまり見ないパターンの足跡です。


これはEさんが撮った山頂近くでの一枚。
モン・リュードという名前の、2517mの山頂だそうです。
ある程度馴染みのあるアルプスと違って、ピレネーは地名も山の名前も全て初めて聞くものばかりです。これはピレネーのスペイン側でしたが、フランス側であってもあまり変わりありません😓


わたしのほうが先に峠に戻ったので、山頂から下りてきたYさんを撮ってあげることが出来ました。


前を行くEさんと、少し後ろのYさん。
ふたりとも上手でカッコいいです♩
この後、さきほど登ってきた峠を下ります。


Eさん撮影の一枚。
奥の峠から滑り降りてきました。
ここ、とっても気持ち良かったです✨


ひとつ上の写真の真ん中らへんくらいでわたしが撮ったものだったと思います。
写っているのはYさんです。
地形をよく知っている、また経験も一番豊富なEさんがほとんどのところで一番前を滑っていました。


夕方~夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

ピレネーで貸し切り山スキー

友人ふたりとピレネー山脈のスペイン側で避難小屋に2泊して山スキーをした時のお話です。1日目は、避難小屋近くでスノーモービルを乗り回していたカップル以外は誰にも出会いませんでした。

そして、なんと2日目も朝から夕方までハイキングをして、誰ともすれ違うことはありませんでした。


避難小屋から1時間弱登ってきた稜線。
小屋の周辺はスノーモービルの跡だらけでしたが、稜線以降は誰かが登ったトレースも滑った跡もゼロだということに驚かされます。
新雪の翌日とかならまだしも、この時期は確か2週間以上雪が降っていなかったはずなのです。ピレネーはアルプスに比べてスキーヤー密度が低いのでしょうか・・・


EさんとYさん。
わたし達のトレース以外は動物の足跡のみです。


足跡の写真を撮るEさん。
環境保護関係のNPOの活動をしていて、スキーやMTBの趣味の時間にもいろいろ観察するんだそうです。


初ピレネーが嬉しすぎるわたし(*^^)v
少し前まではこんなところに山スキーで来られるなんて考えもしませんでした。


地形と雪の状態を確かめつつ、滑り下りるコースを考えるEさん。
山スキーの経験が豊富なので信頼しきってます(^▽^;)


2週間以上も前の雪にしては全体的に状態は悪くないものの、地形によって日の当たり方、風の当たり方が違うため柔らかいところ、硬いところ、柔らかいように見えて、ほんの4,5センチ下は凍っているところ・・・などと色々です。
遠くから見た雪の色?や模様からでも、雪の状態が大体想像できるものだと最近ようやく分かってきました。今までは下りていく先の地形を見るだけで必死で、そこまで余裕がありませんでした(;^_^A


下りてくるわたしをEさんが撮ってくれていました。


平たいところに到着して、下りてきた斜面を見上げて。
わたしにとっては難関な急斜面でしたが、雪の状態が良かったのに助けられました。まだ日陰になっていることからも分かると思いますが、北向きの斜面なのです。日当たりがよい斜面ほど表面がよく融け、それが夜には凍る、と繰り返すので状態が悪くなりやすいのです。


平たいところを少し歩いたあと。また登ります。当然、また滑り止めを貼りました。


おなじみのジグザグ登りです。
この日は3,4度滑ったり、また登ったりを繰り返しました。


正面の中央やや右の切れ目みたいになっているところから、奥へと進むようです。


切れ目っぽいところから奥に進みました。
さらに正面のお山の左、峠っぽくなったところを越えるんだそうです。
この少し左側に目を向けると・・・


あれっ?
小屋が2軒ありますよ?避難小屋好きなEさん??


遠回りになるのに、もちろん見に行くEさん( ̄▽ ̄;)
当然ですよね♩避難小屋好きが見逃すはずがありません。
わたしも気になる✨
遠くから見ていると、木でできた左の小屋が羊飼い小屋(放牧期以外は避難小屋として使えるかも、な)でその右の石造りのほうが放牧に必要なものを片付ける物置小屋かな、と思ってたのですが・・・


こちらの小屋は物置きでした。


んじゃ、愛想のない!?こっちが・・・?


ドキドキの瞬間です。
あ、鍵はかかっていない✨


質素ながら、避難小屋として使えるようです。
屋根裏チェックしてるわたし(^▽^;)
これはEさんが撮っていたものを後日送ってきてくれました。


屋根裏、こんなでした。


ここもわたし達が泊っている小屋同様に暖炉がありました。


注意書きのようなものがありました。
あいにくスペイン語は全然分からないのですが、おそらくきれいに使いましょう、的なことが書かれているんだと想像します。


Eさんとわたしのスキー。
トゥールーズに住んでいるので、ピレネーは十分に活動範囲内だというEさんは「泊まりに行きたい避難小屋」リストに入った、と言ってました。


途中、ペースダウンしてついてきていなかったYさんもやって来たので小屋前でお昼ご飯にすることにしました。


チーズがうちから持って来たもので、ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ、それと知人が作っているチーズです。それ以外はスペインに着いてから買いました。


半端なくおいしい生ハムをパンに乗せて。
小ぶりなドライいちじく、そしてトゥロンと呼ばれるカタローニャ地方名産のヌガー。
いつもと同じで手抜きご飯だけど、いっぱい歩いてお腹が空いているし、きれいな景色を見ながらだと最高においしく感じられます。


午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。