フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

今シーズン初めて雪どけの湖を見に行く

今から調度1週間前の日曜日のハイキング記になります。晩ご飯に友達をうちに招待していたのでその準備もあるし早く帰って来たいので半日で帰って来られるお手軽コースを選びました。行き先は比較的近いベルドンヌ山塊南部。北部になると高速道路からして方向が違い、時間的にも2時間以上かかってしまうのですが南部は1時間半から2時間弱で行くことが出来ます。


標高1283mの駐車場に着いたのは5時半過ぎです。
なんと既に7、8台の車が停まっています。晴天の予報の日曜日で、しかもかなり大きな町であるグルノーブルから30分ちょいで来られるので人気があるエリアです。向かいの黄色い車の人はスキーを準備中。山スキーヤーさんのようです。


わたしがいつも通り準備にやたら時間かかってると、また1台車やって来ました。
おそらくみんな山スキーヤーさんなのでしょう。日が高くなってお日様が照りだすと気温も上がって雪の状態が悪くなるし雪崩も起きやすくなるので、彼らはめちゃくちゃ朝早いです。夜明け前後に歩き出してお昼くらいには帰って来るという人も多いです。


わたしがこんなに早く来たのは
①友達を迎える準備があるから早く帰りたい
②朝のお日様の低い時間帯にしか見ることのできない景色を見たい
という理由があるからで、普通スキーでないハイキングの人はもう少し遅く来ると思います。 


しかし、山スキーヤーさんがまだこんなにいるのか。。つまり雪まだいっぱいあるってこと??今日は行き先はっきりとは決めていないんですが、とりあえずは1974mの地点にある湖までは行く予定です。今年は雪が多かったので、今ごろこれくらいの標高の湖がようやく氷が融けつつあるんではないかと推測してのことです。2000mまでならそんなに雪ないんじゃないか、あってもスキーやスノーシューで散々踏みならされて歩きやすくなってるんじゃないか、とポジティブシンキングでスノーシューは車に置いて行こうと思っていたら(一応車には積んでる。ピッケルとかも)、後から来た車に乗ってた二人組のおじさま山スキーヤーが「えっ、湖着く前から雪いっぱいあるよ。その先も行くんだったらスキーかスノーシューなかったら歩けないよ」と・・・
結構長そうな雪のない森の部分をスノーシュー、ザックに引っかけて歩くというザ・春の雪山ハイキングになってしまいました😅


1200m台は全く雪がありません。ただし結構最近まで雪があったのでしょう、雨は最近降っていないので恐らく雪融け水で地面がぬかるんでいました。
一度出発してすぐ、車にプロトレック(高度計付き腕時計、かさが高いので外して運転してた)を忘れたこと思い出し、一度戻ってる間に二人組おじさまに先を越されました。でもどうせ抜かされるので(ほとんどの男の人はわたしより登るの早い)その方が気が楽…


向かい頭一つ出っ張っているのはシャルトルーズ山塊の最高峰、シャムショウド。2082mと決して高くはないものの存在感があります。


さらに進むと・・あれ、案外おじさまたち歩くの遅い・・・そっか、スキー板やスキー靴しょってるから重たいんでしょう。わたしもスノーシュー重たいけど比べるとまだましです。よっしゃ、抜かしてやる~! いっつも雪のあるところでは山スキーヤーに抜かされるので(下りは当然だけど、登りでも💧)、仕返しじゃい( ̄▽ ̄;)


ブルーベリーの木が新芽を息吹かせていました。


シャムショウドの他のシャルトルーズの山も見えてきました。


さらに北に見えるのはボージュ山塊です。こちらもそんなに高くはありませんが、シャルトルーズよりはもう少し高い目になります。
・・・と写真を撮るのに何度か立ち止まってたんですが、下からおじさま二人の話し声が聞こえるとドキっとします。「一度抜かしたからには抜かし返されてはいけない」・・・妙な競争心が芽生えてきました。というか、結局早く歩けないくせに張り切って抜かした、という状況が耐え難い(;´Д`) ようし、大差をつけて引き離してやるぜ!勝手にライバル扱いしてどんどん登っていきます。


はァ、はァ。。なんで無理してこんな大急ぎで歩く必要があるんでしょうか・・・
1400m台、残雪が少し現れ始めました。


しばらくするともう切れ目なしで雪が残ってるエリアに入ってきました。トレースはしっかりあるのですがトレース自体、幅が狭く急斜面のためザックに引っかけていたポールを伸ばして使い始めました。これだけ幅が狭いとスノーシューでは歩きにくいのでもう少しスノーシューなしで歩き続けます。


空が朝のピンクに染まってきれい。今の時間限定の贅沢です。もちろん夕方もきれいですが、気分的に遅い時間に山を下りるのは緊張するので、朝日の方が理想的です。最近日が昇るのが早くなってよっぽどうちを早くに出ないといけなくなってきましたが。


うっとりです。また一枚、少し登ってはまた一枚、と何度も立ち止まります。
・・・( ゚д゚)ハッ! いかんいかん、奴らに追いつかれてしまう!(勝手に奴ら扱い)ダッシュで立ち止まった分の遅れを取り戻せ~!!


そんなことしてると、35分で400m近く登ることが出来ました( ̄▽ ̄;) やればできるじゃん😅 いや、長続きしないですけどね・・・


もう敵が追って来ないことを確認し(いや、敵でもないし・・・)、歩く速度を緩めます。わたしはトレランしに来てるんじゃないぜ~(≧∇≦) 第一、雪の量もどんどん増えてきて早く歩けません。


夏の代名詞(のひとつ)野性のルバーブがあちこちに生えだしていました。もうじきルバーブ畑のようになってしまうんでしょう・・・


おお。。シャルトルーズが神々しく浮き上がっています。


その支配者、シャムショウド。
長く続かない朝の神秘的な時間帯です。早起きしてよかった・・・


まだ木はボチボチありますが、森らしい森はさっきのところでおしまいです。


かなり急な斜面を登っていきます。


ここでようやくスノーシューの登場です。


嫌でも岩々の合間を通ることになりますが・・・


岩の周辺って踏み抜き率高いからほんとイヤ。しかし、結構厚く積もっています。確かこのあたりちょろちょろと小川が流れてる辺りです。


誰かが少し前に踏み抜いた跡・・・深くて奥がよく見えないくらいです。たぶん膝か太ももくらい。踏み抜いたら下は小川ってのはやめて欲しいパターンです。。


右上の窪んだ地形の辺りに向かって歩きます。


しかし・・・晴天の予報だったけど曇ってるなぁ・・・時々青空は覗くんですが、また雲が奥からどんどんやって来ます。


急です。ヒーーッ(;´Д`)


でももうちょっとな感じです。直に登ってたけど息切れして最後らへんはジグザグに。


シャルトルーズの真上は晴れてるんだけど・・・
実は今日の行き先、ふたつ候補があってもうひとつはシャルトルーズで2番目に高い山の頂上から雲海を眺める、だったんですが雲海は出るかどうか分からないし、湖の氷が融ける時期はそう長く続かなので少し迷った結果、こちらに決めたのでした。


間もなく到着のはずです。融けてるのか・・凍って雪を被って真っ白なままなのか・・・ドキドキです。


あ~っ、嬉しい、ちょっと融けてます😻
これは広い湖の手前の部分。奥がもっと広い湖になっています。


湖の周りをまず手前からぐるっと回ります。テントが設営されています。いいなぁ、こんな絶景のところでキャンプ✨


湖に近付き過ぎて落ちないように気を付けながら右へと進んでいきます。


いや、近付き過ぎないようにって・・ほら、落ちたら冷たいから(~_~;)
水色がきれくてついつい間近で見たくて近付いてしまうのでした。


雪が底に残ってない部分は水色になりません。


湖畔に沿ってぐるーっと回ってると朽ち果てた避難小屋?が。


少し高いところに登ってきました。こちらが湖のメインの部分です。融け始めたところですね。クロゼ湖(1974m)、夏はファミリー層をはじめハイキング客で賑わう人気のある湖です。


なんか氷河とか流氷とか北極・南極とかそういう単語が連想される光景です。


散々周りをグルグル歩いたので、満足。まだ8時にもなっていないのでこの先に進んで行こうと思います。ちなみに宿敵ふたり?には湖の写真撮ってる時にとっくに抜かされました( ̄▽ ̄;)
トレース(主にスキー)はしっかりとありますが、結構な斜面をトラバースしていくことになるので滑り落ちないように気を付けます。


しばらくすると少し急なところがまずあって・・・


それを越えると斜面の傾斜がましになり、トラバースが楽になります。
気がつくと、先ほどまでの雲はどこかに消えてしまい、ほぼ青空になっています(*´ω`*)


クロゼ湖を振り返って。奥には常にシャムショウドなどシャルトルーズの山が見えていますが、先ほどの天からスポットライトを浴びたような特別な光は消え失せてしまいました。


わたしが目指していた辺りのもう少し右上の辺りから山スキーヤーがひとりシャーっと滑り降りてきました。カッコいい💖随分早くに出発したんだろうな・・・
もう5月なのに、たかだか標高2000mそこそこでまだこんなにスキーができちゃうんですね。


次回に続きます。

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