フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

標高1883mの村の民宿へ(メルカントゥール)

3泊4日で出掛けた南仏メルカントゥール国立公園。2泊は山小屋、3泊目は下界に下りて民宿に泊まります。
ハイキングから下りてきてすぐに立ち寄ったツーリストオフィスで近くに羊チーズ農家があると教えてもらったので車を停めている地点まで行く前に寄り道していくことにしました。幸い、村からは徒歩10分ちょっとという至近距離です。


農家の入り口に掛けてあったボード。販売している商品が書かれています。
・トム・ド・ブルビ(羊の大きいタイプのチーズ)
・ヨーグルト
・フレッシュチーズ
・(さらにフレッシュな)水切りしただけの生チーズ
・ブルッス(コルシカで作られているようなタイプのフレッシュチーズ。コルシカではブロッチオとも呼ばれる)


本年度のコンクールで銅メダルを受賞しているようです。チーズ関係では最も権威があるとされるパリの農業祭でのコンクールのものです。


さて、先ほど「今から行きます」と電話はしておきましたが中に入ってみます。


若い女の子が作業する手を休めて対応してくれました。
トムは日持ちのする既にある程度熟成されたチーズです。うちに帰るのは明日の夜になりますが、このような水分の少ないチーズの方が長時間の運送にも耐えることができそうです。大小あるトムのうち小さいものをふたつ、どうしても気になったフレッシュチーズひとつ。もしうちまでもちそうになかったら明日お昼にでもピクニックで食べてしまえばいいことです(;´∀`) 
あと、、それから、、羊ミルクのヨーグルト、食べたい~~しかも底にブドウジャムが入ってるそうです。山を下りる途中、フレッシュなフルーツが無性に食べたくなってたのですが(下界は猛暑…一応標高1200mあるんだけど)、フランス産でもない桃がやたら高かったので諦めたところだったので、代わりにこのヨーグルトをおやつにすることに(^^♪
買って外に出てから食べようと思ってたら、お姉さんが「ここは涼しいからその椅子に座って食べてくれていいですよ」とスプーンと水の入ったコップを持って来てくれました。優しい・・・(;'∀')


よく、ブログでひとくちパクっといったのを写真に撮って「食べかけで失礼」ってのがありますが、ものすごい勢いで食べてしまい半分しか残ってない写真って・・・(*_*)


さて、買うものも買ったし民宿に向かいます。まずは車を停めてる県道沿いのパーキング(かどうか分からないけどスペースがあった)まで行かないと。この農家からは村を挟んで反対方向なんですね、残念ながら・・・
試しにグーグルマップで徒歩で何分かかるか見てみたら50分と出ました(;´Д`)
仕方ない、これもハイキングの続きだと思って歩こう・・・もし車が通りかかったらヒッチハイクという手もあるか・・


今日は山から1800m下りてきたので既に膝がガクつき気味です^_^;


彫刻の入った素敵な水場があったので冷たい水を飲んでおきます。


暑い・・・日影がない・・・
そして車はほとんど全然通らないです。恥もかなぐり捨ててヒッチハイクする気満々なのに・・・反対方向には4~5台行ったのですが、こっち側は一度キャンピングカーが1台(無理だろ・・)、5人乗って満員の車が1台通ったのみ。もう諦めて自力で車まで行くか、と思って歩き続けていると・・・


白のBMWの四駆がすうっと停まり、運転席のおじさんが英語で「ブジエラス村の民宿まで行くの?」と聞いてきました。中学生くらいの男の子が助手席に乗っています。
なんで分かったんだろうと思いつつも、怪しい英語で自分の車があと2キロほど先に停めてあることを説明し、そこで降ろしてもらいました。ブジエラス村はさらに車で20分くらい先だよ、と立ち去りつつ教えてくれました。


は~~助かった。
ザックの隣の紙袋は羊チーズが入っています。民宿の冷蔵庫に今晩入れておいてもらおうと思います。それに水の入ったペットボトルを凍らしてもらえば、明日の夜うちに着くまで大丈夫そうです。


メルカントゥール国立公園の看板が道路わきに。ただし、厳密な国立公園エリアはもっと山の中からです。


出発2日前に大急ぎで予約した民宿で、位置する村も地図でざっとは見て距離の感じは把握してたつもりだったのですが、高度差がありました(*_*) ハイキングから下りてきた村は標高1200m台なのですが、民宿のあるブジエラス村は1883m(村の一番低いあたりで)もあるのです。つまり、車でぐんぐん上がっていくことになります。


着きました。…ちっちゃ!!


教会と民宿・・・それだけです。あとは民家が数軒。


民宿は泊まらなくてもレストラン、カフェとしても利用できるようです。
前を車で徐行していると、テラスには先ほど車に乗せてくれたおじさんが!「ほら、車はそこに停めなさい」えっ、民宿に泊まってる外国からのツーリスト?と思ったらなんとここのご主人でした。わたしが電話で予約した時に対応したのは奥さんでしたが、この日外国人のハイキング客がひとり夕方に到着予定、というのを知っていたので道路をわたしが歩いてるのを見かけて「絶対この人に違いない」と思ったそうです^_^;
ちなみにわたしが外国人だからダイレクトに英語で話しかけただけで、ご主人は普通のフランス人。カナダに10年以上住んでいたので流暢な英語を話されるみたいでした。


わたしが到着したのは夕方6時前という中途半端な時間だったのにも関わらず、テラス席で中年のご夫婦が食事を終えるところでした。そして民宿の夫妻にものすごい勢いで料理を絶賛しています。そういえばお昼にまだ山にいた時、山小屋のオープン準備をしていた人たちに「ブジエラス村の民宿に泊まる」と言うと「あそこいいよ。ご飯美味しいしな。チーズバーガー、絶品!」と。そして先ほどチーズ買った農家の女の子も「ああ、あの民宿はうちのお客さんでもあるし夫妻とは友達よ。ご飯、美味しいわよ」・・・既に今日、2回もいいコメントを聞いていたのでした(*'▽')
いいとこ予約したみたいです(≧∇≦)


「トム・デュ・ペイ(地元のチーズ)」と「フェセル・ア・ラ・ジュレ・ド・レザン(ブドウのジュレのかかったフレッシュチーズ)」のふたつがどうやら先ほどの農家のもののようです。
料理やデザートも僻地(‥失礼)とは思えない気合の入りようです。
「鴨ロースと山羊チーズ入りサラダ」
「クラシックなチーズバーガー」
「ブジエラス村風チーズバーガー」
「栗とチョコレートのショー・フロワ(暖かいのと冷たいのが混じったデザート)」
「ブルーベリーのクラフティ―」
・・・夕食が楽しみです(#^^#)


部屋に通してもらいます。
ハイキング客がほとんどという土地柄なので、民宿内を泥だらけにされれは困るということでしょう、屋内用にはビーサンやスリッパが準備されています。


ちなみに相部屋方式の民宿です。普通の民宿よりも安いという利点があります。
とりあえず、3日振りのシャワーです(;´∀`)
荷物を部屋の棚に片付けます。まだ夕食まで時間があるので1階に下りてみます。


なんとっΣ(゚Д゚) エーデルワイスが鉢植えになっています。そんなのあり??標高が高い村だからこそ可能なんだとは思いますが・・・


オレガノとバーベナを乾燥させている最中でした。


ご主人。コックコート着てえらい本格的・・・と思ったら元々料理人だそう。この民宿を3年前にオープンする前は近くのもう少し大きな村で奥さんとレストランを経営しておられたそうです。
夕食の下準備が一段落ついたご主人が「面白いものがあるんだよ」とテラスに案内してくれました。


民宿の真向かい、谷を挟んだ反対側の山にヒゲワシ(ジペット・バルビュ)の巣があり、親鳥がヒナを育てている最中なんだそうです。ここは観察に絶好の場所だそうなのですが残念ながら餌を探しに行ったかお散歩中かで巣の中には見えませんでした。その代わり、山の斜面にいるシャモアを観察することができました。


この日はわたしの他にフランス人の母息子、若いドイツ人カップル、オランダ人の中年男性ふたり組の計7人の泊り客がありました。オランダ人ハイカー達から「思った以上の雪に手こずってて到着が遅れる」との連絡が入ったようで夕食は7時半くらいにずれます、とのこと。めっちゃお腹空いてるのに頼むで(;´Д`)


オランダ人、7時過ぎに到着したのでほぼ予告通り7時半過ぎには食卓に。
お待ちかねの料理は・・・
・ズッキーニ入りパイ。パイ生地も手作りでサクサクカリカリ💖
・ほろほろ鶏のセップ茸ソース 
・カフェのメニューにも載ってた栗とチョコレートのお菓子。熱い栗ケーキが一番下に、チョコレートアイスクリームとホイップクリーム😻
・・・そこらのレストランよりよっぽど美味しい~~ド田舎(・・失礼)の民宿とは思えません。夕食・朝食付きで39ユーロでした。


チャーミングな奥さん。
オランダ人とドイツ人、ビール飲みまくり(^-^;



山の中で目覚め、朝いちばんにモン・テニブルに登ったのが同じ日とは思えないほど充実した1日でした。めっちゃ疲れたので早く寝ます(;´∀`)


最終日である4日目に続きます♫

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